第1 目 標
自然に親しみ,自然の事物・現象を観察,実験などによって,論理的,客観的にとらえ,自然の認識を深めるとともに,科学的な能力と態度を育てる。
このため,
2 自然の事物・現象を互いに関連づけて考察し,物質の性質とその変化に伴う現象やはたらきを理解させる。
3 自然の事物・現象についての原因・結果の関係的な見方,考え力や定性的,定量的な処理の能力を育てるとともに,自然を一体として考察する態度を養う。
第2 各学年の目標および内容
1 目 標
(2) 磁石につく物とつかない物があることや,熱によって物が変化することなどによって,物には似た性質のあることを理解させる。また,車の回る様子や磁石につくくぎのつき方,日光による影のでき方などによって,車を回すものや磁石,太陽のはたらきを理解させる。
(3) 太陽が地面を明るくしたり,暖めたりすることを理解させる。
A 生物とその環境
イ つぼみが開いてから花が散り実になるまでのこと。
ウ 花・実・葉などの色・形・大きさ,草木の高さなどは草木の種類によって違いがあること。
エ 草花は水をやらないと,しおれたり枯れたりすることがあること。
イ 動物によって,食べ物や食べ方に違いがあること。
ウ 動物によって,卵から孵化(ふか)するものや,親に似た形で生まれてきたりするものがあること。
エ ウサギ,ニワトリなどのからだはあたたかいこと。
イ 実の汁(しる)を塗った紙を加熱して,水分をなくすと,汁(しる)のなかに溶けていた物が残ることや,種類が違う実の汁(しる)でも,残った物の色の変わり方には,同じような変化が見られること。
イ 落ちる砂のかさの違いによって,車の回り方が変わること。
ウ 砂,おがくずなど,落ちる物の種類によって,車の回り方が変わること。
エ 載せる物の種類や大きさによって,シーソーの傾きが変わること。
イ 磁石が物を引きつける力は,端ほど強いこと。
ウ 磁石が物を引きつける力は,ビニル,水などによってその間が隔てられていてもはたらくが,磁石につく金物の板で隔てられると,その力ははたらきにくくなること。
イ 物の影の濃さや色は,影をつくる物によって違いがあること。
イ 地面が日なたになったり,日かげになったりするのは,太陽の位置と関係があること。
イ 石には,大きさや形が違っても,色・模様・手ざわりなどに似たものがあること。
(2) 内容のAの(2)の「身近に見られる動物」には,たとえばウサギ,シロネズミ,ニワトリ,小鳥,フナ,キンギョなどが考えられる。
〔第2学年〕
1 目 標
(2) 物が水に溶ける様子や電気の通し方,音の出方などから物の性質を理解させる。また,やじろべえの立ち方,豆電球の点燈,聞こえる音などから,おもりや乾電池,回路や震えなどのはたらきを理解させる。
(3) 日中の明るさ,暖かさは,太陽の動きや雲,雨などに関係があることを理解させる。
A 生物とその環境
イ 草木の育ち方は,日当たりのよしあしによって違うこと。
ウ 草花は密生しているとよく育たないこと。
エ 草花には,種類によって,種子から発芽して育つ時期や花の咲く時期に違いがあること。
オ 草木には,種類によって,何年も成育できるものがあること。
イ 虫,魚,カエルなどは,種類によって,住んでいる場所や食べ物に違いがあること。
イ 物が水に溶ける速さは,水の暖かさや物の大きさなどによって違うこと。
イ 空気が水中で泡(あわ)になることや,泡(あわ)は水中で集められること。
イ 風車の回り方は,風の強さや風の向きで変わること。
ウ 水車や風車には心棒があり,つり合いがとれている車はよく回ること。
エ 風車は流水のなかでも回ること。
イ 一方のおもりの位置を変えると,傾き方が変わること。
イ 電気を通す物と通さない物があること。
イ 糸などは,震えを伝えること。
イ 太陽は少しずつ動いていること。
ウ 太陽は東から出て,南の空を通って西にはいること。
イ 雲が広がっているときに,雨や雪の降ることがあること。
