第5章 建築課程の指導計画

1 建築過程の各学年において到達すべき具体的な目標

 次に掲げる目擦は,将来建築工事の現場に働く中堅技術者の養成を目的とした場合の例である。

第 1 学 年
第 2 学 年
第 3 学 年
 

2 建築課程の各科目の内容
 1.建築実習
    1)基本製図 

    2)木造住宅の部分模写

    3)木造工作物の実測製図

    4)木造矩計

    5)素  描

    6)木造住宅の模写と設計

    12)特殊製図

    13)工具と機械

    14)基本木工作業

    15)曲尺使い

    16)れんがと石工事

    17)左官工事

    18)基礎工事

    19)切組建て方

    20)造作工事

 2.材  料
    1)木  材 

    2)粘土製品

    3)ガ ラ ス

    4)塗  料

 3.応用力学
    1)荷重と力 

    2)定構造

    3)材料の応力

 4.構  造
    1)構造一般 

    2)地業と基礎

    3)木造骨組

    4)木造仕上

    5)屋  根

 5.計  画
    1)建築の歴史 

    2)気象と室内気候

    3)日照・日射・採光

    4)照  明

    9)建築行政

    10)建築と都市

 6.建築施工
    1)建築現場 

    2)工事計画

    3)機  械

    4)電  力 

7)陰影と透硯図法

8)鉄骨構造物の模写と設計

9)意匠設計

10)建築物の設計

11)鉄筋コンクリ一ト溝造の模写と設計

21)雑 工 事

22)基本測量

23)平板測量

24)レベル測量

25)トランシット測量

26)セメント試験

27)砂と砂利の試験

28)モルタル・コンクリ一トの試験

 

 
 

5)石  材

6)左官材料

7)雑 材 料

 
 

4)不静定構造

5)部材の設計

 
 

6)造  作 

7)れんが造・石造

8)左官工事

9)鉄筋構造

10)鉄筋コンクリ一ト構造

 

5)換  気

6)音  響

7)平面計画

8)設  備

11)建築に対する諸制限

12)工事手続
 

5)施工機械

6)仕様と積算

7)現場処理事務

 

3 建築課程学習指導計画の試案

 (1)教科課程の一例
教    科
第1学年 第2学年 第3学年
 
 
 
 
 
 
 
国  語
一般社会
   
時事問題
   
解析(1)
   
物  理
 
 
保健体育
建築実習
12
材  料
   
応用力学
 
 
構  造
計  画
 
 
建築施工
   
必修合計
24
25
19
68
 
 
 
建築実習
   
計  画
   
機械一般
   
英  語
   
解析(2)
 
 
化  学
 
 
選択合計
17
合  計
29
28
28
85
 (2)学年の計画の一例
 
 
 
時数280
単位8
建  築  実  習      時数140
単位4
構  造  時数70

      単位8

材  料  時数70

      単位2

     
単   元
時数
製   図
時数 木造実習 時数     時数   時数      
建築の大要 24 基本製図 建造物調査   構造概説 建築一般と材料概説 12            
地業と基礎 24 木造住宅基礎模写 木造工事調査   基  礎
木造骨組 56 20 木造短計 24 木工実習 40   木造軸組 14 木  材 24
木造仕上 40 14   木造仕上 10
屋  根 40 14 木造屋根模写 10   屋  根 10 粘土製品 10
造  作 24 木造住宅模写と設計 30   造  作 ガラス・塗料
れんがと石工 32 11 れんが積・石積   れんが・石造 石  材
左官工事 16 左官工事   左官工事 左官材料
木造住宅設計 24     雑工事 雑材料
 
 
 
時数490
単位14
建  築  実  習      時数175
単位5
構  造 時数70

     単位2

応用力学 時数140

     単位4

計  画 時数105

     単位3

   
単   元
時数
製   図
時数 工事実習 時数     時数   時数   時数    
10 準  備 56 12 陰影と透視図 20     鉄と非鉄金属 荷重と力 16 建築の歴史 21    
11 基礎工事 42 木造住宅設計 27 基礎工事実習   鉄骨構造基礎 建築物に働く力 12
12 軸  組 84 17 木造墨出し 12   鉄骨構造軸組と仕上 24 静定構造 24 計画の基本 63
13 建て方 84 17 鉄骨構造模写 18 建方実習 12   材料の応力 24
14 造作工事 42 建  具 造作実習   鉄骨構造計算 18 不静定構造 12
15 構造計算 84 17 鉄骨建築設計 51     部末の設計 24
16 鉄骨建築設計 98 20 鉄骨工事実習 14     構造設計 42 設  備 21
 
