健康や体力についての理解と運動の合理的な実践を通して，健康の増進と体力の向上を図り，心身の調和的発達を促すとともに，明るく豊かで活力のある生活を営む態度を育てる．

第１　体　　育

　１　目　　標

　各種の運動を合理的に実践し，運動技能を高めるとともに，それらの経験を通して，公正，協力，責任などの態度を育て，強健な心身の発達を促し，生涯を通じて継続的に運動を実践できる能力と態度を育てる．

　２　内　　容

Ａ　体操
ア　リズミカルな動き，タイミングのよい動き及び素早い動きを高める運動

イ　力強い動き及び動きを持続する能力を高める運動

Ｂ　個人的スポーツ
ア　器械運動

イ　陸上競技

ウ　水泳

Ｃ　集団的スポーツ
ア　バスケットボール

イ　ハンドボール

ウ　バレーボール

エ　サッカー

オ　ラグビー

Ｄ　格技
ア　柔道

イ　剣道

Ｅ　ダンス

Ｆ　体育理論

ア　運動の生理学的・心理学的・力学的特性

イ　運動処方と練習法

ウ　現代社会と運動

　３　内容の取扱い

　内容の取扱いに当たっては，次の事項について配慮するものとする．

ア　Ａ及びＦについては，原則として各学年においてすべての生徒に指導すること．

イ　Ｂについては，各学年において一又は二を選んで指導すること．

ウ　Ｃについては，第１学年においては，二を選んで指導するものとし，また，第２学年以上の学年においては．一又は二を選んでそれぞれ指導すること．

エ　Ｄについては，主として男子に指導するものとし，各学年において一を選んで指導すること．

オ　Ｅについては，各学年において主として女子に指導すること．また，その内容は，創作ダンスを主とするが，フォークダンスを含めることができること．

カ　学校や地域の実態を考慮し，各学年においてソフトボール，相撲，弓道，レスリング，なぎなた，テニス，卓球，バドミントン，スキー及びスケートの中からも選択して指導できること．

キ　Ｆに充てる授業時数は，各学年の体育の総授業時数の５〜10％とすること．

ク　ＡからＥまでの指導においては，安全に留意するものとし，また，集団行動に関する内容についても，それぞれの運動の特性との関連において適切に指導すること．

第２　保　　健

　１　目　　標

　心身の機能，健康と環境，集団の生活における健康について理解を深めさせ，健康の保持増進を図り，集団の健康を高めることに寄与する能力と態度を育てる．

　２　内　　容

(１)　心身の機能
ア　身体の各器官の機能と統合性

イ　大脳と精神機能

ウ　欲求と適応機制

エ　心身の相関

(２)　健康と環境
ア　文明社会と健康

イ　自然環境の汚染による健康被害とその防止

ウ　健康と自然環境の調和

(３)　職業と健康
ア　職業病と労働災害

イ　職場の安全・衛生管理と健康増進

ウ　リハビリテーション

(４)　集団の健康
ア　健康な家庭生活

イ　国民の健康水準

ウ　公衆衛生活動と保険・医療制度

　３　内容の取扱い

　内容の取扱いに当たっては，次の事項について配慮するものとする．

ア　(１)のアの身体の各器官の機能については，呼吸器官，循環器官及び性器官を取り上げて指導すること．

イ　(２)のイの自然環境の汚染の防止については，法的規制についても取り扱うこと．

ウ　(３)のイにおける健康増進については，職場の特性に即して運動するなど余暇時間の活用を図る必要があることを取り扱うこと．

エ　(４)のアにおいては，主として家族計画，母子保健や老人保健について取り扱うものとし，ウにおいては，国際問の保健に関する活動についても取り扱うこと．

１　「体育」は，毎学年継続して履修させ，各学年の単位数はなるべく均分して配当することを原則とする．

２　「保健」は，全日制の課程にあっては，第１学年及び第２学年，定時制の課程にあっては，それに相応する学年において履修させることが望ましい．

３　保健体育科の指導計画の作成に当たっては，学校における体育に関する指導の趣旨を生かし，特別活動，運動部の活動などとの関連を図り，学校における体育的活動が日常的かつ総合的に実践できるよう留意するものとする．