ウ 雨の降り方によって,地面を流れる水の様子や水のたまり方などに違いがあること。
エ 雨水は流れたり,たまったりして,地面の様子を変えること。
オ 雨水は地中にしみ込んだり,かわいたりすること。
(2) 内容のAの(1)の「草木の育ち方」の草花の観察は,花壇の草花でも野原のものでもよいものとする。
〔第3学年〕
1 目 標
(2) 物が温度の違う水に溶ける様子や,物に力を加えたときの様子などから物の性質を理解させる。また,物と物の関係やそれらの変化の様子などから,力・光・電気・磁気のはたらきを理解させる。
(3) 月の動きや太陽による地面の暖まり方,土の性質などを理解させる。
A 生物とその環境
イ 暖かい季節になると,根や茎がよくのび,葉も茂ること。
ウ 花にはがく,はなびら,おしべ,めしべなどがあり,めしべのもとがふくらんで実になること。
エ 植物のからだには,水分が含まれていること。
オ 球根には養分が含まれていて,水を与えるだけでもその養分で成長すること。
イ 虫には,卵・幼虫・さなぎを経て成虫になるものがあること。
ウ 成虫になると,食べ物や行動の変わる虫があること。
イ 湯に溶けているほう酸は,湯が冷えるにつれて,粒になって見えてくること。
イ 押し縮められた空気がもとにもどろうとする力は,手ごたえや力を受ける物の動きでわかること。
イ 風車の回る力は,風車で物を巻き上げたり,引っぱったりして,動かすことができる物の重さで比べられること。
イ 続けて点燈すると,豆電球はしだいに暗くなるが,暗くなりかたはつなぎ方によって違うこと。
イ 異極は引き合い,同極は退け合うこと。
ウ 磁石のまわりにはたらく磁力の強さや方向には,両極からの隔たりによって違いがあること。
エ 磁石は他の鉄を磁石にすることができること。
イ 鏡で物を照らすとき,光を集める鏡の数によって,物の明るさや暖かさが変わること。
ウ 明るさの違いは,青写真の色の変わり方で比べられること。
イ 月は,同じ時刻でも,日が変わると,見える位置や形などが変わること。
イ 日なたの土や水の温度は,日光の当たっている時間の長さによって変わること。
イ 土は粒の大きさによって,水のなかで沈む速さに違いがあること。
ウ 土には,砂の多いものや粘土の多いものがあること。
(2) 内容のAの(2)のイの「虫」は,たとえばモンシロチョウ,カイコなどが考えられる。
(3) 内容のCの(2)の「土や水の温度」は,表面に近い所の温度をいうものとする。
〔第4学年〕
1 目 標
(2) 物の性質を,重さの違いや水,熱,薬品などによる変化の様子から理解させる。また,てんびんのつり合いにおけるおもりのはたらき,電流や日光の量の変化に伴う現象を理解させる。
(3) 地表における流水のはたらきや,地表を取り巻いている空気の暖まり方と太陽との関係,また,地球からみた星の動きを理解させる。
A 生物とその環境
イ 成長している植物の芽の位置とそののび方には,種類による特徴が現われること。
ウ いもには養分がたくわえられ,新しい根・茎・葉を出すのに使われること。
イ 植物の成長は,まわりの土や空気の温度によって違いができること。
イ こん虫が成長するときは.脱皮や変態が行なわれ,種類によって卵から成虫になるまでの期間や過程に違いがあること。
ウ こん虫の成長の速さや活動の様子は,外界の温度によって変わること。
イ 同じ体積の食塩水は濃さによって重さに違いがあること。
ウ 食塩水などの濃さは,溶けている物の量と溶かす水の量できめられること。
エ 水に溶けている物は,水が少なくなって溶ける限度をこすと,水と分かれて出てくること。
イ 温度によって,水は氷・水蒸気に変わること。
ウ 水は,水面や地面から水蒸気になって,空気中に蒸発していること。
イ 水に沈む物でも,食塩水のなかではその濃さによって浮く物があること。
イ でんぷんは水には溶けないが,よう素液,熱などによっては変化し,その変化のしかたは植物の種類にかかわらず似ていること。
