学校においては，法令およびこの章以下に示すところに従い，地域や学校の実態および生徒の能力・適性・進路等をじゅうぶん考慮し，課程や学科の特色を生かした教育ができるように配慮して，適切な教育課程を編成するものとする。

　学校教育法施行規則別表第３に定める各教科に属する科目（以下「各教科・科目」という。）の標準単位数は，次の表のとおりとする。

　この表の単位については，１単位時間を50分とし，１個学年35単位時間の授業（通信制の課程においては，これに相当するもの）を１単位として計算するものとする。
 

各教科	各教科に属する科目	標　準 単位数	各教科	各教科に属する科目	標　準 単位数
国　　語	現　代　国　語	７	保健体育	体　　　　　育	７〜９
	古　典　Ⅰ　甲	２		保　　　　　健	２
	古　典　Ⅰ　乙	５	芸　　術	音　　楽　　Ⅰ	２
	古　　典　　Ⅱ	３		音　　楽　　Ⅱ	２
社　　会	倫　理・社　会	２		音　　楽　　Ⅲ	２
	政　治・経　済	２		美　　術　　Ⅰ	２
	日　　本　　史	３		美　　術　　Ⅱ	２
	世　　界　　史	３		美　　術　　Ⅲ	２
	地　　理　　Ａ	３		工　　芸　　Ⅰ	２
	地　　理　　Ｂ	３		工　　芸　　Ⅱ	２
数　　学	数　学　一　般	６		工　　芸　　Ⅲ	２
	数　　学　　Ⅰ	６		書　　道　　Ⅰ	２
	数　学　Ⅱ　Ａ	４		書　　道　　Ⅱ	２
	数　学　Ⅱ　Ｂ	５		書　　道　　Ⅲ	２
	数　　学　　Ⅲ	５	外国語	初　級　英　語	６
	応　用　数　学	６		英　　語　　Ａ	９
理　　科	基　礎　理　科	６		英　　語　　Ｂ	15
	物　　理　　Ⅰ	３		英　　会　　話	３
	物　　理　　Ⅱ	３		ド　イ　ツ　語	15
	化　　学　　Ⅰ	３		フランス語	15
	化　　学　　Ⅱ	３		外国語に関するその他の科目
	生　　物　　Ⅰ	３	農　　業	応用微生物	３〜８
	生　　物　　Ⅱ	３		食　品　化　学	２〜12
	地　　学　　Ⅰ	３		製　造　機　器	３〜８
	地　　学　　Ⅱ	３		食品製造衛生	２〜６
家　　庭	家　庭　一　般	４		食品製造経営	２〜４
	被　　服　　Ⅰ	２〜６		測　　　　　量	２〜10
	被　　服　　Ⅱ	２〜６		農業土木設計	４〜８
	食　　物　　Ⅰ	２〜６		材　料　施　工	３〜６
	食　　物　　Ⅱ	２〜６		応　用　力　学	２〜５
	保　　　　　育	２〜６		水　　　　　理	２〜５
	家　庭　経　営	２〜６		土　・土　　質	２〜４
	被　服　材　料	２〜６		農　業　水　利	３〜８
	被　服　管　理	２〜６		農　地　開　発	２〜４
	服飾デザイン	２〜16		育　　　　　林	２〜12
	被　　服　　史	２〜６		伐　木　運　材	２〜８
	被　服　製　作	２〜20		砂　　　　　防	２〜８
	手　　　　　芸	２〜10		林　業　機　械	２〜６
	栄　　　　　養	２〜６		測　　　　　樹	２〜６
	食　　　　　品	２〜６		林　業　経　営	２〜10
	食　品　衛　生	２〜６		林　産　製　造	２〜８
	食　物　管　理	２〜６		木　材　加　工	２〜12
	献　立・調　理	６〜20		木　材　材　料	２〜８
	集　団　給　食	２〜６		造　園　設　計	４〜10
	公　衆　衛　生	２〜６		造　園　材　料	３〜８
	小　児　保　健	４〜12		造　園　施　工	３〜８
	児　童　心　理	２〜６		造　園　管　理	２〜６
	児　童　福　祉	２〜４		緑　地　計　画	２〜４
	保　育　原　理	２〜６		造　　　　　園	２〜６
	保　育　技　術	８〜20		農　業　一　般	２〜10
	家庭に関するその他の科目			林　業　一　般	２〜10
農　　業	作　　　　　物	２〜10		総　合　実　習	４〜15
	園　　　　　芸	２〜10		農業に関するその他の科目
	畜　　　　　産	２〜12	工　　業	機　械　実　習	14〜25
	土　・肥　　料	２〜４		機　械　製　図	６〜12
	作　物　保　護	２〜４		機　械　設　計	４〜８
	農畜産加工	２〜４		機　械　工　作	４〜８
	農　業　機　械	２〜６		原　　動　　機	３〜８
	農　業　施　設	２〜４		計　測・制　御	２〜６
	農　業　経　営	４〜10		機　械　材　料	２〜４
