第1款 目 標
1 工業の各分野における中堅の技術者に必要な知識と技術を習得させる。
2 工業技術の科学的根拠を理解させ,その改善進歩を図る能力と態度を養う。
3 工業の社会的・経済的意義を理解させ,共同して責任ある行動をする態度と勤労に対する正しい信念とをつちかい,工業の発展を図る態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 機 械 実 習
1 目 標
機械に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,機械,器具などの生産に関する技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 塑性加工 (4) 切削加工
(5) 熱 処 理 (6) 研削加工
(7) 仕上・組立 (8) 検 査
(9) 生産管理 (10) 材料試験
(11) 熱 機 関 (12) 流体機械
(13) 電 気 (14) 計測・制御
(2) 内容については,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うようにする。
(3) 個々の内容を断片的,ら列的に履修させることなく,教材などの選択や配列をくふうし,総合的に実習を行なうことが必要である。
(4) 個々の作業などの指導に重点をおいて取り扱う必要もあるが,その場合にも,個々の作業の熟達を図ることだけにとどまらず,他の科目における学習事項を活用して事象を科学的に考察させ,作業を合理的に処理するように指導する必要がある。
第2 機 械 製 図
1 目 標
製図通則および機械製図に関する規格を現解させ,機械,器具などの図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) スケッチと製図 (4) 機械要素の製図
(5) 機械・器具の製図 (6) 各種の図面
(2) この科目は,「機械設計」との密接な関連のもとに指導するものとする。
(3) 製図能力を養うに当たっては,スケッチに重点をおいて指導するものとする。
(4) 内容の(1)については,立体的形状を平面上に表現する原則を理解させ,図形のかき方に習熟させるとともに,図形から立体を把握する能力を養う。(2)については,製図に関する規格に従って製作図をかくことができるようにする。(4)については,機械要素の種類,構造,用途などについても理解させ,「機械設計」と関連させて機械要素の設計製図も取り扱う。(5)については,機械・器具のスケッチ・製図および設計・製図を取り扱う。(6)については,配管図,配線図,計装図などを理解させる。
第3 機 械 設 計
1 目 標
機械,器具,装置などを合理的,経済的に設計する基礎的な技術を習得させるため,
(2) 機械に働く力と運動や応力とひずみの関係を調べ,機械の各部分が耐久性をもつように適切な材料を選び,その形状と大きさを決める能力を養う。
(3) 簡単な機械・器具の設計を通して,必要な資料を活用する能力を養う。
(3) 機械の仕事と動力 (4) 材料の強さ
(5) 構造物と圧力容器 (6) 管 路
(7) 締結要素 (8) 軸 要 素
(9) 伝動装置(減速装置を含む。) (10) 緩衝装置
(11) 簡単な機械・器具の設計
(2) この科目において取り扱う機械要素については,機構学的に考察する能力を養うとともに,設計の観点から指導するものとする。
(3) 内容の(10)については,機械の振動についても基礎的な事項を指導するものとする。
(4) その他,油圧回路,電気系統に関する設計などについても,指導することができる。
第4 機 械 工 作
1 目 標
生産に利用される各種の工作法および管理法を科学的根拠に基づいて理解させ,合理的な工作法および生産方式を企画し,改善する能力を養う。
2 内 容
(3) 主要な機械材料 (4) 各種の工作法
(5) ジグと取付具 (6) 工程の計画
(7) 品質の管理 (8) 作業の研究
(9) 各種の管理 (10) 工場安全
(11) 機械の自動化 (12) 将来の生産方式
(2) 個々の工作法については,機器の構造,機能および操作を「機械実習」において取り扱い,この科目においては,各種の工作法をその発達の歴史と将来の見通しの上に立って指導するものとする。
(3) 金属材料をその加工性と工作法を通して理解させるようにする。
(4) 工作法や管理手法の進歩の方向を理解し,将来の生産体制を予測する能力を養うようにする。
第5 原 動 機
1 目 標
原動機の構造および機能をその基礎となる理論との関連のもとに理解させ,原動機を適切に選択し,有効に利用する能力を養う。
2 内 容
(3) 蒸気発生装置 (4) 蒸気原動機
(5) 内燃機関 (6) 油圧装置
(7) 冷凍装置
(2) 内容の各項目を関連させて,それぞれ基礎となる理論と応用について指導するものとする。
(3) 内容の(1)については,自然のエネルギーから動力のエネルギーへの変換の方法について,歴史的に取り扱う。(2)の中の水車,(4)の中の蒸気機関および(5)の中の石油機関は,それぞれ軽く取り扱う。(3)については,原子炉を含める。
第6 計測・制御
1 目 標
計測・制御に関する基礎的な事項を習得させ,各種の測定法および計測機器を比較検討して,簡単な計装や自動化の計画を立てる能力を養う。
2 内 容
(3) 工業量の測定 (4) 自動制御
(2) 内容の(3)については,化学量は省略する。(4)については,自動制御の種類をあげ,各種の制御の特質と応用について理解させる。また,機械の自動化を中心として,シーケンス制御およびフィードバック制御について指導する。その他,電気の基礎を指導することもできる。
第7 機 械 材 料
1 目 標
機械工業に使用されるおもな材料の製造法,組成,性質などを理解させ,使用目的に応じて適切に材料を選定し,計画的,経済的に材料を活用する能力を養う。
2 内 容
(3) 鉄 合 金 (4) 非鉄合金
(5) 粉末合金 (6) 非金属材料
(2) 技術の進歩に応じて新しい材料を取り上げるように考慮して指導するものとする。
第8 自動車実習
1 目 標
自動車に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,自動車の製造・整備に必要な基礎的な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 自動車整備 (4) 自動車試験
(5) 電気・電装 (6) 自動車運転
(7) 工場管埋
(2) 内容の(1)については,鋳造,塑性加工,熱処理,切削加工,溶接および表面処理について,基本となる工作の方法を習得させる。(2)については,試験・検査の基礎となる種目に関する測定の方法を習得させる。(3)については,機関,シャシおよび車体について,整備計画と作業の実際を習得させる。(4)については,機関および車両について,試験・検査の方法を習得させる。(5)については,電気工学の一般的な知識を理解させるような教材および電装品について実験させるなどして,試験・検査の方法を習得させる。(6)については,自動車の構造・性能および関係法規を理解させ,操作・取り扱いを体験させる。(7)については,実習の対象である個々の題材について,作業計画,工程分祈,作業分析,品質管理,工程管理,安全管理,資材・機械・工具の管理などの実際を習得させる。
第9 自動車製図
1 目 標
製図通則および機械製図に関する規格を理解させ,自動車の製造,整備および取り扱いに必要な図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) 自動車部品のスケッチ (4) 製 作 図
(5) 説 明 図
(2) この科目の指導に当たっては,鉛筆がきを主体とし,トレース紙の利用を考慮するものとする。
(3) 内容の(1)については,投影図法,図形,製作図のかき方などの基礎を習得させる。(2)については,種類,用途および機能について理解させるとともに,簡単な機械要素の製図をさせる。(3)については,簡単な部品について,材料,仕上,寸法,精度および重量を調べさせながら,スケッチのしかたを習得させる。(4)については,簡単な部分について,組立図と部品図のかき方を,また,部品について,材料,規格,寸法,加工方法などを記入する製作図のかき方を習得させる。(5)については,簡単な部品について,斜投影図,等角図,断面図などを利用した説明用の図面のかき方を理解させる。
第10 自動車設計
1 目 標
設計の基礎となる工業力学,機構学および材料力学に関する一般的な知識を習得させ,簡単な部品の設計をする能力を養うとともに,自動車の各部に関する生産の企画,改善などを行なう基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 仕事と動力 (4) 材料の強さ
(5) 管路と配管部品 (6) 伝動装置
(7) ばねとブレーキ (8) 設計のしかた
(2) 自動車や工場設備には,規格化された部品が多く使われているので,これらの部品については,あらためて設計するよりも,これをどのように選択し使用するかを考えさせるように指導するものとする。
(3) この科目においては,特に改善する能力を育成するように指導することが必要である。
(4) 実験や課題の計算をさせるなどして,じゅうぶんに理解させるように指導するものとする。
(5) 内容の(1)については,機械の機能および機械要素の概要を理解させる。(2)については,力のはたらき方,運動のしかた,運動量および摩擦の概要を理解させる。(3)については,エネルギー,仕事,動力および効率の概要を理解させる。(4)については,荷重,応力,ひずみ,弾性,曲げ,座屈,ねじりおよび振動の概要を理解させる。(5)については,工場設備や自動車に使われている容器,管,管継手,弁および管路について,構造および機能の概要を理解させる。(6)については,軸,軸継手,軸受,リンク,ベルト,チェーン,歯車,カムなどについて,機構や運動の概要を理解させる。(7)については,ばねとブレーキについて,機構や運動の概要を理解させる。(8)については,(1)から(7)までにおいて学習した知識をもとにして,簡単な部品を設計する手段を理解させ,実際に設計させる。
第11 自動車工作
1 目 標
自動車の製造,部品の加工および工場における生産の管理に関する基礎的な知識を習得させ,工作および生産に関する理解を深めさせるとともに,これらを企画,改善,設計および作業の指導に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 機械の自動化 (4) 自動車の製造
(5) 生産管理
(2) 機械の構造や作用,工具の機能などについての具体的な指導は,なるべく実習で行なうようにする。
(3) 内容の(1)については,自動車に使われている各種の材料の物理的・化学的性質,規格および加工性を理解させる。(2)については,鋳造,鍛造,圧延,プレス,溶接,切削,熱処理,研削,表面処理などの加工法を理解させる。(3)については,機械や装置の自動化および自動制御について,方式や作用の概要を理解させる。(4)については,機関,シャシおよび車体の主要部分についての工作法および生産方式の概要を理解させる。(5)については,作業分析,工程分析,作業管理,工程管理,品質管理および安全管理の概要を理解させる。
第12 自動車構造
1 目 標
自動車および自動車を構成する各部の構造と機能に関する基礎的な知識を習得させ,設計,生産,整備,販売,運転などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 自動車用機関 (4) 機関の付属装置
(5) 電気装置 (6) 走行と性能
(7) シ ャ シ (8) 車 体
(9) 付属装置
(2) 「自動車電気」を履修させる場合には,内容の(5)の一部または全部を省略するものとする。
(3) 乗用・乗り合い・貨物車など一般的なものを主題とし,それらの基本となる構造を中心として題材を整理し,間口を広げないようにする。
(4) 内容の(1)については,自動車の運輸,工業および構造・機能について,概要を理解させる。(2),(5)および(6)についての理論は,例題などを取り入れて平易に解説し,定着を図る。(2)については,燃料,燃焼,エネルギー,サイクル,回転運動および動力について,基本的な理論を理解させる。(3)については,自動車に用いられる各種機関の構造・作用を理解させる。(4)については,燃料,潤滑,冷却,排気などの装置の構造・作用を理解させる。(5)については,電気に関する一般的な知識を習得させ,点火,発電,蓄電,始動,照明などの付属装置の構造・作用を理解させる。(6)については,走行抵抗,動力性能,運行性能などについて,基本的な理論を理解させる。(7)については,伝動,走行,懸架.ブレーキ,かじ取りなどの各装置の構造・作用を理解させる。(8)については,各種自動車の車体の構造・機能を理解させる。(9)については,計器,警音器その他車体に付属している各種装置について,構造・機能を理解させる。
第13 自動車整備
1 目 標
自動車の保安と整備に関する知識を習得させ,保守・点検・調整・修理・再生の能力および試験・検査・管理にこれを応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 機関の整備 (4) シャシの整備
(5) 電気装置の整備 (6) 車体の整備
(7) 機関の試験 (8) 車両の試験
(9) 関係法規
(2) 「自動車法規」を履修させる場合には,内容の(9)を省略するものとする。
(3) 内容の(1)については,自動車の整備事業,試験および検査の概要を理解させる。(2)については,自動車各部の点検,調整および検査の意義と方法の概要を理解させる。(3)については,機関本体と付属装置の分解,組立および整備のしかたを理解させる。(4)については,シャシを構成する各部分の整備のしかたについても理解させる。(5)については,点火,充電,始動などの電気装置の整備のしかたを理解させる。(6)については,外板,取付部および塗装部の修理の方法を理解させる。(7)については,機関の性能を試験する方法を理解させる。(8)については,製造の際の試験,検査および走行性能試験の方法を理解させる。(9)については,道路運送法,自動車登録令,道路運送車両の保安基準,自動車点検基準などの概要を知らせる。
第14 自動車電気
1 目 標
電気の基礎理論および電気に関する計器・機器・設備ならびに自動車の電気装置に関する知識を習得させ,電気装置を点検・整備し,計器・機器・設備を正しく使用する能力を養う。
2 内 容
(3) シャシ・車体の電気装置 (4) 電気計測
(5) 電気の回路 (6) 電気機器
(7) 電気の施設・設備
(2) 電気計測を「自動車整備」において指導する場合には,内容の(4)を省略するものとする。
(3) 実習で取り上げない題材については,必要に応じて,実験,示範,見学その他の方法により理解を深めるように指導するものとする。
(4) 内容の(1)については,電子,直流,交流および電力に関する基本的な事項を理解させ,簡単な計算ができるように指導する。(2)については,点火・発電・始動の各装置および蓄電池の構造および機能を理解させる。(3)については,計測,照明,保安信号,窓ふき,警音などの付属装置の構造,機能およびそれらの配線について理解させる。(4)については,点検および測定に使用する電気計器の構造,機能および計測の方法を理解させる。(5)については,直流,交流および電子の回路の構成および機能を理解させる。(6)については,工場で使用される代表的な発電機、電動機,整流機器および変圧器の構造,機能および用途を理解させる。(7)については,屋内配線と自家用電気設備の概要を理解させる。
第15 自動車法規
1 目 標
自動車に関する法規について理解させ,これを正しく解釈し適用する能力を養う。
2 内 容
(3) 保安基準 (4) 自動車の整備
(5) 自動車の検査 (6) 整備事業
(7) 関係通達
(2) 法規の精神を理解させることに努め,条文や基準を暗記させるようなことは避けるものとする。
(3) 内容の(1)については,道路運送車両法,同法施行規則,自動車登録令,自動車登録規則,自動車点検基準,指定自動車整備事業規則などの内容の概要を理解させる。(2)については,道路運送車両法,同法施行規則,自動車登録令および自動車登録規則に示されている登録に関する事項を理解させる。(3)については,道路運送車両法および道路運送車両の保安基準に示されている自動車の保安に関する事項を理解させる。(4)については,道路運送車両法,同法施行規則,自動車点検基準および自動車事故報告規則に示されている整備のあり方に関する事項を理解させる。(5)については,道路運送車両法および同法施行規則に示されている自動車検査に関する事項を理解させる。(6)については,道路運送車両法,同法施行規則,優良自動車整備事業者認定規則および指定自動車整備事業規則に示されている整備事業に関する事項を理解させる。(7)については,関係通達の意義,内容および取り扱いについて理解させる。
第16 造 船 実 習
1 目 標
造船に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,造船に関する技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 木 工 (4) 溶接・板金
(5) 材料試験 (6) 計 測
(7) 船体性能試験 (8) 舟艇建造
(9) 舶用機関 (10) 電 気
(11) 現場実習
(2) 内容については,地域や学校の実態などを考慮して,適切なものを選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
(3) 個々の作業の熟達を図ることにとどまらず,他の科目との有機的な関連を図り,作業を合理的に処理する基礎をつちかうものとする。
(4) 内容の(1)については,機械仕上,手仕上,鍛造などを含め,一貫した加工法を身につけさせるような題材を取り扱う。(2)については,原尺現図および縮尺現図に関する基本的な技術を身につけさせるように取り扱う。(4)については,ガス溶接士および溶接技量検定の教程を考慮して指導するとともに,非鉄金属の溶接および継手検査についても取り扱う。(5)については,組織,機械的性質,非破壊検査および応力測定を含む題材を取り扱う。(6)については,造船に関する諸量の計測,自動制御,電子計算機などに関する基礎的な技術を指導する。(7)については,各種形状の船体の安定性および諸性能の比較計算ができるように指導する。(8)については,地域や学校の実態などを考慮して,適切な題材を選択し,建造計画,加工,塗装,工程管理などについて,総合的に指導する。(9)については,運転性能試験,燃料計測などを取り扱う。(11)については,長期間にわたり造船所で実施することが望ましいが,地域や学校の実態などを考慮して,適切に計画する。