ウ たねには,でんぷんのほか,あぶら,たんぱく質を多く含むものがあること。
イ おもりをつるす糸の長さや,皿(さら)のなかのおもりの位置が変わっても,つり合いは変わらないこと。
イ 電流が多く流れると,豆電球が明るくなること。
ウ 方位磁針と平行においた導線に電流が流れると磁針が振れること。
イ 日光を集めると,明るさや暖かさが変わること。
ウ 虫めがねの大きさによって,集められる日光の量に違いがあること。
イ 星の集まりは,時間がたつと向きや位置が変わるが,星の並び方は変わらないこと。
ウ 北極星の位置は,時間がたっても変わらないで,いつも北のほうに見えること。
イ 日中の空気の温度の変わり方は,地表の土の温度の変わり方と似ていること。
ウ 晴れの日と曇りの日では,空気の温度の変わり方に違いがあること。
エ 夏と冬では,空気の温度に違いがあるが,1日の変わり方は似ていること。
イ 川原の石や砂などは,おもに川上から流されてきたものであること。
ウ 流される石や砂の大きさや量は,流水の速さや水量に関係があること。
エ 流水のはたらきで川岸や海べなどの様子が変わること。
(2) 内容のAの(3)のウの「こん虫」には,たとえばショウジョウバエなどが考えられる。
(3) 内容のBの(4)のイの熱によるでんぷんの変化とは,でんぷんを焼いて炭化させることや,水に入れたでんぷんを煮て,のり状にすることをいうものとする。
〔第5学年〕
1 目 標
(2) 物は質によって,熱の伝わり方・燃え方・リトマス紙の色の変わり方などに違いがあることを理解させる。また,力・電気・音・光・熱の量やそれらのはたらきを理解させる。
(3) 太陽や星は,北極星を中心にして動いて見えること,また,風や流水のはたらきで地表の様子が変わることや,長い年月の間にはその変化が大きくなることを理解させる。
A 生物とその環境
イ 種子には,根・茎・葉になる部分があり,それぞれののびていく部分や方向にきまりがあること。
ウ 花粉がめしべにつくと,子房が実になること。
イ イネや水草など水の多い所で育つ植物は,水などの温度や肥料,水の多い少ないなどの環境の条件によって,成長の様子が違うこと。
イ 魚の産卵や成長は水の温度や餌(えさ)に影響されること。
ウ 魚やカエルは卵から育つが,育ち方には違いがあること。
イ 内臓諸器官の位置や,それらのはたらきが消化・吸収,排せつ・呼吸および循環などの系にまとめられること。
ウ 血液は心臓のはたらきによって,血管のなかを循環し,毛細血管になって肺や腸の壁や筋肉の間を通り,呼吸や栄養のなかだちをしていること。
エ 目・耳・歯のおおよそのつくりと,それぞれには特徴あるはたらきがあること。
イ 水溶液のなかには,加熱すると溶けている物が蒸発するものがあること。
ウ 水に溶かしたり,うすめたりしたとき発熱する物があること。
エ 水溶液には,酸性・アルカリ性・中性の物があること。
オ 水溶液には,電流を通しやすいものがあること。
イ 植物体が燃えるとき,二酸化炭素ができること。
ウ 過酸化水素水と二酸化マンガンで,酸素ができること。
エ 酸素のなかでは,空気中より物が激しく燃えることや,空気中に酸素があること。
オ 塩酸と石灰石で二酸化炭素ができること。
カ 二酸化炭素は空気より重く,水に溶けて石灰水を白濁させること。
キ 二酸化炭素のなかでは物が燃えないことや,空気中に二酸化炭素があること。
イ てこのつり合いは,おもりの重さや力のはたらく位置に関係があること。
ウ てこの支点には,力がはたらいていること。
イ 同じ電熱線では,電流の量が多いほど多く発熱すること。
ウ 発熱した電熱線の色や明るさは,電熱線の温度によって変わること。
イ 弦の長さ,張り方によって,震える速さが変わり,音の高さが変わること。
ウ 音は,音源からまわりの空気や水を伝わって広がること。
エ 空気を伝わる音が物に当たると,反射したり,吸収されたりすること。
イ 空気から水へ,水から空気へと,質の違う物のなかへ光が進むとき,その境で光は反射したり屈折したりすること。
