1 土木課程の各学年において到達すべき具体的目標
次に掲げる目標は将来土木工事の現場に働く中堅技術者の養成を目的とした例である。
2.チェーン測量法を理解し,測量できるようにすること。
3.製図の目的とかき方を理解すること。
4.文字と線が正確に敏速にかけるようになること。
5.チェーン測量の実測図をかくこと。
6.力学の概要を知ること。
7.力の解法を理解すること。
8.平面図形の性質を理解し,構造物設計の基礎を作ること。
9.平板側量法を理解すること。
10.平板測量を行い図面を仕上げること。
11.片特・単純梁の解法を研究理解し,橋梁設計の基礎を作ること。
12.高低測量法を理解し,「レベル」の整正ができること。
13.高低測量を行い断面図を作成すること。
14.各種土木材料の性質用途を理解すること。
15.各種材料の性質・強度の実験をすること。
16.壘築工・コンクリ一ト工・士工を理解し,適時見学し,研究記録しておくこと。
2.バーニヤの読方を理解すること。
3.トランシットの使用法を理解し,習熟すること。
4.トラバの測量の計算ができること。
5.梁の応力・たわみを理解し,橋梁設計の基礎を作ること。
6.鉄筋コンクリート梁・板・柱の設計ができること。
7.基礎・堰(えん)堤を理解すること。
8.通路の構造と施工を研究理解すること。
9.路線測量を理解すること。
10.路線測量を行って道路新設工事の設計見積・仕様書か書けること。
11.コンクリ一ト舗道の製図をすること。
12.橋梁架設に関する概念を理解すること。
13.木橋の理論を理解すること。
14.木橋の設計製図ができること。
15.スタジヤ測量を理解し,山岳測量ができること。
16.びょう接合の計算ができること。
17.Ⅰビームの理諭を理解すること。
18.Ⅰビーム道路橋の設計製図ができること。
19.橋台と橋脚の理論を理解し,設計ができること。
20.力学を応用して水理学を理解すること。
21.河川工学の概念を知ること。
22.高水工事および低水工事の施工法を研究すること。
23.港湾の構造および施工を理解すること。
2.プレートガータの理論を理解すること。
3.プレートガータ鉄道橋の設計製図ができること。
4.三角測量法を理解すること。
5.三角測量と計算ができること。
6.トラスの解法を研究すること。
7.トラス(鉄道橋)の設計製図ができること。
8.トンネルエ事を理解すること。
9.トンネル測量の他の測量と異なる点を研究すること。
10.三角測量によってトンネル計画線を入れること。
11.トンネル支保工の製図がかけること。
12.発電ダム護岸工事を理解すること。
13.河川測量法を理解し,測量ができること。
14.港湾測量を理解すること。
15.洪橋の解法を理解すること。
16.洪橋の設計製図ができること。
17.上下水道の概念を理解し,また見学すること。
18.写真測量を理解すること。
2 土木課程の各科目の内容
1.測量実習
2)簡易測量 9)スタジヤ測量
3)チェーン測量 10)三角測量
4)平板測量 11)河川測量
5)コンパス測量 12)トンネル測量
6)高低測量 13)港湾測量
7)トラバ測量 14)写真測量
2)製図のかき方 9)木橋
3)文字と線 10)Ⅰビーム橋
4)実測図作成 11)プレートガーダ
5)構造物材料の表示 12)トラス橋
6)コンクリ一ト舗道 13)拱橋
7)軌条および附属品 14)トンネル支保工
2)力 11)鉄筋コンクリート柱の設計
3)平面図形の性質 12)橋梁の概念
4)材料強弱 13)木橋
5)片持梁 14)びょう接合
6)単純梁 15)Ⅰビーム柱
7)張出梁 16)プレートガーダ
8)梁の応力・たわみ 17)トラス橋
9)鉄筋コンクリート梁・板の設計 18)拱橋
2)材料実験 10)橋台と橋脚
3)石積工・れんが工 11)暗渠
4)コンクリート工 12)都市計画
5)土工 13)鉄道
6)基礎 14)トンネル
7)擁壁 15)拱橋
8)堰堤
2)河川工学の概念 7)発電水力工事
3)高水工事 8)上水道
4)低水工事 9)下水道
5)港湾
(1)教科課程の一例
|
|
|
|
|
|
|
|
3
|
3
|
3
|
9
|
|
5
|
5
|
10
|
||
|
5
|
5
|
|||
|
5
|
5
|
|||
|
3
|
3
|
8
|
9
|
|
|
4
|
7
|
5
