小学校学習指導要領
算 数 科 編
(試 案)
昭和26年(1951)改訂版
文 部 省
ま え が き
この学習指導要領は,昭和22年度に発行された学習指導要領算数・数学科編および昭和24年度に発行された改訂指導内容一覧表を改訂したものである。このような意味から,根本的な考え方には相異がないが,そのねらっているところを,できるだけ具体的にしようと努めたつもりである。
具体的にしたために,やや大部なものとなってしまった。これでは内容をつかみにくいと考えて,各章ごとに,章のまとめを書いておいた。各章から必要な部分を読みたいと思われる人は,この各章のまとめを利用してもらいたい。
また,このまとめは,次のように用いることもできるであろう。算数指導についての研究会をするときなどに,指導の評価・研究をするための評価の観点を定めるのに参考にするのである。
算数についての学習指導をするのに,これだけでじゅうぶんであると言えないであろう。一般編その他の指導書などもよい参考書となるであろう。
なお,算数科としては,これから指導書を編集することにしている。これらも,参考にしていただきたいと考えている。
終りに臨み,いそがしい職務をもちながら,本書の編集に多大の協力をしてくださった委員のかたがたに,心から謝意を表したい。
また,委員以外の多くの実際家,学者その他のかたがたからも,とくに指導内容について,貴重な意見をいただくことができました。とくに,日本数学教育会は,指導内容の中間発表についての批判研究の会を開き,多くの,貴重な示唆を与えてくださいました。これらに対しては,深甚の謝意を表したいと思う。
委 員 氏 名(五十音順)
東京教育大学附属小学校教諭 青池 実
東京都立第一商業高等学校教諭 稲垣儀一
埼玉大学附属小学校教諭 尾崎馨太郎
東京学芸大学附属豊島小学校教諭 北原禧武
東京教育大学附属小学校教諭 北山 巽
鎌倉市立第二小学校教諭 黒川三雄
東京教育大学助教授 小西勇雄
文部省初等中等教育局中等教育課 文部事務官 島田 茂
千葉大学附属小学校教諭 白石三郎
千葉大学千葉師範学校教授 杉岡司馬
埼玉大学教授 杉村欣次郎
東京都練馬区立中村小学校教諭 高森敏夫
文部省初等中等教育局中等教育課 文部事務官 中島健三
東京教育大学教授 鍋島信太郎
千葉大学教育学部長 野村武衛
成城学園初等学校教諭 堀川 掬
東京教育大学附属小学校教諭 丸本喜一
横浜大学附属鎌倉小学校教諭 松田成志
元東京都中央区東華小学校長 故村田英吉
信州大学教育学部助手 村田好道
東京大学助教授 矢野健太郎
千葉市教育委員会指導主事 山本喜治
名古屋大学教育学部長 依田 新
文部省初等中等教育局初等教育課 文部事務官 和田義信
も く じ
まえがき
Ⅰ.算数についての学習指導の改善1.学習指導計画の改善
2.指導内容の改善
3.とりあげる学習活動の改善
4.指導法の改善
この章のまとめ
1.算数とわれわれの生活
(1) 命数法と記数法
(2) 計算と生活
(3) 量の測定と生活
(4) 図形と生活
(5) 用語・記号と生活
2.算数と教育の一般目標
3.算数科の一般目標
この章のまとめ
Ⅲ.各学年の指導内容 用語の意味 三年までの主要指導内容の一覧表 この学年配当の使い方 1.一年の指導内容 2.二年の指導内容 3.三年の指導内容 4.四年の指導内容 5.五年の指導内容 6.六年の指導内容 六年までの主要指導内容一覧表
第1部 一般的な問題
1.学習指導法についての基本的な事がら
2.算数についての学習指導の変化
3.自主的な学習
4.理解をもっての学習
5.日常生活を改善しようとしての学習
6.こどもと学習内容
7.有効な反復練習
8.教科書の使い方
第2部 特殊な問題
1.診断的指導
2.反復練習の実際指導
3.技能の維持
4.論理的思考を伸ばすこと
5.個人差に応ずる指導計画
第3部 望ましい計算方法の案
第4部 幼稚園および低学年の指導
この章のまとめ
1.評価のねらい
2.評価の対象
3.評価の時期
4.評価をする人
5.評価の報告
6.評価の方法
この章のまとめ