ウ 光は,光源から遠ざかるにつれて広がり,しだいに弱くなること。
エ 日光は屈折するとき,違う色の光に分かれること。
イ 金属の棒を暖めると長さが変わること。
ウ 水や空気が暖まるのに,体積の変化によって起こる水や空気の移動によること。
イ 太陽の通り道付近に見える星は,太陽と動きが似ていて,北の空の星と同じ方向に回っていること。
ウ 太陽や星は,1日たつともとの位置にくること。
イ 風の吹き方,雲の様子などによって,気温が変わることがあること。
ウ 風の吹き方によって,空気の湿り気に違いが起こること。
イ 地層は,おもに流水のはたらきでできること。
ウ 地下水の通り方は,地層のつくりと関係があること。
(2) 内容のAの(3)のイの「魚の産卵」の魚には,たとえばキンギョ,メダカ,ドジョウ,熱帯魚などが考えられる。
(3) 内容のBの(1)のイの加熱すると溶けている物が蒸発する水溶液には,たとえば炭酸水,塩酸,酢などが考えられる。
(4) 内容のBの(4)のイの「電流の量」は,電熱線の太さ・長さのほかに電池の数の条件も含めて,発展的に取り扱うものとする。
(5) 内容のCの(2)の「風の吹き方」を調べるには,四季による特徴がとらえられやすい時期を選ぶようにするものとする。
〔第6学年〕
1 目 標
(2) 水・空気・熱・薬品などによる物の性質の変化から,物の質が変わることを理解させる。また,力・電気・光・熱の量とはたらきの関係や,それらに共通する性質のあることを理解させる。
(3) 太陽や星の動きで,地球が自転していると考えさせたり,太陽の高度の変化と地表の暖まり方とを関係づけたりさせる。また,地球の内部の様子と関係する火山活動も,地球の表面を変える力をもつことを理解させる。
A 生物とその環境
イ 植物の葉は,いろいろな形の細胞からなり,細胞のなかに核のほか多くの葉緑体を含んでいるものがあること。
ウ 植物の緑の部分には,日光が当たるとでんぷんをつくるはたらきがあること。
エ 植物には種類によって,日光が弱いところでも育つことができるものがあること。
オ 葉には気孔があり,そこから水分が蒸発していること。
カ 葉緑体をもたないカビやキノコなどは,でんぷんをつくらないで,他のものから養分をとって成長し,また胞子でふえること。
キ 木では,外側に向かって新しい部分ができ,それらの成長は季節によって違うことや外側に樹皮があること。
ク 木に花が咲いて果実や種子ができること。
ケ 木には,種類によって違う樹相があり,また,秋に落葉するものとしないものとがあること。
コ 植物は,互いに他の植物を環境の要因として育っていること。
イ 卵に適当な温度や湿り気,空気を与えると,胚(はい)が育ちはじめること。
ウ 胚(はい)が育つにつれて,卵の重さが減り,内部では卵黄や卵白が使われて,血管・心臓・目などができること。
イ 吸収された栄養素は,血液によって運ばれ,骨や筋肉など,からだを作る物に使われること。
ウ 栄養素には,体温を保ったり,運動などに直接使われたりする物があること。
イ 繁殖した小さな生物は魚や他の生物に食べられたりして,自然界にはつりあいが保たれていること。
イ 炎は,部分によって色・明るさ・温度に違いがあること。
ウ 植物体を空気の入れ替わらないところで熱すると,水や燃える気体などが出て,あとに木炭が残り,木炭の大部分は炭素であること。
エ ろうそくが燃えると,ろうと酸素が使われ,水・二酸化炭素などができて,熱・光が出ること。
オ 物が燃えるときの発熱・発光のしかたは,電流による発熱・発光のしかたとは違うこと。
カ 燃焼・電流・まさつ・打撃などによって,物が熱を生ずること。
イ 金属には,酸性やアルカリ性の水溶液によって変化する物があること。
ウ 水溶液によって起こる金属の変化のしかたは,水溶液の種類や濃さ,温度と関係すること。
エ 違う水溶液を混ぜ合わせても変化の起こらない場合は,もとの水溶液に溶けていた物が混合して溶けていること。