第17 造 船 製 図
1 目 標
製図通則および船舶の設計,建造,修埋などに必要な製図に関する規格を理解させ,造船に関する図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) 船舶計画図 (4) 船舶構造図
(5) 船舶ぎ装図 (6) 工 作 図
(2) 内容については,一貫した基礎的なものを題材として取り扱うものとし,地域や学校の実態などを考慮して計画し,他の科目との密接な関連のもとに指導するものとする。
(3) 内容の(1)については,製図通則および製図の規約を理解させ,画法およびスケッチによって立体を平面上に表わす能力を養う。(2)については,機械要素および船舶に用いる機器の製図を習得させる。(3)については,線図,排水量等曲線図,復原力曲線図および一般配置図を取り扱う。(4)については,一般貨物船または油タンカの構造計画図,基本構造図,一般構造図および部分構造図を取り扱う。(5)については,係船装置,荷役装置,諸室装置,諸管系統およびこれらの諸装置に関する事項を取り扱う。(6)については,切り図,一品図,ブロック図などを取り扱う。(3)および(4)については,船舶の主要目からの設計を加えて指導することもできる。
第18 造 船 工 学
1 目 標
造船工業の特質を理解させ,造船工学に関する一般的な知識を習得させるとともに,造船の各分野における基礎的な技術を習得させる。
2 内 容
(3) 造 船 所 (4) 船の理論
(5) 船の計画 (6) 船の構造
(7) 船の設備 (8) 船の建造
(9) 船の修理
(2) この科目は,造船全般にわたる学習の基礎となるものであるから,内容相互の密接な関連を図り,基本的な知識を習得させ,応用能力を養うようにする。
(3) 内容の(2)については,船の種類,船の一生,船舶法規,造船用語,船型,船の構成などを取り扱う。(3)については,造船工業の特質,施設,設備および関係工場を取り扱う。(4)については,船舶算法,復原性,抵抗,推進,操縦などの基礎を取り扱う。(5)については,基本設計および生産設計の基礎を取り扱う。(6)については,船体材料,外力と船体・部材の強さ,外板,フレーム,船底,甲板,隔壁,タンク,機関室,船首尾および上部構造の概要を取り扱う。(7)については,係船,荷役,航海,居住,救命,消防,通信などの各設備および属具の概要を取り扱う。(8)については,現図および加工・組立・船台・進水・ぎ装・塗装の各工事の基礎を取り扱う。(9)については,検査,損傷および修理を取り扱う。
第19 造 船 設 計
1 目 標
船舶設計の基本的な諸要素,船舶の安定性・運航性などに関する基礎的な理論を理解させ,船舶を合理的に設計する技術を習得させるとともに,これらを実際に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 船舶算法 (4) 積量測度
(5) 進水計算 (6) 復 原 性
(7) 抵抗と推進 (8) 船体要目
(9) 線図計画 (10) 一般配置
(11) 構造部材計算
(2) 必要に応じて内容を分離し,船舶計算に関する科目を設けて指導することができる。
(3) 内容の(3)については,排水量計算,排水量等曲線の利用およびトリム計算を取り扱う。(8)については,主要寸法の決定,馬力の推定,重量の推定およびこれらの諸計算を取り扱う。(11)については,構造図をかくのに必要な部材寸法決定を造船上の規則によって指導する。
第20 船舶構造・装置
1 目 標
船舶の構造方法および各種装置・設備について理解させ,合理的な構造および設備を計画する能力を養う。
2 内 容
(3) 船首尾構造 (4) 上部構造
(5) タンカーの構造 (6) 木船構造
(7) 係船設備 (8) 操縦設備
(9) 荷役設備 (10) 船内設備
(11) 諸管ポンプ装置 (12) 消防設備
(13) 機関設備 (14) 電気・通信設備
(15) 船外設備
(2) 必要に応じて,船舶構造と船舶ぎ装に関する科目とに分離して,指導することができる。
(3) 内容の(1)については,外力と構造,材料,部材結合などを取り扱う。(2)については,部材寸法決定を加えて,船底,船側,甲板および隔壁の各構造を取り扱う。(3)については,船首構造,船尾構造およびかじを取り扱う。(4)については,船楼,甲板室,ブルワーク,デリックポストなどを取り扱う。(5)については,タンカーの特徴および貨油倉の構造を取り扱う。(6)については,材料,固着,水密工事および各部構造を木船構造規則によって取り扱う。(7)については,揚びょうおよび係留に使用する機器の作用およびその設備すべき数量の算定を取り扱う。(8)については,かじ取り装置,航海計器および信号器具を取り扱う。(9)については,デリック装置の機器具および船倉設備を取り扱う。(10)については,居住設備,航海用設備,通風装置,採光装置,冷暖房装置および冷凍・防熱・防音装置を取り扱う。(11)については,配管用材料,ポンプ・ポンピング諸管装置,蒸気管装置,清海水管装置、排水管装置,圧縮空気管装置および油タンカ諸管装置を取り扱う。(12)については,防火構造,消火装置および火災警報装置を取り扱う。(13)については,内燃機関,ボイラ,タービン,減速装置,機関室ぎ装,甲板機械,船舶自動化,遠隔操縦などを取り扱う。(14)については,電気理論,電気機器,電子機器,通信装置,電気計測,電子計算機などを取り扱う。「電気一般」を履修させる場合には,この項目を省略することができる。(15)については,救命設備,昇降装置,手すりおよび天幕装置を取り扱う。
第21 造 船 工 作
1 目 標
材料の加工および組立に関する知識と技術を習得させるとともに,船舶建造の手順および工作法を理解させ,急速に進展する技術に即応していく能力を養う。
2 内 容
(3) 現 図 (4) 加工工事
(5) 組立工事 (6) 船台工事
(7) 進水工事 (8) ぎ装工事
(9) 塗装工事 (10) 検査と試験
(2) 技術の進歩に応じて,指導内容を適宜改善するように留意し,合理的に工事を進める能力を養うようにする。
(3) 内容の(1)については,鉄鋼材料,非鉄金属材料および非金属材料を工作上の観点から取り扱う。(2)については,「造船実習」に含めて取り扱うことができる。また,「機械一般」を履修させる場合には,これを省略する。(3)については,原尺現図,縮尺現図,展開法,切り図などを取り扱う。(4)については,工場設備,けがき,切断,曲げ加工などを取り扱う。(5)については,工事の内容,工場設備,組立,溶接,搭載準備などを取り扱う。(6)については,船台,搭載,決め方,固め方などを取り扱う。(7)については進水装置および進水作業を取り扱う。(8)については,木工事,板金,配管,船具工作などを取り扱う。(9)については,工事の内容,設備,塗装材料,安全衛生などを坂り扱う。(10)については,種類,内容,方法などを取り扱う。
第22 造 船 力 学
1 目 標
工業力学および構造力学に関する基礎的な知識を習得させるとともに,船体およびその構成部材に働く外力による応力と変形の理論ならびにその応用について理解させ,これらに関する計算および試験の能力を養う。
2 内 容
(3) 曲 げ (4) 座 屈
(5) ね じ り (6) 仕事と動力
(7) 振 動 (8) 船体強度
(2) 安全率などの取り扱いについては,強さだけでなく,経済性,耐久性などについても留意する。
(3) 内容の(1)については,船に働く力,力の合成・分解・つりあい,重心,トラスおよび図式解法を取り扱う。(2)については,応力とひずみ,許容応力,応力集中,疲れ限度などを取り扱う。(3)については,はりのせん断力と曲げモーメント,曲げ応力と断面係数,はりの断面寸法の決定などを取り扱う。(4)については,柱,板などを取り扱う。(5)については,軸の強さと軸の径,伝達馬力およびコイルばねを取り扱う。(6)については,力積,エネルギーおよび機械の効率を取り扱う。(7)については,単振動,減衰と共振,機械の振動および船体の振動を取り扱う。(8)については,船体縦強度,船体横強度および船体局部強度を取り扱う。
第23 金属工業実習
1 目 標
金属工業に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,金属材料に関する製造,試験,分析,加工法などの技術の基礎を習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 金属組織 (4) 工業分析(機器分析)
(5) 鋳 造 (6) 塑性加工
(7) 切削加工 (8) 金属の熱処理
(9) 表面処理 (10) 溶 接
(11) 工業計測
(2) 知識・技術の習得を徹底させるため,参考資料,教育用機器などを用いるとともに,見学や現場実習を計画して生産現場の体験を得させることか望ましい。
(3) 内容相互の密接な関連を図り,総合的な効果があがるようにする。
第24 金属工業製図
1 目 標
製図通則および機械・金型・炉の製図に関する規格を理解させ,図面を正しく読み,設計に基づく生産,築炉などに直結した作図をする能力を養う。
2 内 容
(3) 機械要素 (4) 工 具
(5) 機械,器具,装置などのスケッチ (6) 機械または装置の製図
(7) すえ付け図と配置図 (8) 工 程 図
(9) 金 型 (10) 築炉製図
(2) この科目の指導に当たっては,特に「金属工業設計」と密接な関連を図るようにする。また,この両科目を融合した指導計画を作成することもできる。
(3) 内容の(1)については,中学校における学習を考慮して,適切な内容を選択して指導し,製図の基本を習得させる。(6)および(10)については,製図が製図例の模写だけに終わらないように設計との関連を密にし,また,スケッチをここでも取り上げる。
第25 金 属 材 料
1 目 標
金属および合金の性質,組織,結晶構造などに関する知識を習得させ,各種金属材料の特性・用途について理解させるとともに,いろいろな処理に伴う性質の変化を利用する能力を養い,金属材料の選択ならびに加工,試験および改善研究に必要な基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 合金状態図 (4) 金属・合金の組織
(5) 金属材料の性質 (6) 炭 素 鋼
(7) 合 金 鋼 (8) 鋳 鉄
(9) 金属材料の試験・検査 (10) 銅とその合金
(11) 軽金属とその合金 (12) その他の非鉄金属材料
(2) 金属材料の特性と規格との関係を把握させるとともに,日本工業規格についての理解を深めるようにする。
(3) 「金属加工」との調整を図るように留意する。
第26 金 属 加 工
1 目 標
金属加工の基礎となる理論とその応用を理解させ,実験・実習を通して金属の加工を合理的に行ない,効率的な生産方式を企画する能力およびくふうし改善する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 金属加工の基礎 (4) 鋳 造
(5) 塑性加工 (6) 溶 接
(7) 切削加工 (8) 熱処理
(9) 表面処理 (10) 粉末や(・)金
(2) 金属材料を成形する場合の加工法にはいろいろの方法があるが,それぞれについて材料別・用途別に応じた適否を判断し,さらにこれを改善する能力を養うようにする。
(3) 加工用の機械・器具の機構・構造を理解させ,実習を通して,その操作に習熟させるようにする。
(4) 金属加工に必要な各種の炉およびこれらに使用する燃料・熱源についての知識を習得させることが望ましい。
第27 金 属 製 錬
1 目 標
主要金属の製錬の反応および操作の物理的・化学的基礎を理解させ,炉および燃料についての知識を習得させるとともに,鉄のや(・)金,非鉄のや(・)金その他の金属および金属材料の製造法についての技術を習得させる。
2 内 容
(3) 乾式製錬の理論と方法 (4) 湿式製錬の理論と方法
(5) や(・)金用各種炉とその燃料 (6) 鉄 製 錬
(7) 製 鋼 法 (8) 非鉄や(・)金
(9) 電気や(・)金
(2) 金属製錬に使用する炉の構造,燃料および炉内反応に関する知識を習得させ,適切な燃料を選択して炉能率の改善を図る能力を養うようにする。
(3) 金属製錬はきわめて多岐にわたるので,地域や学校の実態などを考慮して,適切なものを選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
(4) この科目の指導に当たっては,説明図,教育用機器などを活用し,見学,現場実習などを加えて指導することが望ましい。
第28 特 殊 材 料
1 目 標
特殊材料の性質,製造法などを理解させ,使用目的に応じて適切に材料を選定し,これを経済的に活用する能力を養う。
2 内 容
(3) サーメット (4) 合成樹脂
(5) 複合材料
(2) 「金属材料」との密接な関連のもとに,各材料相互の特性を比較しながら指導するとともに,新しく開発された特殊材料についても,必要に応じて適宜触れるようにする。
第29 金属工業設計
1 目 標
装置,機械,器具などを構成する各種の機械要素の構造,機能および用途を理解させ,これらを合理的に設計する基礎的な技術を習得させる。
2 内 容
(3) 機械要素 (4) 圧力容器
(5) 構 造 物 (6) 伝動装置
(7) ブレーキとばね (8) 工具の設計
(9) 金型設計 (10) 炉の設計
(11) 機械と装置のすえ付け
(2) 内容の(3)については,機構学の内容を含めて指導する。(10)については,熱計算を取り入れる。
第30 電 気 実 習
1 目 標
電気に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,工作,計測などに関する基本的な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 電気工事 (4) 計 測
(5) 電気機器 (6) 電子工学
(7) 自動制御 (8) 電力設備
(9) 電力応用 (10) 電子計算機
(2) 各内容相互の密接な関連および電気に関する各科目との有機的な関連を図り,効果的な指導を行なうことができるように,適切な実習項目を選定して指導計画を作成するようにする。
この場合,生徒の必要および地域や学校の実態を考慮して,技術の基本を習得させるのに最も適した題材を選ぶようにする。
(3) 内容の(1)については,機械工作の基本的な技術を習得させるとともに,工作機械に関する理解を深める。(2)については,簡単な電気機械・器具の製作,組立などを行なう。(3)については,配線工事に関する技術を法規と関連させて習得させるとともに,配線材料についての理解を深める。(5)については,機器の取り扱いに関する実習を中心として指導する。(6)については,電子回路素子や回路の組立・特性試験,電子機器の取り扱いなどを指導する。(8)については,変電所施設の操作・基本的な試験,送電線の特性試験などを取り扱う。(9)については,照明用光源,照明,電熱などに関する実験を行なう。(10)については,模擬実験,プログラミングの実習などを行なう。
第31 電 気 製 図
1 目 標
製図通則および電気機器,電気施設などの製図に関する規格を理解させ,必要な図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) 電気器具 (4) 屋内配線
(5) 電気機器 (6) 電力施設
(7) 電子機器
(2) 製図に関する規格,規約などに従って,正しく表現する能力を養うとともに,設計および工作との関連を理解させるようにする。
(3) 内容の(1)については,図法および製図に関する日本工業規格などを中心として取り扱う。(2)については,基本的な機械部品の製図法を取り扱う。(3)につては,電気器具のスケッチと製図を取り扱う。(5)については,変圧器の設計と製図,誘動電動機の製図などを取り扱う。(6)については,屋内の変電室などに関するものを取り扱う。(7)については,電子機器の回路図,電子機器部品の製図などを取り扱う。
第32 電気工学Ⅰ
1 目 標
電気工学に関する基本的な理論および計測の基礎を理解させ,電気に関する各分野の専門的な技術を習得させるとともに,これらを実際に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 電気回路と材料 (4) 抵抗の測定
(5) 電流の作用 (6) 電流と磁気
(7) 電流計と電圧計 (8) 誘導起電力
(9) 電荷と電界 (10) 放電と絶縁体
(11) 波形の観測 (12) 正弦波交流
(13) 交流回路 (14) 交流ブリッジ
(15) 三相交流 (16) 交流電力の測定
(17) 非正弦波交流 (18) 高周波の測定
(19) 応用計測
(2) 内容の(1)については,文化の進展に電気技術が寄与した経緯を取り扱う。(4)については,電流計・電圧計の取り扱い方と読み方および基礎的な抵抗の測定を取り扱う。(5)については,電流の化学作用と熱作用を取り扱う。(7)については,その原理・構造・特性, 回路計などを取り扱う。(9)については,誘電率,誘電材料および静電容量を取り扱い,コンデンサについても触れる。(10)については,絶縁破壊について触れる。(11)については,主として交流を観測する方法を取り扱い,観測機器に関しても基本的なものについて触れる。(14)については,原理とこれによる実際の測定法を取り扱い,種類と取り扱いについても触れる。(17)については,高調波を中心として取り扱う。(18)については,周波数の測定を中心として取り扱い,基本的な技術を習得させる。(19)については,主として基本的な物理量の測定を取り扱う。
第33 電気工学Ⅱ
1 目 標
電力の発生から応用に至る一連の施設・設備,これに関連する電気機器などについて,原理,構造,特性などを理解させ,これらの施設・設備および電気機器に関する工事,操作および保全ならびに電力の応用に必要な基礎的な技術を習得させる。
2 内 容
(3) 電気銅とけい素鋼板 (4) 絶縁材料
(5) 変圧器の取り扱い (6) 三相誘導電動機
(7) その他の誘導機器 (8) 同 期 機
