1 自動車課程の各学年において到達すベき具体的目標
次に掲げる目標は将来自動車製造工場の現場に働く中堅技術者の養成を目的とした場合の例である。
2.鋳型作業について理解し,簡単な鋳型が作れること。
3.鋳造法について理解し,簡単な鋳物,軸受メタルなどの型込めができること。ダイカストについても理解すること。
4.工作図がまちがいなく読め,簡単な工作図ががけ,かつ青写真がやけること。
5.工場安全,危害予防の知識とその方法手段について理解すること。
6.労作をいとわぬ堅実な態度と習慣を養うこと。
7.機械器具の愛護,保全の態度と習慣を養うこと。
2.一般機械工作法の知識と理解については,自動車工業に関するものに重点を置き,機械工作課程第2および第3学年において到達すべき目標と同様の目標に達すること。
3.自動車工業に関する一般機械材料および自動車特有の材料の組成,性質について知識と理解を得ること。
4.機械製図の方法と実技とを習得し,自動車部分品のスケッチができ,組立図・部分図がかけること。
5.材料力学の応用によって,自動車に用いられている機械要素の設計製図ができること。
6.自動車の概念(定義・発達過程・種類型式・構造大要・世界各国自動車・自動車製造工業など)について知識をうること。
7.走行中の自動車が受ける各種の抵抗を知り,所要機関出力および自動車の性能との関連について理解すること。
8.自動車のフレームおよび走行装置(前後車軸・車輪・タイヤ・担ばね)の構造,応力の状況について理解すること。
9.自動車の舵取(かじとり)装置および制動装置の構造,作動および制動力について理解すること。
10.自動車の動力伝達装置(クラッチ・変速機・自在接手・推進軸・最終駆動・歯車・差動歯車)の構造・作用および応力の状況ならびに駆動方法について理解すること。
11.自動車車体の構造および強度について理解すること。
12.自動車の牽引(けんいん)装置の機構,強度について理解し,各種牽引装置の設計ができること。
13.自動車の性能試験(路上試験・試験台試験など)について理解すること。
14.自動車の電気装置(蓄電池・充電用発電機・起動用電動機・前照燈・警報器・電気器具・配線)について理解すること。
15.内燃機関の構造・作動理論・効率・性能について理解すること。
2.自動車製造用および自動車整備用工作工具・器具・測定具の構造・性能を理解し,取扱方法に習熟すること。
3.道路運送法に基づいて制定された自動車整備基準規程に対して完全な技術的解釈ができること。
4.自動車の生産および解体・修理・組立の正しい手順を理解し,計器を用いて,要整備自動車の機関その他主要部に対する加修または,部品取換の要否あるいは性能の判断ができること。
5.自動車機およびシャシ各装置の組立・調整ができ,機関出力および性能の試験ができること。
6.自動車機関の主要部,簡単な自動車シャシ,トラックおよびバスボデーの設計製図ができること。
7.自動車工場および車庫の設計製図ができること。
8.トラックおよびバスボデーの製作ならびに自動車の塗装ができること。
9.新車および整備済自動車の走行試験運転を行い,各部の調子および機能の判断ができること。
10.自動車部分品の設計ならびにその製作の段取りができること。
11.作業の分祈ができ,一定の作業の標準化,作業能率の向上をなしうる能力を有すること。
12.原価計算の手続と方法について理解し,簡単な場合について生産費または修理費の算定ができること。
13.工場関係法規について理解すること。
2 自動車課程の各科目の内容
1.自動車実習
2)鋳型および鋳造〃 10)電機運搬
3)手仕上・穿孔 〃 11)専門工作機器取扱作業
4)溶 接 〃 12)機関・車台分解修理作業
5)火造・熱処理 〃 13)機関・車台組立作業
6)プレス 〃 14)車体製造および塗装作業
7)材料試験 15)機関および車両試験検査
8)機械仕上作業
3)梁・柱および構造物 9)リンクおよびカム装置
4)管に関する部分 10)シリンダおよびクランク軸
5)締結用機械要素 11)トレーラーシャシ
6)軸に関する部分 12)トラックおよびバス車体
7)伝動装置 13)工場および車庫
8)ブレーキおよびばね装置
2)平面および立体用器画 8)クランク軸製図
3)形体の図示法 9)トレーラーシャシ製図
4)寸法の記入法 10)トラックおよびバス車体製図
5)機械工作図 11)工場設計図
6)斜 傾 図
2)鋳型および鋳造 10)機関分解・測定・修理
3)仕 上・溶 接 11)車台分解・測定・修理
4)圧延・引抜き・押出し・勢賊処理 12)機関および車台組立検査調整
5)型鍛造およびプレス 13)自動車製造および整備工場施設
6)機械切削および研削 14)車体装備および塗装
7)精密仕上および測定 15)機関および車両試験検査
8)治具・取付具・検査具
2)鋳 鉄 5)非鉄金属およびその合金
3)炭 素 鋼 6)軽合金・減摩合金
