第1款 目 標
1 自然の事象についての関心を深め,真理を探究しようとする態度を養う。
2 自然の事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
3 自然の事象に関する基本的な事実や原理・法則に関する理解を深め,これらを活用する能力を伸ばし,科学的な創造力を育てる。
4 科学的な自然観を育て,また,自然科学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
以上の目漂の各項目は,相互に密接な関連をもって全体として「理科」の同目標をなすものであり,「理科」の各科目の目標のもととなるものである。指導にあたっては,各科目の目標とともに教科の目標の達成に努めなければならない。
第2款 各 科 目
第1 物 理
1 目 標
(2) 物理的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3) 物理的な事象に関する基本的な概念や原理・法則を理解させ,それらを活用する能力を伸ばし,さらにくふう創造する態度を養う。
(4) 物理的な事象を取り扱うのに必要な機械器具を操作する技能を習得させる。
(5) 物理的な見方,考え方が,広く自然の諸現象を科学的に理解する基礎となることを知らせるなどして科学的な自然観を育て,また,物理学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現に便宜のために順序づけ,まとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,物理的な考え方を中心にして展開していくように構成することが必要であるが,この際,学問的体系によりすぎることなく,地域や生徒の実情などに応じて重点をおく事項を定めるなどし,また,平易に取り扱うことが望ましい。
(4) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において「物理」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5) 生活や産業との関連を考慮して指導するようにする。実際の応用例などを扱うとき,基本的な概念や法則とのつながりをじゅうぶんに理解させることがたいせつである。また,基本的な事項の指導においても,身近な物理的事象や技術の発展とのつながりを重視し,できるだけ平易に取り扱うことが必要である。
(6) 盲生徒の特性をじゅうぶん考慮し,できるだけ広く盲生徒に適した実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観祭は,次のような諸点に留意して選定する。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 基礎的な量,たとえば長さ,質量,時間,温度,電流,電圧などの測定を含めること。
なお,指導の補助手段として模型,標本,録音,放送などを精選して活用することが望ましい。
(8) 物理量と単位(基本単位と誘導単位)についての理解を確実にし,また,物理量の測定における誤差と有効数字について具体的に理解させるように指導する。
(9) 基本的な実験法や計量器,機械器具の取り扱いに関する技能については,指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り,操作の意味を考えさせるように指導する。
(10) 特に実験・観察などの指導においては,事故の防止にじゅうぶんに留意する。
1 目 標
(2) 物質や化学現象を実験・観察などを通して考祭し処理する能力と態度を養う。
(3) 物質や化学現象に関する基本的な事実,概念,法則などを理解させ,これらを活用する能力を伸ばし,さらにくふう創造する態度を養う。
(4) 物質や化学現象を探究するのに基礎となる平易な化学的操作に関する技能を習得させる。
(5) 自然の諸現象を,物質とその変化という立場から見ることなどによって科学的な自然観を育て,また,化学が生活や産業に広く応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現に便宜のために順序づけ,まとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,化学的な考え方を中心にして展開していくように構成することが必要であるが,この際,学問的体系によりすぎることなく,地域や生徒の実情などに応じて重点をおく事項を定めるなどし,また,平易に取り扱うことが望ましい。
(4) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において「化学」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5) 生活や産業(特に化学工業)との関連を考慮して指導するようにする。実際の応用例などを取り扱うときは,細部にわたったり特殊な事項にふれたりすることを避け,化学の基本的な事実,法則などとのつながりをじゅうぶんに理解させることがたいせつである。
(6) 盲生徒の特性をじゅうぶん考慮し,できるだけ広く盲生徒に適した実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は,次のような諸点に留意して選定する。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 物質の精製,分離,計量および加熱,普通の試薬の調製,簡単な実験装置の組み立てなどを含めること。
なお,指導の補肋手段として模型,標本,録音,放送などを精選して活用することが望ましい。