(9) 整流用機器 (10) 電動機の応用
(11) 発 電 所 (12) 送電と変電所
(13) 配 電 (14) 屋内配線
(15) 自家用変電所 (16) 関係法規
(17) 照明と光源 (18) 電熱と電熱材料
(19) 電気溶接機 (20) 電気化学
(21) 電気鉄道 (22) 電気応用のいろいろ
(2) 「電気実習」との有機的な関連のもとに,適宜関係施設の見学を実施するなど,効果的に指導するものとする。
(3) 「電気機器」,「発送配電」および「電気応用」のうちいずれか1の科目を履修させる場合には,この科目の重複する内容を省略し,その内容に相当する単位数を減ずるものとする。
(4) 「電気機器」,「発送配電」および「電気応用」の3科目をあわせて履修させる場合には,この科目を省略するものとする。
第34 電気工学Ⅲ
1 目 標
電子工学に関する基礎的な理論ならびに電子回路要素,電子回路および電子機器・装置の構成,特性などを理解させ,電子計算機および自動制御系を取り扱うのに必要な基礎的な技術を習得させる。
2 内 容
(3) 電子の放射 (4) 真空管と放電管
(5) 半導体素子 (6) 電子回路
(7) 電 波 (8) 無線通信
(9) 有線通信 (10) テレビジョン
(11) 各種電子機器 (12) 電子計算機
(13) 計算機の周辺機器 (14) アナログ電子計算機
(15) 自動制御と制御系 (16) 制御用機器
(2) 各内容は,基本的な具体例に基づいて理解しやすいように取り扱うものとする。
(3) 「プログラミング」および「電子計算機」を履修させる場合には,内容の(12),(13)および(14)を省略するものとする。
(4) 「自動制御」を履修させる場合には,内容の(15)および(16)を省略するものとする。
第35 電 気 機 器
1 目 標
各種電気機器の原理,構造,特性などを理解させ,これらの設計,製作,試験,運転,保守および修理に必要な技術の基礎を習得させる。
2 内 容
(3) 誘導機器 (4) 同 期 機
(5) その他の電気機器 (6) 電気材料
(2) 全体を通じて,機器の取り扱いや応用に必要な内容に重点をおいて取り扱うものとする。
(3) 内容の(1)については,回転機の一般的な構造についても理解させ,電動機に重点をおく。(3)については,三相誘導電動機に重点をおき,誘導電圧調整器についても触れる。(4)については,発電機を中心として取り扱う。(5)については,交直変換用機器,整流子電動機の概要などを取り扱う。(6)については,磁気回路用の磁性材料,導電材料,絶縁材料などを取り扱い,半導体材料は電子工学に関する科目において取り扱うようにする。
第36 発 送 配 電
1 目 標
発電,送電および配電に関する施設・設備の構成および特性ならびに関係法規を理解させるとともに,これらの施設・設備の運転,保守などに必要な技術を習得させ,屋内配線および屋内電気設備の工事および取り扱いをする能力を養う。
2 内 容
(3) 原子力発電所 (4) 送 電
(5) 配 電 (6) 屋内配線
(7) 関係法規
(2) 内容の(1),(2)および(3)については,各発電所の構成,運転,特徴などを取り扱う。(4)については,変電所を含める。(6)については,自家用変電設備を含める。(7)については,電気設備に関する技術基準に重点をおいて取り扱う。
第37 電 気 応 用
1 目 標
電気の応用される各種の施設・設備,機器などの原理,構造,性質などを理解させ,これらを取り扱う能力および電気を適切に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 電気鉄道 (4) 電気化学
(5) 高周波応用 (6) その他の応用
(2) 内容の(1)については,照明用光源,照明方式および照明設計の基礎となる事項を取り扱う。(3)については,制御方式および電気施設・設備を取り扱う。(4)については,電解と電解工業,電池など電気化学工業に関する概要を取り扱う。(5)については,誘電加熱などの具体例をもとにして理解しやすく取り扱う。(6)については,その他の各分野における電気応用の代表的な例を取り扱うことができる。
第38 電 子 実 習
1 目 標
電子に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,計測,工作などに関する基本的な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 電気計測 (4) 高周波計測
(5) 電子機器 (6) 電気設備
(7) 応用計測 (8) 自動制御
(9) 電子計算機
(2) 電気計測器および電子機器の設計,製作,計測,取り扱いなどを行なうことによって,電子技術の基本を総合的に習得させるものとする。
(3) 内容については,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うものとする。
(4) 内容の(1)については,電子機器の機構部品およびその材料の加工に重点をおく。(2)については,電子回路,電子機器,電子計測器などの工作のほか,電気工作と電気工事を含めて取り扱う。(5)については,有線機器,無線機器,テレビジョン,演算機器などの取り扱いおよびその機構・構造・機能を理解させ,測定,試験および保守の方法を習得させる。(8)については,制御機器の特性試験,制御の動作特性測定法および自動化の具体的方法を習得させる。(9)については,その操作を行なうことにより,その構成を理解させるとともに,プログラミング,数値計算法およびシステム工学の基本的な事項を習得させ,その効果的な利用ができるようにする。
第39 電 子 製 図
1 目 標
製図通則および電子関係の機械・器具,施設などの製図に関する規格を理解させ,必要な図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) 電子機器部品 (4) 電子機器
(5) 電子工業施設の配線図
(2) 製図に関する規格,規約などを正しく理解させ,正しく速くかくことができることに重点をおいて指導するものとし,内容については,代表的な部品や機器を精選して取り扱うものとする。
(3) 内容の(1)については,図法および製図に関する日本工業規格などを中心として取り扱う。(2)については,電子機器および関係施設に用いられる基本的な機械機構部品の製図法を取り扱う。(3)については,抵抗器,コンデンサ,コイル,が変圧器などの簡易な設計法とその製図法について取り扱う。(4)については,抵抗減衰器・フィルタ・増幅器などの簡易な計算,電子機器の機構・電子回路の設計の考え方および製図について取り扱う。(5)については,電子計算機施設,自動制御施設,電気通信施設,電源系統施設などの製図法について取り扱う。
第40 電子工学Ⅰ
1 目 標
主として電子技術の基本となる理論および電気計測の基礎を習得させ,これらを応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 電流と電気回路 (4) 電流の熱作用
(5) 電流と磁気 (6) 電流計と電圧計
(7) コンデンサ (8) ガス放電
(9) 電 子 線 (10) 交流回路
(11) 抵抗減衰器 (12) ろ 波 器
(13) 回 路 網 (14) 非正弦波交流
(15) 過渡現象 (16) パ ル ス
(17) 固体中の電子 (18) 電子放出
(19) 計測一般
(2) 電気現象や電気回路の働きを具体的に取り扱い,物理的な意味を把握させた後に理論式を理解させるようにする。
(3) 内容の(1)については,電子技術の発展とその文化に及ぼす影響について触れる。(2)については,電気の流れが電子の働きによるものであることを明らかにする。(3)については,回路のなりたちと電気抵抗について触れる。(4)については,ジュール熱,電力量および電力について触れる。(5)については,磁界,磁束,磁性材料,電磁誘導および電磁力について触れる。(6)については,その原理,構造および特性ならびに回路計について触れる。(7)については,電界,誘電率,誘電材料,静電容量などについて触れる。(8)については,真空・大気中の放電について触れる。(9)については,電子ビーム,オシロスコープおよび波形観測について触れる。(10)については,三相交流について触れる。(11)については,規格インピーダンスと減衰量について触れ,回路の設計ができるようにする。(12)については,簡易な回路の設計ができるようにする。(13)については,分布定数回路について触れる。(14)については,高調波を中心として取り扱う。(15)については,簡単な電気回路について取り扱う。(16)については,過渡現象における学習内容との関連に注意する。(17)および(18)については,エネルキー準位を中心として簡単に取り扱う。(19)については,電気計測の基本的事項を取り扱うが,「電子工学Ⅱ」および「電子工学Ⅲ」の内容に関する計測は,それぞれの科目の関連箇所において取り扱う。
第41 電子工学Ⅱ
1 目 標
「電子工学Ⅰ」の基礎の上に,基礎的な電子回路理論を具体的,実際的に理解させるとともに,各種の電子機器の構成,原理,取り扱い,点検,試験,保守などについて理解を深めさせ,これらを活用する能力を養う。
2 内 容
(3) 電子回路 (4) 音響機器
(5) 有線機器 (6) 電 波
(7) 無線機器 (8) 電源設備
(9) テレビジョン
(2) 内容の(1)については,現代における通信(電波)について正しく認識させる。(2)については,具体的な事例を中心として,その構造,特性および取り扱い方について触れる。(3)については,増幅回路を中心として取り扱う。(4)については,スピーカとマイクロホンおよびこれらと増幅器を組み合わせた機器について触れる。(5)については,電信,電話,交換および通信系統について触れる。(6)については,電磁波の発生,電磁波の性質,アンテナおよび電波伝搬について触れる。(7)については,無線送信機,無線受信機および各種送受信機を取り扱う。(8)については,電池,整流器,基本的な電力機器などの電源設備と系統について取り扱う。(9)については,受像機,送像・送信設備などについて取り扱う。なお,通信法規,電気材料などについては,各内容で取り扱う。
(3) 電子回路や電子機器は,進歩が著しいので,それに応じた指導が必要である。
(4) 「通信機器」を履修させる場合には,重複する部分を省略するものとする。
第42 電子工学Ⅲ
1 目 標
「電子工学Ⅰ」の基礎の上に,「電子工学Ⅱ」との関連を考慮して,電子計測・自動制御に関する方法および機器について理解させ,これを活用する能力を養う。
2 内 容
(3) 電子計測機器 (4) 自動制御
(5) 自動制御機器 (6) 計測制御の応用
(7) 電子計算機 (8) 電子計算機の応用
(9) 電子技術の発展
(2) 内容の(1)については,その関連について正しく理解させる。(2)については,高周波基本計測および応用計測について取り扱う。(3)については,代表的な事例について取り扱う。(4)については,シーケンス制御およびフィードバック制御について取り扱う。(5)については,代表的な機器について取り扱う。(6)については,自動制御系の具体的な事例について取り扱う。(7)については,ディジタル型の構成・回路およびプログラミングについて取り扱う。(8)については,その事例について取り扱い,アナログ計算機とその応用についても取り扱う。(9)については,その動向を明らかにする。
(3) ここで取り扱う内容は,その進歩が著しいので,それに応じた指導が必要である。
(4) 「自動制御」を履修させる場合には,内容の(4),(5)および(6)を省略するものとする。
(5) 「プログラミング」および「電子計算機」を履修させる場合には,内容の(7)および(8)を省略するものとする。
第43 電 子 応 用
1 目 標
広く電子工学の各方面における応用とその科学的根拠について理解を深めさせ,創意くふうの態度を養う。
2 内 容
(3) 電波応用 (4) レーザー
(2) 内容の(1)については,半導体の特殊現象とその応用を取り扱う。(2)については,高周波加熱などの高周波特有の現象とその応用を取り扱う。(3)については,電波航法,電波観測なとの電波応用を取り扱う。(4)については,その特異な発振機構と応用を取り扱う。
第44 通 信 機 器
1 目 標
有線通信機器および無線通信機器の構造,構成および機能について理解させ,製作・調整・試験に関する基礎的な能力を養うとともに,電気通信の施設および業務の概要を理解させる。
2 内 容
(3) 無線受信機 (4) 各種送受信機
(5) 無線局設備 (6) 通信法規
(7) 電気材料
(2) 内容の(1)については,電信,電話,搬送,線路などについて取り扱う。(2)については,基本的な無線送信機の基本回路とその組み合わせ方などを取り扱う。(3)については,基本的な無線受信機の基本回路とその組み合わせ方などを取り扱う。(4)については,SSB,FS,FM,PMなどの送受信機について取り扱う。(5)については,無線回線の構成と局設備の概要について取り扱う。(6)および(7)については,関係する各内容において取り扱う。
第45 情報技術実習
1 目 標
情報技術に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,情報処理,計測,工作などに関する基本的な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 精密測定 (4) 材料試験
(5) 電気計測 (6) 自動制御
(7) プログラミング (8) データ処理
(9) 電子機器
(2) この科目は,電子計算機を実際に取り扱うことによって,情報処理に関する
基本的な技術を習得させるとともに,電子計算機や関連機器の設計,製作,試験などに関する基本的な技術を習得させるための科目であり,これを学習させることによって,各科目の総合的な理解を助けるように指導するものとする。
(3) 内容は,情報処理技術,機械技術および電子技術の全般にわたってあげてあるが,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に指導するようにする。
(4) 内容の(1)については,電子計算機の機構部品や材料の加工に重点をおく。(2)については,電子計算機の基本回路,電子計測機器などの工作を取り扱う。(3)については,おもな物理量について取り扱う。(4)については,主として電子計算機に使用されている材料について取り扱う。(5)については,電気回路や電子回路の基本的なものに重点をおいて取り扱う。(6)については,制御機器の特性試験,制御系の動作特性測定法および自動化の具体的な方法を習得させる。(7)および(8)については,その基本的な事項を習得させることに主眼をおき,応用ができるようにする。(9)については,代表的な電子機器について,構成,構造および機能を理解させ,測定,試験および保守の方法を習得させる。
第46 プログラミング
1 目 標
電子計算機のプログラミングについて,基礎的な知識と技術を習得させ,情報を合理的に処理する能力を高めるとともに,プログラミングの実習を通して,電子計算機各部の構成および機構の概要について理解させる。
2 内 容
(3) 複雑な処理のプログラム (4) 言語文法のまとめ
(2) 必要に応じて筆算との比較を行ないながら思考させるようにする。
(3) プログラミングの具体的な内容は,各学科の専門科目に関係の深いものを選ぶものとする。
(4) 演習および実際にプログラムを働かせることなどを効果的に組み合わせて行なうものとする。
第47 数値計算法
1 目 標
電子計算機が処理することのできる数値計算の原則および算出数値の意義を理解させ,数値計算の実習を通して工学的な情報を合理的に処理する能力を高める。
2 内 容
(3) 複雑な計算 (4) 統計に関する計算
(2) 筆算,卓上計算機などを利用して,具体的に考えさせるようにする。
(3) 各学科の専門科目との密接な関連を図るように内容をくふうするものとする。
(4) 流れ図を作成し,実際にプログラムを働かせて,結果を出す段階まで取り扱うものとする。
第48 システム工学
1 目 標
システムの意義とその基本構成を理解させるとともに,システムに関する基礎的な知識とシステム解析の基本的な技法を習得させ,システム開発に役だつ基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) ネットワークシステム (4) プロセスシステム
(5) 管理システム
(2) 適宜電子計算機を利用して,具体的に理解させるようにする。
(3) 各学科の特色に応じて,指導内容をくふうするものとする。
第49 電子計算機
1 目 標
「プログラミング」の学習の基礎の上に,電子計算機の各部の構成,機能,特性などについて理解を深めさせ,電子計算機の改良,保守および管理に必要な能力を養う。
2 内 容
(3) 入力装置 (4) 出力装置
(5) 関連機器(データ通信を含む。)
第50 プログラム理論
1 目 標
「プログラミング」の学習の基礎の上に,ソフトウェアの開発に役だつ基本的な資質を高め,プログラム設計上の基礎的な知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) ソフトウェア概論
(2) ソフトウェアコースは,プログラミングについて特に適性の認められる生徒により編成されることを原則とし,小人数の編成の特長をじゅうぶんに生かして指導をくふうすることが望ましい。
第51 工業計測実習
1 目 標
工業計測に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,基本的な計測技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 電気計測 (4) 電子回路
(5) 化学計測 (6) 自動制御
(7) 電子計算機 (8) 機械工作
(9) 計装工事
(2) 内容については,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うようにする。
(3) 内容の(1)については,計測機器の適切な操作,校正,調整などおよび工業量の測定の二面から指導する。(3)については,電気磁気測定のほか電気機器の特性試験を取り扱う。(6)および(7)については,所要時間や経費についても関心をもたせ,合理的な生産方法を企画し実践する能力と態度を養うように留意する。