	農　家　経　営	４〜10		自動車実習	12〜20
	総　合　農　業	12〜40		自動車製図	４〜８
	野　菜　園　芸	４〜12		自動車設計	３〜６
	果　樹　園　芸	４〜12		自動車工作	３〜６
	草　花　園　芸	４〜12		自動車構造	４〜８
	家畜栄養・飼料	２〜６		自動車整備	４〜８
	家　畜　衛　生	２〜６		自動車電気	２〜４
	飼　料　作　物	２〜８		自動車法規	１〜２
	栽　　　　　桑	２〜６		造　船　実　習	10〜20
	養　　　　　蚕	２〜８		造　船　製　図	８〜15
	蚕　体　衛　生	２〜４		造　船　工　学	６〜12
	製　糸・製　織	２〜４		造　船　設　計	３〜６
	蚕　種　製　造	２〜４		設　備　施　工	３〜５
	食　品　製　造	６〜12		土　木　実　習	６〜15
工　　業	船舶構造・装置	３〜８		土　木　製　図	４〜12
	造　船　工　作	２〜８		測　　　　　量	２〜６
	造　船　力　学	２〜６		土木応用力学	２〜８
	金属工業実習	10〜20		水　　　　　理	２〜４
	金属工業製図	４〜８		土　　　　　質	２〜４
	金　属　材　料	６〜８		土　木　計　画	２〜６
	金　属　加　工	６〜８		土　木　設　計	２〜８
	金　属　製　錬	２〜６		土　木　施　工	２〜８
	特　殊　材　料	２〜４		地質工学実習	12〜15
	金属工業設計	２〜４		地質工学製図	２〜４
	電　気　実　習	10〜20		地質工学Ⅰ	６〜８
	電　気　製　図	４〜12		地質工学Ⅱ	５〜８
	電気工学Ⅰ	６〜14		地下資源開発	５〜８
	電気工学Ⅱ	５〜14		火　　　　　薬	２〜４
	電気工学Ⅲ	５〜14		環境工学実習	10〜20
	電　気　機　器	２〜６		環境工学製図	２〜６
	配　送　配　電	２〜６		環　境　衛　生	４〜８
	電　気　応　用	２〜４		環　境　計　画	３〜８
	電　子　実　習	10〜20		環　境　施　設	６〜12
	電　子　製　図	４〜８		水　　道　　Ⅰ	２〜６
	電子工学Ⅰ	６〜14		水　　道　　Ⅱ	２〜６
	電子工学Ⅱ	５〜10		環境衛生処理	２〜６
	電子工学Ⅲ	５〜10		環　境　管　理	２〜６
	電　子　応　用	２〜６		工業化学実習	19〜28
	通　信　機　器	２〜８		化学工業Ⅰ	６〜９
	情報技術実習	14〜20		化学工業Ⅱ	３〜６
	プログラミング	３〜９		化学工業Ⅲ	３〜６
	数値計算法	２〜６		化　学　工　場	４〜６
	システム工学	２〜６		化学工業持論	２〜６
	電子計算機	３〜６		化学工業安全	２〜４
	プログラム理論	５〜10		放　射　化　学	２〜４
	工業計測実習	10〜20		電　気　化　学	２〜４
	工業計測製図	４〜８		化学工業実習	20〜29
	計　測　管　理	４〜８		化学工学Ⅰ	４〜８
	自　動　制　御	４〜９		化学工学Ⅱ	４〜６
	計　測　力　学	４〜７		化学工学Ⅲ	３〜６
	計　装　工　事	３〜７		窯　業　実　習	10〜25
	計　測　回　路	３〜６		窯　業　製　図	３〜６
	建　築　実　習	７〜25		窯　業　原　料	２〜４
	建築設計製図	７〜25		セラミック化学	４〜８
	建　築　計　画	４〜８		窯　業　操　作	４〜８
	建　築　構　造	４〜６		窯　業　計　測	２〜６
	建築構造設計	４〜８		窯　業　持　論	２〜10
	建　築　施　工	３〜６	染色化学実習	10〜20
	建　築　法　規	１〜２	染色化学Ⅰ	３〜６
	建　　築　　史	２〜３	染色化学Ⅱ	６〜８
	設備工業実習	９〜18	染色化学Ⅲ	６〜10
	設備設計製図	９〜14	染　色　工　場	３〜６
	設　備　計　画	３〜６	染色デザイン	２〜４
	空気調和設備	４〜８	繊維工業実習	15〜20
	衛　生　設　備	４〜８	商　　業	簿記会計Ⅲ	２〜４
	設備機械・電気	３〜５		工　業　簿　記	２〜４
	繊維工学Ⅰ	４〜８		銀　行　簿　記	２〜４
	繊維工学Ⅱ	８〜12		機　械　簿　記	２〜５
	繊維工学Ⅲ	４〜６		税　務　会　計	２〜４
	繊維工場管理	２〜４		経　理　実　践	３〜５
	繊維デザイン	２〜４		事　　　　　務	２〜５
