第1 目 標
社会生活についての正しい理解を深め,民主的な国家,社会の成員として必要な公民的資質の基礎を養う。
このため,
2 さまざまな地域にみられる人間生活と自然環境との密接な関係,自然に対する積極的なはたらきかけの重要性などについて理解させ,郷土や国土に対する愛情,国際理解の基礎などを養う。
3 われわれの生活や日本の文化,伝統などはすべて歴史的に形成されてきたものであることを理解させ,わが国の歴史や伝統に対する理解と愛情を深め,正しい国民的自覚をもって国家や社会の発展に尽くそうとする態度を育てる。
4 社会生活を正しく理解するための基礎的資料を活用する能力や社会事象を観察したりその意味について考える能力をのばし,正しい社会的判断力の基礎を養う。
第2 各学年の目標および内容
(2) 身のまわりの社会事象を具体的に観察したり,その結果を効果的に表現したりする能力をのばすとともに,空間や時間についての意識を育てる。
イ 学校には,先生のほかにもたいせつな仕事をしている人々がいることに気づき,その仕事の様子を具体的に調べ,それぞれの仕事の意味や人々のくふうについて考えること。
ウ 保健室その他の校内の衛生設備を観察したり,健康診断などの保健的な行事の意味を考えたりして,学校ではみんなの健康を守ることが重視され,しかもその配慮が家庭生活の場合とは違った姿で現われていることに気づくこと。
イ 家族の人々の仕事を調べ,そこには職業的な仕事と家事的な仕事とがあり,それらが相互に関係をもって家族の衣食住の生活がなりたっている様子を理解すること。
ウ 両親などの特に忙しい時間や季節,家族の余暇利用などを調べ,その様子が家庭によって違うことを発見し,それがおもに家の職業の違いによることを理解すること。
エ 家庭生活における衣食住にも季節に応じた変化やくふうがみられることを具体的事例に即して理解するとともに,家庭生活における家族の協力の重要さなどについて考えること。
オ 家にくるいろいろな職業の人を例として,どんな家庭でも社会とのつながりをもっていることを理解すること。
イ 日常利用することの多い道路の様子を観察して,道路によってその状態や交通量が違うこと,危険な場所には人々の安全を守る各種の施設があってたいせつな役割を果たしていることを理解すること。
ウ 自分たちの周囲にある遊び場,公園,外燈などは,近所の人々が共用し,みんなの生活に欠くことのできないはたらきをしている施設であることを理解し,暮らしをよくするくふうや努力は家庭以外にもみられることに気づくこと。
また,(1) のウの保健的な行事に関連して学校や学級の各種の行事を網ら的に取り上げる必要はない。
(2) 内容の(2)のオについては,親戚(せき),両親の知人など,いわゆる訪問客を取り上げるのではなく,たとえば新聞や郵便を届けにくる人,電燈や水道の料金を集めにくる人などを取り上げて,その趣旨の達成を図るように配慮する必要がある。
〔第2学年〕
1 目 標
(2) のごとを比較しながら観察したり,考えたりする力の基礎を養うとともに,自然と人間生活との関係についての認識や時間についての意識を深める。
イ 店の人々が,品物の売れ行きや値段を考えて仕入れをしたり,店内の様子,宣伝のしかたなどにも気を配ったりしている事実を理解し,これらのくふうが店の信用や売り上げにつながっていることを考えること。
イ 田畑で農作物を作っている人々が,仕事のうえで利用している道具や機械のはたらき,特に忙しい時期に行なう共同作業の様子などを調べ,農業生産に伴うくふうや人々の労苦について考えること。
ウ 植林や木材の切り出しを行なっている人々の仕事とその周囲の土地の様子,魚をとったり育てたりしている人々の仕事の様子を調べ,それぞれの仕事の特色を理解したり,田畑の仕事と比較して共通点などを考えること。
イ 工場における人々の仕事の様子を調べ,分業のしくみや機械のはたらきが活用されていることや製品の検査,輸送などにもいろいろな配慮が行なわれている様子を理解すること。
