第1 目 標
児童または生徒の心身の障害の状態を改善し,または克服するために必要な知識,技能,態度および習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤をつちかう。
第2 内 容
A 心身の適応
2 心身の障害や環境に基づく心理的不適応の改善に関すること。
3 障害を克服する意欲の向上に関すること。
2 感覚の補助的手段の活用に関すること。
3 認知能力の向上に関すること。
2 生活の基本動作の習得および改善に関すること。
3 作業の基本動作の習得および改善に関すること。
2 言語の形成能力の向上に関すること。
3 言語の表出技能の習得および改善に関すること。
第3 指導計画の作成と内容の取り扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項について配慮するものとする。
(2) 各教科,道徳および特別活動における指導と密接な関連を保つようにし,組織的,計画的に指導できるようにすること。
(3) 児童または生徒の心身の障害の状態により,特に必要がある場合には,専用の医師およびその他の専門家と密接な連絡をとり,適切な指導ができるようにすること。
ア 言語発達の基礎となる認知能力の育成。
(イ) 身のまわりの事物やことがらについて関心をもつこと。
(ウ) 事物を比較したり,見分けたり,分類したり,順序づけたりすること。
(エ) 事物やことがらを記憶すること。
(オ) 身のまわりの事物やことがらについて,その性質,目的,因果関係などに気づくこと。
(カ) 注意を継続的に集中すること。
(イ) いろいろな音,音声を知り,聴(き)き分けること。
(ウ) 補聴器を有効に使うこと。
(イ) 読話できる基礎的なことばをふやすこと。
(ウ) 話の場面や話の前後関係などを手がかりとして読話すること。
(イ) 自然で安定した声を出すこと。
(ウ) 国語の音をひととおり正しく発音すること。
(エ) 語句や文を話すこと。
(イ) 身近な経験や日常生活に必要な事物やことがらに関することばを理解すること。
(ウ) 国語の基本となる語法の基礎を知ること。
ア 聴覚の障害およびこれに基づく意思疎通の困難などによる心理的不適応,情緒的不安定等を防ぎまたは改善すること。
イ 自己の障害を認識し,障害を克服しようとする積極的な意欲をつちかうこと。
(3) 内容のCについては,
平衡機能の障害などに基づく平衡運動の不全または聴覚障害による身体諸機能の協応動作の遅滞などを改善すること。
4 上記2の(1)に示すア,イ,ウ,エおよびオの各事項については,それぞれ適切な学習活動を組織し,相互の調和を図りながら指導するとともに,国語科の指導と密接に関連させて取り扱うようにすることが必要である。なお,必要に応じて,ア,イ,ウ,エおよびオの各事項を総合的に取り扱ったり,それぞれを別個に取り扱ったりして,指導の効果を高めるようにすることがたいせつである。
5 内容の指導に当たっては,児童または生徒の心身の発達の状態に留意して学習に対する自発性や意欲を育てるように留意することが必要である。
6 内容の指導に当たっては,個々の児童または生徒の心身の障害の状態および能力・適性等に応じた具体的な目標を明確にし,児童または生徒の意欲的な活動を促すようにすることが必要である。
7 養護・訓練の時間の指導は,専門的な知識,技能を有する教師が中心となって担当し,全教師の協力のもとに,効果的な指導を行なうようにすることが必要である。