第14章 採鉱課程の指導計画

1 採鉱課程の各学年において到達すべき具体的な目標

第 1 学 年
第 2 学 年
第 3 学 年
 

2 採鉱課程の各科目の内容

 1.採  鉱

 2.鉱物・地質  3.選  鉱  4.鉱山測量  5.実  習  

3 採鉱課程学習指導計画の試案

 (1)教科課程の一例
教   科
第1学年
第2学年
第3学年
国  語
社  会
 
10
数  学
   
理  科
 
 
保健体育
小  計
16
11
11
38
採  鉱
実  習
14
選  鉱
 
鉱物・地質
 
鉱山測量
   
小  計
11
10
30
必修合計
25
22
21
68
 
 
 
 
 
 
火  薬
       
機械一般
       
電気一般
       
鉱山機械
       
鉱山法規および管理
       
土木一般
       
冶  金
       
工業分析
       
鉱  床
       
普通教科
       
小  計
17
合    計
29
28
28
85
 注

 1.上表中工業必修および選択教科の単位は各学校の施設および地域的特性に従つて定めるべきであり,上表中の単位数はその一例にすぎない。

 2.選択教科の鉱床は,金属鉱床・石炭鉱床・右油鉱床等と地域的社会的特性により細分し,その一つをとつてもさしつかえない。

 3.なお工業必修教科については,卒業までに次のような単位を習得するのが望ましい。

 (2)学年の計画の一例
 
単     元
必 修 教 科 お よ び 指 導 内 容
 
 
315時
学年ごとの配当
採  鉱
鉱物・地質
選  鉱
鉱山測量
実      習
地下資源の利用ができるまで
10
採鉱技術の概要
地殻構造のあらまし
30
        標本室の見学
基本画法

地形図拡大図

露頭線図

鉱区図

地質図および断面図

採鉱用器械の見取図

切羽設計図

33
12
12
21
鉱物の設別
60
19
    鉱物形態・性状・生成・産状および種類
14
        鉱物の形態性状の観察・実験・採集
30
岩石の識別
42
13
    岩石の性状・生成・産状および種類
10
        岩石性状の観察および実験・採集
28
採鉱と試錐
45
14
各採鉱法と試錐法
30
地穀の変化作用
12
        地形の野外観察
開坑と掘鑿
53
17
開坑法および掘鑿法
36
地殻の構造
70
        地質構造の野外観察
6単位
210
67
2単位
70
2単位
70
       
2単位
70
3単位
105
 
11
 
385時
地質と鉱床の調査
210
55
    鉱床の生成と分類

金属鉱床各論
燃料 鉱床
地史と地質・鉱床

の調査法

70
        鉱物の定性分折
 〃 定量分析
乾式金銀分析
40
50
15
測鎖測量
羅盤測量
平板測量
35
堅坑の開鑿
10
各種堅坑開鑿法
10
                   
鉱床の採掘
37
19
坑内採掘法
露天採掘法
28
            鑿岩機およびピックに関する実験実習
坑内の保持
22
磐圧と支柱法
16
            支柱法実習
坑内の運搬
16
切羽運搬,坑道運搬
16
               
鉱石の選別
90
23
        選鉱の使命,作業の
大要,碎鉱・粉砕作業,
分粒作業,分級作業,
比重選鉱,磁力選鉱
浮遊選鉱
20
12
28
    粉砕および分粒試験
比重還鉱実験
浮遊選鉱実験
10
11単位
385
100
2単位
70
2単位
70
2単位
70
   
5単位
175
 
10
 
350時
坑内の通気
28
11
通気法および通気計測
30
            通気に関する実験実習およびガス分折
坑内の排水
12
防水法および排水法
12
               
坑内の照明
坑内の照明法
               
坑内の保安
24
鉱山変災および疾病

保安の規定

24
               
石炭の選別
82
23
        選炭の意義および作業の大要
原炭の浮沈試験と可洗曲線

水 選 法

14
50
    運炭に関する実験実習

および石炭分析

12
坑内外の測量
190
54
            坑内外測量の理論と求積法
70
転鏡儀および水準測量,曲線設定
坑内測量,求積法,坑内外連結測量
120
10単位
350
100
2単位
70
   