ウ 田畑で働く人々の様子と比較して,工場で働く人々の仕事の特色,たとえば働く時間や安全の問題などについて考えること。
イ 家族の人々が郵便を利用している事例などをあげながら,郵便の届く経路に即して人々の仕事の様子を調べ,確実に早く届ける努力やくふうがいろいろなかたちで行なわれていることを理解すること。
イ 警察官の具体的な活動の様子を,交通整理,パトロールなどの事例を中心に調べ,これらの人々の仕事には事故を未然に防ぐくふう,いつでも活動できる準備などがみられること,また,ときには生命の危険をおかした活動が必要であることを理解すること。
ウ 消防署の人たちの仕事の様子を調べ,警察官と同じような仕事の特色があること,また,この両者が協力して活動する場合もあることなどを理解すること。
エ 家庭や近隣などの安全な生活を守るには,警察官,消防署の人たちなどの仕事への協力,また,お互いの協力がたいせつなことを具体的事例に即して考えること。
(2) 内容の(4)特にそのアの取り扱いにおいては,「乗客の安全な輸送」という表現でも明らかなように,トラックで物資の輸送に携わっているような人々の仕事にまでその範囲を広げる必要はない。
〔第3学年〕
1 目 標
(2) 地域の人々の生活にみられる歴史的な移り変わりに目を開かせ,先人の業績について考える態度や地域の発展を願う気持ちを養う。
(3) 地図その他の資料を活用したり数量的な観察を生かしたりして,地域の事象の特色をとらえる力,人々の活動を地域の具体的な条件と結びつけて考える力などの基礎を養う。
イ 市(町,村)の一部を観察して歩いたり,絵地図などを活用して市(町,村)の広がり,地形,集落の分布や土地利用の様子を整理し,人々の生活の舞台となっている環境についての理解を深めること。
ウ 市(町,村)の産業別人口構成などを調べ,自分たちの市(町,村)の特色について考えること。
イ 市(町,村)の人々の消費生活さらには市場や商店の活動も道路その他の交通条件にささえられ,特色づけられている面が多いことを具体的事例に即して理解し,地域の交通条件,他地域との結びつきなどについて関心を深めること。
イ 市(町,村)の人々が風水害や火災にあった過去の事例,現在の災害対策などを調べ,いろいろな組織や施設がそのために相互に関連をもちながら,たいせつな役割を果たしている様子を理解すること。
ウ 住民全体の健康や安全を守る活動や計画には,市(町,村)の人口,集落,地形などが重要な条件になっていることを理解するとともに,特にこれらの活動や計画には地域相互の協力体制も必要なことなどを考えること。
イ 市(町,村)議会や市役所(町,村役場)では,みんなの納める税金などをもとに,人々の生活の改善や発展のために必要な仕事を計画的に進めていこうと努力していることを理解し,そのはたらきと関連して市(町,村)の様子もしだいに変わっていくことを考えること。
イ 人々の生活の変化は,仕事の種類や方法,消費生活ばかりでなく,祭りその他の行事,楽しみのもち方などの面にまで及んでいることを調べ,特に変化の重要な契機になった事実や事件,先人のくふうなどについて考えること。
ウ さまざまな歴史的移り変わりを通じて,人々の生活の範囲が広がってきた事実に着目しながら,市(町,村)の将来の発展について考えること。
(2) 内容の(3)と(4)とは,互いに関連の深いものであるから,この両者をいろいろに組織化することができるが,いずれの場合においても,人々の健康を守り,災害に対処する活動だけを事例にして市(町,村)議会や市役所(町,村役場)のはたらきを学習させるようなことにならないよう特に配慮する必要がある。
(3) 内容の(5)のイの「祭りその他の行事,楽しみのもち方」に関連した学習では,地域社会固有のものばかりでなく,国民の祝日や各種の国民的な行事などにも目を向け,これらに関心を深めさせるように配慮することが必要である。
〔第4学年〕
1 目 標
(2) 土地の開発,交通の発達などに努めてきた先人のはたらきやその時代的背景などについて理解させるとともに,地域社会の一員として,より広い視野からその発展を考えようとする態度を養う。