(8) おもな元素とその化合物および有機化合物については,多種類の物質について各論的にら列することなく,代表的なものや身近なものを中心として取り扱う。
(9) 基本的な実験法や計量器,機械器具の取り扱いに関する技能については,指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り,操作の意味を考えさせるように指導する。
(10) 特に実験・観祭などの指導においては,中毒,爆発,火災などの事故の防止にじゅうぶんに留意する。
1 目 標
(2) 生物や生物現象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養い,あわせて機械器具を操作する技能を習得させる。
(3) 生物や生物現象に関する基本的な事実,原理などの理解を深め,これらを活用する能力を伸ばすとともに,科学的な創造力を育てる。
(4) 人体の構造・機能についての事実や原理の理解を深め,健康の基礎となる事項を科学的に考察する能力を養う。
(5) 生物の有機性および生物相互あるいは生物と環境との相関についての理解を深めて自然界の調和を認識させることなどによって科学的な自然観を育て,また,生物学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現に便宜のために順序づけ,まとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,総合的に考察できるように構成し,学習を通してまとまった理解が得られるように指導する。
なお,物質交代とエネルギー交代,酵素については,これと関連する他の事項と結びつけ,有機的,統一的に取り扱うように留意する。
(4) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において「生物」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5) 基本的な事実,原理などの指導にあたっては,具体的な生物的事象とのつながりや帰納的な考え方を重視して指導するとともに,それの応用に関する事項を適宜に取り入れ,生活や産業との関連に留意する。
(6) 盲生徒の特性をじゅうぶん考慮し,できるだけ広く盲生徒に適した実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は,次のような諸点に留意して選定し,指導する。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 季節との関連に留意し,季節に応じた適切な時期に実験・観察ができるように計画し指導するとともに,その地域の生物の特徴に留意し,これらを有効に指導に取り入れるようにすること。
エ 模型,標本,録音,放送などを精選して活用し,実験・観祭の効果を高めるようにすること。
(8) 生物の構造や機能についての指導にあたっては,取り上げる生物の種類を適切に取捨して代表的なものにとどめるとともに,人体に関する理解をも重視する。
(9) 生命の尊重と,生物の保護・開発の重要性を認識させるように指導する。
1 目 標
(2) 地学的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3) 地学的な事象についての基本的な事実や原理・法則などの理解を深め,環境に適応して生活を合理化しようとする積極的な態度を養う。
(4) 自然の事象を,その相互の関係や長い時間的変化の観点から総合的にはあくさせ,自然界の変化,調和などを認識させるなどして科学的な自然観を育て,また,地学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。
地球の環境(天体からの力,重力,地磁気,各種の放射などについて簡単に総合的に扱う。)
後者によって履修させた場合も,「地学」の科目を履修したものとする。
(2) 前記(1)の後者によって履修させる場合には,次の諸点に留意することが必要である。
イ 「地学」に2単位を充てる場合は,それぞれの部に1単位ずつ配当するものとすること。
(4) 「内容」に示した各部の各事項は,表現に便宜のために順序づけ,まとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(5) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,地学的な考え方を中心にして展開していくように構成し,学習を通してまとまった理解が得られるように指導する。
(6) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,できるだけその過程において「地学」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(7) 基本的な事実,原理などの指導においても,具体的な地学的事象とのつながりや帰納的な考え方を重視して指導する。
(8) 盲生徒の特性をじゅうぶん考慮し,できるだけ広く盲生徒に適した実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は,次のような諸点に留意して選定し,指導する。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ その地域の地学的な自然環境の特徴に留意し,これを有効に指導に取り入れるようにすること。
エ 模型,標本,録音,放送などを精選して活用し,実験・観察の効果を高めるようにすること。
(10) 地学的な事象の相互の関連に留意し,これらをできるだけ総合的に取り扱うようにするとともに,適宜に自然の災害とその防止および資源の利用にふれ,その重要性を認識させるように指導する。