第9節 農 業
第1款 目 標
1 農業の各分野における生産および経営に必要な知識と技術を習得させる。
2 農業技術の科学的な根拠を理解させ,その改善進歩を図る能力を養う。
3 農業と国民経済との関係を理解させ,農業を合理化しようとする態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 作 物
1 目 標
(1) 作物の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて作物の栽培計画を立て,それを合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 作物の栽培と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。
2 内 容
(1) 作物とわが国の作物栽培
ア 作物の種類
イ わが国の作物栽培の状況および食糧,工芸作物加工品などの需給の現況と動向
ウ 作物栽培と農業経営との関係
(2) 食用作物・工芸作物・飼料作物などの栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと作物の生育との関係
ウ 品種,たねものと育苗 エ 栽培管理
オ 収穫,生産物の処理 カ 生育などの調査,実験,栽培日誌
キ 特殊栽培 ク 採種と育種
ケ 農機具,農業施設の利用
(3) 作物生産の経営
ア 作付計画 イ 生産物の収支計算と記帳
ウ 生産費低下と技術改善など
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業料およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) この科目とともに「生産」,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」,園芸関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術や経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
第2 園 芸
1 目 標
(1) 園芸作物の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度とを養う。
2 内 容
(1) 園芸とわが国の園芸作物栽培
ア 園芸作物の種類
イ わが国の園芸作物栽培の状況および園芸生産物需給の現況と動向
ウ 園芸と農業経営との関係
(2) 野菜・果樹・草花などの栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと園芸作物の生育との関係
ウ 品種,たねものと育苗
エ 栽培管理,果樹園,温室などの管理
オ 収穫,生産物の処理,草花の利用と鑑賞
カ 生育などの調査,実験,栽培日誌
キ 特殊栽培
ク 農機具,農業施設の利用
(3) 採 種
ア 育種,一代雑種の利用 イ 採 種
ウ たねの取り扱い
(4) 園芸の経営
ア 作付計画,果樹園の設定など イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳 エ 生産費低下と技術改善など
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として園芸科以外の学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「生物」,「作物」,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,他の園芸関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術や経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
第3 畜 産
1 目 標
(1) 家畜の特性,飼育環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて家畜の飼育計画を立て,合理的に飼育する技術を習得させる。
(2) 畜産と農業経営との関係を理解させ,家畜の飼育法・利用法の合理化を図り,畜産物を経済的に処理し,利用し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。
2 内 容
(1) 家畜とわが国の畜産
ア 家畜の種類
イ わが国の畜産および畜産物需給の現況と動向
ウ 畜産と農業経営との関係
(2) 各種家畜の飼育
ア 飼育的,経営的な特性,品種 イ 飼養,管理
ウ 育 成 エ 生育などの調査,実験,飼育日誌
オ 生産物の処理,利用 カ 畜舎,舎内設備
(3) 繁 殖
ア 繁殖 イ 育種
(4) 畜産の経営
ア 飼育計画と飼料計画 イ 生産物の収支計算と記帳
ウ 生産費低下と技術改善など
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は畜産科,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
(3) 常に災害の防止に努め,安全と衛生に留意して指導することがたいせつである。
第4 土・肥料
1 目 標
(1) 栽培に関する学習と緊密に関連させて,作物の栄養生理,土と肥料の性質およびそれらの相互関係を,主として実験,調査を通して理解させ,作物栽培の基礎となる土の管理,改良および施肥に必要な技術を習得させる。
(2) 自分の家や地域の土の実態を理解させ,地力の維持増進と施肥の合理化を図ろうとする能力と態度とを養う。
2 内 容
(1) 土の生成・性質およびこれらに関する実験
ア 土の生成・種類および断面調査
イ 土のおもな理化学的性質
(2) 土と作物の関係およびこれに関する実験
ア 土中の水・空気・有機物・微生物のはたらき
イ 土の反応とその改善法 ウ 肥料成分の土中における変化