(3) 具体的な事実や事象相互の関連を追求したり,地域の様子をいろいろな視点から考えたりする力,また,各種の資料の特徴などを考えながら学習に役だてる力などの基礎を育てる。
イ 県庁のある都市は,単に人口が多いばかりでなく,産業や文化のたいせつな施設が多く,交通網なども発達している事実を調べ,その理由について考えること。
ウ 県道の整備その他,県としてのいろいろな仕事が県庁を中心に進められていることを調べ,そのため県庁のある都市と県内各市町村との深い関係が成立していることを理解すること。
イ 地形,気候,資源などの条件のほか,道路,鉄道その他の交通網や通信のはたらきなどが産業をささえる重要な役割を果たしている事実を理解し,これからも交通条件の整備や市場の開拓などに努める必要があることを考えること。
イ 山地,海岸,あるいは平地のなかの台地,低地など,特に地形的条件からみて特色ある地域の自然景観や人々の生活を,自分たちの身近な地域の実態と比較しながら調べ,資源の保護や利用,災害を防ぐくふうなどのたいせつなことを理解すること。
ウ 本土との交通条件に恵まれない離島の人々も,その条件を改善,克服しながら土地の開発に努めている様子を理解し,いろいろな地域の結びつきや人々の努力によって変化していく地域の生活などに関心を深めること。
イ 国内の他の地域にも,先人の行なった開発によって土地の様子が変わり,人々の生活や生産が向上した事実がみられることを,一,二の具体的事例を通して理解すること。
ウ 現在,産業の発展や県民の生活向上を目ざして行なわれている開発の様子を調べ,その意義について考えること。
イ 江戸時代における東海道を中心とした街道や人々の旅の様子などを調べ,そこには明治以降とは違った世の中の様子が反映されていることを理解すること。
ウ 明治以降におけるわが国の鉄道網の発達やこれに関連した建設事業の事例を調べ,国土の複雑な地形の中で交通路の開発に努めた先人のはたらき,交通と近代産業との関係などについて考えること。
なお,内容の各項に,県,県内,県民などとあるのは,それぞれの地域に即して,都,道,府などと読み替える必要があると同時に,その具体的な指導に当たっては,地域的な広狭その他の条件を考慮した効果的な取り扱いをしなければならない。
(2) 地図記号その他地図に関する基礎的な指導をじゅうぶん行なうよう配慮し,児童が教科用図書の地図を常に活用できるようにしなければならない。
〔第5学年〕
1 目 標
(2) わが国に近代産業が発達してきた歴史的背景や国土の開発に注がれてきた先人の業績を理解させ,国土に対する愛情を育てるとともに,産業の発達に伴うこれからの社会生活について考えさせる。
(3) 部分的な観察や印象にとらわれず,社会的事象のもつ意味やその全体的傾向などを,地図,年表,統計資料などを活用しながら考えていく力をのばす。
イ 地図その他の資料を利用しながら,国土の位置,地形,資源の分布などの概要やその特徴を調べたり,日本の気候の特色を調べて,これらの点が国内の土地利用,人口分布,自然災害などと密接な関連をもっていることを理解すること。
ウ 山間部に開かれた耕地の様子,工業の盛んな臨海地域の様子などを対照しながら,地域的に分布した諸産業を結びつけている国内の鉄道幹線,沿岸航路を白地図に記入したり,その具体的なはたらきについて考えること。
イ 耕地面積,農業生産高,農家の所得などを示す資料を利用しながら,日本の農業は国土の地形,気候などの条件を反映した特色,たとえば狭い耕地から多くの収穫をあげるくふう,自然災害とのたたかいなどのもとに営まれていることを理解すること。
イ 産業別人口の推移や農業における兼業農家の増加を示す資料などを利用して,最近におけるわが国の第一次産業の地位について考えたり,農山漁村の人々が生産物の価格,輸送方法の改善など,流通機構の問題や貿易の条件などにも大きな関心を払い,政府もこれらの点に力を入れている事実を理解すること。