7)潤 滑 剤 12)ガ ラ ス
8)研 磨 材 13)皮 革
9)ゴ ム 材 14)基礎材料
10)塗 料 15)耐火および保温材
11)合成樹脂材
2)走行抵抗・出力および性能 8)車体構造
3)車枠および走行装置 9)牽引装置
4)舵(かじ)取装置 10)車体支持理論
5)制動装置 11)自動車性能試験
6)動力伝達装置 12)自動車電気装置
2)熱力学の概要 8)代用燃料装置
3)機関の出力熱効率および振動 9)ジーゼル機関
4)燃焼および燃料 10)ガスタービン機関
5)電気着火装置 11)出力および性能試験
6)燃料装置
2)非鉄金風糖錬工業 7)皮革工業
3)ゴム工業 8)塗料工業
4)合成樹脂・工業 9)石油類精製工業
5)ガラスエ業 10)天然ガス工業
2)電気測定 5)交・直流変換機器
3)電燈照明および電熱 6)電動力応用
2)圧縮空気機械 5)内燃機関
3)ボ イ ラ
2)引張力および列車抵抗 6)車両の運動
3)蒸気機関車 7)客車・貨車
4)電気機関車 8)市街電車・トローリーバス
2)工場の組織 6)労務管理
3)作業研究 7)中小工業経営
4)生産管理 8)工場関係法規
2)道路運送送令 6)運転実習
3)車両規則 7)自動車路上試験
4)運転理論
3 自動車課程学習指導計画の試案
(1)教科課程の一例
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1.木 工 | 30 | 22 | 木工・木型工作法とその作業 |
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文 字 と 線
平面・立体容器画 形体の図示法 寸法の記入法 機械工作図 傾 斜 図 |
6
10 24 10 16 4 |
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2.鋳 型 | 20 | 14 | 鋳型作業 |
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3.鋳 物 | 20 | 14 | 鋳造法とその作業 |
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70 | 50 |
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自動車実習(2) | 自動車工作修理法 | 自動車材料(1) |
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4.手仕上・穿孔 | 22 | 4 | 手仕上・穿孔作業 | 16 | 仕 上 | 自動車材料のあらまし | 6 | 機械と機構
力と材料と強さ 梁・柱・構造物 管に関する部分 締結用機械要素 軸に関する部分 伝動装置 |
歯車伝動装置製図 |
6
6 14 4 6 10 24 |
自動車の概念
走行抵抗出力と性能 車枠と走行装置 舵取と制動装置 動力伝達装
車体構造 牽引装置 車体支持理論 自動車性能試験 自動車電気装置 |
12
9
12 15 18 6 6 6 6 15 |
内燃機関の概念
熱力学の概要 機関の出力
燃焼・燃料 電気着火装置 燃料装置 ガソリン機関
ジーゼル機関 ガスタービン 出力性能試験 |
9
15 9
9 9 9 21 9 6 9 |
基礎理論 電気測定 電燈・照明・電熱 交・直流電気機器 交・直流交換機器 電動力応用 |
24 6 10
14
6
10 |
5.溶 接 | 16 | 3 | 溶接作業 | 12 | 溶 接 | 溶接棒 | 4 | ||||||||||
6.火 造 | 26 | 5 | 火造作業 | 16 | 型鍛造・圧延
型抜き・押出し |
炭素鋼・特殊鋼 | 10 | ||||||||||
7.熱処理 | 14 | 3 | 熱処理作業 | 10 | 熱処理 | 4 | |||||||||||
8.プレス | 12 | 2 | ブレス作業 | 6 | プレス | 合成樹脂類 | 6 | ||||||||||
9.自動車材料 | 14 | 3 | 材料試験 | 10 | 材料試験法 | 金属材料の選択 | 4 | ||||||||||
10.機械仕上 | 66 | 12 | 機械仕上作業 | 46 | 各種工作機械による切削研削法 | 硬質工具合金・切
削材・研磨材料 |
20 | ||||||||||
11.精密工作 | 20 | 4 | 精密仕上・精密測定 | 10 | 精密測定具・検査具 | (ラッピング材料) | 10 | ||||||||||
12.治具取付具 | 16 | 3 | 治具取付具製作 | 10 | 治具取付具 | 6 | |||||||||||
13.自動車電気装置 | 4 | 1 | 電気計器取
扱電機運転 |
4 | |||||||||||||