第52 工業計測製図
1 目 標
製図通則および計測機器,計装設備などの製図に関する規格を理解させ,必要な図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) 計測機器 (4) 配線図と配管図
(5) 計 装 図
(2) 内容の(1)については,中学校における学習を考慮して題材を選択し,製図に必要な図法および日本工業規格を理解させる。(5)については,計測制御用シンボルを理解させ,リレー回路図,制御機器の接続図,注文図,承認図,工作図なども取り扱う。
第53 計 測 管 理
1 目 標
各種測定法の基礎的な事項,計測器の特性および生産管理の概要を理解させ,計測器を使用して生産工程を管理する能力を養う。
2 内 容
(3) 化学量の測定 (4) 拡大と変換
(5) 計器の種類と構成 (6) 測定値の取り扱い
(7) 生産管理
(2) 内容の(2)および(3)については,各種の工業量について,測定の原理・法則をじゅうぶん体系づけて理解させるように指導し,信号処理の計画と実施のできる能力を身につけさせる。(4)については,機械的,光学的,流体的および電気的な方法について取り扱う。(5)については,指示計・記録計の構成要素,遠隔測定,A—D変換などについて取り扱う。(7)については,科学的工場管理,品質管理などを取り扱い,最適条件の決定法についても触れる。
第54 自 動 制 御
1 目 標
自動制御の基礎理論の概要,自動制御機器の構造・特性および制御系の取り扱いを理解させ,これを実際に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 制御用機器 (4) 要素の特性
(5) 自動制御系の特性 (6) 自動制御の応用
(2) 制御系の抽象的な解析だけに陥ることなく,機器と関連させて制御動作を具体的に把握させるようにする。
(3) 内容の(3)については,主としてフィードバック制御機器の種類,構造,機能などを取り扱う。(6)については,小規模の自動制御系について計装設計を中心として取り扱う。
第55 計 測 力 学
1 目 標
機械的エネルギーに関する基本的な概念および原理・法則を理解させ,力学的な事象を考察し,処理し,これを工業計測の分野に活用する能力を養う。
2 内 容
(3) 材料力学 (4) 流動現象
(5) 振動現象
(2) なるべく工業計測に関する具体的事象を取り上げて理解させるように留意する。
(3) 内容の(2)については,位置,速度エネルギー,ベルヌーイの定理,熱力学第2法則などを取り扱う。(4)については,塑性変形,粘性,伝熱などを取り扱う。(5)ついては,調和振動,減衰振動などを取り扱う。
第56 計 装 工 事
1 目 標
計装工事に必要な材料,機械要素,機械工作,電気工事などに関する基礎的な知識および技術を習得させ,合理的な計装工事を企画し,改善する能力を養う。
2 内 容
(3) 機械工作 (4) 付帯機械設備
(5) 電気工事 (6) 計装施工
(2) 単に個々の材料,機械部品,工作法などの指導にとどまらず,同類のものや関連のある事項について,それらの間の優劣を比較して選択と組み合わせができるように指導するものとする。
(3) 内容の(1)については,計装に必要な機械材料,電気材料およびその他の材料の種類,性質および用途を取り扱う。(2)については,ねじ,軸受,歯車,管接手,弁,リンクなどの構造,機能および用途を取り扱う。(3)については、各種の機械工作法を取り扱う。(4)については,ポンプ,空気機械,ボイラ,冷凍機,運搬機械などの概要を取り扱う。(5)については,配線施工法などを取り扱う。(6)については,計装に必要な企画,設計,製作,設置などの一般的な方法などを取り扱う。
第57 計 測 回 路
1 目 標
工業計測に必要な電子回路の原理,動作,特性などを理解させ,これを用いた計測機器の設計,組立,調整および修理に関する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 電源回路 (4) 直流増幅回路
(5) パルス回路 (6) 計測制御用機器
(2) 内容の(1)の電子管については,その原理,性能などを,半導体については,ダイオードとトランジスタの特性,回路などを取り扱い,電子現象も簡単に取り扱う。(3)については,整流回路,直流・交流の安定化電源などを取り扱う。(4)については,直結型,変調型などを取り扱う。(5)については,微分・積分回路,マルチ,計数回路など工業計測に関連の深い回路を取り扱う。(6)については,計測制御機器の回路とこれを適用する際の系統の構成を取り扱う。
第58 建 築 実 習
1 目 標
建築に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,建築技術の基礎を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 材 料 (4) 設 備
(5) 測 量 (6) 施 工
(2) 建築技術の基礎となる事項を,各科目の内容および「建築設計製図」との有機的な関連のもとに,建築における調査一計画一設計一監理一施工の一連の過程を考慮して構成し,生徒の発達段階に即して指導するものとする。
(3) 各科目の理論学習と関連する基礎実習は,可能な限り各科目の学習と一体化して実施することが望ましい。
(4) 内容の(6)については,学科の目標に応じ,建築の施工技術について総合的または専門的な実習を行なうものとする。
(5) この科目の学習と関連させて,現場実習を計画的に実施することが望ましい。
(6) この科目は,地域や学校の実態などによっては,「建築設計製図」と融合して履修させることもできる。
第59 建築設計製図
1 目 標
建築設計製図に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,各種の建築設計を行なう能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 造 形 (4) 建築設計製図
(5) 設計業務
(2) 学習の内容,順序および組み合わせを,他の科目の学習の段階に対応して,組織的に構成するようにし,「建築実習」との有機的な関連のもとに,調査一計画一設計一監理一施工の一連の過程を考慮して指導するものとする。
(3) 内容の(4)については,住宅,事務所,商店,倉庫などの小規模で基本的な設計製図を取り扱い,必要に応じてさらに調査,計画,実施設計,監理などを含む総合的な設計製図を取り扱うことができる。
(4) この科目は,地域や学校の実態などによっては,「建築実習」と融合して履修させることもできる。
第60 建 築 計 画
1 目 標
建築計画の基本的な諸要素を理解させ,建築物を合理的,意匠的に計画し,設計する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 環境構成と設備計画 (4) 各種の施設と地域計画
第61 建 築 構 造
1 目 標
各種の建築材料を用いて種々の目的に適合する建築物を構成する方法を理解させ,建築構造を合理的に設計する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 主体の構造 (4) 仕上の構造と材料
(5) 各種構造
(2) 内容の(1)については,構造の意義・発達・分類・計画,構造と材料との関係および防災の概要を取り扱う。(2)および(4)の材料については,各種材料の性質,用途,規格などを取り扱う。(3)および(4)の構造については,その種類と特質および方法を取り扱う。(5)については,必要に応じて,特殊構造や組立構造を取り扱う。
(3) 構造の理論の理解,各種材料の科学的な考察・試験の方法などは,特に実験・実習を通して具体的に指導するものとする。
第62 建築構造設計
1 目 標
構造物および材料に関する力学の基礎を理解させ,建築の構造を合理的に設計する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 静定構造物 (4) 材料の力学
(5) 不静定構造物 (6) 構造物の設計
(2) 内容の(1)については,構造設計の順序と方法の概要を取り扱う。(2)については,構造物の骨組とこれに作用する荷重を取り扱う。(3)については,静定構造物の部材力とその算定を取り扱う。(4)については,材料および断面形の力学,部材の応力度・変形および簡単な算定を取り扱う。(5)については,不静定構造物の特質および簡単な算定を取り扱う。(6)については,一般的な構造物の骨組応力の算定および断面設計を演習を主体として取り扱う。
第63 建 築 施 工
1 目 標
建築施工の意義と特質および建築工事に関する技術の概要を理解させ,施工業務を処理する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 各種工事の施工法と仕様 (4) 工事用機械
(5) 積 算
(2) この科目については,学科の目標により,施工管理を目標とする場合や,施工技術を目標とする場合などに応じて,指導計画を作成するものとする。
(3) 内容の(1)については,建築施工の意義,企業の形態と特質,施工の方式および業務の概要を取り扱う。(2)の測量については,実習を通して工事に応用する能力を養う。(5)については,演習を通して積算に関する基礎的な能力を養う。
第64 建 築 法 規
1 目 標
建築に関する法規について理解させ,これを正しく解釈し適用する能力を養う。
2 内 容
(3) 建築士法,建築業法 (4) その他の法規
(2) 単体規定については,構造および計画における学習に取り入れ,また,各学年において行なう設計課題に適宜建築関係法規を関連づけて指導するものとする。
第65 建 築 史
1 目 標
建築の発生と歴史的変遷および過去の建築の様式と技術について理解させ,新しい建築を創造する意欲をつちかう。
2 内 容
(3) 西洋建築史 (4) 近代建築史
(5) 現代建築
(2) 内容の(1)については,文化を背景とする建築の歴史的意義を考察させる。(2)および(3)については,古代から近世に至る日本の建築および西洋の建築の流れを世界的視野からとらえさせる。(4)については,近代における建築の世界的な流れを取り扱う。(5)については,現代の建築を種々な角度から考察させ,将来への展望をもたせる。
第66 設備工業実習
1 目 標
設備工業に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,必要な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
A (1) 環 境 (2) 流 体
(3) 衛生設備 (4) 空気調和設備
(5) 電 気 (6) 配 管
(7) 板金・溶接
B (1) 機械工作 (2) 材料試験
(3) 工業計測 (4) 音
(5) 測 定
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,室内気候,じんあい,換気,照度,水質などの測定を通して各設備への応用を図る。(2)については,水や空気の管内における物理的性質を測定し,その原理を理解させる。(3)については,ポンプの性能と構造,給水,給湯,排水特性,水の処理法,消火設備などを取り扱う。(4)については,調和器,冷却塔,各種熱交換器,吹出口,送風機,ボイラ,冷凍機などの性能を測定してその機能を理解させるとともに,空気調和装置の一環として総合的に取り扱い,空気調和による環境測定と装置の運転・保守を行なう。(5)については,電気に関する基本的な事項を理解させ,電気機器の性能と機構を取り扱う。(6)については,各種の管や機器の接合方法を理解させるとともに,他の項目と関連させて施工に関する総合的な実習として取り扱う。(7)については,板金ではダクトの製作を通して板金工作の基本を取り扱い,溶接ではアーク溶接およびガス溶接を取り扱い,正しい基本作業を身につけさせる。Bの(1)については,手仕上および旋盤加工を主として取り扱い,加工に関する機械の要素を理解させる。(2)については,金属材料,セメント,コンクリートなどの各種の材料の性質とその強さを理解させる。(3)については,長さ,温度,圧力,速さ,流量などを取り扱う。(4)については,音の基本原理と分析および騒音対策を取り扱う。(5)については,平板,トランシットおよび水準器による測量の基本を取り扱う。
第67 設備設計製図
1 目 標
製図通則および設備製図に関する規格を理解させ,設備製図の実技に習熟させるとともに,設備設計に関する技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
A (1) 設備工業製図の基本 (2) 設備機器図
(3) 暖房設備設計製図 (4) 衛生設備設計製図Ⅰ
(5) 空気調和設備設計製図Ⅰ (6) 設備施工図
B (1) 衛生設備設計製図Ⅱ (2) 空気調和設備設計製図Ⅱ
(3) 建築製図 (4) 電気設備製図
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 設備工業に関する他の科目との密接な関連のもとに指導し,学習の進度に特に注意するものとする。
(3) 内容のAの(1)については,図法,機械製図・建築製図・電気製図の通則・規格・表示など設備製図に関連の深いものを取り扱う。(2)および(6)については,設備設計製図に必要なポンプ送風機,熱交換器,タンクなどの各機器の製図およびこれらに関する施工図を取り扱う。(4)および(5)については,各設備の部分設計製図および小規模の建物の設備設計製図を取り扱う。Bの(1)および(2)については,中規模の建物の設備設計製図を総合的に取り扱う。(3)については,小規模の建物の製図,建物の計画のしかた,構造方法,材料などを取り扱う。(4)については,小規模の建物の配線方式や系統のあり方およびその他の電力設備の製図を取り扱う。
第68 設 備 計 画
1 目 標
設備工業に関連する環境,流体,熱などに関する諸現象および設備工業の基礎的な理論を体系的に理解させ,これを実際に応用する能力を養う。
2 内 容
A (1) 環 境 Ⅰ (2) 水 力 学
(3) 熱 (4) 建築計画
(5) 建築構造 (6) 設備計画
B (1) 環 境 Ⅱ (2) 流体力学
(3) 熱 力 学 (4) 建築材料
(5) 放射性物質と徴生物
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,気象,日照,日射,採光,室内気候などを取り扱う。Bの(1)については,音,色,臭気,水質などを取り扱う。Aの(2)については,静水力学および動水力学の基本を理解させる。Bの(2)については,動水力学の応用および空気力学を取り扱う。Aの(3)については,熱の基本法則および蒸気の流れの基本を理解させる。Bの(3)については,Aの(3)の応用を取り扱う。Aの(5)およびBの(4)については,建物の仕組みや仕上の方法など,建築の概要を理解させる。Aの(4)および(6)については,各種の建築物の機能を分析し,これを総合して合理的に建築物やその設備を計画することができるようにする。Bの(5)については,その概要を取り扱う。
第69 空気調和設備
1 目 標
空気調和設備に関する基礎的な理論および空気調和設備を構成する各種の機械の性能・構造・用途を理解させ,空気調和設備を合理的に計画し設計する基礎的な能力を養う。
2 内 容
A (1) 空気の性質 (2) 熱の負荷
(3) 直接暖房 (4) ボイラと付属機器
(5) 空気調和方式 (6) 空気調和装置
(7) 冷凍機と付属機器 (8) 空気調和設計
B (1) 防音と防振 (2) 空気調和の自動制御
(3) 冷 凍 (4) 地域暖冷房
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,空気線図を活用することができるようにする。(2)については,冷房負荷・暖房負荷の計算をすることができるようにする。(3)については,蒸気,温水,ふく射,温風暖房などの設備を取り扱う。(4)については,ボイラと放熱器およびその付属機器の性能や構造を取り扱う。(5)については,空気調和の各方式の計画と設計方法を取り扱う。(6)については,空気調和設備に必要な調和器,ろ過器,冷却器,ダクト,吹出口,吸込口,ダンパ,送風機その他の付属機器の性能や構造を取り扱う。(7)については,冷凍機とその付属機器の性能や構造を取り扱う。(8)については,(1)から(7)までの内容を基礎として,簡単な空気調和設備を総合的に計画し設計する能力を養う。Bの(1)については,空気調和設備の運転に伴って起こる音響の性質とその処理方法を取り扱う。(2)については,空気調和設備の制御の種類と調節方式を取り扱う。(3)については,冷凍の方式と機構の概要を取り扱う。(4)については,地域暖房や地域冷房の方式と機構の概要を取り扱う。
(3) 関係法規の概要についてもあわせて指導し,特に「設備工業実習」との関連のもとに理解を深めるようにする。
第70 衛 生 設 備
1 目 標
給排水衛生設備などに関する基礎的な理論および給排水衛生設備を構成する各種の機械の性能・構造・用途を理解させ,給排水衛生設備を合理的に計画し設計する基礎的な能力を養う。
2 内 容
A (1) 給水設備 (2) 給湯設備
(3) 排水・通気設備 (4) し尿処理施設
(5) 衛生器具 (6) 消火設備
B (1) 上下水道 (2) ガス設備
(3) ちゅう房設備 (4) 洗たく設備
(5) 消毒・焼却設備 (6) 特殊排水設備
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,建物敷地内や建物内の給水に関する設備の諸方式と機器,特にポンプについて理解させる。(2)については,達物内の給湯に関する設備の諸方式と機器を取り扱う。(3)については,建物敷地内や建物内の排水・通気に関する設備の諸方式と機器を取り扱う。(4)については,し尿などの性質とその処理方法を取り扱う。(5)については,給水・排水・通気の設備に用いられる各種の器具を取り扱う。(6)については,法規に定められた消火に関する諸設備を取り扱う。Bの(1)については,上水道・下水道の方式とその処理についての概要を取り扱う。(2)については,各種のガス供給方式と機器を取り扱う。(3)については,ちゅう房に使用される各種機器の性能と構造を取り扱う。(4)および(5)については,病院,ホテルなどにおいて用いられる洗たく,消毒,焼却などの諸設備の性能や構造を取り扱う。(6)については,放射性物質や工業排水などの特殊な排水に関する処理の設備を取り扱う。