(3) 水田土と畑土の特性およびこれらに関する実験
(4) おもな肥料の性質と取扱法
ア 肥料の種類,特徴および成分の検出 イ 配合法,施用法
(5) 肥料成分と作物栄養との関係およびこれに関する実験
ア 施肥試験 イ 肥効に影響する条件
(6) 自給肥料の製法,性質,施用法
(7) 施肥設計
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,栽培関係科目,「農業土木」,などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) この科目は,主として実験・調査を通して学習させるようにする。
(4) この科目の学習に必要な実験の材料,器具などの自作,適切な視聴覚教材の利用,現地調査や関係研究機関の見学などを行なうことがたいせつである。
第5 作物保護
1 目 標
(1) 栽培に関する学習と緊密に関連させて,病原菌の性質と病徴,害虫の習性と加害状況および気象災害などについて,主として実験・調査を通して理解させ,病害虫の防除,気象災害の予知と対策に関する基礎的な技術を習得させる。
(2) 病害虫,気象災害の発生に応じて合理的な対策を講ずる能力と態度を養う。
2 内 容
(1) 各種作物の災害および災害対策
(2) 各種作物のおもな病気の診断と害虫の鑑別
ア 病原微生物および病徴の観察 イ 害虫および加害状況の観察
ウ 病気や害虫の発生と環境および経過習性の観察
(3) 病害や害虫などの防除法
ア 病害・虫害の被害調査 イ 耐病性・耐虫性品種の調査
ウ 発生予察と防除の方法
(4) 雑草とその防除法
(5) 農薬とその使用法
ア おもな農薬の種類と特性 イ おもな農業の調製と使用法
ウ 薬効と薬害
(6) 農業気象と気象災害対策
ア 微気象観測とその利用 イ 気象災害の調査
ウ 気象災害の予知と対策
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「生物」,栽培関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) この科目は,主として実験・調査を通して学習させるようにする。
(4) 夜間に実施しなければならない実験・調査については,家庭実習または宿泊当番などの機会を活用するようにする。
(5) 毒性の強い農薬の取り扱いにあたっては,毒物,劇物取締まりなどの関係法規を厳守すること。
(6) この科目の学習に必要な実験の材料,器具などの自作,適切な視聴覚教材の利用,現地調査や関係研究機関の見学などを行なうことがたいせつである。
第6 農畜産加工
1 目 標
(1) 加工原料の性質,微生物,酵素および加工機械などについて,理解させ,環境や経営に応じて農産物・畜産物を合理的に加工・貯蔵する技術を習得させる。
(2) 農畜産物の加工と農業経営との関係を理解させ,原料を経済的に処理し,利用し,加工法の合理化を図り,進んで農畜産物の新用途を開拓しようとする能力と態度を養う。
2 内 容
(1) 農業経営と農畜産物の加工・貯蔵
(2) 加工原材料としての農産物・畜産物の成分と栄養
(3) 微生物と酵素
(4) 農畜産加工の副原料
(5) 農畜産加工用のおもな器具機械
(6) 農畜産加工品の製造
(7) 畜産加工品の製造
(8) 生産費の計算と記帳
(9) 製品の検査
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
(2) 加工実習は当番などによる交代制で,夜間あるいは放課後に学習させる場合も考えられるので,特に指導計画を綿密に立てて実施するとともに,生徒指導や災害の防止に留意する。
(3) 加工品の製造や処理利用にあたっては,食品衛生や税法などの各種関係法規を厳守すること。
第7 農業機械
1 目 標
(1) 栽培や飼育に関する学習と緊密に関連させて,それらに必要な農機具の構造,機能および動力などを理解させ,経営に適した農機具の選び方およびその操作・整備・修理・保管などの技術を習得させる。
(2) すぐれた農機具の利用は農業経営を合理化する基本であることを理解させ,農業の機械化を図ろうとする能力と態度とを養う。
2 内 容
(1) 農業の機械化と電化およびそれと農業経営との関係
(2) 農作業の動力源,原動機および伝導装置
(3) 耕うん・整地用機具 (4) 育成・管理用機具
(5) 収穫・調製用機具 (6) 運搬用機具
(7) 農機具の整備・修理と簡単な製作
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに,数学,栽培・飼育関係科目,「農畜産加工」,「農業土木」,「農業経営」,農業土木関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
なお,各学科で履修する農業に関する科目の学習に必要な作業機械等の日常の点検,手入,使用法,注油,掃除などはそれぞれの科目で学習するようにする。したがってこの科目では,それらの学習に必要な基本的事項や,分解・組立,簡単な修理を含む定期的な整備,農業機械化の研究などに重点をおいて指導することとし,内容の無用な重複や抽象的な学習に陥らないように留意する。
(3) この科目の学習にあたっては,けがや油脂・電気などによる火災などの災害防止,および機械の保全に留意することがたいせつである。
また,走行操縦を伴う操作運転の学習にあたっては,道路,交通取り締まりなどの関係法規を厳守すること。
第8 農 業 土 木
1 目 標
(1) 営農に必要な農舎,かんがい,排水施設の機能,構造などを理解させ,環境や経営に適した農業生産施設の計画・施工や農地の保全・造成などに必要な技術を習得させる。
2 内 容
(1) 土 エ (2) コンクリート,ブロックの工作
(3) 木構造と構作 (4) 農地の測量
(5) かんがい,排水施設 (6) 農地の保全と造成施設
(7) 農地の整備