	インテリア実習	８〜25		事　務　機　械	２〜５
	インテリア設計製図	６〜20		事　務　管　理	２〜５
	室　内　計　画	２〜８		計　算　実　務	２〜８
	室　内　材　料	２〜６		統　計　実　務	２〜４
	室　内　装　備	２〜６		経　営　数　学	２〜４
	家　具　生　産	２〜６		電子計算機一般	２〜５
	木　工　機　械	２〜６		プログラミングⅠ	３〜８
塗　料・接　着	２〜６	プログラミングⅡ		２〜５
デザイン実習	15〜30	和文タイプライティング		２〜６
デザイン製図	２〜15	英文タイプライティング		２〜６
デザイン計画	２〜６	速　　　　　記		２〜６
工業・工芸デザイン	２〜８	秘　書　実　務		３〜６
ビジュアルデザイン	２〜４	事　務　実　践		３〜５
デザイン材料	２〜４	商　　　　　事		２〜５
デザイン史	２〜４	売　買　実　務		２〜５
デザイン実務	２〜４	商　　　　　品		２〜５
工業管理実習	14〜20	市　場　調　査		２〜４
生　産　技　術	８〜15	広　　　　　告		２〜５
生　産　管　理	８〜15	商　業　美　術		２〜６
工　業　経　営	２〜８	商　業　英　語		２〜４
工　業　概　説	２〜４	商業英会話		２〜６
製　　　　　図	２〜８	貿　易　実　務		３〜６
工　学　一　般	２〜６	商　業　実　践		３〜５
自動車一般	２〜６	商業に関するその他の科目
電　気　一　般	２〜６	水　　産	水　産　一　般	２〜４
機　械　製　作	２〜８		漁　　　　　業	４〜10
機　械　一　般	２〜６		海　洋・気　象	２〜４
溶　　　　　接	２〜６		漁　船・運　用	６〜８
原子工学一般	２〜６		航　海・計　器	８〜10
建　築　一　級	２〜４		海　事　法　規	２〜４
土　木　一　級	２〜４		水　産　法　規	２〜４
化学工業一般	２〜４		栽　培　漁　業	４〜10
染色化学一般	２〜４		資　源・漁　場	５〜７
繊維工学一般	２〜４		漁　業　経　営	６〜８
デザイン一般	６〜12		操　　　　　船	４〜８
工　業　英　語	２〜４		漁獲物処理	２〜４
工業に関するその他の科目			水　産　増　殖	10〜15
商　　業	商　業　一　般		３〜５	水　産　生　物	６〜８
	経　　　　　済		２〜４	水　産　土　木	２〜４
	経　　　　　営		２〜４	水　産　製　造	８〜10
	商　業　法　規	２〜５	音　　楽	音　楽　理　論	３〜９
	簿記会計Ⅰ	３〜５		音　　楽　　史	３〜６
	簿記会計Ⅱ	２〜４		ソルフェージュ	６〜12
水　　産	水産食品化学	６〜10		合　　　　　唱	３〜９
	水産食品衛生	３〜５		合　　　　　奏	３〜９
	水産製造機器	６〜10		声　　　　　楽	２〜９
	漁　船　機　関	10〜15		鍵　盤　楽　器	２〜９
	機械設計工作	６〜８		弦　　楽　　器	２〜９
	船　用　電　機	４〜６		管　　楽　　器	２〜９
	電機通信理論	10〜12		打　　楽　　器	２〜９
	無　線　測　定	３〜５		作　　　　　曲	２〜９
	無　線　機　器	５〜７		音楽に関するその他の科目
	無　線　通　信	８〜10	美　　術	美　術　理　論	３〜９
	無　線　法　規	４〜６		美　　術　　史	３〜９
	海　洋　実　習	２〜４		素　　　　　描	４〜12
	総　合　実　習	４〜12		基　本　造　形	４〜12
	乗　船　実　習	４〜12		彩　　画　　Ａ	４〜12
	水産に関するその他の科目			彩　　画　　Ｂ	４〜12
看　　護	看　護　概　説	２〜４		版　　　　　画	２〜６
	看護基礎医学	４〜８		彫　　　　　刻	４〜12
	成　人　看　護	６〜12		デザインＡ	４〜12
	母子看護	２〜４		デザインＢ	４〜12
	看　護　実　習	20〜27		製　　　　　図	２〜８
	看護に関するその他の科目			写　　　　　真	２〜４
理　　数	総　合　数　学	13〜18		総　合　実　習	２〜４
	計算機数学	２		美術に関するその他の科目
	総　合　物　理	６〜９	理　　数	理数に関するその他の科目
	総　合　化　学	６〜９	その他特に必要な教科	当該教科に関する科目
	総　合　生　物	６〜９
	総　合　地　学	６〜９