イ 具体的事例に即して,交通や通信の条件と工業生産との関係,原料や動力資源の確保,新しい製品の開発や進んだ技術の導入による生産の近代化,国内・国外市場の開拓など,近代工業のたいせつな条件について理解するとともに,最近の工業生産は,それぞれの土地の条件や環境を積極的に生かしたり,つくりかえたりして,国内各地で活発に展開されていることに気づくこと。
ウ 日本の工業について,繊維,食料品,金属・機械,化学工業などの工業生産高からみた特色,中小工業の果たしている役割,貿易の重要性について調べ,その現状や持色について理解すること。
エ 明治初期の近代工業が始まった前後の様子,さらに繊維工業から重化学工業へと発展し,その間いわゆる四大工業地帯が形成され,また,最近では新しい工業地域や高速道路の計画的な建設が進められている様子などを理解するとともに,近年の技術革新が各種の生産を拡大し,産業の実態や国民生活に大きな変化をもたらしている事実などにも関心を深めること。
イ 産業の発展,社会生活の合理化に伴って,人々の余暇の過ごし方,消費生活のくふうもたいせつな問題になってきていることに気づき,機械化の進む世の中と人間生活との関係に目を開くこと。
(2) 第5学年から,各種の統計資料やグラフを利用する機会が多くなるので,その際に必要な基礎的知識については,算数科との関連を考えながら適切な指導を行なう必要がある。また,地図の指導については,等高線,等温線,経度,緯度などの指導や各種の分布図の活用に特に配慮しなければならない。
〔第6学年〕
1 目 標
(2) 国家,社会の発展に尽くした先人の業績やすぐれた文化遺産などについて関心と理解を深め,わが国の歴史と伝統に対する理解と愛情や国民的心情の育成を図る。
(3) 各種の資料を効果的に活用してできるだけ広い視野から社会的事象をとらえたり,その意味を論理的に追求していく力などの基礎を養う。
イ 現在の国の政治のしくみは,国民が選んだ代表者による議会政治がたてまえとなっていることを調べ,国会のはたらきや選挙の意味などについて考えること。
ウ 日本国憲法は,国家の理想,天皇の地位,国の政治のしくみ,国民としてのたいせつな権利,義務などを定めていることを理解すること。
イ 大和(やまと)朝廷の成立,大陸文化の摂取,大化の改新による政治の改革と国家組織の確立,飛鳥(あすか),奈良,平安などの文化の発展などに尽くした人物の業績について理解し,すぐれた文化遺産や人物のはたらきを中心として当時のわが国の様子について関心を深めること。
ウ 源平の合戦(かっせん)や鎌倉(かまくら)幕府の創立,武家社会にみなぎった質実剛健の気風,蒙古襲来の国難をしりぞけた当時の人々のはたらき,また,室町時代の末ごろまでには,物資の流通や商業も盛んになり,村や町も発達したことなどを,人物や物語,伝承などを活用して重点的に理解すること。
エ 群雄の割拠,織田(おだ)・豊臣(とよとみ)の天下統一,鉄砲やキリスト教の伝来,さらに江戸幕府の創立,鎖国などおもな歴史上のできごとを年表などに整理しながら,桃山文化や日本人の海外発展など当時の人々の生活や文化について関心を深めること。
オ 鎖国以後,国内の政治の制度がいっそう整えられ,幕府の奨励した学問(儒学)がしだいに庶民にも普及して,町人文化が栄えたこと,やがて国学,蘭(らん)学などの新しい学問の発達,幕末の内外の情勢などが開国を促し,幕府を崩壊に導いたことなどを理解するとともに,この時代の教育機関の普及発達などが明治維新以後の日本の近代化の母胎になったことを考えること。
カ 新しい国是のもとに明治維新を行ない,きびしい国際環境のなかでその独立を確保し得たわが国は,古くからの伝統を受け継ぎながら積極的に欧米の制度や文化を取り入れて近代化の道を歩み,廃藩置県,学制頒布,近代産業の育成,憲法発布,国会の開設,日清(しん)・日露の戦争や条約改正などを経て国力が充実し,国際的地位が向上したこと,また,大正から昭和にかけては第一次世界大戦後の政党政治の発達,世界列強に伍(ご)しての国際社会における活躍などを経て,やがて第二次世界大戦に至ったこと,戦後は敗戦の苦難をのりこえて民主的な国家として今日に至っており,その間の産業経済の復興,国民生活の向上はめざましく,国際社会に果たす役割も大きくなっていることなどを理解し,さらに国家の安全と繁栄については今後いっそうの国民の努力が必要であることを考えること。