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210 | 38 |
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140 |
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70 |
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70 | |||
自動車実習(3) | 自動車工作修理法 | 自動車材料(2) |
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14自動車専門工作機器 | 39 | 7 | 専門工作機械
分解組立検査 |
24 | 専門工作機器
の構造性能 |
15 | ブレーキとばね装置
ガソリンとカム装置 シリンダの設計 クランク軸の設計 トレーラ車台設計 トラック車体設計 パス車体設計 工場と車庫設計 |
同左製図 同左製図 同左製図 同左製図 同左製図 |
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生産と工場
工場の組織 作業研究 生産管埋 原価計算 労務管理 中小工場経営 工場関係法規 |
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道路交通取締法令
道路輸送法令 車両規則 運転理論 代燃車取扱 運転実習 自動車路上試験 |
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15機関分解修理 | 75 | 13 | 機関分解・測定・修理作業 | 54 | 機関分解修理 | 潤滑剤 | 21 | ||||||||||
16車体分解修理 | 48 | 9 | 車台分解・測定・修理作業 | 30 | 車台分解修理 | ゴム剤 | 18 | ||||||||||
17機関と車体組立 | 51 | 9 | 機械と車台組立
検査・調整作業 |
30 | 機関・車体組立調整
自動車整備基準規程 |
ガラス | 21 | ||||||||||
18車体製造・塗装 | 51 | 9 | 車体製作塗装作業 | 42 | 車体製造塗装 | 塗 料 | 9 | ||||||||||
19機関試験検査 | 15 | 3 | 機関試験検査 | 9 | 機関試験検査 | 6 | |||||||||||
20車両試験検査 | 15 | 3 | 車両試験検査 | 9 | 車両試験検査 | 6 | |||||||||||
21自動車工場 | 21 | 4 | 工場・車庫実地調査 | 12 | 工場・車庫の施設 | 基礎・耐火・保温材 | 9 | ||||||||||
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315 | 56 |
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210 |
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105 |
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105 |
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70 |
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1260 時 |
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595 | 47 |
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420 |
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175 |
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175 | 175 | 70 |
A.単元の展開
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1.分解の準備 |
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2.分解前の検査 |
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3.分解の順序・方法 |
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4.分解作業 |