 学
 
時数595
単位17
建  築  実  習      時数315
単位9
構  造  時数70

      単位2

  計  画 時数35

     単位1

建  築  単位105

施  工  時数3

機械一般 時数70

     単位2

単   元
時数
製   図
時数
測   量
時数 材料試験 時数   時数     時数   時数   時数
17 準  備 51 意匠設計 18 基本測量 試験法 セメント   建築行政 3 建築現場 機械の要素
18 工事計画 85 14 商店設計 30 平板測量 15   鉄筋コンクリート構造 38   建築と都市 5 工事計画 15 電  力 10
19 鉄筋コンクリート 153 26 鉄筋コンクリート構造模写 54   セメントコンクリート試験 27   建築と制限 15 仕様と積算 27 原動機と機構 18
20 工事用機械 85 14 機械と木工製図 30 レベル測量 15     施工機械 25  
21 現場処理事務 102 17 工事用図面 36 トランシット測量 18   鉄筋コンクリート構造設計 22   工事手続 6 現場処理事務 30  
22 鉄筋コンクリート建築設計 119 20 鉄筋コンクリート建築設計 63         書類作製 30  
合    計 時数1365
単位39
時数630
単位18
時数210
単位6
70
140
時数140
単位4
時数105
単位3
時数70
単位2
 (3)単元2「地業と基礎」の具体的学習計画の例

A.単元の展開
単元
副 単 元
指導内容
学習所要
時  間
 
 
 
 
1.基礎準備工事 1.準備工事一般

2.材料一般

3.地ならし

4.なわ張り

5.水盛り,遺方

6.基礎製図

 
 
2.地  盤 1.土の種類と性質

2.地盤の性状と強さ

3.根切り・山留め

4.地業

   
3.基礎工事 1.基礎材料

2.基礎の種類

3.まとめ

   
      合    計                       24
B.副単元2「地盤」の指導的内容細目

 

 Ⅰ.目  標

 Ⅱ.作業および知識
 
地   盤
 
作   業
技術的知識
一般的知識
1.土の種類と性質の実験

 (1)各種の土の比較

 (2)土の水分試験

 (3)の粘着力の実験

 (4)息角の実験

2.地盤の性伏と強さの調査

 (1)地盤組織の調査

 (2)地耐力の実験と調査

1.土の種類と性質

 (1)土の外見

 (2)土の粒

 (3)土の化学的性質

 (4)土の鉱物学的性質

 (5)土の水分

 (6)土の粘着力と息角

2.地盤の性伏

 (1)地盤の形成

 (2)地盤の種類

 (3)地耐力

3.根切・山留

 (1)根切の意義

 (2)山留の目的

 (3)山留方法

 (4)埋もどし

4.地業

 (1)地業の意義と目的

 (2)地業の方法

1.地殻の形成

2.土の凍結

3.郷土の地盤

 

 Ⅲ.学習指導細案

作 業

 Ⅰ.目  標

 Ⅱ.教師の準備と活動  
土 の 実 験
用具と設備
材  料
1)土質標本

2)計量器(天秤)

3)ビーカ

4)加熱鍋

5)熱源

6)木板(15cm×15cm×1cmぐらい)

7)シャべル

8)角度測定器(直角定規と物指)

9)型わく(図の様なもの)

10)加圧機(耐圧試験機等)

11)漏 斗

1)土質見本(生徒採取)

2)砂

 

作 業 順 序
実験1.水分

1)ビーカを秤量する(0) 

2)ビーカに土質見本を入れる。 

3)秤量する。   (1)

4)土質見本を加熱鍋に入れる。 

5)加熱乾燥する─よくかき

 まわす,また成分の燃焼による減量のないよう加減する。

実験2.粘着力

1)土質見本約30ccをとる。

2)これを木板で圧縮する。

3)各種土質について比較する。

実験3.息角

1)シャべルで砂をすくい,漏斗を通す。

2)漏斗からの砂を円錐(すい)形に堆積させる。

3)角度測定器で傾斜角(息角)を測る。─側角は数カ所で行い平均する。

6)再びーカに入れ秤量する。(2)

7)水分の計算をする。

W=W1220

 

 
 

実験4.息角

1)土を型わくにつめる─各種の水分,加圧の別を作る。

2)側蓋を開いて崩壊の状況を観察する。

   

 Ⅲ.生徒の活動

 

 Ⅳ.結果の考査

C.この単元を研究するための参考書
  箸   者

 小林政一

 山村 弘

 狩野春一

 実教出版株式会社

  〃  〃

  〃  〃

 井坂富士雄

 八木憲一他

 日本建築学会
 

 土木工学ポケットブック編纂会

  書   名

 建築構造1

 和洋建築構造

 建築材料

 建築施工

 土木施工1

 建築製図1.2

 高等建築学4土の力学

 同上7—般構造

 建築工学ポケットブック1
      一般構造

 土木工学ポケットブック1
      土木地質
      土木及石工
      基 礎

 日本建築規格(建築3001)

  発 行 所

 実教出版株式会社

 産業図書株式会社

 実教出版株式会社

  〃  〃 

  〃  〃 

  〃  〃 

 常磐書房

  〃  〃 

 丸善株式会杜
 

 山 海 堂