備　考

１　この表に掲げる「外国語に関するその他の科目」，「家庭に関するその他の科目」，「農業に関するその他の科目」，「工業に関するその他の科目」，「商業に関するその他の科目」，「水産に関するその他の科目」，「看護に関するその他の科目」，「理数に関するその他の科目」，「音楽に関するその他の科目」および「美術に関するその他の科目」は，学科の特質，学校や地域の実態などにより，この表に掲げる科目だけではその学校の教育課程を編成しがたい場合に用いるものとする。この場合において，その科目の名称，目標，内容，単位数等については，その科目の属する教科の目標に基づき，その学校の設置者の定めるところによる。

２　この表に掲げる「その他特に必要な教科」および「当該教科に関する科目」は，私立学校において宗教教育を行なう場合または学校においてたとえば体育に関する学科を設ける場合などで各学科の目標を達成するために特に必要がある場合に限り用いるものとする。これらの場合において，教科および科目の名称，目標，内容，単位数等については，その学校の設置者の定めるところによる。

　各教科以外の教育活動は，ホームルーム，生徒会活動，クラブ活動および学校行事から成るものとする。

１　次の各教科・科目をすべての生徒に履修させるものとする。

(１)　国語のうち「現代国語」および「古典Ｉ甲」

(２)　社会のうち「倫理・社会」および「政治・経済」の２科目ならびに「日本史」，「世界史」および「地理Ａ」または「地理Ｂ」のうち２科目

(３)　数学のうち「数学一般」または「数学Ｉ」

(４)　理科のうち「基礎理科」１科目または「物理Ｉ」，「化学Ｉ」，「生物Ｉ」および「地学Ｉ」のうち２科目

(５)　保健体育のうち「体育」および「保健」

(６)　芸術のうち「音楽Ｉ」，「美術Ｉ」，「工芸Ｉ」および「書道Ｉ」のうち１科目教育課程を編成するに当たっては，すべての生徒に履修させる各教科・科目の単位数は，第１節第２款の標準単位数を下らないものとする。

　なお，国語のうち「古典Ｉ乙」を履修する場合には，「古典Ｉ甲」の履修を要しないものとする。

(１)　「体育」について，全日制の課程のすべての男子に履修させる単位数は，11単位を下らないようにすること。

(２)　芸術について，すべての生徒に履修させる単位数は，３単位を下らないようにすること。

(３)　「家庭一般」は，すべての女子に履修させるものとし，その単位数は，４単位を下らないようにすること。

(１)　職業教育を主とする学科およびその他専門教育を主とする学科（理数に関する学科，音楽に関する学科，美術に関する学科，体育に関する学科など）においては，専門教育に関する各教科・科目について，すべての生徒に履修させる単位数は，35単位を下らないようにすること。ただし，商業に関する学科においては，上記の単位数の中に外国語に属する科目の単位を10単位まで含めることができる。

(２)　「家庭一般」は，すべての女子に履修させるものとし，その単位数は，４単位を下らないようにすること。ただし，女子生徒数がきわめて少数である場合など特別の事情がある場合は，この限りでない。

(３)　第４款の１のすべての生徒に履修させる科目の内容と同一または類似の内容が専門教育に関する科目の内容に含まれている場合には，上記すべての生徒に履修させる科目を履修した場合と同様の成果を期待することができる限りにおいて，当該専門教育に関する科目を履修することによって，すべての生徒に履修させる科目の内容の一部を省略し，他の部分に重点をおいて履修させることができること。また，同一または類似の内容が多い場合には，上記と同様の成果を期待することができる限りにおいて，すべての生徒に履修させる科目の単位数の一部または全部の履修に替えることができること。

１　ホームルームについては，各学年において週当たり１単位時間（１単位時間は，50分とする。以下同じ。）を下らないものとする。ただし，定時制の課程において特別の事情がある場合には，その授業時数の一部を減ずることができる。

