1 生命を尊び,健康を増進し,安全の保持に努める。
(低学年においては,健康に留意し,危険から身を守ることを,中学年においては,進んで自他の健康・安全に努めることを,高学年においては,更に,自他の生命を尊重することなどを加えて,主な内容とする。)
2 礼儀作法を正しくし,きまりのある生活をする。
(低学年においては,日常生活におけるあいさつ,服装などを正しくし,きめられた時刻を守ることを,中学年においては,時と場に応じて礼儀作法を正しくし,時間を上手に使うことを,高学年においては,更に,心の通った礼儀作法の大切さを理解すること,きまりのある生活をすることなどを加えて,主な内容とする。)
3 身の回りを整理・整とんし,物や金銭を活用する。
(低学年においては,自分のものや身の回りのものの整理・整とんをすること,自他のものの区別をすること,物を大事に使うことなどを,中学年・高学年においては,能率的な整理・整とんや環境の美化・清潔に努めること,物や金銭の価値を正しく知り,計画的に活用することなどを,主な内容とする。)
4 自分の正しいと信ずるとこるに従って行動し,みだりに他人に動かされない。
(低学年においては,自分のことは自分ですることや自分の考えをはっきり述べることを,中学年においては,よく考えて正しいと信ずるところに従って行動することを,高学年においては,更に,みだりに他人の意見や行動に動かされないことを加えて,主な内容とする。)
5 自他の自由を尊重し,自分の行動に責任をもつ。
(低学年においては,のびのびと行動することを,中学年においては,責任のある行動をすることを加え,高学年においては,更に,自由と責任との関連をも考えることを加えて,主な内容とする。)
6 常に明るく,誠実に行動する。
(低学年においては,いつも明るくはきはきとすること,うそを言わないこと,ごまかしをしないことなどを,中学年・高学年においては,常に誠実に行動し,明るい生活をすることを,主な内容とする。)
7 正を愛し不正を憎み,勇気をもって正しい行動をする。
(低学年においては,正を愛する気持ちをもつことを,中学年においては,正と不正を見極めることや誘惑に負けないことなどを加え,高学年においては,更に,勇気をもって正しい行動を積極的に行うことなどを加えて,主な内容とする。)
8 正しい目標の実現のためには,困難に耐えて最後までやり通す。
(低学年においては,つらいことにも耐えて努力することを,中学年においては,辛抱強く最後まで仕事をやりぬくことを,高学年においては,障害や失敗にもくじけないで,ねばり強くものごとをやり遂げることを,主な内容とする。)
9 人の忠告をよく聞いて自分を反省するとともに,思慮深く節度のある生活
(低学年においては,人の忠告を聞いて過ちや欠点を素直に認め,わがままをしないことを,中学年においては,更に,度を過ごさない生活をすることを加え,高学年においては,常に言行をふりかえり,思慮深く行動するとともに,節度のある生活をすることを,主な内容とする。)
10 自然を愛護し,優しい心で動物や植物に親しむ。
(低学年・中学年においては,自然に親しみ,優しい心で動物や植物をかわいがり世話することを,高学年においては,更に,自然を愛護することを加えて,主な内容とする。)
11 美しいものや崇高なものを尊び,清らかな心をもつ。
(低学年・中学年においては,美しいものや清らかなものを大切にすることを,高学年においては,更に,崇高なものを尊び,清らかな心をもつことを加えて,主な内容とする。)
12 自分の特徴を知り,長所を伸ばす。
(低学年・中学年においては,自分の特徴に気付くことを,高学年においては,更に自分の長所を知り,それを伸ばすことを加えて,主な内容とする。)
13 常に希望をもち,より高い目標を立てて,その実現に努める。
(低学年においては,ものごとを熱心にやること,ものごとを成し遂げた喜びを感じることなどを,中学年においては,更に,自分で目標を立てて努力することを加え,高学年においては,より高い目標に向かって励み,希望をもって進むことを,主な内容とする。)
14 ものごとを合理的に考え,常に研究的態度をもつ。