|
16
|
|
|
2
|
4
|
2
|
8
|
|
|
2
|
2
|
4
|
||
|
2
|
2
|
4
|
||
|
8
|
15
|
9
|
32
|
|
|
24
|
26
|
20
|
70
|
|
|
|
2
|
2
|
||
|
5
|
5
|
|||
|
6
|
6
|
|||
|
2
|
2
|
|||
|
29
|
28
|
28
|
85
|
|
|
|
||||||||||||||
学年ごとの割当 | 時数 | % | 測量実習 | 製 図 | 時数 | 設 計 | 時数 | 施 工 | 時数 | 計 画 | 時数 | 測量実習製図 | 時数 | 施 工 | 時数 | |
時
280
|
1.土木の大要 | 12 | 4 | 測量の意義 | 製図の目的 | 8 | 力学の概要 | 4 | 土木材料
材料実験 畳築工 コンクリート工 土工 |
18
8 10 16 18 |
||||||
2.チェーン測量 | 40 | 14 | チェーン測量 | 文字と線 | 40 | |||||||||||
3.力・図形の性質 | 26 | 9 | 力・図形の性質 | 26 | ||||||||||||
4.平板測量 | 50 | 19 | 平板測量 | 実測図作成 | 52 | |||||||||||
5.梁の解法 | 42 | 14 | 片持単純梁の解法 | 40 | ||||||||||||
6.高低測量 | 40 | 14 | 高低測量 | 断面図作成 | 40 | |||||||||||
|
210 | 74 |
|
140 |
|
70 |
|
70 | ||||||||
時
525
|
7.トラバ測量 | 87 | 17 | トラバ測量 | 構造物の図示 | 87 | 基礎
堰堤 道路の構造と施工 橋台と橋脚 |
18
12 24 16 |
水理学
河川工学 港湾工学 |
30
22 18 |
||||||
8.梁の応用・撓み | 24 | 5 | 梁の応力・撓み | 24 | ||||||||||||
9.鉄筋コンクリート | 40 | 8 | 鉄筋コンクリート
梁・板・柱の設計 |
40 | ||||||||||||
10.道路 | 130 | 25 | 路線測量 | コンクリート舗道 | 70 | |||||||||||
木橋(道路橋) | 20 | 木橋(道路橋) | 40 | |||||||||||||
11.スタジヤ測量 | 50 | 10 | スタジヤ測量 | 50 | ||||||||||||
12.Ⅰビーム | 54 | 54 | びょう接合 | 12 | ||||||||||||
Iビーム道路橋 | 18 | Iビーム橋 | 24 | |||||||||||||
|
385 | 75 |
|
245 |
|
140 |
|
70 |
|
70 | ||||||
時
595
|
13.プレートガーダ | 65 | 11 | プレートガーダ(鉄道橋) | 35 | プレートガーダ | 30 | 水力発電
上水道 下水道 |
30
20 20 |
プレートガーダ
三角測量 トラス トンネル測量 港湾測量 写真測量 |
42
48 42 24 24 30 |
鉄道
トンネル 拱橋 |
30
30 10 |
|||
14.三角測量 | 40 | 7 | 三角測量 | 40 | ||||||||||||
15.トラス | 63 | 11 | トラス(鉄道橋) | 33 | トラス橋 | 30 | ||||||||||
16.河川測量 | 42 | 7 | 河川測量 | 42 | ||||||||||||
17.拱橋 | 35 | 6 | 拱橋 | 25 | 拱橋 | 10 | ||||||||||
|
245 | 42 |
|
175 |
|
70 |
|
70 |
|
210 |
|
70 | ||||
時
1400
|
合 計 | 840 | 60 |
|
560 |
|
280 |
|
140 |
|
14 |
|
140 |
|
60 |
A.単元の展開
|
|
|
|
|
|
1.測量平板 | 1.名称と修正
2.使用法 3.測量の種類と方法 |
4
2 5 |
11 |
2.平板使用の基礎練習 | 1.平板すえつけ
2.アリダードの使用方法 |
4
1 |
5 |
|
3.外 業 | 1.選 点
2.骨組測量と誤差の配布 3.細部測量 |
5
