第1款 目 標
数学における基本的な概念や原理・法則の理解を深め,体系的に組み立てていく数学の考え方を通して,事象を数学的に考察し処理する能力を高めるとともに,それを,活用する態度を育てる.
第2款 各 科 目
第1 数 学 I
1 目 標
2 内 容
(ア) 数と集合
(イ) 整数,有理数,実数
イ 式
(ア) 整式
(イ) 有理式
(ア) 二次方程式
(イ) 簡単な高次方程式
(ウ) 連立方程式
イ 二次不等当式
ウ 式と証明
[用語・記号] 判別式,虚数,i,複素数
イ 簡単な分数関数,無理関数
[用語・記号] 逆関数
(ア) 正弦,余弦及び正接
(イ) 正弦定理,余弦定理
イ 平面図形と式
(ア) 点と座標
(イ) 直線の方程式
(ウ) 円の方程式
[用語・記号] sin,cos,tan
3 内容の取扱い
(2) 内容のイに関連して,指数を0及び負の整数にまで拡張することを取り扱うものとする.
(3) 内容の(2)のアの(イ)については,因数定理が簡単な数係数の三次と四次の方程式の解法に用いられることを理解させる程度とする.
(4) 内容の(2)のアの(ウ)については,一次と二次の二元連立方程式を取り扱う程度とする.
(5) 内容の(2)のウなどに関連して,必要条件・十分条件や対偶などを取り扱うものとする.
(6) 内容の(3)のイについては,の程度の関数を取り扱うものとする.
(7) 内容の(4)のイに関連して,簡単な場合について不等式の表す領域を取り扱ものとする.
第2 数 学 Ⅱ
1 目 標
2 内 容
イ 確率
ウ 統計
(2) べクトル
イ ベクトルの応用
イ 導関数とその応用
ウ 積分の意味
[用語・記号] 極限値,lim,不定積分,定積分
イ 等比数列
イ 対数関数
ウ 三角関数
[用語・記号] 累乗根,logax,一般角
イ アルゴリズムと流れ図
3 内容の取扱い
(2) この科目の履修に当たっては,生徒の実態や単位数に応じて,内容の(1)から(6)までの中から適宜選択して取り扱うものとする.
(3) 内容の(6)については,使用する計算機の機能に応じてプログラムを作成し,実際に計算機にかけて結果が求められるようにする.
第3 代数・幾何
1 目 標
2 内 容
イ だ円と双曲線
イ べクトルの内積
ウ ベクトルの応用
直線,円の方程式など
イ 逆行列
ウ 一次変換と写像
[用語・記号] A-1
イ 空間座標
ウ 空間におけるべクトル
直線,平面及び球の方程式を含む.
3 内容の取扱い
焦点を取り扱う程度とする.
(2) 内容の(3)のアの行列の乗法については,2×2行列までを取り扱うものとす
る.
(3) 内容の(4)のアについては,平行,垂直などの位置関係を中心に,三垂線の定
理を導く程度の内容を取り扱うものとする.
第4 基礎解析
1 目 標
2 内 容
等差数列,等比数列など
イ 数学的帰納法
[用語・記号] Σ
イ 対数関数
ウ 三角関数
(ア) 一般角と弧度法
(イ) 三角関数とその周期性
(ウ) 三角関数の加法定理
[用語・記号] 累乗根,logax
イ 導関数とその応用
(ア) 関数の和・差,実数倍の導関数
(イ) 接線,関数値の増減,速度など
ウ 積分とその応用
不定積分,定積分,面積など
[用語・記号] 極限値,lim
3 内容の取扱い
(2) 内容の(2)のイについては,対数計算は取り扱わないものとする.
第5 微分・積分
1 目 標
2 内 容
イ 関数値の極限
[用語・記号] 収束,発散,∞
(ア) 関数の積・商の微分法
(イ) 合成関数・連関数の微分法
(ウ) 三角関数の導関数
(エ) 指数関数・対数関数の導関数
イ 導関数の応用
接線,関数値の増減,速度,加速度など
[用語・記号] 自然対数,e,第二次導関数,変曲点
(ア) 積分の意味
(イ) 簡単な置換積分法・部分積分法
(ウ) いろいろな関数の積分
イ 積分の応用
(ア) 面積,体積,道のりなど
(イ) 微分方程式の意味
dy/dx=ky の程度の微分方程式を解くことを含む.
3 内容の取扱い
(2) 内容の(2)に関連して,平均値の定理に触れることは差し支えないが,その際は直観的に取り扱い,関数値の増減と導関数との関連を明らかにすることにとどめるものとする.
(3) 内容の(2)のアの(イ)については,y=xk(kは有理数),及びy=の程度の簡単な関数を取り扱うものとする.
(4) 内容の(3)のアの(イ)の置換積分法については,ax+b=t,x=asinθと置き換える程度にとどめ,また,部分積分法については,簡単な関数について一回の適用で結果が得られるものにとどめるものとする.
第6 確率・統計
1 目 標
2 内 容
イ 代表値と散布度
[用語・記号] 分散,標準偏差,Σ
イ 二項定理
[用語・記号] nPr,nCr,階乗,n!
イ 独立な試行と確率
ウ 条件つき確率
[用語・記号] 余事象,排反,独立,従属
イ 二項分布.正規分布
[用語・記号] 期待値
イ 統計的な推測の考え
[用語・記号] 推定,検定
3 内容の取扱い
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする.
(2) 「微分・積分」は,原則として「基礎解析」を履修させた後に履修させること.
(2) 第2款の各科目の内容の[用語・記号]は,当該科目で取り扱う内容の程度や範囲を明確にするために示したものであり,指導に当たっては,内容と密接に関連させて取り扱うこと.
(3) 数の計算に当たっては,必要に応じて各種の計算機を使用させて,学習の効果を高めるようにすること.