第4節 理    科

 

第1 目  標

1 自然の事物や現象についての関心を高め,真理を探究しようとする態度を養う。

2 自然の環境から問題をとらえ,事物に基づき,筋道をたてて考えたり処理したりする能力を養い,また,実験や観察に必要な機械器具を目的に応じて取り扱う技能を高める。

3 生活や産業の基礎となる自然科学的な事実や原理の理解を深め,これを活用する能力を伸ばし,さらに,新しいものをつくり出そうとする態度を養う。

4 自然科学の進歩が生活を豊かにするのに役だつことを認識させ,自然科学の成果や方法を生活の中に取り入れ,生活を合理化しようとする態度を養う。

5 自然と人間生活との関係を認識させるとともに,自然の保護利用に対する関心を高める。

 上に掲げた目標は,各項目相互に密接な関連をもって理科の目標をなすものである。

 指導にあたっては,特定の項目にのみ重点をおくことなく,目標が全体として達成されるように考慮しなければならない。

 また各学年の目標は,教科の目標を,学年に発展させ,明らかにしたものである。

 

第2 各学年の目標および内容

〔第1学年〕

1 目  標

2 内  容 3 指導上の留意点  

〔第2学年〕

1 目  標

2 内  容 3 指導上の留意事項  

〔第3学年〕

1 目  標

2 内  容 3 指導上の留意事頑  

第3 指導計画作成および学習指導の方針

1 各学年の内容にあげた事項は,いずれも学校の指導計画に含まれ指導されるべきものであるが,各事項のまとめ方や順序については,これによる必要はない。学校において適切な組織順序をもった指導計画を立てて指導する。

2 指導計画作成にあたっては,基本的事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。このために,指導計画の中に取り入れて指導する事項は,特に精選することがたいせつである。最低授業時数より多くの時数を充てて指導する場合においても,各学年の内容にあげた各項目の学習をさらに深めることを方針とし,いたずらに多くの事項を取り扱うことは避ける。

3 内容中(ア)(イ)(ウ)などの事項は,内容の程度や望ましい学習活動を示してある。

 学習指導にあたっては,その地域の実情や学校の施設設備などに応じ,適切な方法によってそのねらいを達成するように努めることがたいせつである。

4 内容中にあげた生物の種名や岩石名などは,その例を示したものであるから,地域の生物や地質などを考慮して,それを学習に生かすようにし,また,季節や地域の気象,行事などの関連に留意し,適切な時期に観察,実験,飼育,栽培などができるように計画する必要がある。

5 生徒の発達段階に応じ,その興味関心を発展させ,生徒の経験や実生活との結びつきを重んじ,つとめて具体的な事物,現象からはいり実証的,研究的な態度で学習させるようにすることがたいせつである。なお,この場合生徒の個人差にも適切に対処できるように考慮する必要があるが,学習可能なことはつとめて扱うようにし,能力や態度については,同じことがらについて反復して積み上げていくようにする。

6 生徒は経験領域が狭いからできるだけ広く観察実験を行なうことが必要であって,実験観察を行なわないで,単に知識のみに偏することは厳に避けなければならない。そのためには,平素から学習の環境を整傭し,自然の事物や現象に接する機会を多くしたり,観察実験がたやすくできるようにし,生徒の学習態度を助長するように指導することが望ましい。

7 学習活動を展開するにあたっては,生徒の特質をじゅうぶんに考慮し,常に生徒とともに学ぶという態度がたいせつで,特に観点を指示することによって,目標を見あやまらないようにすることがたいせつである。

8 基礎的な実験法や計量器,機械,器具などの取り扱いの技能を高めることがたいせつであるが,これらが機械的操作に陥らないように,指導する事項との関連をじゅうぶんに図り,操作の意味を考えさせるように指導する。

9 野外観察,実験などにあたり,事故の防止を特に留意すること,不注意あるいは無意識な動作,好奇心による行動,扱い方を理解しないで操作することなどから,けがをしたり,機械器具を破損したりすることを理解させ,理科の時間ばかりでなく,日常生活においても科学的な考え深い行動をとる習慣をつけるように指導する。