２　クラブ活動については，原則として，各学年において週当たり１単位時間を下らないものとする。

３　生徒会活動および学校行事については，学校の実態に即してそれぞれ適切な授業時数を充てるものとする。

４　通信制の課程における各教科以外の教育活動の指導時数については，第３節の２に定めるところによる。

　教育課程を編成するに当たっては，次の事項に配慮するものとする。

１　一般的事項

(１)　各教科・科目，ホームルームおよびクラブ活動の授業は，全日制の課程においては，年間35週を下らないように計画すること。

(２)　全日制の課程における各学年の週当たりの授業時数は34単位時間を標準とし，原則として38単位時間をこえないようにすること。

　定時制の課程における各学年の授業日数の季節的配分または週もしくは１日当たりの授業時数については，生徒の勤労状況と地域社会の諸事情を考慮して，適切に配当するようにすること。

(３)　各教科・科目の授業は，１単位について１個学年35単位時間に相当する時間を下らないようにすること。

(４)　生徒の能力・適性・進路等に応じてそれぞれ適切な教育をほどこすため，必要により，教育課程の類型を設け，そのいずれかの類型を選択して履修させるようにすること。この場合，その類型において履修させることになっている各教科・科目以外の各教科・科目を履修させたり，生徒が自由に選択履修することのできる各教科・科目をも設けるようにすること。

(５)　定時制の課程の教育課程を編成するに当たっては，生徒の勤労や生活の状況などに即応し，負担過重になることを避け，教育効果を高めるようにすること。

２　普通科において職業に関する各教科・科目を履修させる場合に配慮すべき事項

(１)　生徒の必要や地域の実態を考慮して，「被服Ｉ」，「食物Ｉ」，「保育」，「家庭経営」，「作物」，「園芸」，「畜産」，「農業一般」，「林業一般」，「製図」，「自動車一般」，「電気一般」，「機械一般」，「商業一般」，「簿記会計Ｉ」，「事務」，「計算実務」，「水産一般」などの科目のうちから適当なものを設け，生徒に履修させることが適当であること。

(２)　職業に関する各教科・科目に，ある程度まとまった時間を配当することができる場合には，上記(１)の科目以外の各教科・科目を加えるなどして系統的に履修させ，専門的な知識と技術を習得させるように配慮すること。

３　職業教育を主とする学科において配慮すべき事項

　職業教育を主とする学科のうちのおもなものの標準的な目標は次のとおりであるから，それぞれの目標を達成するように教育課程を編成する必要があること。

(１)　農業に関するおもな学科の目標
ア　農　業　科

　作物（園芸作物を含む。）の栽培，家畜の飼育および農業経営に関する知識と技術を習得させ，農業の経営者・技術者を養成する。

イ　園　芸　科

　園芸作物の栽培および農業経営に関する知識と技術を習得させ，園芸を中心とする農業の経営者・技術者を養成する。

ウ　畜　産　科

　家畜の飼育および農業経営に関する知識と技術を習得させ，畜産を中心とする農業の経営者・技術者を養成する。

エ　蚕　業　科

　蚕の飼育および農業経営に関する知識と技術を習得させ，蚕業を中心とする農業の経営者・技術者を養成する。

オ　食品製造科

　農畜産物を中心とする食品の加工および貯蔵に関する知識と技術を習得させ，食品製造に関する業務に従事する技術者を養成する。

カ　農業土木科

　土地改良および農地の保全・開発に関する知識と技術を習得させ，農業土木に関する業務に従事する技術者を養成する。

キ　林　業　科

　木材の生産，治山治水および林業経営に関する知識と技術を習得させ，林業の技術者を養成する。

ク　木材加工科

　木材の加工および林産物の製造に関する知識と技術を習得させ，木材の加工利用に関する業務に従事する技術者を養成する。

ケ　造　園　科

　造園植物の育成および造園の設計・施工・管理に関する知識と技術を習得させ，造園に関する業務に従事する経営者・技術者を養成する。

コ　生　活　科

　農業および家庭生活に関する知識と技術を習得させ，農家を経営する婦人を養成する。

(２)　工業に関するおもな学科の目標
ア　機　械　科

　機械に関する知識と技術を習得させ，機械工業およびこれに関連する諸分野において，製造，管理，企画，設計，研究，整備，営業などの業務に従事する技術者を養成する。

イ　自動車科

　自動車に関する知識と技術を習得させ，自動車工業およびこれに関連する諸分野において，製造，管理，企画，設計，研究，整備，販売，技術サービスなどの業務に従事する技術者を養成する。