9 12 |
26 |
|
4.内 業 | 1.実測図の仕上げ | 10 | 10 | |
合 計 52 |
|
||
|
|
|
(1)
平板のすえつけ方 アリダードの使用法 選 点 骨組測量 誤差の配布 細部測量 実測図の仕上げ |
(2)
構 造 整正の方法 平板測器の使用法 平板測量の種類 3点問題 2点問題 誤差と精密度 誤差の配分 |
(3)
平板測量の歴史 トラバー測量との組合 農地・山林測量への応用 |
(2)は実習に直接必要な知識。
(3)は平板測量をさらに有効に利用するための研究。
B.副単元2.「平板使用の基礎練習」「平板のすえつけ方」学習指導細案
Ⅰ.目 標
(イ)平板を水平にすること。
(ロ)図示測点と地上側点とを一致させること。
(ハ)平板の方向標定。
(2)整準装置のある平板も使用できること。
器 材 (1)平板1 (3)求心器1 (5) 磁針器 1 (7)針 (2)三脚1 (4)アリダード1(6) 図紙 |
|
実習順序
A.平板を水平にすえつけること。 (1)目測で平板をほぼ水平にすえつけること。 (2)第1図のS1B2脚に平行にABの位置にアリダードを置く。 (3)S3を左または右に移動してABの気泡(ほう)が中央にくるようにする。 (4)次にアリダードをABに直角の方向CDに置き換える。 (5)S2を前後に移動して気泡が中央にくるようにする。 (6)次にアリダードをABにもどし,以下前と 同様の作業を反復し,AB.CDともに水平になるに至れば平板は水平となる。 |
|
B.平板上の測点と地上の測点とを同一垂直線にあるようにすること。
(1)Aの方法により,平板を水平にすえつける。 (2)第2図のごとく求心器のA端を図示測点と一致させる。 (3)そのときB端につるしたC球の尖端が地上測点に一致しているやいなやを見る。 (4)一致していないときにはA,Cと杭とが一致するところまで,平板全体を静かに移動させる。 (5)次にAの方法にて平板を水平にする。 C.平板を定方向に固定すること。 (1)磁針器を用いて平板を磁北線に合うように平板下のちょう形ねじをゆるめて操作する。 (2)磁針器を用いるときには局所引力に注意すること。 (3)別法としてはアリダードを用いて既定の測線に平板が向くようにちょう形ねじをゆるめて操作する。 以上ABCの3条件を同時に具備するようにすえつけるのには相当の訓練を要する。要領としては3条件を同時にだいたい具備するようにすえつけてからおのおの正確に操作すればよい。 |
(3)生徒に記入させる実習報告書の用紙を作る。
(4)生徒の自発的活動を刺激するにはどんなものがあるか,その指導の方法を研究する。
(5)学習結果の考査について準備する。
(2)具備すべき条件とは何かを調べる。
(3)教師のすえつけ方を見学して話を聞く。
(4)自分で3条件を一つずつ行ってみる。
(5)3条件をともに具備し,敏速にすえつけるにはいかにすればよいか研究する。
(6)各自の考えたすえつけ方について批判し合い,教師の批評を聞く。
(7)正確敏速にすえつけてみる。
(8)整準装置をつければさらに敏速にできるだろうということを考えさせる。
(9)実習報告書を作成する実習経過やその結果について発表し合う。
進歩表については機械工作課程参照。
この場合の作業要素としては
1)目測で水平にすえつけること。 5)アリダードを用いての方向標定。
2)気泡を中央にすること。 6)3条件を守ってすえつけること。 3)平板全体を測点上に移動すること。 7)敏速にすえつけること。 4)磁針器を用いての方向標定。 8)器具類の取扱。 |
(3)実習の態度については実習に対する熱意研究心があるかどうか,他人とよく協同して実習できるかどうかについて記述尺度法により評価する。
(4)応用と創造の能力については実習中および実習後の教師生徒相互の討論報告書により,くふう・応用・批判等の能力を評価する。
著 者
藤井鹿三郎 土木工学ポケットブック編集会 高園久次郎 近藤,石原,米谷 林 猛雄 森田虎起 小林清八 林 猛雄 |
書 名
測量実習(1)(2) 土木工学ポケットブック 測量実習過程 測量学(一般篇) 測量学 測量法講義 実用・基本 測量学 測量学(上巻) |
発 行 所
実教出版株式会社 山 海 堂 理工図書株式会社 丸善出版株式会社 アルス 綜 文 館 修 文 館 誠文堂工学全集刊行会 |