イ 鉄の赤さびは,水や空気中の酸素などが関係してできること。
ウ 銅やアルミニウムなどの金属にもさびができること。
エ さびは,もとの金属と質が変わっていること。
イ つるまきばねののびの長さは,つるしたおもりの重さや,手で引きのばした力の大きさを表わしていること。
イ 滑車や輪軸を使うと,力の方向や大きさを変えて,他の物に力を伝えることができること。
イ 電流の通っている巻き線は,鉄しんを磁化するはたらきがあること。
ウ 鉄しんを磁化するはたらきの大きさは,巻き線を通る電流の量や巻き線の巻き数によって変わること。
エ 電磁石と乾電池の極とのつなぎ方を変えると,磁石の極が変わること。
イ レンズや凹(おう)面鏡の軸に平行な光が集まる位置は,そのレンズや凹(おう)面鏡によってきまっていること。
イ 日光を通しにくい物の暖まり方は,日光の強さや日光の当たる時間,物の色や表面の様子によって違いがあること。
ウ ストーブのような発熱体による暖まり方は,太陽による暖まり方と似ているところがあること。
エ 太陽は,絶えず光や熱を出して,地球上に多くの変化を起こすもとになっていること。
イ 地球は太陽の光を受けている球体であり,それによって,昼・夜の移り変わりが起こること。
ウ 星は北極星を中心として1日に1回転しているように見えること。
エ 地球は同じ速さで自転し,1回回転するのに1日かかり,回転の軸は北極星の方向を向いていること。
イ 日中の地面の土の温度は太陽の高度や照らされる時間によって変わること。
ウ 季節による気温の違いは,同じ時刻の太陽の高度や昼の長さの違いによって起こること。
イ 火山の噴出物や温泉などは,地下の様子と関係があること。
ウ 火成岩に含まれている粒には,色や形などに特徴があること。
エ 堆積(たいせき)岩には,火山の噴出物が積もってできたものや,火成岩のくだけた物が水底に積もってできたものがあること。
(2) 内容のAの(2)の「トリの卵を暖める」ことの観察は,数日間暖めた程度のものが適当である。
(3) 内容のBの(2)のアの混ぜ合わせる水溶液には,たとえば塩酸と水酸化ナトリウムの水溶液,または炭酸水と石灰水などが考えられる。
第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取り扱い
2 全体をいくつかのまとまりに組織するに当たっては,その順序・配列が互いに関連して,学習経験が有効に生かされ,学習指導が深められるようにすることが必要である。
3 生物や岩石などの指導に当たっては,学校の所在する地域の生物や地質などを考慮して,それらを指導のなかに生かすようにくふうするとともに,季節や地域の気象,行事などとの関連に留意し,自然の保護や資源の開発などに関心をもつように配慮することが必要である。この場合,指導計画が地域の範囲にとどまるだけのものにならないように注意しなければならない。
4 指導計画の作成に当たっては,ものごとを分析的,論理的に追求するとともに,事実に即して客観化することや全体的,直覚的につかむ方法を重視するものとする。
5 児童の発達段階に応じ,その興味と関心を発展させるように,努めて自然の事物・現象,特に具体的な事物とそれらの変化の様子や,それらの変化と密接に関連しているものを見失わないよう,観察に基づく指導を行なうことが必要である。
6 児童の観察,実験についても,論理的思考の発展,技能の習熟がなされるように計画し,対象をじゅうぶんに観察して,それらを既知のものや類推できるものと対照したり,対比したりして,類としてまとめたり,因果関係を確かめたり,また,それらの結果を定量化しようとしたりすることが,しだいに深められるようにくふうすることが必要である。
7 指導計画の作成に当たっては,自然に対する人間の努力や,たえず進歩している科学技術の話題などにも関心をもたせるようにくふうし,児童が自然科学への興味と関心をいっそう強くするように配慮することが必要である。