ウ　造　船　科

　造船に関する知識と技術を習得させ，造船工業およびこれに関連する諸分野において，建造，修理，企画，設計，管理，研究などの業務に従事する技術者を養成する。

エ　金属工業科

　金属に関する知識と技術を習得させ，金属工業およびこれに関連する諸分野において，金属材料の製造，加工，試験，研究などの業務に従事する技術者を養成する。

オ　電　気　科

　電気に関する知識と技術を習得させ，電気機器製造業，電気事業およびその他の電気関係の諸分野において，製造，管理，運用，保守，技術サービスなどの業務に従事する技術者を養成する。

カ　電　子　科

　電子に関する知識と技術を習得させ，電子工業およびこれに関連する諸分野において，製造，管理，運用，保守，技術サービスなどの業務に従事する技術者を養成する。

キ　情報技術科

　電子計算機に関する知識と技術を習得させ，電子計算機を利用する工業生産，電子計算機の製造などの諸分野において，情報処理，製造，管理，運用，保守などの業務に従事する技術者を養成する。

ク　工業計測科

　工業計測に関する知識と技術を習得させ，計測機器製造業および工業計測の応用される諸分野において，企画，設計，製造，操作，管理などの業務に従事する技術者を養成する。

ケ　建　築　科

　建築に関する知識と技術を習得させ，建築業，建築行政などの諸分野において，建築の設計，施工，監理，指導などの業務に従事する技術者を養成する。

コ　設備工業科

　設備工業に関する知識と技術を習得させ，建設業，製造業などの諸分野において，空気調和・給排水衛生設備などの計画，設計，施工，管理，保全などの業務に従事する技術者を養成する。

サ　土　木　科

　土木に関する知識と技術を習得させ，建設業，土木行政などの諸分野において，土木工事の計画，設計，施工，管理，指導などの業務に従事する技術者を養成する。

シ　地質工学科

　地質工学に関する知識と技術を習得させ，鉱業，建設業などの諸分野において，地下資源の調査・開発，建造物の基礎工事のための調査・設計・施工などの業務に従事する技術者を養成する。