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) この学科において,この科目とともに,数学,栽培・飼育関係科目,「農業機械」,「農業経営」,農業土木関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
なお,各学科で履修する農業に関する科目の学習に必要な農業生産施設の日常の取り扱い法と修理・保全・簡単なものの工作または施工などは,それぞれの科目で学習するようにする。したがって,この科目ではそれらの学習の基本的事項や,農業生産施設の計画,施工,農地の保全,造成,整備などに重点をおいて指導することとし,内容の無用な重複や抽象的な学習に陥らないように留意する。
(3) この科目の学習にあたっては,けがの防止と機械や施設の保全に留意することがたいせつである。
また,建築や水利などの関係法規および慣例などに留意して指導することがたいせつである。
第9 農 業 経 営
1 目 標
(1) 農業経営の構造,およびそれと国民経済・農業政策・農家生活との相互関係を理解させ,農業経営の改善計画を立て,それを実施させるのに必要な知識・技能を習得させる。
(2) 自分の家や地域の自然的,経済的な環境に適応し,さらに積極的に環境条件を改善して,生産性の高い農業を営み,所得を高め,農業および農村生活の発展向上を図る能力と態度とを養う。
2 内 容
(1) プロジェクトと学校農業クラブ
ア 地域の農業とプロジェクト イ 学校農業クラブ
(2) 日本農業の現状と発展方向
(3) 農業簿記
ア 簿記のしくみ イ 農家簿記
ウ 労働日記 エ 生産費計算
オ 農業協同組合簿記
(4) 農業経営の組織と運営
ア 農業経営と環境 イ 経営の組織と集約度
ウ 経営規模と自立経営 エ 経営発展と技術発展
(5) 農業経営と交換経済
ア 農産物の販売 イ 農業資材の購入
ウ 市場と価格形成 エ 経営発展と資本,農業金融
(6) 農業経営の診断と改善計画
(7) 共同組織,共同経営
ア 諸形態 イ 成立条件
ウ 労働組織
(8) 農業協同組合
(9) 農村社会と農村生活
(10) 農業経営と国民経済,農業政策
(11) 日本農業と外国農業
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において履修させる「政治・経済」,および農業に関する科目などと,じゅうぶん内容の関連を図って,経営と技術とが総合一体化されるように指導することがたいせつである。
(3) この科目の学習にあたっては,生徒のホームプロジェクト,学校農場の実習,実地調査,優良農家の見学,簿記実習などを通して,できるだけ実情に即して具体的に指導し,なるべく2か年以上にわたって履修させることがたいせつである。
(4) 簿記は,つとめて実習によって簿記能力を身につけるようにし,その学習を通して計算能力を高めるようにする。
第10 野 菜 園 芸
1 目 標
(1) 野菜の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 野菜園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。
2 内 容
(1) 野菜園芸とわが国の野菜栽培
ア 野菜の種類
イ わが国の野菜園芸および生産物需給の現況と動向
ウ 野菜園芸と農業経営との関係
(2) 育 苗
ア 品種,たねものと育苗
イ 温床,冷床などの育苗の施設とその管理
(3) 各種野菜の栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと野菜の生育との関係
ウ 栽培様式 エ 栽培管理
オ 収穫と生産物処理 カ 生育などの調査,実験,栽培日誌
キ 農機具・農業施設の利用
(4) 採種と育種
ア 育種,一代雑種の利用 イ 採 種
ウ たねの取り扱い
(5) 野菜園芸の経営
ア 作付計画 イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳 エ 生産費低下と技術改善など
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,園芸科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「作物」,他の園芸関係科目,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
第11 果 樹 園 芸
1 目 標
(1) 果樹の特性,裁培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 果樹園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。
2 内 容
(1) 果樹園芸とわが国の果樹栽培
ア 果樹の種類
イ わが国の果樹園芸および生産物需給の現況と動向
ウ 農業経営と果樹園芸との関係
(2) 各種果樹の栽培と果樹園の管理
ア 栽培的,経営的な特性 イ 品種と苗
ウ 栽培環境およびそれと果樹の生育との関係
エ 栽培様式 オ 栽培管理
カ 収穫と生産物処理 キ 生育などの調査,実験,栽培日誌
ク 農機具・農業施設の利用
(3) 果樹の育種
(4) 果樹園芸の経営
ア 果樹園の設計 イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳 エ 生産費低下と技術改善など
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として園芸科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに他の園芸関係科目,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
第12 草 花 園 芸
1 目 標
(1) 草花の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に裁培する技術を習得させる。