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5.シリンダ蓋の検査 |
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6.シリンダとピストンの磨耗測定 |
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7.弁と弁座の検査測定 |
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8.クランク軸カム軸とその軸受部の検査・測定 |
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9.連接棒ピストンピンの検査 |
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10.調時歯車装置の検査 |
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11.機関附属装置の検査 |
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12.シリンダの中ぐり修理 |
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13.シリンダ・ライナの取換え |
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14.弁と弁座の修正 |
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15.クランク軸・カム軸の修正 |
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16.軸受メタルの鋳込みと仕上げ |
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17.機関附属装置の調整修正 |
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(1)
a.一定時間使用した機関を準備する。 b.整備用工具・器具・測定具・検査具・試験機・工作機械を点検準備する。 c.運転時機関の発する異音響により不良または衰損箇所の判断をする。 d.シリンダの圧縮圧力を測定する(別途出力・燃料消費量試験を行う)。 e.機関を車台から取りはずす。 f.機関外部の清掃をする。 g.機関を分解する。 h.機関主要部の寸法磨耗度・機能衰損度を測定検査し,正しい修理方針をたてる。 i.機関附属装置の機能を検査する。 j.シリンダ弁・弁座などを削正・研磨あるいはすり合せを行い,その仕上精度を調べる。 k.クランク軸カム軸連接棒のゆがみを修正する。 l.軸受メタルを鋳込み精密中ぐり仕上またはすり合せ手仕上をする。 m.シリンダライナの入れ換え,弁座口金の製作はめ込みの機関再生工作をする。 n.機関附属装置の不調を修正する。 |
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(2)
a.自動車整備基準規程中,機関に関する条項に対して完全な技術的解釈ができる知識。 b.専門整備用機械(シリンダ中ぐり盤・とぎ上げ盤・弁研磨盤・弁座研磨盤・曲軸研磨盤・主軸受ライン中ぐり盤・連接棒精密中ぐり盤・油圧プレス・メタル遠心鋳込機など)の用法。 c.専門験査機器(電装品試験機・アーマチュアテスタ・コンロッドアライナ,弁ばね試験機など)の用法。 d.専門測定器具(シリンダゲージ・ピストンリングゲージなど)の用法 e.一般測定器具(マイクロメータ.ノギス・ダイヤルゲージ・深さゲージ・角度計)の用法。 f.潤滑油・研磨剤の種類と用法。 |
(3)
a.内燃機関の作動,機関破損過熱などの原因。 b.機関主要部の構造材質およびピストンリング・シリンダライナ・ブシュ・軸受メタルなど部品・減摩合金などの構造材質 c.専門整備用機械・検査機器・測定器具などの構造・機能・精密度。 |
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a.自動車製造または整備工場の立地。
b.全国自動車整備工場従業員数。 c.外国における整備の状況。 d.整備用機械器具,および部品のメーカとその品質・価格。 e.一定修理作業に要する人工数。 |
(2)は実習作業に直接必要な知識。
(3)は実習作業に直接必要はないが,さらに啓発するための知識。
(4)は知っているほうがよく,また役にたつが直接は必要でない知識。
(1)と(2)は結合して一人の教師で指導する。
(3)と(4)は実習と別の教師が指導してもよい。
B.副単元主要部の修理,12「シリンダの中ぐり修理」学習指導細案
Ⅰ.目 標