(3) 関係法規の概要についてもあわせて指導し,特に「設備工業実習」との関連のもとに理解を深めるようにする。
第71 設備機械・電気
1 目 標
設備工業に必要な機械および電気に関する基本的な知識を習得させ,空気調和設備・衛生設備以外の諸設備を合理的に計画し,簡単な設備の設計をする能力を養う。
2 内 容
A (1) 機械材料 (2) 機械応用力学
(3) 機械要素 (4) 電気基礎と計測
(5) 電気配線と機器 (6) 自動制御
B (1) 機械工作 (2) 搬送・気送設備
(3) 照 明 (4) 変電設備
(5) 通信設備
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,材料試験,鉄と鋼,非鉄金属,非金属材料のうちの保温材・しゃ音材・防振材・プラスチック・ゴム・パッキング材などを取り扱う。(2)については,力,仕事とエネルギー,応力とひずみ,曲げ,座屈,ねじり,組合せ応力,振動などを取り扱う。(3)については,締結用機械要素,軸,ばね,伝導装置などを取り扱う。(4)については,電気理論の基本および電気計測の概要を取り扱う。(5)については,屋内配線方式と器材,変圧器,電動機その他の回転機などを取り扱う。(6)については,シーケンスとフィードバックの機器および基礎的な理論を取り扱う。Bの(1)については,旋盤などの工作機械および鋳造・鍛造・手仕上・板金・溶接などの工作を取り扱う。(2)については,エレベータ,エスカレータ,エアシュートなど,主として建築物に設備される輸送機械を取り扱う。(3)については,照明の方式と機器を取り扱う。(4)については,受電方式および変電室に設備される各種機器を取り扱う。(5)については,電話,信号・通報・拡声・計時の設備などを取り扱う。
(3) 関係法規の概要についてもあわせて指導し,特に「設備工業実習」との関連のもとに理解を深めるようにする。
第72 設 備 施 工
1 目 標
各種設備工事に使用する材料および施工の技術・管理に関する基礎的な知識を習得させ,工事を合理的に施工する能力を養う。
2 内 容
A (1) 設備機材 (2) 空気調和設備施工
(3) 衛生設備施工 (4) 電気設備施工
(5) 施工管理
B (1) 入札と契約 (2) 積 算
(3) 検査と保守 (4) 関係法規
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については, 配管材料・吸音材・防振材・電気配線材料その他の材料,機械・工具などの使用法および施工方法を取り扱う。(2),(3)および(4)については,それぞれの設備施工の機器の種類・機構・形式,配管方式,配線方法,すえ付け,取り付け,取り扱い,運転,試験などを総合的に取り扱う。(5)については,設備工事の運営方式,管理方式,仕様書などを取り扱う。Bの(1)については,設備工事の入札と契約の事務を取り扱う。(2)については,設備工事の工事費の見積りと積算を取り扱う。(3)については,設備装置の機器や配管の検査と試験,保守管理,防食法などを取り扱う。(4)については,設備施工に関係のある法規や労働基準法などについて,基本となる事項を取り扱う。
(3) 特に「設備工業実習」との有機的な関連のもとに,じゅうぶんに理解を深めるようにする。
第73 土 木 実 習
1 目 標
土木に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,土木に関する基礎的な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
A (1) 測 量 (2) コンクリート
(3) 土 質
B (1) 水 理 (2) 構 造
(3) アスファルト (4) 施 工
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,実測図を含めて指導し,(2)および(3)については,施工実習を行なわない場合には,基本的な実習に総合的な内容を加えて指導するものとする。
(3) 施工は,各実習の内容を含めた総合実習として指導するものとする。
(4) 学校において実習を行なうことが困難なものについては,現場実習,見学,視聴覚教材などにより理解を深めるように指導するものとする。
(5) 土木技術の進歩に対応することができるように,特に基本的な事項の指導を徹底させることが望ましい。
第74 土 木 製 図
1 目 標
製図通則および土木製図に関する規格を理解させ,土木構造物などの計画設計図面を正しく読み,かく能力を養う。
2 内 容
A (1) 製図の基礎 (2) 構造物の模写
(3) 読 図
B (1) 設計製図
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 他の科目との密接な関連のもとに,日本工業規格土木製図通則に基づく基本製図の指導を徹底させるものとする。
(3) 内容のAの(3)については,構造物および材料の積算の基礎を理解させ,複雑な土木構造物の設計をすることができるようにする。
(4) 内容のBの(1)については,木構造,鋼構造,鉄筋コンクリート構造その他の中から,学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択して指導するものとする。
第75 測 量
1 目 標
測量機械・器具の構造,調整法および使用法を理解させ,各種測量の基礎的な知識と技術を習得させるとともに,これらを各種土木工事の計画,設計および施工に応用する能力を養う。
2 内 容
A (1) 距離測量 (2) トランシット測量
(3) 水準測量 (4) 平板測量
(5) 面積・土積計算
B (1) 三角測量 (2) 地形測量
(3) 路線測量 (4) 写真測量
(5) 応用測量
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 測量に関する法規は,関係の箇所においてその趣旨を理解させ,これに基づいて測量結果を図化するように指導するものとする。
第76 土木応用力学
1 目 標
土木構造物の設計および安定計算に必要な力学の基礎的な知識を習得させ,これを各種構造物の設計に応用する能力を養う。
2 内 容
A (1) 材料強弱 (2) 力
(3) はりの計算 (4) 部材断面の性質
(5) はりの応力 (6) 柱
B (1) はりのたわみ (2) ト ラ ス
(3) 不静定構造の計算
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のBの(3)については,生徒の能力に応じて,一部に重点をおいて指導することもできる。
第77 水 理
1 目 標
水についての基礎的な事項を理解させ,これを水に関係のある構造物の計画,設計および施工に応用する能力を養う。
2 内 容
A (1) 静 水 圧 (2) 水の流れ
(3) 水路の計算 (4) オリフィスとせき
B (1) 土砂の流送 (2) 地 下 水
(3) 管網の計算
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
工」との有機的な関連のもとに,単に公式の選択・活用に習熟させることなく,実験,視聴覚教材,演習などを積極的に取り入れて,理論と水理現象を実際面から理解させるように指導するものとする。
第78 土 質
1 目 標
土木地質および土の工学的性質に関する基礎的な知識を習得させ,これを土木工事の計画,設計および施工に応用する能力を養う。
2 内 容
A (1) 土木地質 (2) 土の工学的性質
(3) 土 圧 (4) 土質調査
B (1) 地盤の力学
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 内容のAの(1)については,地かくの構造,地質,岩石および鉱物に関する基本的な知識を習得させることにとどまらず,土木構造物および工事との関連についても留意して指導するものとする。
(3) 土木構造物特に基礎(くいなど)の設計は,「土木設計」における履修に替えて,内容のBの(1)に含めて指導することもできる。
第79 土 木 計 画
1 目 標
国土の総合開発における計画の重要性を理解させるとともに,国土計画における土木技術の立場とその内容,それに関連する各種構造物の計画・設計概要・施工・保守などに関する一般的な知識を習得させ,綿密な計画力を養う。
2 内 容
(3) 利 水 (4) 交 通
(5) 都市と環境
(2) 河川法,砂防法,水道法, 都市計画法,下水道法,道路・鉄道・港湾に関する法規などは,それぞれの関係箇所においてその趣旨を理解させるものとする。
第80 土 木 設 計
1 目 標
土木構造物に関する基礎的な知識を習得させ,木・鉄筋コンクリート・鋼構造の部材の設計方法を理解させるとともに,簡単な橋その他の土木構造物を設計する能力を養う。
2 内 容
A (1) 土木構造物の概要
(2) 木 構 造
(3) 鉄筋コンクリートⅠ
ウ 柱
ウ 圧縮・引張り部材
ウ 擁 壁 エ フーチング
(4) PC構造
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 電子計算機の利用に関する知識についても触れるものとする。
(3) 各種設計示方書,設計施工指針などについては,それぞれの関係箇所において理解させ,順序正しく設計計算ができるようにする。
第81 土 木 施 工
1 目 標
土木工事用の各種材料,施工法および土木機械に関する基礎的な知識を習得させ,これらを適切に選択し,各種工事の施工を指導監督する能力を養う。
2 内 容
A (1) 土木材料 (2) 土木施工法
(3) 工事の運営管理
B (1) 機械と電気 (2) 特殊施工法
(3) 工事の積算
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 工事現場の見学,視聴覚教材の利用などにより,新しい技術の理解を深めるようにする。
(3) 内容のBの(1)については,土木工事に必要な機械・電気に関する基礎的な理論およびその土木工事への応用を指導するものとする。
第82 地質工学実習
1 目 標
地質工学に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,地下資源の調査・開発,建造物地盤の調査・基礎工事などに関する基礎的な技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 火 薬 (4) 測 量
(5) 材料試験と応力測定
(2) この科目の内容は,地下資源の調査・開発および建造物地盤の試験・調査・施工の二面にまたがっているので,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
(3) 内容の(1)については,岩石とたい積物,土質試験,岩盤試験,地表地質調査,物理探査,試すいなどを取り扱う。(2)については,機械掘削,掘削機性能試験,通気,排水,破砕物理選鉱,浮遊選鉱などを取り扱う。(3)については,室内試験,室外試験,岩石爆破などを取り扱う。(4)については,距離測量,トランシット測量,平板測量,水準測量,路線測量,地形測量,写真測量,水路測量などを取り扱う。
第83 地質工学製図
1 目 標
製図に関する基礎的な知識と技術を習得させ,各種の掘削・建設機械および建造物の設計図を正しく読み,地下資源の調査・採掘計画設計図,地盤の調査図・基礎設計図などを正しくかく能力を養う。
2 内 容
(3) 地 質 図 (4) 採掘計画設計図
(5) 建造物の摸写 (6) 機械の模写
(7) 実 測 図
(2) この科目は,「地質工学実習」との有機的な関連のもとに指導するものとする。
(3) 内容の(4),(5)および(6)については,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
第84 地質工学Ⅰ
1 目 標
地球と地かくの構成,構造および発達に関する基礎的な知識を習得させ,地下資源開発,建設基礎工事などの諸分野における技術の基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 土の力学 (4) 岩盤の力学
(5) 地質の調査と試験法
(2) 内容の(1)については,平野の地形と地質,山地の侵食と地形・地質,海底の地形と地質,たい積物と地層,地かくの発展,地球の歴史などを取り扱う。(2)については,金属と非金属の鉱床,燃料資源の鉱床,地熱鉱床,地下水などを取り扱う。(3)については,土の基本性,土と地下水,土の工学性などを取り扱う。(4)については,岩盤の構造と物理性,岩石の工学的性質,岩盤の内部応力,岩盤と地下水,岩盤の掘削と爆発などを取り扱う(5)については,地表地質調査法,物理的調査法,試すい調査法,化学的調査法,土質試験,岩盤試験,地下水資源調査法,水資源調査法,海底地質調査法,土木地質調査法などを取り扱う。
第85 地質工学Ⅱ
1 目 標
「地質工学Ⅰ」の基礎の上に,地質工学に関する知識と技術を各種の建設工事に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 地盤処理と基礎工法
(2) 内容の(1)については,国土開発と地質工学,交通計画工事と地質工学,河川計画工事と地質工学,港湾計画工事と地質工学などを取り扱う。(2)については,地すべりと山くずれ,地盤沈下,火山,地震災害と地質工学などを取り扱う。(3)については,軟弱地盤の性質と処理,地盤改良法,くい基礎工法,根切り工法などを取り扱う。
第86 地下資源開発
1 目 標
地下資源の採掘,選別,処理などに関する基礎的な理論と方法を理解させ,地下資源の開発およびその関係分野においてこれを応用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 選 鉱 (4) 鉱害対策
(2) 内容の(1)については,鉱山の開発計画,掘削法,採掘法,採掘機械などを取り扱う。(2)については,採掘施設・設備とその管理・保安などを取り扱う。(3)については,破砕と分粒,物理選鉱,浮遊選鉱などを取り扱う。(4)については,採掘に伴う山地の崩壊と地盤沈下,選鉱廃棄物の処理などを取り扱う。
第87 火 薬
1 目 標
鉱山・建設技術者として必要な火薬類の組成,性質,用途などに関する基礎的な知識を習得させ,これを経済的かつ安全に使用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 火 工 品 (4) 火薬類の性能と試験法
(5) 火薬類の取り扱い
(2) この科目は,火薬取り扱い者としての素地を育成するものであるから,火薬類の特性,構造,合理的利用法および各種試験法を理解させることはもちろんであるが,保安は火薬取り扱い者に課される重要な使命であることを認識させ,関係法規の必要性と趣旨を理論と事例の両面から理解させるように留意する。
第88 環境工学実習
1 目 標
環境工学に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,上水道,下水道,環境衛生処理および環境管理に関する基礎的な技術を総合的に習得させ,これを実務に応用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 流 体 (4) 機 器
(5) 単位装置
(2) この科目の指導に当たっては,環境工学技術の進歩に即応するとともに,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,基礎的な事項の学習を徹底させるようにする。
(3) 内容の(1)から(5)までのほか,プラント操作,材料,測量,土質,施工,計算演習などを取り扱うことかできる。
第89 環境工学製図
1 目 標
製図に関する基礎的な知識と技術を習得させ,これを環境施設・設備の設計製図に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 環境施設・設備の設計製図
(2) この科目においては,環境工学に関する他の科目との密接な関連のもとに,正しい製図法を習得させるように指導するものとする。
(3) 内容の(2)については,実際に設計させる施設・設備以外のものを取り扱うことが望ましい。
第90 環 境 衛 生
1 目 標
環境工学,公衆衛生および衛生微生物の概要を理解させ,環境衛生と環境化学に関する基礎的な知識と技術を習得させるとともに,これらを実際に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 環境衛生 (4) 環境化学
(5) 衛生微生物の概要
(2) 内容の(3)については,公害を含めて指導するとともに,「保健」の内容との関連をじゅうぶんに図る。(4)については,各種の汚染物質の性質を含めて指導する。
(3) 公害対策基本法,環境基準に関する法規などは,それぞれの関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
第91 環 境 計 画
1 目 標
環境に関する調査および計画についての基礎的な知識と技術を習得させ,これを関係施設の調査,計画などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 環境とその調査 (4) 国土・地域計画の概要
(5) 都市計画の概要 (6) 環境施設とその計画
(7) 基本測量の概要
(2) 国土総合開発法,都市計画法などの法規は,それぞれ関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
(3) 内容の(1)から(7)までのほか,応用測量の概要(地形測量,路線測量,空中写真の判読など)を取り扱うこともできる。
第92 環 境 施 設
1 目 標
環境施設・設備の設計,施工および管理に関する基礎的な知識と技術を習得させ,これを関係施設・設備の設計,施工,管理などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 環境施設施工の概要 (4) 環境施設管理の概要
(2) 内容の(1)については,材料・材料力学・流体力学の概要,機器などを,(2)については,構造,流体計算,基礎計算などをそれぞれ含めて指導するものとする。
(3) 材料・機器関係の規格,工事関係の法規などは,それぞれ関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
