高等学校学習指導要領
工業科編
(試案)
昭和26年(1951)版
文部省

 

目  次

ま え が き

第1篇 工業課程一般篇

 

第1章 高等学校における工業教育の目標

第2章 工業課程の構成

第3章 学習指導計画

第4章 学習結果の考査

第2篇 各課程篇  

第1章 機械工作課程の指導計画

第2章 自動車課程の指導計画

第3章 電力課程の指導計画

第4章 電気通信課程の指導計画

第5章 建築課程の指導計画

第6章 土木課程の指導計画

第7章 木材工芸課程の指導計画

第8章 金属工芸課程の指導計画

第9章 化学分課程の指導計画

第10章 色染課程の指導計画

第11章 紡織課程の指導計画

第12章 造船課程の指導計画

第13章 窯業課程の指導計画

第14章 採鉱課程の指導計画

ま え が き

 この学習指導要領は二つの篇からなりたっている。その第1篇は,工業教育一般について,すなわち,工業課程一般の目標,その目標を設定するための原則,教育内容の選択配列,職業分析,学習指導計画の作成等について述べてある。この第1篇は,第2篇の各課程篇のための基礎となる部分で,各課程を構成するための一般的原則を述べたものである。この篇では特に,科目を構成単位として従来どおり教科課程を構成する場合を,職業分析を実施して教科課程を構成する場合にできるだけ近づけるように努力を払ったつもりである。またこの篇には機械工作課程の例を多く引用してあるので,第2篇の機械工作課程の章とともに,どの課程を担当する教師も読まれることを希望する。

 第2篇には代表的な14の課程の例をとったが,このほかにも多くの課程が考えられるので,これらの各課程の場合を手がかりとして適切な学習指導計画をつくることを希望する。この第2節に掲げた14の課程の場合も,ここに述べてあることは一つの例にすぎないので,それぞれの学校で,その社会の要求に応じて適切な指導計画をつくることが望ましい。この書に述べられたすべての事項は,決して強いられるべきものでないことは云うまでもない。

 本書は,昨年5月に十数名の委員をもって委員会を構成してその編修に着手し,のちさらに数名の委員を加え,最後の仕上げは22名の委員をもってこれに当った。ちょうど昨年6月から第1回中等教育研究集会が全国8カ所で開催され,各地区の研究課題がこの指導要領の内容に関するものが多かったので,指導要領の部分的な案ができしだいとの研究集会に討議の材料として提出し,各地方の多くの教師諸賢の討議に付した。その結果多くの貴重な意見と批判を仰ぎ,いっそう完全なものにすることができた。さらに本年5月から開催された第2回の研究集会で職業分析の問題をとりあげ,この指導要領の完成のために多くの参考資料を得た。

 しばしば会合して討議立案する必要があった関係上,委員は主として関東地区に限られ,したがってその内容が多少かたよったきらいもないでもないが,研究集会によって多くの教師諸賢の意見をかなりの程度はとり入れることができたし,また関東では研究を便宜をじゅうぶん得られないような課程,たとえば採鉱や窯業等については遠隔の学校から貴重な資料を仰ぎ,できるだけ完全なものにし,どの地方の学校においても使用しやすいものにする努力を払ったつもりである。

本書の編修には次の委員が当った。

都立北豊島工業高等学校  校長 佐藤孝次(委員長)

同校           教諭 川畑 一

都立城北工業高等学佼   校長 徳丸芳男

同校           教諭 山崎文雄

都立世田谷工業高等学校  校長 河島武四郎

同校           教諭 畠山重信

都立小金井高等学校    校長 酒井永治

都立小石川工業高等学校  校長 赤池 憲

都立蔵前工業高等学校   校長 伏見三郎

同校           教諭 浅野三郎

都立墨田工業高校学校   教諭 山田寅男

宇都宮工業商等学校    校長 小山佐雄

都立工芸商等学校     教諭 熊井三郎

同校           教諭 岩崎 清

都立京橋化学高等学校   校長 鈴木 実

同校           教論 江部兎走

都立八王子工業商等学校  校長 遠藤民松

同校           教諭 大沼亥久三

愛知県立愛知工業高等学校 校長 草ケ谷圭司

同校           教諭 川那 鐘

名古屋市立工業高等学校  教諭 起橋輝男

愛知県立瀬戸窯業高等学校 校長 野村三治

 本書の編修に当ったこれらの委員および多くの助言を寄せられた全国の教師賭賢に感謝の意を表する。

 昭和25年8月