(低学年においては,ものごとのわけをよく考えることを,中学年においては,常に研究的態度をもとうと努めることを加え,高学年においては,更に,真理を尊び,広い視野に立って,正しく批判し判断して行動することを加えて,主な内容とする。)
15 創意工夫をこらし,進んで新しい分野を開いていく。
(低学年においては,工夫して仕事をすること,よいと思ったことは進んで実行しようとすることなどを,中学年においては,新しい考えや方法を生み出すことを加え,高学年においては,更に,積極的に新しい分野を切り開いていくことを加えて,主な内容とする。)
16 だれにも親切にし,弱い人や不幸な人をいたわる。
(低学年においては,友達や自分より幼い人に対して親切にすることを,中学年においては,更に,弱い人や不幸な人を進んで慰め,励ますことを加え,高学年においては,他人の身になって考え,だれに対しても温かく接することを,主な内容とする。)
17 自分たちや世の中のために尽くしてくれる人々に対し,尊敬し感謝する。
(低学年においては,自分たちの世話をしてくれる人々に感謝することを,中学年においては,公共のために尽くす人々に対し尊敬し感謝することを加え,高学年においては,更に,先人の遺業を敬うことを加えて,主な内容とする。)
18 互いに信頼し合い,仲よく助け合う。
(低学年においては,友達と仲よく助け合い励まし合うことを,中学年においては,更に,互いに忠告し合うことを加え,高学年においては,人を信頼し,人の信頼を裏切らないことを,主な内容とする。)
19 偏見をもたず,だれに対しても公正公平にふるまう。
(低学年においては,自分の好ききらいにとらわれないことを,中学年・高学年においては,人を差別せず,だれに対しても公正公平にふるまうことを,主な内容とする。)
20 広い心で人の気持ちや立場を理解し,人の過ちをも許す。
(低学年においては,人の過ちを許すことを,中学年においては,相手の立場を理解するとともに,人の過ちをも許すことを,高学年においては,更に,広い心で自分と異なる意見や立場をも重んずることなどを加えて,主な内容とする。)
21 規則や自分たちで作るきまりの意義を理解し,進んでこれを守る。
(低学年においては,きまりや規則をよく守るととを,中学年・高学年においては,きまりや規則の意義を知って進んでこれを守るとともに,よいきまりを作り,更に必要に応じてそれを改善することなどを,主な内容とする。)
22 権利を正しく主張するとともに,自分の果たすべき義務は確実に果たす。
(低学年・中学年においては,自分の果たすべきことは確実に果たすことを,高学年においては,更に,権利を正しく主張することや,権利と義務との関連を考えることなどを加えて,主な内容とする。)
23 勤労の尊さを知るとともに,進んで人のためになる仕事をする。
(低学年においては,自分の仕事に励むことを,中学年においては,更に,力を合わせて人のためになる仕事をすることを加え,高学年においては,勤労の意義や尊さを知り,進んで人のためになる仕事をすることを,主な内容とする。)
24 社会の一員としての自覚をもって,公共物を大切にし,公徳を守る。
(低学年・中学年においては,公共物を大切にし,人に迷惑をかけないことを,高学年においては,更に,社会の一員としての自覚をもって公徳を守り,進んで公共のために尽くすことを加えて,主な内容とする。)
25 家族の人々を敬愛し,よい家庭を作ろうとする。
1 指導計画の作成に当たっては,各学年の各教科及び特別活動における道徳教育との関連を考慮して,特に必要な内容についてこれを重点的に取り上げ,また,幾つかの内容を関連付けて指導するように配慮する必要がある。
2 第2の内容の各事項における括弧書きは,学年段階に応ずる望ましい主な内容を示したものであり,このことを十分考慮して指導計画を作成する必要がある。
3 指導計画は,地域や児童の実態に応じて具体的に作成するものであるが,固定的なものと考えず,必要に応じて弾力性をもたせるようにする。
4 指導に当たっては,その効果を一層高めるため,家庭や地域社会との共通理解を深め,相互の連携を図るように配慮する必要がある。
5 児童の道徳性については,常にその実態を把握(はあく)するよう努める必要がある。しかし,各教科における評定と同様の評定を,道徳の時間に関して行うことは適切ではない。