(4) 内容の(1)から(4)までのほか,構造力学,土質力学,熱力学の概要などを取り扱うこともできる。
第93 水 道 Ⅰ
1 目 標
上水道に関する基礎的な知識と技術を習得させ,これを上水道の調査,計画,設計,施工,管理などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 取水と貯水 (4) 導水と送水
(5) 浄 水 (6) 配水と給水
(7) 機械・電気設備 (8) 計装設備
(9) 施設・設備の維持管理
(2) 内容の(6)については,漏水防止を含めて指導するものとする。
(3) 上水道関係法規,水質・施設の維持管理に関する諸基準などは,それぞれ関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
第94 水 道 Ⅱ
1 目 標
下水道,汚泥(おでい)および産業廃水に関する基礎的な知識と技術を習得させ,これを下水道・汚泥処理・産業廃水処理の調査・計画,関係施設・設備の設計・施工・管理などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 排水設備 (4) 沈 砂 池
(5) ポンプ場 (6) 下水の処理・処分
(7) し尿とその処理・処分 (8) 汚泥とその処理・処分
(9) 産業廃水とその処理・処分 (10) 施設・設備の維持管理
(2) 下水道関係法規,施設の維持管理に関する諸基準などは,それぞれ関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
第95 環境衛生処理
1 目 標
都市・産業・放射性の各廃棄物とその処理に関する基礎的な知識と技術を習得させ,これを環境衛生処理の調査・計画,関係施設・設備の設計・施工・管理などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 放射性廃棄物とその処理・処分 (4) 施設・設備の維持管理
(2) 清掃法その他の関係法規などは,それぞれ関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
第96 環 境 管 理
1 目 標
環境管理に関する基礎的な知識と技術を習得させ,これを環境管理の調査・計画,関係施設・設備の設計・施工・管理などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 騒音と振動 (4) 臭 気
(5) 地盤沈下 (6) 監視と調査
(2) 大気汚染防止法,水質規制・騒音規制に関する法規などは,それぞれ関係箇所においてその趣旨を理解させるようにする。
第97 工業化学実習
1 目 標
工業化学に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,工業化学に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 物理的操作 (4) 製 図
(2) 内容の(1)については,プラント操業の要点を理解させる。(2)については,分析,試験,製造およびこれらに関連する事項の基本的な技術を習得させる。(3)については,基礎計測,単位操作,計測・制御などの基本的な技術を習得させる。(4)については,製図に関する基本的な事項を指導し,その読解力と表現力を養う。
(3) 内容の(2)から(4)までについては,プラントと関連づけて指導するものとする。
第98 化学工業Ⅰ
1 目 標
化学工業における主要な物質の特性と相互関係およびその基本となる化学的諸法則を理解させ,化学に関する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 非金属元素とその化合物 (4) 金属元素とその化合物
(5) 炭素化合物 (6) 放射性物質と原子エネルギー
(2) 内容の(1)については,おもな物質の構造,性質などを中心として,化学結合の初歩的段階を理解させる。(2)については,化学反応に影響を及ぼす諸条件を具体的な例に基づいて理解させる。(3)および(4)については,元素の周期表および資源別に整理された内容を中心とし,主要な化学反応と量的な問題について理解させる。(5)については,資源および官能基別に分類された内容を中心として総合的理解を深め,基本的な化学反応を理解させる。(6)については,原子核反応を中心とし,放射性同位体の化学工業への応用や原子力について理解させる。
第99 化学工業Ⅱ
1 目 標
化学工業における主要な化学プロセスの基本を理解させ,その技術的・経済的要因および歴史的な背景について認識させる。
2 内 容
(3) 軽化学工業 (4) 化学工業の歩み
(2) 内容の(1)については,産業分野における化学工業の特徴と位置づけ,その分類などを,主として技術的,経済的な面から理解させる。(2)については,主として大規模な装置工業から題材を選択し,基本的な化学反応,反応と装置との関連などを中心として指導する。(3)については,主として化学反応を中心としたプロセスを取り扱い,その実態および基礎となる化学反応の理論を理解させる。(4)については,化学工業の歴史について,技術的,経済的,社会的な観点から基本的な事項を理解させる。
(3) 教示実験,視聴覚教材,工場見学などを利用して理解を深めるようにする。
第100 化学工業Ⅲ
1 目 標
化学工業における基本的な単位操作・計測の原理ならびに主要な機器・装置およびこれらと化学プロセスとの相互関係について理解させる。
2 内 容
(3) 計 装 (4) 化学プロセスの構成
(2) 内容の(1)については,物理的・機械的操作および装置の基本的な原理を理解させるとともに,数理的な処理能力を養うように考慮して,題材を取り扱う。(2)については,化学プロセスの管理に用いられる基本的な計測装置の原理,計測資料の処理法などを習得させる。(3)については,制御に関する初歩的な理論および化学工場における計装の意義と実態を理解させる。(4)については,プロセス設計の初歩的な知識を習得させる。
第101 化 学 工 場
1 目 標
化学工場における設備,材料および運営・管理に関する基礎的な知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 化学工場の電気設備 (4) 化学工場の運営と管理
(5) 工場安全と技能資格
(2) 内容の(1)については,各種材料の種類,特性などの単なるら列を避け,主要な材料について,実際の装置と関連を図りながら,その強度,耐食性などの諸物性およびその測定法を理解させる。また,新しい装置材料の開発などを含めて,材料の重要性をじゅうぶんに認識させる。(2)については,化学工業に必要な機械に関する基礎的な知識を習得させるとともに,給水,排水,ボイラ,輸送用機器などを理解させる。(3)については,化学工業に必要な電気に関する基礎的な知識を習得させるとともに,受配電設備・電動機などの電気機器類,照明などを理解させる。(4)については,工場の組織・管理および品質管理の基礎を習得させる。(5)については,安全管理の実際および化学技術者に必要な技能資格の種類とその取得に関する事項を取り扱う。
第102 化学工業特論
1 目 標
各分野における化学工業の特質についてより深く理解させ,それぞれの分野における技術者として必要な基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 燃 料 (4) 食品工業
(5) 発酵工業 (6) 紙 工 業
(7) 色材塗料工業 (8) 香粧品工業
(9) 医薬・農薬 (10) 生 化 学
(11) 高分子化学 (12) 海洋化学
(13) 写真化学
(2) 内容の(1)から(13)までのうちから,地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を1ないし3程度選択して指導するものとする。
第103 化学工業安全
1 目 標
化学工業における各種の災害を防止するために必要な科学技術の基礎を体系的に理解させ,災害防止を適切に行なう能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 技術的一般対策 (4) 燃焼と爆発の理論
(5) 危険物と有害・有毒物 (6) 単位反応と単位操作の安全
(7) 化学工場の建設と保全 (8) 消火と防火
(9) 関係法規と関係資格
(2) 内容の(1)については,産業災害の現況を,傷害率,災害コストなどによって把握させ,災害調査の基本的な方法および安全活動の概要を理解させる。(2)については,災害発生の経過を調べ,原因要素を分析し,技術的な対策を発見する方法を理解させる。また,企業内外における各種安全活動の組織について学習させる。(3)については,機械の防護,手工具,保護具,点検と保守,作業分析その他の一般的な技術的対策について理解させる。(4)については,物質の火災,爆発の危険性および爆発のしくみについて考察させる。(5)については,危険物・有害物の分類法・測定法,救急法などについて一般的に理解させる。(6)については,化学プロセスの基本的な単位反応と単位操作の危険性と安全対策について理解させる。(7)については,工場敷地の選定,工場内配置および付帯設備などの設計・保守の方法について安全衛生の観点から考察させる。(8)については,化学工場の火災の特徴,消火防火設備,警報装置などについて一般的に理解させる。
第104 放 射 化 学
1 目 標
放射性物質の働きとその応用についての基本的な知識を習得させ,これに関する業務に従事する技術者として必要な基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 放 射 線 (4) 化学工業への応用
(5) 原 子 炉
第105 電 気 化 学
1 目 標
電気化学の理論および主要な電気化学工業について理解させ,電気化学に関する業務に従事する技術者として必要な基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 電気化学工業
第106 化学工学実習
1 目 標
化学工学に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,化学工学に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 計測制御 (4) 設備管理
(5) プラント運転 (6) 製 図
(2) 内容の(1)については,単位反応操作の要点を理解させる。(2)については,単位操作装置の要点を理解させる。(3)については,基本量,物性値の計測およびプロセス変量の制御を取り扱う。(4)については,器具,薬品,機械および装置類の科学的な管理技術を習得させる。(5)については,反応操作,装置操作,計測制御,設備管理および製図と関連させて指導する。(6)については,製図による表現力および読解力の育成に重点をおく。
第107 化学工学Ⅰ
1 目 標
化学工業で取り扱われる主要な物質とそれらの相互関係およびその根底となる化学的諸法則を理解させる。
2 内 容
(3) 化学平衡と反応速度 (4) 放射性物質と原子エネルギー
(2) 内容の(1)については,元素の周期表や資源の種類によって整理された内容を中心として,基本的な化学反応の様式および化学量論について理解させる。(2)については,資源,官能基などによって整理された系統的な学習が行なわれるように留意して主要な有機化学反応の特色を理解させる。(3)については,具体的な事例によって指導する。(4)については,原子核反応を中心として,放射性同位体の化学工業への応用や原子力についての知識を習得させる。
第108 化学工学Ⅱ
1 目 標
化学工場で用いられる主要な装置とその操作の原理を理解させ,その選定と管理に必要な知識を習得させる。
2 内 容
(3) 物質移動 (4) 反応装置
(2) 内容の(1)については,粉砕,混合,分離などに関する実際的な知識を習得させる。(2)については,伝熱,熱交換,蒸発などの原理とその応用について取り扱う。(3)については,蒸留,吸収,抽出その他の実技を中心として取り扱う。(4)については,回分式・半回分式・連続式装置などの特色を理解させる。
第109 化学工学Ⅲ
1 目 標
化学工場で用いられる主要な計測・制御技術の基本を理解させ,得られたデータの適正な解析を行なう能力を養う。
2 内 容
(3) プロセス変量の計測制御 (4) データの処理
(2) 内容の(1)については,機器による分析を含めて基本的な技法を重視する。(2)については,主要な化学工業製品の品質特性値の意義も理解させる。(3)については,温度,圧力,流量および濃度に重点をおいて指導する。(4)については,品質管理のための基本データ,有効数字,実験計画法の基礎などを取り扱う。
第110 窯 業 実 習
1 目 標
窯業に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,窯業に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 窯業化学 (4) 製 造
(2) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
(3) 内容の(1)については,定性分析,定量分析,工業分析および機器分析を取り扱う。(2)については,原料および製品の性質の測定を取り扱う。(3)については,原料の鑑別,調合試験および製造の基本的な操作を取り扱う。(4)については,原料処理から製品化までの各工程を工業的および工芸的に取り扱う。
第111 窯 業 製 図
1 目 標
製図通則および窯業製図に関する規格を理解させ,窯業機械および窯炉に関する図面を正しく読み,かき,これを設計に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 窯業機械製図 (4) 窯炉製図
(2) この科目においては,特に立体感覚を養うことに留意し,窯業機械および窯炉についてスケッチと製図を行なわせるものとする。
(3) 内容の(1)については,投影図,透視図などを通して,平面図形,立体図形などを取り扱う。(2)については,機械部品,器具,工具などを取り扱う。(3)については,窯業関係の機械,器具などを取り扱う。(4)については,各種窯炉の燃焼装置,炉体の構造および煙道・煙突に至るまでの各種製図を取り扱う。
第112 窯 業 原 料
1 目 標
各種窯業原料の組成,構造,性質および処理方法を理解させ,これを窯業の各部門における原料の選定,利用などに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) けい酸・アルミナ質原料 (4) アルカリ・石灰・マグネシア質原料
(2) 内容の(1)については,その成因,地かくにおける分布状態,鉱床,採掘法などを取り扱う。(2)については,化学組成,外形,構造および鉱物学的諸性質を取り扱う。(3)および(4)については,これらの天然原料の性状,精製法,加熱処理による変化などを取り扱う。
第113 セラミック化学
1 目 標
セラミック製造一般の基礎となる化学をじゅうぶんに理解させ,これを実際の製品に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) ガラス質を含むけい酸塩材料 (4) 炭素,炭化物などの材料
(2) 内容の(2)については,シリカ,アルミナ,マグネシア,カルシア,ペリリア,ジルコニア,クロミア,チタニアなどおよびこれらの複酸化物材料の製造と性質を取り扱い,純粋材料,耐火物,セメントなどの化学への応用に導く。(3)については,アルカリ(Na2O,K2O)含有アルミナけい酸塩の溶融とガラス生成について理解させ,ガラス,ほうろうおよび陶磁器の化学への応用に導く。(4)については,酸化物以外の諸材料および炭素材料について,その性質,合成および応用を理解させる。
第114 窯 業 操 作
1 目 標
窯業製造工程における各単位操作を理解させ,所要の製品を製造するための有効な方法,設備および過程を考える能力を養う。
2 内 容
(3) 窯 炉 (4) 工場計画
(2) 内容の(1)については,固体および流体の流動・輸送,原料の粉砕・分級・混合・ろ過の方法,粉体の性質と成形法および粉体・成形体の乾燥・加工を取り扱う。(2)については,窯業で特に必要な原料の加熱処理に関し,粉体の加熱,焼結および溶融についての基礎的な知識を習得させる。(3)については,窯炉に関する基礎的な知識として,燃料と燃焼,炉壁と炉内の伝熱,各種耐火物の選択,窯炉の構造・運転法,熱収支と熱管理などについて理解させる。(4)については,窯業工場に関し,立地条件,工場のフローシートと計画,産業安全と公害,窯業工場の経営と管理などを取り扱う。
第115 窯 業 計 測
1 目 標
窯業の原料および製品に関する試験法を理解させ,それが窯業製品製造技術の重要な要素であることを認識させるとともに,品質管理,工程管理および制御の基礎を習得させる。
2 内 容
(3) 品質管理
(2) 内容の(1)については,定性分析,定量分析,工業分析および機器分析を取り扱う。(2)については,高温度の測定法,圧力,流量測定,製品の比重,気孔率,粉末度,粉体ー水系の粘性と塑性,熱的性質(熱分析,熱膨張,熱伝導,耐火度など),機械的性質(弾性率,強度,熱衝撃など),電気的性質,光学的性質およびこれらに関連する自動制御の基礎を取り扱う。(3)については,抜取り検査,測定値の処理,管理図の作成,検定法などを取り扱う。
第116 窯 業 特 論
1 目 標
窯業に関する基礎的な理解の上に,それぞれの専門分野に関する知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 耐 火 物 (4) セメント
(2) 各専門業種ごとに,具体的に原料,製造法,工程,製品の特性,製品検査,利用などについて,実習,工場見学などを利用してじゅうぶんに理解させるものとする。
第117 色染化学実習
1 目 標
色染化学に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,色染化学に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 染色堅ろう度試験 (4) 繊維・繊維製品の試験
(5) 染料・薬剤・水の試験 (6) 染色工業計測
(7) 染色工場管理 (8) 化学分析
(9) 有機合成試験 (10) 染色デザイン