2単位
70
2単位
70
4単位
140
 
合  計
 
6単位
210
4単位
140
4単位
140
2単位
140
14単位
490
 (3)単元3「岩石の識別」の具体的な学習計画の例

A.単元の展開
単元
副単元
指導内容
教  具
時数
 
 
 
 
1.岩石の組成 1.岩石の成分(造岩鉱物) 各種岩石の標本お

よび生徒の採集物

2.岩石の組織(完晶質,半晶質,玻璃質) 各種岩石の標本,組織図譜顕微鏡および薄片
12
2.岩石の種類 1.火成岩の性伏・生成・分類 火成岩の標本・一覧表

生徒の採集物

2.水岩石の性状・生成・分類 火成岩の標本・一覧表

生徒の採集物

3.変岩石の性状・生成・分類 変成岩の標本・一覧表

生徒の採集物

3.岩石の産状 1.整層状

各種の整層状態の模型・図譜の展示および野外観察等による。

模型または図譜
2.非整層状

各種の非整層状態の模型図譜の展示および野外観察等による。

模型または図譜
合        計
42
 
 
岩石の識別
 
作    業
技術的知識
一般的知識
1.岩石標本の肉眼観察

2.顕鏡下薄片の観察と組織図の自作

3.岩石の産状野外観察と,岩石の

4.既習の岩石の想起と整理

5.岩石標本の製作

6.各作業のレポート作成

1.工岩石の成分(造岩鉱物およびその化学成 分)

2.岩石の組織

3.火成岩の特質

4.水成岩の特質

5.変成岩の特質

1.地穀の構成
 (岩石の産状)

2.岩石の生成過程

B.副単元2.「岩石の種類」,(1)「火成岩の分類」指導細案

 Ⅰ.目  標

 Ⅱ.教師の準備と活動  
(1)火成岩試料9種(花崗岩.石英斑岩・流紋岩・閃緑岩・岩・安山岩・斑励岩・輝緑岩.玄武岩)

(2)火成岩の産状・組織に関する模型または図譜

(3)火成岩の薄片(試料と同種)および鉱物・顕微鏡

(4)ルーペ(20×)および小型ハンマー

(5)生徒の採集岩石

(1)火成岩の産状組織に関する模型または図譜等を観察せしめる。

(2)生徒にそれぞれ九種の試料を与える。(生徒は約10グループに分割しておく。)

(3)各試料について肉眼またはルーペを使用して組織(石肌)を観察し,その比較を記載させる。

(4)造岩鉱物について種類およびその分布状態を観察し,その比較を記載させる。

(5)作業(3)より各岩種の生成の位置を判断させる。(火成岩・半深成岩・深成岩等)

(6)作業(4)より化学的岩質を推定し(酸・中・塩基性等),さらに色調との関係を調べさせる。

(7)作業(3),(5)に基づいて九つの試料と三つのグループに分けて並べ,これの分類表を作らせる。

(8)同様に作業(4),(6)に基づいて試料を三つのグループに分けて並べ,これの分類表を作らせる。

(9)各生徒のグループごとに分類表を発表し合い,批判し合う。

(10)生徒各自の採集せる試料について調べさせ,その岩種と判定させ,これの報告書を作らせる。

 かくして火成岩の生成位置・化学成分による分類を理解させていくとともに識別法を習得させる。

   Ⅲ.結果の考査          高等学校学習指導要領 工業料編

              (試 案)      MEJ 2103
  昭和26年7月25日印刷

  昭和26年7月30日発行

      著作権

      所 有           文   部   省

                   東京都千代田区五番町5番地

      発行者          実 教 出 版 株式会社

                    代表者  水 谷 三 郎

                   東京都千代田区西神田2ノ11

      印刷者           代表者  渡 辺 一 郎

      ——————————————————————

      発行所      実 教 出 版 株式会社

                   東京都千代田区五番町5番地

                     振替東京183260番

                    電話 九段(33)3463・3464

¥200.00