ス　環境工学科

　環境工学に関する知識と技術を習得させ，水道事業，環境保全事業などの諸分野において，調査，計画，設計，施工，管理などの業務に従事する技術者を養成する。

セ　工業化学科

　工業化学に関する知識と技術を習得させ，化学工業およびその他の化学を応用する諸分野において，製造，試験，研究，技術サービスなどの業務に従事する技術者を養成する。

ソ　化学工学科

　化学工学に関する知識と技術を習得させ，化学工場その他の化学工業関係の諸分野において，装置の運転・管理，研究，技術サービスなどの業務に従事する技術者を養成する。

タ　窯　業　科

　窯業に関する知識と技術を習得させ，窯業およびこれに関連する諸分野において，製造，企画，研究，試験などの業務に従事する技術者を養成する。

チ　色染化学科

　色染化学に関する知識と技術を習得させ，染色工業およびこれに関連する諸分野において，製造，企画，試験，研究，検査などの業務に従事する技術者を養成する。

ツ　繊維工学科

　繊維工学に関する知識と技術を習得させ，繊維工業およびこれに関連する諸分野において，製造，企画，試験，研究，検査などの業務に従事する技術者を養成する。

テ　インテリア科

　インテリアに関する知識と技術を習得させ，室内環境の構成，施工などに関する諸分野において，企画，設計，施工，製造などの業務に従事する技術者を養成する。

ト　デザイン科

　デザインに関する知識と技術を習得させ，産業界などにおけるデザインに関する諸分野において，デザインの制作，研究などの業務に従事する技術者を養成する。

ナ　工業管理科

　工業管理に関する知識と技術を習得させ，製造工業の諸分野において，生産の管理に関する業務に従事する技術者を養成する。

(３)　商業に関するおもな学科の目標
ア　商　業　科

　広く産業における商事活動，事務および経営管理に関する知識と技術を習得させ，これらの業務に従事する者を養成する。

イ　経　理　科

　簿記会計および財務に関する知識と技術を習得させ，経理に関する事務に従事する者を養成する。

ウ　事　務　科

　事務およびその管理に関する知識と技術を習得させ，各種の事務に従事する者を養成する。

エ　情報処理科

　事務および電子計算機の利用に関する知識と技術を習得させ，情報処理に関する事務に従事する者を養成する。

オ　秘　書　科

　秘書として必要な文書事務，応接などに関する知識と技術を習得させ，秘書の職務またはこれに類する事務に従事する者を養成する。

カ　営　業　科

　販売を中心として，広く商事活動に関する知識と技術を習得させ，売買に関する業務に従事する者を養成する。

キ　貿　易　科

　外国との商取引およびその業務処理に関する知識と技術を習得させ，貿易に関する業務に従事する者を養成する。

(４)　水産に関するおもな学科の目標
ア　漁　業　科

　漁業および漁船の運航に関する知識と技術を習得させ，主として漁船に乗り組んで漁業生産に従事する技術者を養成する。

イ　漁業経営科

　沿岸漁場における漁業生産およびその経営に関する知識と技術を習得させ，沿岸漁業や栽培漁業に従事する経営者・技術者を養成する。

ウ　水産増殖科

　水産生物およびその増殖に関する知識と技術を習得させ，水産養殖に関する業務に従事する技術者を養成する。

エ　水産製造科

　水産物を中心とする食品の製造に関する知識と技術を習得させ，食品製造に関する業務に従事する技術者を養成する。

オ　機　関　科

　漁船機関に関する知識と技術を習得させ，主として漁船に乗り組んで機関の運転管理に従事する技術者を養成する。

カ　無線通信科

　無線通信に関する知識と技術を習得させ，漁業局などにおける無線通信業務に従事する技術者を養成する。

(５)　家庭に関するおもな学科の目標
ア　家　政　科

　家庭経営の立場から家庭生活に関する知識と技術を総合的に習得させ，家庭生活に関する仕事に従事する能力を有する者を養成する。

イ　被　服　科

　被服の製作，衣生活の経営などに関する専門的な知識と技術を習得させ，被服に関する仕事に従事する能力を有する者を養成する。

ウ　服飾デザイン科

　被服のデザイン，製作などに関する専門的な知識と技術を習得させ，服飾に関する仕事に従事する能力を有する者を養成する。

エ　食　物　科

　調理，食生活の経営などに関する専門的な知識と技術を習得させ，食物に関する仕事に従事する能力を有する者を養成する。

オ　保　育　科

　児童の心身の発達，保育の方法などに関する専門的な知識と技術を習得させ，保育に関する仕事に従事する能力を有する者を養成する。

(６)　看護に関するおもな学科の目標
　衛生看護科

　看護に関する知識と技術を習得させ，医療，保健の機関などにおいて，看護の仕事に従事する者を養成する。

１　学校においては，各教科・科目，各教科以外の教育活動について相互の関連を図り，全体として調和のとれた具体的な指導計画を作成し，発展的，系統的な指導を行なうものとする。

　なお，指導計画の作成に当たっては，この章ならびに第２章以下に示す各教科・科目および各教科以外の教育活動の指導計画の作成に関する事項にじゅうぶん留意するものとする。

２　第２章に示す各教科・科目の内容は，特に示す場合を除き標準単位数に基づいて示したものであるが，学校において標準単位数をこえて単位数を配当する場合には，第２章に示した事項に習熟させることをたてまえとする。

３　学校においては，第２章以下に示していない事項を加えて指導することもさしつかえないが，その場合には，第２章以下に示している教科および科目または各教科以外の教育活動の目標や内容の趣旨を逸脱したり，生徒の負担過重となることのないようにするものとする。

４　第２章に示す各教科・科目の内容に掲げる事項の順序は，特に示す場合を除き，指導の順序を示すものではないので，学校においては各事項のまとめ方や順序にくふうを加え，効果的な指導を行なうものとする。

５　第２章に示す職業に関する各教科・科目については，次の事項に配慮するものとする。

(１)　職業に関する各教科・科目は，それぞれの各教科・科目の履修に必要な実験・実習などを含めて組織されているものであるから，理論と実際が遊離しないように取り扱うこと。

(２)　職業に関する各教科・科目のうち，実習に関する科目の指導に当たっては，関係する各教科・科目と密接な関連を図るとともに，実習を通して必要な技術を総合的に習得させ，勤労についての正しい観念や習慣を養うようにすること。

(３)　職業に関する各教科・科目については，現場実習をもって実習に替えることができること。この場合，現場実習は，その各教科・科目の内容に直接関係があり，かつ，その一部としてあらかじめ計画され，教師の指導のもとに行なわれ，また，その成果が教育的に評価できるものであることを要し，その時間数は実習の総時間数の10分の７以内とすること。

(４)　家庭および農業に関する各教科・科目の指導に当たっては，ホームプロジェクト（家庭実習）ならびに学校家庭クラブおよび学校農業クラブの活動を活用して，学習の効果をあげるようにすることが望ましいこと。この場合，ホームプロジェクトについては，その科目の授業時数の10分の２以内をこれに充てることができること。

(１)　個々の生徒の能力・適性等の的確な把握（はあく）に努め，その伸長を図り，生徒に適切な各教科・科目や類型を選択させるように指導するとともに，進路指導を適切に行なうこと。特に心身に障害のある生徒については，生徒の実態に即した適切な指導を行なうこと。