(2) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うようにする。
(3) 内容の(1)については,色合せの実習に重点をおき,測色と関連させて行なうことが望ましい。(8)については,定性・定量分析を中心に行ない,必要に応じて機器分析を加える。(9)については,基礎的な知識・技法の実習を中心として習得させる。
(4) 染色デザインをさらに深く学習させる場合には,「染色デザイン」を履修させることができる。
第118 色染化学Ⅰ
1 目 標
繊維,染料,薬剤および染色加工に関する物質の特性と応用ならびにその基本となる化学的諸法則を理解させ,各分野における専門的な技術を習得するための基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 元素の周期律 (4) 気 体
(5) 溶 液 (6) 酸・塩基・塩とその水溶液
(7) 酸化と還元 (8) 有機化学の基礎
(9) 単位反応 (10) 鎖式化合物
(11) 環式化合物 (12) 石炭の化学
(13) 石油の化学 (14) 油脂の化学
(15) 天然高分子 (16) 半合成高分子
(17) 合成高分子 (18) 化学結合
(19) 熱化学と化学平衡 (20) 化学反応速度
(21) 相変化と相律 (22) 界面化学とコロイド
(23) 光 化 学 (24) 放射化学
(2) この科目は,「色染化学Ⅱ」および「色染化学Ⅲ」の基礎となるものであるから,色染材料・染色加工の原理とその応用に関連させて理解させるようにする。
(3) この科目においては,繊維,染料,染色薬剤および染色加工において取り扱われる物質の特性や化学反応の基本となる事項を,無機化学,有機化学,高分子化学および物理化学の体系を考慮して,平易に取り扱うことが望ましい。
第119 色染化学Ⅱ
1 目 標
染色加工に必要な色染材料について,種類,化学構造と特性,染色加工における働きなどの基本的な事項を理解させ,これを染色加工に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 染 料 (4) 染色薬剤(または染色薬品)
(2) 内容の(1)および(2)を繊維部門,(3)および(4)を染料・薬剤部門として,分けて取り扱うことができる。
(3) 「色染化学Ⅰ」および「色染化学Ⅲ」との密接な関連のもとに指導するものとする。
(4) 内容の(1)については,主として繊維を染色加工の観点から平易に取り扱う。(2)については,繊維製品の構造,特性など染色加工から見た諸性能に重点をおく。なお,「繊維工学一般」を履修させる場合には,この内容を省略することができる。(3)については,染料の分類(化学構造や応用上からの分類),染料の化学構造と染色性など染料の特性に主眼をおき,染料の合成については必要な最小限にとどめる。なお,着色材料として染色に応用される顔料を含める。(4)については,薬剤の化学構造と特性,加工面における働きなどに主眼をおいて取り扱う。なお,工業用水はここに含める。
第120 色染化学Ⅲ
1 目 標
繊維材料の染色加工に関する基本的な知識を習得させ,これを染色設計に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) な っ 染 (4) 処理加工
(5) 織物仕上 (6) 染色理論化学
(2) 内容の(1),(2),(3)および(6)を染色または染色化学部門,(4)および(6)を仕上加工部門として,分けて取り扱うことができる。
(3) 「色染化学実習」,「色染化学Ⅱ」および「染色工場」との有機的な関連のもとに指導するものとする。
(4) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,基本的な事項を重点的に取り扱うようにする。
(5) 新しい技術を適宜取り入れて,技術の進歩に即応することができるようにする。
第121 染 色 工 場
1 目 標
染色工場における染色加工について,機械装置による操作,計測・制御,工場管理などの観点から,基礎的な知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 染色機器用材料 (4) 染色工場の機械・電気設備
(5) 染色工業計測・制御 (6) 染色工場管理
(2) 染色仕上加工機械については,工学的な観点から取り扱うものとするが,加工種別に取り扱うこともできる。
(3) 機械・電気設備は,染色工場に設備される一般的なものを取り扱うものとする。
第122 染色デザイン
1 目 標
デザインに関する基本的な知識と技術を習得させるとともに,色彩感覚を高めさせ,染色デザインに必要な基礎的な能力を養う。
2 内 容
(2) 染色デザインの要素(図案や色の構成)
(3) 染色工芸
(2) 市販の染色製品について,常に関心をもって観察し,色,柄などの流行を感知することができるようにする。
(3) 染色工芸は,デザインの観点から取り扱うものとする。
第123 繊維工学実習
1 目 標
繊維工学に関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,繊維工学に関する基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(2) 織物・編組物類の分解設計と原価計算
(3) 意匠と図案 (4) 織物・編組物類の製造
(5) 紡績,ねん糸,製糸および紡糸 (6) 機械工作,電気および工業計測
(7) 染色,整理および織物加工 (8) 工場調査
(2) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うようにする。
第124 繊維工学Ⅰ
1 目 標
繊維工業製品を構成する各種の繊維,繊維集合体,糸などの製法,性能,用途,試験法などに関する基礎的な知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 繊維の性質,用途および試験法 (4) 紡績の原理
(5) 各種の紡績法 (6) 製糸,ねん糸および加工糸
(2) 特に繊維の性質に重点をおき,糸・織物・編組物類との関連および染色加工・仕上への応用についての指導に留意する。
(3) 紡績業界の情勢に留意し,新しい技術を適宜取り入れて指導することが望ましい。
(4) 繊維については,天然繊維および化学繊維の種類,製法,構造,性能,応用などに関する基礎的な知識を習得させ,繊維試験に関する規定に基づく試験法を理解させるものとする。
(5) 紡績については,紡績原理,繊維から糸になるまでの工程,各種の紡績機械の名称・構造・機能・操作法などについて理解させ,基礎的な紡績計算をすることができるようにする。
第125 繊維工学Ⅱ
1 目 標
布類(織物,編組物,レース,網など)の製造に関する基礎的な知識と技術を習得させ,布類の分解設計および製造をする能力を養う。
2 内 容
ウ 重ね組織 エ パイル組織
オ もじり組織など
(3) 繊維機械
ウ 管 巻 機 エ 整 経 機
オ 織 機
ウ メリヤスの加工
(6) 紋 織 物
ウ 紋 彫 り エ 紋織物組織と製造
(2) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱い,基礎的な事項の理解を深めるようにする。
(3) 特に編組関係の機械については,その取り扱いおよび調整・管理に関する基礎的な事項を確実に理解させるようにする。
(4) 織物の計算,編組の計算,分解設計,紋装置の計算などの計数関係についても習熟させるようにする。
(5) 組織の指導に当たっては,実物サンプル,模型などにより理解を確実にするようにする。
(6) 織物製造については,まず織物を構成する組織について指導し,織物組織図・織り方図・組織の多様性とそれによる織物の特徴などの基礎的な事項および織物分解設計法を理解させるものとする。ついで,織物製造に必要な準備機械,織機などの原理,構造および操作を理解させ,機械の適切な選択と利用を行なう能力を養うものとする。また,紋織物の製造に必要な機械・装置や意匠法,紋彫りなどについて理解させるものとする。
(7) 編組物製造については,よこメリヤス・たてメリヤスの編成理論・編成図・製造工程・加工法および使用する機械の構造・機能について理解させ,編組物第二次製品の製造法についても理解させるものとする。また,レース,組物および網の製造法についても理解させるようにする。
第126 繊維工学Ⅲ
1 目 標
繊維工業製品の図案および染色・仕上加工に関する基礎的な知識と技術を習得させ,図案の構成の基本的な要素,図案作成上の資料・配色・調色などを理解させるとともに,これらを簡単な加工に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 図案の資料とその鑑賞 (4) 図案の計画と作成
(5) 染色・仕上加工の工業 (6) 精練と標白
(7) 浸染となっ染 (8) 繊維工業製品の仕上加工
(2) 図案を鑑賞評価する能力を養い,図案資料を取捨選択し,用途に応じた適切な図案をかくことができるようにする。このため,市販の繊維工業製品を常に観察するように習慣づけ,図案に対する関心を深め,需要者の動向や流行の傾向を感知することができるようにする。
(3) 染色・仕上加工については,原理と実際とを密接に関連させて指導し,その基本的な事項を習得させ,使用材料の性質とその有効な使用法を理解させるとともに,おもな染色・仕上加工機器の種類と機能についても理解させるものとする。
(4) 仕上加工の目的は,実用性と美観にあることを理解させ,仕上効果の評価に重点をおくようにする。
第127 繊維工場管理
1 目 標
繊維工場管理に関する基礎的な知識と技術を習得させ,工場の経営管理について,合理的に計画し実践する基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 安全管理 (4) 人事管理
(5) 工場経理 (6) 工業関係法規
(2) 内容の(2)については,工程管理または品質管理のいずれかに重点をおくこともできる。(4)については,賃金制度,特に職務給制を取り扱う。(5)については,簿記会計の基本的事項,原価計算などを取り扱う。(6)については,それぞれの関係箇所において取り扱うことができる。
第128 繊維デザイン
1 目 標
繊維工業製品のデザインに関する基本的な要素を理解させるとともに,合理的,美的に表現する技術を習得させ,独創的な繊維デザインを制作する基礎をつちかう。
2 内 容
(2) 繊維工業製品のデザインに関する表現と技法
(3) 服飾物のデザイン
(4) 室内装飾物のデザイン
(5) 伝統的なものに関するデザイン
(2) 基礎的なものの習熟に重点をおき,順次自発的な活動を展開するように指導するものとする。
(3) デザインに関する正確な知識および合理的な思考の育成に重点をおき,個性の伸長を図り,デザインに関する情熱を育てるようにする。
第129 インテリア実習
1 目 標
インテリアに関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,インテリアに関する技術を総合的に習得させ,応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 室内材料と加工 (4) 材料試験
(5) 機械整備 (6) 塗装と接着
(7) 生産管理
(2) 「インテリア設計製図」,「室内計画」,「室内材料」,「室内装備」,「家具生産」,「木工機械」および「塗装・接着」との関連には特に留意し,また,地域の実態や生徒の進路などを考慮して,指導内容を定める必要がある。
(3) 各種の材料を総合した製品の組立についても,実習を行なうことが望ましい。
(4) 作業工程を分析し,生産計画を立てることができるように指導するものとする。
(5) 内容の(1)については,絵画を含めて取り扱うものとする。
第130 インテリア設計製図
1 目 標
製図通則およびインテリア関係の規格を理解させ,室内環境およびその構成要素を設計し,これらを適正に表現する能力を養う。
2 内 容
(3) 室内製図 (4) 建築製図
(5) 家具設計 (6) 室内設計
(7) 生活機器設計 (8) 設計業務
(2) 内容の(1)から(4)までについては,主として模写を中心として取り扱うものとする。
(3) 「室内計画」,「室内材料」,「室内装備」,「家具生産」および「建築一般」との関連に留意し,また,地域の実態や生徒の進路などを考慮して,重点的に指導することができる。
(4) トレース,現寸図,構造図,工作図などの図示は,機会あるごとに練習させるものとする。
(5) デザインについては,常に関心をもたせ,スケッチ,透視図,実測,模写などのほか,材料の取り扱い方および構造についても研究させるようにする。
第131 室 内 計 画
1 目 標
室内環境に関する基礎的な要素を理解させ,室内計画を合理的に行なう能力を養う。
2 内 容
(3) 室内計画 (4) 建築計画
(5) 生活機器計画 (6) 展示計画
(7) 室内家具様式
(2) 内容の(7)は,「デザイン史」を履修させる場合には,省略するものとする。
(3) インテリア科においては,「インテリア設計製図」,「室内材料」,「室内装備」および「家具生産」との密接な関連のもとに指導するものとする。
(4) デザイン科においては,「デザイン実習」および「デザイン材料」との有機的な関連のもとに指導するものとする。
(5) 実験,演習,見学,模型製作などを加えて,総合的に指導するものとする。
第132 室 内 材 料
1 目 標
室内装備および家具に使用される諸材料の性質,製法,規格,試験法などを理解させ,目的に応じて材料を適切に選択し,合理的,経済的に活用する能力を養う。
2 内 容
(3) 繊維と織物 (4) 金 属
(5) ガラスと陶磁器 (6) 石材とセメント
(7) 材料試験
(2) 内容の(1)から(6)までについては,これらの材料による製品も含めて取り扱うものとする。
(3) 実験・実習,調査,見学などにより,材料に関する知識を深めるようにする。
(4) 新しい材料については,適宜その性質や取り扱いを理解させるようにする。
第133 室 内 装 備
1 目 標
室内を構成する諸要素の構造を理解させ,室内装備について合理的に設計し施工する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 室内設備 (4) 構造の力学
(2) いろいろな機会を利用して室内の装備を観察させ,その構造を理解させるようにする。
(3) 視覚的な観点からの設計にかたよることなく,構造を力学的に考察する習慣を養うようにする。
第134 家 具 生 産
1 目 標
家具に関する基礎的な加工技術について理解させ,これを総合的に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 加 工 (4) 測定と検査
(5) 生産の管理
3 指導計画の作成と内容の取り扱い
(2) 新しい加工技術について適宜理解させるようにする。
(3) 加工技術および生産管理についても理解させ,「インテリア実習」と関連をもたせて指導するようにする。
第135 木 工 機 械
1 目 標
木工機械の構造,調整,保守,管理などに関する基礎的な知識と技術を習得させる
2 内 容
(3) 木工機械 (4) 機械の自動化
(5) 機械の管理
(2) 諸機械の操作を体験させるとともに工程管理についても理解させるようにする。
第136 塗装・接着
1 目 標
各種塗料・接着剤の組成・性質・用途および塗装・接着の技術を理解させ,塗料および接着剤を適切に選択して使用する能力を養う。
2 内 容
(3) 塗 装 (4) 接 着
(5) 特殊塗装と接着法 (6) 塗装・接着管理
(7) 塗装・接着試験
(2) 科学的な考察に基づいて,塗装,接着および品質鑑識をする能力を養うようにする。
第137 デザイン実習
1 目 標
デザインに関する各科目との有機的な関連のもとに,実際の作業を通して,色や形に対する感覚を養うとともに,各種材料についての基礎的な知識と技術を総合的に習得させ,デザイナーとして必要な応用と創造の能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) ビジュアルデザイン (4) 環境構成デザイン
(2) 他の科目との密接な関連のもとに指導し,アイデアの発想からデザインの完成に至るまでの実習を通して,創造の意欲と倫理観を養うようにする。
(3) 内容の(1)ついては,材料実習,感覚表現実習その他の基礎デザインを取り扱い,必要に応じて絵画や彫塑を含める。(2)については,工業・工芸デザインの基礎技法,生活機器デザインその他のプロダクトデザインおよび木材・金属・陶磁・塗装・染織などの工芸デザインを取り扱う。(3)については,ビジュアルデザインの基礎技法,グラフィックデザイン,パッケージングデザイン,ディスプレーデザインおよびその他のビジュアルデザインを取り扱う。(4)については,環境構成デザインの基礎技法,店舗デザイン,インテリアデザインおよびその他の環境構成デザインを取り扱う。
第138 デザイン製図
1 目 標
図学一般および製図に関する基礎的な知識と技術を習得させ,工業デザイン,環境構成デザインおよびその他の造形デザインを正しく読み,表現する能力を養う。
2 内 容
(3) 立体図法 (4) 機器デザイン製図
(5) 構作建造物の製図 (6) 室内・家具デザイン製図
(7) その他のデザイン製図
(2) 立体を平面上に表現する原則を理解させるとともに,平面図形から立体を把握する能力を養うようにする。
第139 デザイン計画
1 目 標
造形の基礎を理解させ,これを広く各分野にわたるデザインに応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 形態と形態実験 (4) デザインと創造
(5) 人間要素
(2) 実験,演習,見学,模型製作などを取り入れて,総合的に指導するものとする。
(3) 「デザイン実習」,「デザイン製図」および「デザイン材料」との関連に留意する。
第140 工業・工芸デザイン
1 目 標
工業生産におけるデザインのあり方を理解させるとともに,機器その他の工業製品のデザインおよび工芸におけるデザインの基礎的な技術を習得させる。
2 内 容
(2) 生活機器デザイン (3) 産業機器デザイン
(4) 交通機体デザイン
(5) 木工,金工,陶磁,染色品その他の工芸デザイン
(6) 服飾,室内装飾その他の工芸デザイン
