第4節 理   科

 

第1 目 標

 観察,実験などを通して,自然を調べる能力と態度を育てるとともに自然の事物・現象についての理解を図り,自然を愛する豊かな心情を培う。

 

第2 各学年の目標及び内容

 1 目 標

  (1) 身近に見られる生物を探したり世話をしたりさせて,生物の著しい特徴に気付かせるようにするとともに,生物に親しむ楽しさを味わわせる。

  (2) 身近な自然の事物・現象に親しませ,それらを見たり試したりさせて,事物・現象の著しい特徴に気付かせるようにするとともに,自然に接する楽しさを味わわせる。

 2 内 容

  (1) いろいろな植物を探したり,葉,花,実などを使った活動をしたりさせながら,それらの色,形,汁(しる)などの特徴に気付かせる。

  (2) 植物の種子を蒔(ま)いたり,球根を植えたりして育てさせながら,植物が育つには水が必要なこと及び植物が育つときの著しい変化に気付かせる。

  (3) いろいろな動物を探したり飼ったりさせながら,動物の食べ物,体の形,動きなどの特徴に気付かせる。

  (4) 動くおもちゃを工夫して作ったり動かしたりさせながら,風,ゴムなどのはたらきに気付かせる。

  (5) 磁石を使った活動を工夫させながら,磁石に付く物と付かない物とがあること及び磁石のはたらきに気付かせる。

  (6) 物の影を利用した活動を工夫させながら,日なたにできる物の影は同じ向きになっていること及び物によってできる影の形,濃さなどに違いがあることに気付かせる。

  (7) 晴れた日や雨の降る日に,空や地面の様子を見たり,雨水,氷などを使った活動を工夫したりさせながら,天気によって地面の様子に違いがあることに気付かせる。

  (8) いろいろな石を集めたり,石を使った活動を工夫したりさせなから,石には,色,形,手触りなどに特徴があることに気付かせる。

 

 1 目 標

  (1) 身近に見られる生物を探したり育てたりさせて,生物の生活の仕方及び育ち方に気付かせるようにするとともに,生物に親しむ楽しさを味わわせる。

  (2) 身近な自然の事物・現象に親しませ,それらを見たり確かめたりさせて,事物の特徴及び変化の様子に気付かせるようにするとともに,自然に接していく楽しさを味わわせる。

 2 内 容

  (1) 植物の種子を蒔(ま)いて育てさせながら,植物は芽を出して育ち,花が咲いて多くの種子ができること及び日なたと日蔭とでは育ち方に違いがあることに気付かせる。

  (2) 草むら,水中などの動物を探したり工夫して飼ったりさせながら,それらの食べ物,住んでいる場所,動きなどに違いがあることに気付かせる。

  (3) 物を水に溶かし,溶ける様子を見たり,溶かし方を工夫したりさせながら,物と水の変わる様子及び水の温かさによって溶ける速さに違いがあることに気付かせる。

  (4) 空気を入れ物の中に閉じ込めたり,水の中に入れたりさせながら,身の回りには空気があることに気付かせる。

  (5) おもりで勤くおもちゃを工夫して作ったり動かしたりさせながら,おもりの重さ,付け方などによって,動きに違いがあることに気付かせる。

  (6) 乾電池に豆電球,導線などをつないで点燈したり,それらを使った活動を工夫したりさせながら,豆電球が点燈するつなぎ方及び電気を通す物と通さない物とがあることに気付かせる。

  (7) いろいろな物を使って音を出したり伝えたりさせながら,音が出ている物は震えていること及び糸などは音を伝えることに気付かせる。

  (8) 日なたと日陰の地面の様子を比べて,地面の暖かさ,乾き方,水の温まり方などに違いがあること及び日陰の位置は太陽の動きによって変わることを気付かせる。

  (9) 砂や士と水とを使った活動を工夫させながら,砂や土の手触り,固まり方,水の滲(し)み込み方,水の中に入れたときの沈む様子などに違いがあることに気付かせる。

 

 1 目 標

  (1) 身近に見られる生物を探したり育てたりしながら,生物の成長及び活動の様子を調べ,それらが季節に関係があることを理解させるとともに,生物を愛護する態度を育てる。

  (2) 空気,日光,磁石などによる現象を調べ,それらの性質及びはたらきを理解させるとともに,変化のきまりを見いだすことに興味をもたせる。

  (3) 土,水及び空気の温度の変化の様子並びに天気の様子を調べ,それらの特徴及び変化を理解させるとともに,それらの身近な自然現象についての関心を深める。

 2 内 容

  A 生物とその環境

  B 物質とエネルギー   C 地球と宇宙    1 目 標

  (1) 生物を育てながら成長の様子を継続して調べ,成長には段階があること,生命は連続していること及び成長は養分や日光と関係があることを理解させるとともに,生物を愛護する態度を育てる。

  (2) 物の溶け方,物の重さ,熱による状態の変化,電流による現象などを調べ,それらの性質及びはたらきを理解させるとともに,変化のきまりを見いだすことに興味をもたせる。

  (3) 川の水などの流れる様子及び太陽や月の動きなどを調べ,流水のはたらき並びに太陽や月の形及び動きを理解させるとともに,それらの自然現象についての関心を深める。

 2 内 容

  A 生物とその環境

  B 物質とエネルギー   C 地球と宇宙    1 目 標

  (1) 生物の成長の様子及び体の仕組みを調べ,生物は環境の影響を受けて成長していることを理解させるとともに,生命を尊重する態度を育てる。

  (2) 物の溶け方,燃え方,光の進み方,音の伝わり方などを調べ,物の性質及び変化の規則性を理解させるとともに,進んでそれらを発見しようとする態度を育てる。

  (3) 星の動きを調べ,動きのきまりを理解させるとともに,天体の現象を時間の経過及び空間の広がりで見ようとする態度を育てる。

 2 内 容

  A 生物とその環境

  B 物質とエネルギー   C 地球と宇宙    1 目 標

  (1) 植物の成長や繁殖及び人体について調べ,生物は互いに影響し合って成長したり繁殖したりしていること及び人体のつくりやはたらきを理解させるとともに,生物と環境の相互関係について関心を深め,生命を尊重する態度を育てる。

  (2) 水溶液の性質,物の温まり方,燃え方,てこのはたらき,電磁石のはたらきなどを調べ,物の性質及び変化の規則性を理解させるとともに,それを自然現象に適用し,進んで未知のものを探ろうとする態度を育てる。

  (3) 地層の様子及び太陽の動きや地表の温度の変化を調べ,水及び日光が地表に及ぼすはたらきを理解させるとともに,自然現象を時間の経過及び空間の広がりで見ようとする態度を育てる。

 2 内 容

  A 生物とその環境

  B 物質とエネルギー   C 地球と宇宙  

第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い

 1 低学年の指導に当たっては,児童が見たり探したり育てたり作ったりするなどの活動を通して自然の特徴をとらえるようにするとともに,特に言語,数量,造形などに関する諸活動との関連を図り,指導の効果を高めるように配慮する必要がある。

 2 観察,実験,栽培,飼育及び製作についての指導に当たっては,事故の防止に留意する必要がある。

 3 生物,天気,川,地層などについての指導に当たっては,野外に出かけ,地域の自然に触れさせることを重視するとともに,自然の保護に関心をもたせる必要がある。