第6章 土木課程の指導計画

1 土木課程の各学年において到達すべき具体的目標

 次に掲げる目標は将来土木工事の現場に働く中堅技術者の養成を目的とした例である。

第 1 学 年
第 2 学 年
第 3 学 年
 

2 土木課程の各科目の内容

 1.測量実習

 2.製 図  3.設 計  4,施 工  5.計 画  
3 土木課程学習指導計画の思案

 (1)教科課程の一例
教    科
第1学年
第2学年
第3学年
 
 
 
 
国  語
社  会
 
10
数  学
   
物  理
 
 
体  育
測量・実習・製図
16
設  計
施  工
 
計  画
 
工業必修小計
15
32
必 修 合 計
24
26
20
70
 
数  学
 
 
英  語
   
測量・実習・製図
   
施  工
   
合    計
29
28
28
85
 (2)学年の計画の一例
 
単   元
必 修 科 目 お よ  び 指 導 内 容(32単位)
選択科目および指導内容(8単位)
学年ごとの割当 時数 測量実習 製  図 時数 設  計 時数 施  工 時数 計  画 時数 測量実習製図 時数 施  工 時数
280
1.土木の大要 12 測量の意義 製図の目的 力学の概要 土木材料 

材料実験 

畳築工 

コンクリート工 

土工

18 

 

10 

16 

18

           
2.チェーン測量 40 14 チェーン測量 文字と線 40    
3.力・図形の性質 26       力・図形の性質 26
4.平板測量 50 19 平板測量 実測図作成 52    
5.梁の解法 42 14       片持単純梁の解法 40
6.高低測量 40 14 高低測量 断面図作成 40    
6単位
210 74
4単位
140
2単位
70
2単位
70
 
525
7.トラバ測量 87 17 トラバ測量 構造物の図示 87     基礎 

堰堤 

道路の構造と施工 

橋台と橋脚

18 

12 

24 

16

水理学 

河川工学 

港湾工学

30 

22 

18

       
8.梁の応用・撓み 24       梁の応力・撓み 24
9.鉄筋コンクリート 40       鉄筋コンクリート 
梁・板・柱の設計
40
10.道路 130 25 路線測量 コンクリート舗道 70    
  木橋(道路橋) 20 木橋(道路橋) 40
11.スタジヤ測量 50 10 スタジヤ測量   50    
12.Ⅰビーム 54 54       びょう接合 12
  Iビーム道路橋 18 Iビーム橋 24
11単位
385 75
7単位
245
4単位
140
2単位
70
2単位
70
 
595
13.プレートガーダ 65 11   プレートガーダ(鉄道橋) 35 プレートガーダ 30     水力発電 

上水道 

下水道

30 

20 

20

プレートガーダ 

三角測量 

トラス 

トンネル測量 

港湾測量 

写真測量

42 

48 

42 

24 

24 

30

鉄道 

トンネル 

拱橋

30 

30 

10

14.三角測量 40 三角測量   40    
15.トラス 63 11   トラス(鉄道橋) 33 トラス橋 30
16.河川測量 42 河川測量   42    
17.拱橋 35   拱橋 25 拱橋 10
8単位
245 42
5単位
175
8単位
70
2単位
70
6単位
210
2単位
70
1400
合   計 840 60
16単位
560
8単位
280
4単位
140
4単位
14
6単位
140
2単位
60
 (3)単元4.「平板測量」の具体的計画の例

A.単元の展開
単元
副単元
指導内容
学習所要
時  間
 
 
 
 
 
 
1.測量平板 1.名称と修正 

2.使用法 

3.測量の種類と方法

 

 

  

  

11

2.平板使用の基礎練習 1.平板すえつけ 

2.アリダードの使用方法

 

  

3.外  業 1.選  点 

2.骨組測量と誤差の配布 

3.細部測量

 

 

12

  

  

26

4.内  業 1.実測図の仕上げ 10 10
  合    計                               52
 
 
平板測量
 
実   習
技術的知識
一般的知識
(1) 

平板のすえつけ方 

アリダードの使用法 

選  点 

骨組測量 

誤差の配布 

細部測量 

実測図の仕上げ

(2) 

構  造 

整正の方法 

平板測器の使用法 

平板測量の種類 

3点問題 

2点問題 

誤差と精密度 

誤差の配分

(3) 

平板測量の歴史 

トラバー測量との組合 

農地・山林測量への応用

 (1)は実習で行う作業。

 (2)は実習に直接必要な知識。

 (3)は平板測量をさらに有効に利用するための研究。

B.副単元2.「平板使用の基礎練習」「平板のすえつけ方」学習指導細案

 Ⅰ.目  標

 Ⅱ.教師の準備と活動(目標の1のみ)  
平板を正確に敏速にすえつけること (所要時間4時間)

 器 材 

  (1)平板1 (3)求心器1  (5) 磁針器 1 (7)針 

  (2)三脚1 (4)アリダード1(6) 図紙

 実習順序 

A.平板を水平にすえつけること。 

 (1)目測で平板をほぼ水平にすえつけること。 

 (2)第1図のS12脚に平行にABの位置にアリダードを置く。 

 (3)Sを左または右に移動してABの気泡(ほう)が中央にくるようにする。 

 (4)次にアリダードをABに直角の方向CDに置き換える。 

 (5)Sを前後に移動して気泡が中央にくるようにする。 

 (6)次にアリダードをABにもどし,以下前と 

 同様の作業を反復し,AB.CDともに水平になるに至れば平板は水平となる。

 

 

B.平板上の測点と地上の測点とを同一垂直線にあるようにすること。 

 (1)Aの方法により,平板を水平にすえつける。 

 (2)第2図のごとく求心器のA端を図示測点と一致させる。 

 (3)そのときB端につるしたC球の尖端が地上点に一致しているやいなやを見る。 

 (4)一致していないときにはA,Cと杭とが一致するところまで,平板全体を静かに移動させる。 

 (5)次にAの方法にて平板を水平にする。 

C.平板を定方向に固定すること。 

 (1)磁針器を用いて平板を磁北線に合うように平板下のちょう形ねじをゆるめて操作する。 

 (2)磁針器を用いるときには局所引力に注意すること。 

 (3)別法としてはアリダードを用いて既定の測線に平板が向くようにちょう形ねじをゆるめて操作する。 

以上ABCの3条件を同時に具備するようにすえつけるのには相当の訓練を要する。要領としては3条件を同時にだいたい具備するようにすえつけてからおのおの正確に操作すればよい。

   Ⅲ.生徒の活動  Ⅳ.結果の考査 C.この単元を研究するための参考書