第7節 保 健 体 育

 

第1 目  標

1 心身の発達について理解させるとともに,聴覚の障害を克服し各種の運動を適切に行なわせることによって,心身の健全な発達を促し,活動力を高める。

2 合理的な練習によって,各種の運動技能を高めるとともに,生活における運動の意味を理解させ,生活を健全にし豊かにする態度や能力を養う。

3 運動における競争や協同の経験を通して,公正な態度を養い,進んで規則を守り,互いに協力して責任を果たすなどの社会生活に必要な態度や能力を向上させる。

4 個人生活や社会生活における健康・安全について理解させ,自己や他人を病気や障害から守り,心身ともに健康な生活を営む態度や能力を養う。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって,全体として保健体育科の目標をなすものであるから,指導にあたってはこの点を常に考慮しなければならない。

 

第2 各学年の目標および内容

〔第1学年〕

1 目  標

2 内  容

(徒手体操)

(器械運動) (陸上競技) (格技)(男子のみ) (球技) (水泳) (ダンス)(女子) (体育に関する知識) 3 指導上の留意事項  

〔第2学年〕

1 目  標

2 内  容

 A 体  育

(徒手体操)

(器械運動)

 

(陸上競枝) (格技)(男子のみ) (球技) (水泳) (ダンス)(女子) (体育に関する知識)  B 保健 3 指導上の留意事項  

〔第3学年〕

1 目  標

2 内  容

 A 体  育

(徒手体操)

(器械運動) (陸上競技) (格技)(男子のみ) (球技) (水泳) (ダンス)(女子) (体育に関する知識)  B 保健 3 指導上の留意事項  

第3 指導計画作成および学習指導の方針

1 各学年の体育の分野と保健の分野の標準授業時数は,次のとおりである。
 
学年

分野

第1学年
第2学年
第3学年
体    育
105単位時間
70単位時間
70単位時間
保    健
 
35単位時間
35単位時間
105単位時間
105単位時間
105単位時間

2 次の表は,体育の分野の年間の標準授業時数に対する各領域の授業時数のおよその割合を示したものである。(各学年共通)
 
男女別

領域

男子
女子
徒 手 体 操
5〜10%
5〜10%
機 械 運 動
15〜20%
10〜15%
陸 上 競 技
15〜20%
10〜15%
格     技
5〜10%
 
球     技
30〜40%
25〜35%
水     泳
5〜10%
5〜10%
ダ  ン  ス
 
20〜25%
体育に関する知識
5〜10%
5〜10%

3 第2に示す体育の分野の内容は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取り扱うことを必要とするものであるが,地域や学校の実態を考慮し,特に必要と認められる場合は,これに示していない運動種目を加えて指導してもさしつかえない。しかし,いたずらに指導する種目を多くしたり,程度の高い項目を取り扱ったりして,示された目標や内容の趣旨を逸脱したり,負担過重にならないよう慎重に配慮しなければならない。

4 適切な水泳場がないなどで,水泳を指導できない学校では,これを欠くことができる。

 この場合,水泳に割り当てられた時数は,他の領域に充てる。

 ただし,上記の場合でも,人工呼吸法については,保健学習との関連を図って指導する。

5 積雪地,寒冷地の学校では,スキー,スケートを指導することができる。

 この場合,上記2の表に示した各領域の授業時数の割合をあまり変更しない程度で各領域の時数をさいて,これに充てる。

6 体育において指導計画を作成するにあたっては,それぞれの運動の特性,生徒の健康状態,生徒の運動の経験,男女の特性などを考慮しなければならない。その場合には,運動種目を組み合わせたり,基礎的運動能力の測定を行なうなども含めて,学習の効果をあげるように配慮する。

 また,保健においては,学校における保健管理と密接な関連を図り,能率的な指導ができるようにする。

7 指導する事項の配列にあたっては,特別教育活動,学校行事等,季節および施設用具などを考慮する。

8 各学年に示した「(体育に関する知識)」についての指導は,体育の全体計画の中に位置づけて,できるだけ各運動の指導と密接な関連を図るとともに保健との関連にも留意する。

9 体育学習においては,指導のねらいや運動の特性に応じ,単に運動技能の指導のみに陥ることなく必要な内容が,片寄りなく学習されるように考慮する。

10 集団行動については,各運動の指導と関連させ,小学部における学習の基礎の上に,いっそうその能力を高めるよう適切に指導する。

11 各運動の指導においては,生徒の健康状態や運動能力および男女の特性などに応じて指導する事項の程度や取り扱いを考慮する。

12 各運動の指導にあたっては,病弱者,身体虚弱者および肢(し)体不自由者などに対しては,学校医と連絡をとり,その程度に応じて適切な指導をする。

13 心身の発達,病気の予防,精神衛生などの学習においては,性教育を考慮して指導する。

14 聴覚を保護したり,視覚障害やその他の身体障害を防止するために,指導にあたっては,耳鼻科医および眼科医などと、あらかじめ連絡をとり,指導するようにする。

15 保健学習では,視聴覚教材,教具をじゅうぶんに活用し,また,適宜に実習,調査,見学なども加え,学習の効果があがるようにする。