(2)切削の送り速度と仕上面の平滑度について研究すること。
(3)刃先の角度および形状と切削能率の関係を理解すること
Ⅱ.教師の準備と活動
可搬式中ぐリ盤と定置式とぎ上げ盤を用いて
偏耗してシリングの中ぐりをする (所要時間10時間) 機械工具 測定器具 材 料 a)砥石車(刃研ぎ用) a)シリンダゲージ a)シリンダ体 b)リッジリ一マ b)マイクロメータ b)潤滑油 c)スパナ c)回転計 c)ぼろ布 1)油路の開き口などに切子がはいらぬようにぼろ布のせんをする。 2)シリンダ体の上面をぼろ布で清掃する。 3)中ぐり盤をシリンダ体の上にのせる。 4)切削スピンドルの中心とシリンダ中心とを合わせて心出しをする。 5)スパナで中ぐり盤の取付具のナットをまわし,中ぐり盤をシリンダ体にしっかり固定する。 6)スピンドルに刃を取り付け,中ぐり盤附属の特殊マイクロメータを用い,刃先の回転円直径を調節する。 7)モータを回転させ,中ぐり盤の予備運転(空転)をして調子を出させる——スピンドルに滑油が一様にまわるのを待つ。 8)自動停止装置を調節し,送りをかけ運転状態および切削の状況を調べる——回数も調べてみる。 9)一つのシリンダの中ぐりを終れば,その上下・前後・左右の方向の直径を精密測定し.誤差と平滑度を調べて切削の良否を検査する。 10)シリンダ体の上面を清掃し,次のシリンダに移り4)〜9)の操作をくり返す。 11)全部の中ぐりを終れば中ぐり盤をシリンダ体から取りはずす。 12)とぎ上げ盤の作業台の上にシリンダ体をのせる。 13)砥石の中心とシリンダの中心を大体合わす。 14)とぎ上げ盤を運転し,その運転状態を注意し,あるいは一定時の後それを止めとぎ上げ状況をべる。 15)一つのシリンダのとぎ上げが終れば9)と同様にしてとぎ上げの良否を検査る。 16)全部のとぎ上げを終ればとぎ上げ盤がらはすして,シリンダ体全体を清掃する。 17)潤滑油通路その他につめたぼろ布を取りはずす。 18)中ぐりを必要としない時には,リッヂリーマによってシリンダ上部の段付けをり取る。 19)砥石車による刃のとぎ直しの方法をおぼえる。 |
すでに学習したこと。
1)中ぐり盤・とぎ上げ盤の構造と機能。 2)ピストン——クランク運動によるシリンダの偏耗とオーバーサイズピストンの寸法。 3)シリンダの構造すなわちシリンダ壁の厚さとそ材質。 4)刃先の角度と形状。 |
ここで新たに学習すること。
1)中ぐり盤ととぎ上げ盤の取扱法。 2)実際的に安当な修正切削代の決定(1回の)。 3)最大可能限度の削正量の決定とシリング壁の硬度の切削面の平滑度との関係。 4)刃先の状況と切削能率。 |
(4)生徒に記入させる実習報告書の用紙をつくる。
(5)生徒の自発的活動を刺激するにはどんなものがあるか,その誘導の方法を研究する。
(6)生徒の活動に対してこれをまとめていくための協力の方法を研究する。
(7)学習結果の考査について準備する。
Ⅲ.生徒の活動
b)実習に使った中ぐり盤・とぎ上げ盤はその構造・作動・取扱の上にどんな得失があるかを考えてみて,話し合う。
c)教師の中ぐりととぎ上げ作業を見学し,話を聞く。
d)刀先のとぎ直し作業を見学し,話を聞く。
e)中ぐりととぎ上げ作業を行ってみる。
f)刃の送りの速さによる仕上面の平滑度の相違ととぎ上げ前後の滑度の相違を調べる。
g)ピストンピンの折損,ピストンの破損などによるシリンダ壁の条痕(こん)傷に対する処置について考える。
h)実習報告書を作成する。実習経過やその結果について発表し合う。
Ⅳ.結果の考査
(2)技術的な知識については,実習の場における課題について口問口答する方法や,実習報告書に基づいて記述尺度法によって評価する。また次のような客観的な問題によっても評価する。
1.正誤 シリンダを中ぐりすると圧縮比は小さくなる。
2.正誤 シリンダを中ぐりした場合,一つのシリンダの各部内径の差は0.002mm以下でなくてはならない。
3.正誤 特有のつち音はピストンとシリンダが磨耗した証拠である。
4.正誤 主軸受をラインボーリングしないと,ほんとうの再生機関にはならない。
5.( )弁座の幅は次のいすれが適当か。
a)0.5mm b)1.5mm c)3.0mm d)4.5mm
(3)実習の態度については,実習に対する熱意,研究的であるがどうか,他人とよく協同して作業しているかなどについて,記術尺度法で許価する。
(4)研究については課題を与え,実習報告書で調べる。
隈部一男 内燃機関学 山海堂書店
菊地五郎 自動車学 岩波書店
田村豊,増田正二 牽引車学 山海堂書店
築山閏二 自動車工学 同 上
清水甲三 自動車及各種代燃車 同 上
古市亮蔵 自動車の検査並修理 理工図書株式会社
芳賀 清 自動車整備基準解説 日本自動車整備研究会
芳賀 清 自動車整備士検定試
験標準問題及解答集 同 上
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