(2) 草花園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性をを高めようとする能力と態度とを養う。
2 内 容
(1) 草花園芸とわが国の草花栽培
ア 草花の種類
イ わが国の草花園芸および生産物需給の現況と動向
ウ 草花園芸と農業経営との関係
(2) 繁 殖
ア たねものと品種
イ たねまき,さし木,株分け,分球,つぎ木,取り木など
(3) 温床と温室
(4) 各種草花の栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと草花の生育との関係
ウ 栽培様式 エ 栽培管理
オ 生育などの調査,実験,栽培日誌 カ 農機具・農業施設の利用
(5) 草花の利用と観賞,生産物処理
(6) 採種と育種
(7) 草花園芸の経営
ア 作付計画 イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳 エ 生産費低下と技術改善など
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として園芸科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに他の園芸関係科目,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
第13 造 園
1 目 標
(1) 造園と生活との関係を理解させ,環境に応じて造園材料を選び,創意くふうに富んだ造園計画を立て,施工し,維持管理する技術を習得させる。
(2) 生活環境に造園的な美的要素を取り入れ,生活と趣味の向上を図ろうとする能力と態度とを養う。
2 内 容
(1) 造園の様式,意匠
(2) 造園計画
ア 予備調査 イ 日本庭園,西洋庭園
ウ 各種公園 エ 運動競技場の設計
(3) 造園材料の特性と取り扱い
ア 造園植物 イ 庭石,加工石材
ウ 木材,竹材 エ 金属材,その他
(4) 造園施工
ア 土 工 イ えん路工
ウ 張り芝工 エ 排水工
オ いわ組工 カ コンクリート工
キ 擁 壁 工 ク 日かげだなの施工
(5) 都市計画
(6) 風景地および国立公園
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として造園科以外の学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「美術」,園芸および農業土木関係の科目などを履修させる場合は,特に内容の関連じゅうぶんに図るようにする。
(3) 指導にあたっては,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
(4) 学習の効果を高めるために,実地調査および庭園の見学,あるいは学習に必要な実習材料,学習方法などのくふうを図ることがたいせつである。
第14 農業一般
1 目 標
(1) わが国の農業の現状と動向,農業の特性などを理解させ農業の生産と経営に必要な知識・技能を習得させる。
(2) 農業の個人的,社会的な意義を理解させ,進んで農業および農村生活を改善向上しようとする態度を養う。
2 内 容
(1) わが国の農業と農業の特質
ア わが国の農業の現況と動向 イ 農業の特質
ウ 農業と国民経済 エ 農業と農村生活
(2) 各種作物(園芸作物を含む)の栽培と生産物処理
ア 作物の種類と品種 イ 栽培的,経営的な特性
ウ 栽培環境およびそれと作物の生育との関係
エ 育苗,たねもの オ 栽培管理
カ 農具と機械 キ 収穫,生産物の簡単な加工,貯蔵
ク 作付計画 ケ 栽培生産と農業経営との関係
(3) 各種家畜の飼育と生産物処理
ア 家畜の種類と品種 イ 飼育的,経営的な特性
ウ 飼育環境およびそれと家畜の生育との関係
エ 繁殖と幼畜・ひなの育成 オ 飼 料
カ 日常の手入と飼養管理 キ 畜舎と設備
ク 畜産物とその簡単な加工,貯蔵 ケ 飼育計画
コ 畜産と農業経営との関係
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として農業科以外の学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに農業に関する他の科目を履修させる場合は,内容のうち重復する部分を省くようにする。
(3) この科目は,地域や学校の事情および生徒の必要などに応じて内容を重点的に取り上げ,実践を通して学習させることがたいせつである。
第15 総合実習
1 目 標
(1) 主として農業に関する科目において履修した実習・実験などの成果をもとにして,農場・演習林・加工工場・施工現場などの各種作業と管理的な事務について,重点的で総合的な練習あるいは研究を行なわせ,それらの習熟度や理解度を高める。
(2) 農業の生産技術や経営実務の合理化を図り,協同・責任・安全を重んずる実践的な態度を養う。
2 内 容
(1) 栽培総合実習 (2) 飼育総合実習
(3) 林業総合実習 (4) 農産製造,林産製造総合実習
(5) 農業土木総合実習 (6) 農業経営実務総合実習
(7) 農家生活実務総合実習
3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,これを必要とする学科において履修させるものである。
(2) この科目は,各学科によって特色をもつものである。また授業に関する実験,調査,ホームプロジェクト,学校農業クラブ活動,現場実習,休暇中の実習などのうち適当なものを総合実習の内容とすることができる。この場合にその指導計画は,その学科で履修される農業に関する各科目の指導計画と緊密に関連づけて作成し,各科目の実習,実験として実施可能なものは,総合実習の内容に取り上げないようにする。
(3) 野外における実習などは,季節や天候などの影響を受けやすいので,指導計画を綿密に立てて実施することとし,特に同一の内容を学習集団(組・班など)を編成して交代制で実習させる場合には,学習集団によって学習する内容の領域や程度が違ったり,遺漏などの起きないように留意することがたいせつである。