(２)　教師と生徒および生徒相互の好ましい人間関係を育て，生徒指導の充実を図ること。

(３)　教科書その他の教材・教具を活用し，学校図書館を計画的に利用すること。

　なお，学校の実態に即して視聴覚教材を適切に選択し，活用して，指導の効果を高めること。

(４)　指導の効率を高めるため，教師の協力的な指導が行なわれるようくふうするとともに，生徒の興味や関心をじゅうぶん把握し，自主的，自発的に学習する意欲を高めるように指導すること。

(５)　指導の成果を絶えず評価し，指導の改善に努めること。

(６)　実験・実習に当たっては，特に安全と保健に留意すること。

　学校における道徳教育は，学校の教育活動全体を通じて行なうことを基本とする。したがって，各教科・科目および各教科以外の教育活動においてそれぞれの特質に応ずる適切な指導を行なわなければならない。

　道徳教育の目標は，教育基本法および学校教育法に定められた教育の根本精神に基づく。すなわち，道徳教育は，人間尊重の精神を家庭，学校，その他社会における具体的な生活の中に生かし，個性豊かな文化の創造と民主的な社会および国家の発展に努め，進んで平和的な国際社会に貢献できる日本人を育成するため，その基盤としての道徳性を養うことを目標とする。

　その際，生徒の心身の発達に即応して，特に，自律の精神や社会連帯の精神および責任を重んずる態度や差別のないよりよい社会を実現しようとする態度を養うための指導が適切に行なわれるようにしなければならない。

　健康で安全な生活を営むのに必要な習慣や態度を養い，心身の調和的発達を図るため，体育に関する指導については，学校の教育活動全体を通じて適切に行なうものとする。特に，体力の向上については，体育および保健の科目の時間はもちろん各教科以外の教育活動においても，じゅうぶん指導するよう配慮しなければならない。

１　学校は，生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し，その成果が教科および科目の目標からみて満足できると認められる場合には，その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。この場合，１科目を２以上の学年にわたって分割履修したときは，学年ごとにその各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定するものとする。

２　学校においては，卒業までに履修させる各教科・科目およびその単位数ならびに各教科以外の教育活動およびそれらの授業時数に関する事項を定めるものとする。この場合，各教科・科目の単位数の計は，第１節第４款に掲げる各教科・科目の単位数を含めて8５単位以上とする。

３　学校においては，卒業までに修得させる各教科・科目およびその単位数を定め，校長は，それらの各教科・科目およびその単位を修得した者で，各教科以外の教育活動の成果がその目標からみて満足できると認められるものについて，高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合，各教科・科目について修得させる単位数の計は，8５単位以上とする。

　通信制の課程における教育課程については，下記に定めるところによるほか，第２節（第１款の１ならびに第２款の５の(３)および(４)を除く。）の定めるところによる。

１　添削指導，面接指導および試験

(１)　各教科・科目の添削指導の回数および面接指導の単位時間数（１単位時間は，50分とする。）の標準は，１単位につき次の表のとおりとすること。
　

各教科・科目	添削指導（回）	面接指導（単位時間）
国語，社会および数学に属する科目	３	１
理科に属する科目	３	４
保健体育のうち体育	１	８
保健体育のうち保健	３	１
芸術に属する科目	５	４
外国語に属する科目	３	４
専門教育に関する各教科・科目	各教科・科目の必要に応じて２〜３	各教科・科目の必要に応じて２〜８

(２)　職業に関する各教科・科目を履修する生徒が，現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業（家事を含む。）に従事している場合において，その職業における実務等があらかじめ学校がたてた指導計画に照らして，その各教科・科目の実習として適切なものであると認められるときは，その生徒について，その各教科・科目の面接指導の時聞数の10分の３以内の時間数を免除することができること。

(３)　学校が，その指導計画に，各教科・科目または各教科以外の教育活動について計画的かつ継続的に行なわれるラジオ放送またはテレビ放送をとりいれた場合で，生徒がその放送を視聴し，その成果が満足できると認められるときは，その生徒について，その各教科・科目の面接指導の時間数または各教科以外の教育活動の時間数のうち，ラジオ放送またはテレビ放送についてそれぞれ10分の５以内の時間数を免除することができること。ただし，免除する時間数は，あわせて10分の６をこえることができない。

(４)　試験は，原則として，１単位当たり１回行なうことが望ましいこと。

　各教科以外の教育活動については，ホームルームおよびクラブ活動を含めて，おのおのの生徒の卒業までに50単位時間以上指導するものとする。

３　教育課程編成に当たって配慮すべき事項

(１)　生徒の勤労や生活の状況などに即応し，負担過重になることをさけ，教育効果を高めるようにするものとすること。

(２)　各教科・科目の面接指導および各教科以外の教育活動の指導は，生徒が卒業までに標準として80日間（協力校等における指導日数を含む。）出校して受けられるよう計画するものとすること。