第13章 窯業課程の指導計画

1 窯業課程の各学年において到達すべき具体的目標

 次に掲げる目標は陶磁器を主とした工業的な課程で将来陶磁器工場の中堅技術者を養成することを目的とした場合の例である。

第 1 学 年
第 2 学 年
第 3 学 年
 

2 窯業課程の各科目の内容

 1.窯業実習

 2.窯  業  3.地質・鉱物  4.炉・燃料  5.分  析  6.製  図  7.電気一般  8.図  画  

3 窯業課程学翌指導計画の試案

 (1)教科課程の一例
教    科
第1学年
第2学年
第3学年
 
 
 
 
国   語
社   会
 
10
数   学
   
理科(化学)
 
 
体   育
窯業実習
12
分   析
   
窯業地質鉱物
炉・燃料
   
必修小計
22
20
26
68
 
 
図   画
   
製   図
 
 
電気一般
 
 
工場経営
   
物   理
 
 
英   語
   
合    計
29
28
28
85
 (2)学年の計画の一例
 
 
 
 
280
単   元
必修教科および指導内容  (30単位)
選 択 教 科
学年割当
窯業実習
窯  業
地質,鉱物
時数
炉・燃料
 
分  析
時数
製  図
 
電気一般
 
工場経営
 
図  画
 
導  入
18
工場見学
概  説  
10
         

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鑑  賞
素  描
色  彩
構  図
生物写生
風景写生
人物写生
10
14
14
12
原  料
36
13
粉砕粉製
14
原  料 地球・地史
地質作用
22
       
素  地
36
13
調成作業
16
素地土調成 粘土鉱物
20
       
ろくろ
50
18
ろくろ実習
44
成  形  
12
       
模  型
50
18
横型実習
44
乾  燥          
  紬
20
釉調成試験
14
  釉  
       
6単位
210
75
4単位
140
2単位
70
                   
2単位
70
 
 
 
 
14
490
素焼作業
22
素焼作業
素  焼  
15
        文字と線
基礎理論
16
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下絵付
50
10
陶画実習
44
下絵装飾  
        形体の図示法
12
電気測定
10
上絵付
37
上絵付実習
32
上絵装飾  
        寸法の記入法
電気照明と電熱
18
素地実験
46
10
素地実験
16
  鉱物・岩石
30
        傾斜図
10
交・直流電気機器
12
着色剤
25
着色実験
10
着色剤 鉱物各論
15
        機械工作図
20
交・直流変換機器
10
ガラス・琺瑯
57
11
ガラス溶融試験
10
ガラス・琺瑯 造岩鉱物
47
        窯炉計算
10
電動力応用
10
セメント
23
耐圧試験
セメント  
17
        築窯図
40
   
顕微鏡
55
11
顕徴鏡実習
15
  光学性顕徴鏡
40
               
9単位
315
64
4単位
140
5単位
175
       
3単位
105
2単位
70
       
 
 
 
 
17
595
耐火物
45
耐火試験
15
      耐火物の原料煉瓦製法
30
分析理論
35
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生産と工場
10
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

窯  炉
25
窯詰作業
10
      窯  炉
15
定性分析
30
作業研究
焼  成
50
焼成作業
25
      窯炉計算燃焼理論
25
電量分析
30
製造管理
20
熱管理
20
計器使用
10
      熱管理
10
容量分析
25
賃金研究
燃  料
35
燃料試験
10
      燃料理論
燃料各論
25
工業分析一般
30
原価計算
15
物理試験
35
物理試験
20
物理的性質  
15
    珪酸塩分析
40
工場関係法則
15
構造と性質
40
粒度試験
20
組織と構造  
20
    ガス分析
20
   
試験 
55
試験 
25
窯業理論化学  
30
           
陶磁器工場
10
陶磁器工場
工場設置  
           
5単位
315
53
4単位
140
2単位
 
70
3単位
 
6単位
210
       
2単位
70
   
 (3)単元4「ろくろ」の具体的学習計画の例

A.単元の展開
単元
副 単 元
指導内容
学  習
所要時間
 
 
(1)ろくろ準備作業 1.ろくろに必要な工具

2.粘土の成分と選定

3.土練り

(2)平物成形作業 1.玉土の引伸し方

2.工具の使用

3.小ざらの造り方

4.仕上げ

10
10
(3)機械ろくろ作業 1.適当な回転数

2.茶わん・湯飲みの造り方

10
 
 
ろ く ろ
 
作   業
技術的能力
一般的知識
(1)

必要工具を作る

土練りをする

寸法を造る

こてへらの手入れ

玉土の引伸し

しった造り

小物平ざらの成形

仕上げ

(2)

粘土の性質

 〃 種類

 〃 水分加減

半成素地乾燥具合

素地不良の原因対策

乾燥

ろくろ機械

(4)

ろくろの歴史

製品統計

ろくろ工場の機械配置

  (3)

ろくろの構造

各種型

粘土の試験法

成形法の種類

 
 (1)は実習で行う作業。

 (2)は実習作業に直接必要な知識。

 (3)は実習作業に直接必要はないがさらに啓発するための知識。

 (4)は知っているほうがよく,主た役にたつが必要でない知識。

B.副単元(2)「平物成形作業」3「小ざらの造り方」

 Ⅰ.目  標

 Ⅱ.教師の準備と活動  
           平物小ざらを造る      (所要時間10時間)

  工具と設備                  材  料

(1)ろくろ      (7)グライング      (1)粘土

(2)練板       (8)貯蔵室

(3)こて・へら    (9)モロ板

(4)しっぴきためし  (10)水がめ

   および寸法   (11)万力

(5)曲り・水はけ   (12)金づち

(6)やすり

            作 業 の 順 序

(1)土を取り練板の上に置く——  (6)ろくろを回転させる。

   練板をきれいにしておく。  (7)水をつけて回転の中心に土を合

(2)土の粗練りをする。        わせる。

(3)土の大押し。         (8)土取りをする。

(4)土の稔押しをする。      (9)のた割をする。

(5)ろくろの上へ玉土をすえる。  (10)荒延しをする。

(11)だいたいの小ざらの形を作る。 (19)半成素地を貯蔵する。

(12)こてへらをあてて形を整    (20)鋼板を曲げてグライング,やす

  える。             りで曲りを作る。

(13)なめし皮でふちを摘みき    (21)しったを作る。

  れいする。          (22)半成素地の乾きぐあいを見る。

(14)寸法を合わせる。       (23)しったをろくろの中心にのせ回

(15)しっぴきで切る。         転しても振れをなくする。

(16)モロ板にのせる。       (24)半成素地をしったの上にのせる

(17)のた造りの練習をする。    (25)曲りを使う。

(18)しっぴきをじょうすに使    (26)削って寸法を合わせる。

  う練習をする。        (27)はけできれいに化粧する。

   Ⅲ.生徒の活動  Ⅳ.結果の考査