キ 千数百年にわたるわが国の歩みをみても,日本民族は常に積極的に外国の文化を取り入れ,これを同化しながら国の発展に努め,特色ある歴史を創造してきたことを理解し,次の時代の歴史をになう自分たちの立場や責任について考えを深めること。
イ 赤道に近い熱帯地方の自然と人々の生活,極地や寒冷な地方の様子,雨量の少ない乾燥した草原や砂漠(さばく)の生活,温帯でもわが国と四季の反対な南半球の人々の暮らしなどについて,具体的事例を通じて,その特色を理解し,自然に対する人々の積極的なはたらきかけが広く世界の諸地域にみられることに気づくこと。
ウ 今日の発達した交通・通信・報道網によって世界諸地域の人々の生活が強く結びついている事実,現在のわが国と諸外国との間の経済や文化の交流を示す具体的事例などを調べるとともに,特に原子力時代といわれる今日では,国家間の利害の対立や紛争を戦争という手段によって解決しようとすれば恐るべき結果が予想されるので,平和な国際祉会の実現が人類全体のたいせつな課題となっていることを理解すること。
エ 国際連合のつくられた趣旨やそれが今日まで世界の平和に努力してきた様子,また,わが国がその加盟国の一員として重要な役割を果たしていることなどについて理解するとともに,国家や社会のために尽くそうとする気持ちを深めること。
天皇については,日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げて指導し,歴史に関する学習との関連も図りながら,天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすることが必要である。
なお,国の政治のはたらきと国民生活との関係を具体的に指導していくなかで,国民の祝日という児童にとっても身近な事がらに改めて目を向け,その意義を考えさせるようにすることが必要である。
(2) 内容の(2)のアは,イからキにわたる指導の導入として簡潔に取り扱い,遺物や遺跡などの事例を数多く取り上げて程度の高い学習に走ることのないように留意することが必要である。
(3) 内容の(2)のイについて,すぐれた文化遺産や人物のはたらきを中心として指導を行なうに当たっては,日本の神話や伝承も取り上げ,わが国の神話はおよそ8世紀の初めごろまでに記紀を中心に集大成され,記録されて今日に伝えられたものであることを説明し,これらは古代の人々のものの見方や国の形成に関する考え方などを示す意味をもっていることを指導することが必要である。
なお,内容の(2)のアからキにわたる全般的な指導については,いたずらに細かな史実にわたることをさけ,歴史上の人物や物語などをじゅうぶん活用して,中学校の学習との効果的な関連をくふうするとともに,わが国の歴史を通じてみられる皇室と国民との関係について考えさせたり,貴重な文化財の尊重,保護が国民全体のたいせつな歴史的責任であることを自覚させたりするよう配慮する必要がある。
(4) 内容(3)のウおよびエの国際社会や世界の平和に関する指導においては,特に観念的,抽象的に流れることのないよう留意し,国際連合についても,その機構などを詳しく取り扱う必要はない。
なお,このような学習を通して,わが国の国旗に対する関心や,これを尊重する態度を深めさせるとともに,諸外国の国旗に対しても同じようにこれを尊重する態度が必要なことを考えさせるように配慮することが必要である。
第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取り扱い
なお,一つの単元が二つの学期にまたがるような指導計画にならないように配慮することが必要である。
2 指導計画の作成に当たっては,他の教科等特に道徳との関係についてじゅうぶん留意し,指導の成果があがるようにくふうすることが必要である。