(7) その他のプロダクトデザイン (8) 製品企画
(2) デザインに関連する各種の資料を集め,これをデザインに応用するように指導するとともに,できるだけ見学などを行なって,実際的な立場から研究する態度を養うものとする。また,国際的なデザイン感覚を習得させることも望ましい。
(3) 工業デザインについては,できるだけ科学的にデザインを進める態度を養うように留意する。
(4) 工芸デザインについては,伝統的な技法だけにとどまらず,諸外国の技法についても知見を広めるように留意する。
第141 ビジュアルデザイン
1 目 標
宜伝,企画,商業デザインなどの分野における基礎的な事項を習得させ,新しいデザインの制作の基礎をつちかう。
2 内 容
(3) パッケージングデザイン (4) ディスプレーデザイン
(5) その他のデザイン (6) 写 真
(7) 印 刷 (8) 広告業務
(2) 「デザイン実習」との有機的な関連を図り,立地条件と時宜に応じた学習指導を進めるようにする。
(3) 宜伝計画については,豊富な資料を収集し,これを整理・総合する実務および宣伝効果に留意させ,また,できるだけ見学を行なって,現実と遊離しないようにする。
(4) 視覚による伝達のデザインにおける写真や印刷の重要性を認識させ,特に実験や演習を通して実務的な能力を養うようにする。
第142 デザイン材料
1 目 標
製品のデザインに必要な材料および加工に関する知識を習得させ,材料を適切に選択し応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 構 造 (4) 加工技術
(2) 新しく開発された材料の性質や取り扱いの技術を理解させ,デザインに活用するように指導するものとする。
(3) 「デザイン実習」,「デザイン製図」および「デザイン計画」との有機的な関連のもとに指導し,実験および見学を並行して行なうものとする。
第143 デザイン史
1 目 標
造形の歴史を文化との関連において理解させ,デザインに必要な創造力と鑑賞力を養う。
2 内 容
(3) 古代・中世・近代の室内・家具 (4) 近代デザインの展開
(5) 近代技術の発達
(2) デザイン科においては,全体を通して履修させるものとするが,インテリア科においては,室内・家具に重点をおいて取り扱うものとする。
(3) 視覚的教材の活用については,特に留意する必要がある。
第144 デザイン実務
1 目 標
デザイン業務の運営および管理に関する事項を処理する能力を養い,デザイナーとしての自覚を深めさせる。
2 内 容
(3) 工業関係法規 (4) デザイン企画と経営企画
(5) デザイン規則と経営業務 (6) 製品開発と特許
第145 工業管理実習
1 目 標
工業管理に関する各科目との有機的な関連のもとに,合理的な管理技術の基礎を習得させ,これを実務に応用し実践する能力および望ましい態度を養う。
2 内 容
(3) 工作機械 (4) 材料試験
(5) 工業計測 (6) 電 気
(7) 工場計画 (8) 作業工程
(9) 作業標準の設定 (10) 品質管理
(11) 原価計算 (12) 安全と衛生
(13) 管理実務 (14) 情報処理と管理計算
(2) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
第146 生 産 技 術
1 目 標
工場における生産活動のうち,機械を主とする生産の知識と技術を科学的根拠に基づいて理解させ,合理的な生産技術および生産方法を企画し実践する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 機械要素の設計 (4) 機械工作
(5) 工業計測 (6) 原 動 機
(7) 機械設備 (8) 電 気
(2) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うことが望ましい。
第147 生 産 管 理
1 目 標
生産管理に関する知識と技術を習得させ,工業生産特に機械工業における諸活動の計画,実施および統制を有効適切に行なう能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 工程管理 (4) 設備管理
(5) 品質管理 (6) 作業測定
(7) 原価管理 (8) 安全管理
(9) 資材管理 (10) 情報処理
(11) 人事管理
(2) 「工業管理実習」との有機的な関連のもとに指導するものとする。
(3) 管理技術の進展の動向に即するように配慮するものとする。
第148 工 業 経 営
1 目 標
工場の運営および生産の管理に必要な知識を習得させ,工場の施設・設備および生産・販売について,企画し,改善し,管理する基礎的な能力を養う。
2 内 容
(3) 工場の施設・設備 (4) 工程管理
(5) 作業の改善 (6) 品質管理
(7) 安全管理 (8) 人事管理
(9) 原価計算 (10) 情報処理
(11) 工業関係法規
(2) 内容の(1)については,大企業および中小企業について,それぞれ特色のある組織と運営の概要を取り扱う。(4)については,工程の計画・管理および機材の管理の方法を理解させる。(5)については,工程分析・動作分析の方法および標準時間の決め方を取り扱う。(6)については,管理の進め方,統計的品質管理,抜取り検査および管理図法を取り扱う。(7)については,労働災害,安全作業,保安,公害防止などについて,その対策と管理の方法を取り扱う。(8)については,企業内訓練,人間関係,賃金,福利厚生および考課について,その対策と管理の方法を取り扱う。(11)については,企業経営,施設,操業,技術および労働に関する法規の概要を取り扱う。
第149 工 業 概 説
1 目 標
現代の産業構造における工業の地位を把握させ,工業の業種,経営形態および管理方式を理解させるとともに,工業人としての使命の自覚を深め,広い視野から業務を処理する能力を養う。
2 内 容
(3) 工業の経営形態と管理 (4) 国民経済と工業人の使命
(2) 内容の(1)については,産業の発達と現代の経営機構,各種産業の相互の関連などを取り扱う。(2)については,わが国工業の発生から現状までの推移および現代の工業の諸分野の概要とその動向を取り扱う。(3)については,工業経営の諸形態および企業の管理方式を取り扱う。(4)については,工業政策などについても触れる。
(3) 「政治・経済」との関連についても配慮するものとする。
第150 製 図
1 目 標
製図通則および製図の規格の基礎を理解させ,図面を読み,かく能力を養う。
2 内 容
(3) スケッチと製図 (4) 機械要素の製図
(5) 機械または装置の製図 (6) 各種の図面
(2) 内容の(1)については,立体的形状を平面上に表現する原則を理解させ,図形のかき方に習熟させる。(2)については,製図に関する規格に従って製作図をかけるようにする。(3)については,スケッチしたものを製図することによって,製図能力を養う。(6)については,配管図,配線図,計装図などを理解させる。
第151 工 学 一 般
1 目 標
工学および技術に関する基礎的な事項を理解させ,工業に関する各科目の学習の基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 機械の概要 (4) 電気の概要
(5) 工業計測
(2) 機械,電気および工業計測の概要を理解させるものとする。
(3) 実験・実習などを計画的に実施するとともに,他の科目との関連に留意して指導するものとする。
(4) 内容の(1)については,工業技術,工業生産などを取り扱う。(2)については,力学,流体,熱,エネルギーなどを取り扱う。(3)については,機械の要素と機構,加工と生産,原動機などを取り扱う。(4)については,直流と交流,電気機器などを取り扱う。(5)については,計測の基礎,計測器,量の測定などを取り扱う。
第152 自動車一般
1 目 標
自動車工業および自動車の構造・機能に関する知識を習得させ,整備および運転を行なう能力の基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 自動車機関 (4) シ ャ シ
(5) 車 体 (6) 整 備
(7) 運 転 (8) 関係法規
(2) 整備および運転の実技は,実習の内容に取り入れて行なうものとする。
(3) 地域や学校の実態などを考慮して,適切な内容を選択し,重点的に取り扱うようにする。
(4) 内容の(1)については,自動車の区分,歴史,現況および構造の概要を取り扱う。(2)については,製造,整備および関連工業の概要を取り扱う。(3)については,自動車に使用される各種の機関とその付属装置について,構造および作用を取り扱う。(4)については,伝動装置,駆動装置,かじ取装置,制動装置および懸架装置の構造と作用および走行抵抗と性能の概要を取り扱う。(7)については,操縦装置のしくみおよび運転の基本動作を理解させる。
第153 電 気 一 般
1 目 標
電気の基礎理論および電気に関する施設・設備・機器などの構造・特性の概要を理解させ,電気および電気施設・設備・機器の簡単な取り扱いをする能力を養う。
2 内 容
(3) 電気機器 (4) 電力施設・設備
(5) 電気応用 (6) 電子工学
(2) 実験,見学などを利用して理解を深めるようにするとともに,実際に電気を取り扱うことができるようにする。
(3) 内容の(1)については,基本的な事項の理解に重点をおき,簡単な計算などができるようにする。(2)については,電気計測器の選定と取り扱いに重点をおく。(3)については,電動機および変圧器を中心として取り扱う。(4)については,屋内配線および自家用電気施設に重点をおき,発送配電は概要を理解させる程度に取り扱う。(5)については,照明用光源,照明方法,電熱の応用,電気化学などの概要を理解させる程度に取り扱う。(6)については,電子技術の基礎となる電子管半導体素子および主要な電子回路を理解させ,電子技術を応用した電気通信,テレビジョン,電子計算機などの概要を取り扱う。
第154 機 械 製 作
1 目 標
機械製作に関する基礎的な知識と技術を習得させるとともに,機械製作に対する関心を高めさせ,機械技術を実際に活用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 機械用材料 (4) 機械の製作法
(2) 実習との関連をじゅうぶんに図り,効果的な指導ができるようにする。
(3) 内容の(1)については,機械が生産工場において生産される過程について設計から完成までを取り扱う。(2)については,材料の強さ,機械要素,機構などを取り扱う。(3)については,おもな機械用材料の性質,用途などを取り扱う。(4)については,製作法,機械の自動化などを取り扱う。
第155 機 械 一 般
1 目 標
機械に関する広い知識と基礎的な技術を習得させるとともに,機械技術の文化的,生産的な価値を理解させ,近代の機械技術に対する認識を深めさせる。
2 内 容
(3) 機械の要素の設計 (4) 機械工作
(5) 原 動 機 (6) 各種の機械設備
(2) 実習,見学などを利用して理解を深めるようにする。
第156 溶 接
1 目 標
溶接構造の特徴を理解させ,材料,設計および工作法に関する技術の基礎を習得させるとともに,これらを実際に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 溶接機械・器具 (4) 切断とガス加工
(5) 溶接施工 (6) 溶接設計
(7) 試験・検査 (8) 溶接管理
(2) 内容の(1)については,溶接物理として,溶接アーク,溶接性,残留応力および変形を,溶接や(・)金として,鋼の性質,熱処理,溶接部の性質など取り扱う。(2)については,溶接捧および溶接用材料を取り扱う。(3)については,アーク溶接機,抵抗溶接機,ガス溶接機および特殊溶接機を取り扱う。(4)については,ガス切断,アーク切断およびガス加工を取り扱う。(5)については,溶接施工計画,溶接準備,溶接作業および溶接後処理を取り扱う。(6)については,溶接継手の種類と記号,継手の強度と設計および溶接構造物の設計を取り扱う。(7)については,材料試験(非破壊試験法),欠陥検査法および残留応力の測定を取り扱う。(8)については,安全と衛生および技術管理を取り扱う。
第157 原子工学一般
1 目 標
原子核反応に関する初歩的な知識を習得させ,放射線計測の原理,放射線同位体の工業的利用および原子炉・原子力発電の一般について理解させる。
2 内 容
(3) 放射線の測定 (4) 原 子 炉
(5) 原子力発電 (6) 放射線同位体の利用
(7) 原子力・放射線関係の法規
(2) 内容の(3)については,GM管などによる実習を行なうことが望ましい。(4)については,二,三の例によって原理的な構成を理解させ,大量に利用される発電については,核燃料のサイクルなどにも触れて理解させる。
第158 建 築 一 般
1 目 標
建築の概要について理解させ,これを簡単な建築物の設計,管理および施工に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 建築構造 (4) 建築施工
(5) 建築法規
(2) 建築の特質を理解させるとともに,建築計画と設計の方法,建築設備,建築構造の方法と建築材料,建築工事と施工の方法および建築法規の概要について理解させ,見学,製図,実習などを加えて,実際的な知識を習得させるようにする。
第159 土 木 一 般
1 目 標
土木工学の概要とその基礎的な事項を理解させ,これを簡単な土木構造物の計画,設計,施工および工事管理に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 土木施工
(2) 内容の(1)については,基礎測量の実際について取り扱うとともに各種土木構造物の工事を実施する場合の調査と計画の概要を取り扱う。(2)については,土木構造物を設計する場合の基礎理論と力学および簡単な構造物の設計について取り扱う。(3)については,土木工事の施工に関する基礎的な知識および施工法・工事管理の概要について取り扱う。いずれの場合においても,見学,実習,製図などにより実際的な知識を習得させるようにする。
第160 化学工業一般
1 目 標
化学工業の特質および化学工業製品に関する基礎的な知識を習得させ,化学工場の特性を理解させる。
2 内 容
(3) 重化学工業 (4) 化学工業の組織と安全管理
(2) 内容の(1)については,歴史的,技術的な面からみた化学工業の概要を把握させる。(2)については,主として化学反応を中心とした化学工業の概要とその生産品について理解させるとともに,製品の簡単な鑑定・識別を行なうことができるようにする。(3)については,主として大規模な装置工業を中心とした化学工業の概要とその生産品について理解させるとともに,基本的な単位反応と装置との関連について理解させる。(4)については,化学工場の特性からみた組繊と管理との関連について理解させるとともに,特に化学工場における工場安全について理解させる。
第161 色染化学一般
1 目 標
色染材料および染色加工に関する一般的な知識を習得させ,これを簡単な染色に応用する能力を養う。
2 内 容
(3) 染色加工
(2) この科目においては,その内容が染色加工の方法の単なるら列でなく,色染化学に関する一般的な事項を化学的,系統的に理解させるように配慮して指導するものとする。
(3) 繊維材料,染料・薬剤および染色加工の三つの内容を,加工原理を中心として,なるべく融合して指導することが望ましい。
(4) 基本となる試験染めを中心として指導することが望ましい。
第162 繊維工学一般
1 目 標
繊維工学に関する一般的な知識を習得させ,繊維製品の見分けと取り扱いをする能力を養う。
2 内 容
(3) 織物の製造 (4) 編物の製造
(5) 繊維製品の性能
(2) 糸,織物などの繊維製品の製造に関する一般的な事項のほか,繊維製品の諸性能に関する基本的な事項を取り扱うものとする。
第163 デザインー般
1 目 標
デザインに共通な造形の基礎を理解させ,創造的な造形の力を発揮する基礎をつちかう。
2 内 容
(3) 形態と形態実験 (4) デザインと創造
(5) 人間要素 (6) 工業と工芸デザイン
(7) ビジュアルデザイン (8) 室内デザイン
(9) デザイン材料
第164 工 業 英 語
1 目 標
工業関係の各分野において,管理,研究,生産などの業務に従事する者に必要な英語に関する基礎的な知識を習得させ,これを実務に活用する能力を養う。
2 内 容
ウ 仕 様 書
ウ 注 文 書 エ 取扱説明書
(2) 内容の(1)および(2)の各種の文書は,相互に加えて指導することができる。
(3) 内容については,専門の異なる生徒にも習得することができる程度の簡単なものから,順次それぞれの専門的な内容を取り扱うようにする。
(4) 術語については,例文全般にわたって取り入れるほか,表などに一括して取り扱うものとする。その際,操作関係の術語については,名詞形および動詞形の両方を掲げるものとする。また,術語の読み方の指導に当たっては,発音に特に留意する必要がある。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取り扱い
1 学科の目標や類型のねらいを達成するため,必要な科目を選択し,実習および製図に関する科目を中核として指導計画を作成するものとする。
2 「Ⅰ」,「Ⅱ」および「Ⅲ」を付した科目は,各学科ごとに実習および製図に関する科目との有機的な関連のもとに指導することにより,各学科の目標の基本を達成することができるように配慮したものであるが,生徒の能力・適性,進路などを考慮して適切な指導計画を作成するため,次の事項に留意して,内容を弾力的に取り扱う必要がある。
(2) 学年進行に応じた指導計画を作成するため,必要に応じてこれらの科目の内容の一部を入れ替えることができること。
(3) 特定の内容に重点をおいた類型を設けるに当たっては,これらの科目の単位数の増減によるほか,これらの科目に替え,または加えて,必要な他の科目を履修させるようにすること。
4 各科目の内容については,必要に応じて,その一部に重点をおき,また,その一部を省略して履修させることができる。なお,新しく開発された工業技術に関する事項を適宜加えて指導するように留意する。
5 施設・設備などの安全管理にじゅうぶんに配慮するとともに,実験・実習の指導に当たっては,実際の作業に即して危害の予防について理解させ,その実行の徹底を図り,安全および衛生についての望ましい態度を養うようにする。