第8章 金属工芸課程の指導計画

1 金属工芸課程の各学年において到達すベき具体的な目標

 次に掲げる目標は,将来各種製造工場の現場に働く金属工芸製作の中堅技術者の養成を目標とした場合の例である。

第 1 学 年
第 2 学 年
第 3 学 年
 

2 金属工装課程の各科目の内容

 1.金工実習

 2.金属工作  3.機械製図   4.金工図案製図  5.機械一般  6.電気一般  7.工 芸 史  

3 金属工芸課程学習指導計画の試案

 (1)教課程の一例
教   科
第1学年
第2学年
第3学年
 
 
 
国  語
社  会
 
10
数  学
   
理  科
 
 
保健体育
小   計
16
11
11
38
 
 
 
金工実習
16
図案製図
金属工作
機械一般
 
 
工芸史
   
小   計
14
13
35
必修合計
24
25
24
73
 
電気一般
   
数  学
 
 
理科(化学)
 
 
英  語
   
総   計
29
30
26
85
 (2)学年の計画の一例
単  元
実  習
金属工作
図案製図
機械一般
工芸史
電気一般
 
 
 
鎚型作業 14 42 鎚型作業 28 鋳  型 14 平面図            
中子製作 12 中子製作 中子とその用法 投影図 12
鎚造作業 18 鎚造作業 12 鋳  造 板金展開図 22
手工板金 11 30 手工板金 24 手工板金 透視図 10
板金の接合
鎚起作業 11 30 鎚起作業 24 鎚起と燒鈍 図案と構成
造型作業 20 60 デッサン 12     図案と色彩
油工造型 30
石膏どり 造型の構成
          金属材料 20
非金属材料 12    
単位数
4(140時間)
2(70時間)
2(70時間)
           
 
 
 
彫金作業 13 64 彫  金 24 彫  金 彫金図案 20 機械の要素        
打出しと象嵌 12        
金型彫刻 26 金属彫刻 18 金  型 文字と線        
運動と力 14
貴金属宝石加工 26 貴金属宝石加工 12 貴金属と宝石 寸法記入法 10        
材料の強さ 20
研磨作業 20 研磨作業 研磨と表面処理 12 機械工作図 36        
メッキ作業 28 メッキ作業 16 メッキ作業 12 機械設計と製図 40 工作機械 18        
電鎚作業 18 電鎚作業 12 電          
工芸品の図案とその製図 30 原動機 10
着色作業 18 着色作業 12 金属着色        
機械工作 42 機械工作 30 機械工作
機械工具測定器
12            
プレスヘラ絞り作業 12 58 プレス作業 15 プレス作業 21        
ヘラ絞り作業 10 プレス用型 12        
単位数
5(175時間)
3(105時間)
4(140時間)
2(70時間)
       
 
 
 
治具・取付具 32 治具・取付具 38 治具・取付具 機械設計・製図

 

20     日本工芸史 20 電気と磁気
板金機械 16 板金機械工作 14 板金機械
機械彫刻 16 機械彫刻 14 彫刻機械 工芸品の図案とその製図 36 東洋工芸史 10 電  流 10
型彫作業 24 型彫作業 21 型彫作業
型製作 12 63 プレス用型製作 49 型設計と熱処理 14 西洋工芸史 20 電気測定 10
          ガス・電気溶接 11
ダイカスト作業 38 ダイカスト作業 28 ダイカスト 現代の工芸品 20 電気機械器具 24
腐食作業 18 腐食作業 14 腐  食
アルマイト作業 18 アルマイト作業 14 アルマイト     電動力の応用 10
電解研磨 27 電解研磨 21 電解研磨 照  明 10
防触作業 27 防触作業 21 防  触
七宝仕上げ 27 七宝仕上げ 21 七  宝 七宝図案 14  
単位数
7(245時間)
2(70時間)
2(70時間)
   
2(70時間)
2(70時間)
総    計
16(560時間)
7(245時間)
8(280時間)
2(70時間)
2(70時間)
2(70時間)
 (3)「電鋳作業」の具体的学習計画の例

A.単元の展開
単元
副単元
指導内容
学習所要時間
参考書
 
 
 
電型製作 原型準備

電型製作

 
 
 
電極加工
電  鋳 電鋳液調整  
電  鋳

電型調整

電  鋳

電鋳はこの間実習時間外に40〜50時間行う。
仕  上 水  洗

剥離整型

  
燒鈍

酸洗水洗

研磨

仕上(メッキ着色)

    合      計        18
 
 
電鋳作業
 
作  業
技術的知識
一般的知識
原型を準備する

電型用材料を配合する

原型より電型を作る

電型加工をする

電鋳液を調整する

電鋳を行う

一度液より出して調整する

再び電鋳を実施する

完了後水洗を行う

剥(はく)離調整する

燒鈍する

酸洗・水洗する

研磨する

メッキまたは着色して仕上げる

電型材料の性質

電型材料の種類

電型材料の配合

電型製作法

電導性材料の種類

電極加工の方法

電鋳液の調合製作

電鋳の方法

電鋳の試験

電鋳用諸機械

仕上げの方法

電鋳の原理

電鋳品の特性

電鋳の用途

電気化学の歴史

生産の電気化学

主なる電鋳製品

B.学習指導細案(副単元「電型製作」のうち「電極加工」)

 Ⅰ.目  標

 Ⅱ.教師の準備と活動  
石膏(こう)製電型板に黒鉛で電極加工をする。

  工具と準備                           材  料

(1)ガスコンロまたは電熱器 鑞鍋               (1)パラフィン

(2)やすり ペンチ ヤットコ ナイフ             (2)銅線

(3)黒鉛容器 厚紙 軟毛ブラシ                (3)黒鉛からげ線付

作業順序

(1)鑞煮           (2)からげ線付         (3)黒鉛塗布

 a)パラフインをなべに入    a)石膏型の周囲にやす     a)厚紙を敷き

  れ加熱し溶解さす。       り,ナイフで浅いみ      型を置く

                           ぞを付ける。        b)ブラシで型
 b)石膏(せっこう)型を                                                           の表面およ
  入れ蝋にしみこます。                  
                                                 び側面に黒  
                                                  鉛を付ける
                b)銅線をみぞに入れて      

                  巻き付ける。         

                 c)数箇所に銅線で吊下      

                  をつける。

   Ⅲ.生徒の活動  Ⅳ.結果の考査