第11節 工 業
第1 目 標
1 工業に関する基礎的な知識と技能を習得させる。
2 工業技術の科学的な根拠を理解させ,これを実際に活用する能力を養う。
3 協同と責任を重んじる態度を養う。
第2 内 容
A 手仕上げ
1 主として手仕上げ作業について機械工作の基礎を系統的に学習させ,あわせて材料と工作法との関連をも理解させる。
機械工作と手仕げ,手仕上げ作業の内容。
(2) 手仕上げ工場の設備
おもな設備,工具の種類と使い方。
(3) けがき・心出し
トースカンによるけがき,片パスおよびトースカンによる心出し。
(4) 平面仕上げ
平面の精度,平たがねおよびやすりによる平面仕上げ。
(5) やすりによる曲面仕上げ
外曲面および内曲面の仕上げとやすりの選び方。
(6) 穴あけ
手作業および卓上ボール盤による穴あけ。
(7) ねじ立て
ねじ立て工具,ねじ下穴のけ方,ねじの立て方,切削剤。
(8) 鍛造作業
鍛造用材料と鍛造法,延ばし方,曲げ方,切り方など。
(9) 熱処理
鋼の焼き入れと焼きもどし,焼きなましなど。
(10) 機械工作図
手仕上げ作業に必要な工作図の読み方。
(11) 工場における管理の方法
(12) 安全と能率
2 指導上の留意事項
「手仕上げ」の授業時数は70単位時間を標準とする。
B 機械仕上げ
1 工作機械を使用する機械仕上げ作業の基礎を系統的に学習させ,金属切削加工のあらましを理解させる。
おもな機械仕上げ作業,工作機械の種類と用途など。
(2) 旋盤工作法のあらまし
おもな旋盤工作法,旋盤の種類と用途など。
(3) 旋盤作業
旋盤の操作,工作物の取り付け,外周削り,端面削りなど。
(4) 形削り盤作業
形削り盤の操作,工作物の取り付け,平面削り,段削りなど。
(5) 刃物の種類と使い方
工作機械に使われるおもな刃物の種類と用途。
(6) 刃物のとぎ方
バイトのとぎ方など。
(7) 材料と切削
材料,工具,切削剤,切削速度などの相互関係。
(8) 機械工作図
機械仕上げ作業に必要な工作図の読み方。
(9) 工場における生産の方式
(10) 安全と能率
2 指導上の留意事項
「機械仕上げ」の授業時数は70単位時間を標準とする。
C その他
第3 指導計画作成および学習指導の方針
1 この教科の授業時数を140単位時間とする場合は,内容のA,Bの順に指導する。
2 この教科は,将来工業の分野に進もうとする者の必要に応じて設けられたものであるから,工業に従事する者に必要な心構えを養うことがたいせつである。このためには,実験や実習を重視した学習指導を行なうように留意する。
3 それぞれの項目の基礎的な知識,技能,態度を体系的に析出し,より基本的なものがくり返し学習され,身につくように指導計画を作成する。
4 それぞれの項目の基本となる要素作業とその関係知識とを一体として学習させ,次いでそれらの組み合わされた仕事の学習に進むように,組織的,系統的な学習指導を行なう。
5 指導計画の作成にあたっては,生徒の学習のための集団の作り方や時間割りなどをくふうして,指導が円滑に行なわれるようにする。
6 学習指導にあたっては,常に危険の防止に留意させ,安全に関する意識の高揚に努める。このためには服装の整備,学習環境の整理・整とん,作業規律の励行などをゆるがせにしないように指導する。
7 内容の「Cその他」については,たとえば木材加工など内容のA,B以外の領域について履習する場合は,第1目標に準じて適切な目標・内容を設け指導計画を作成する。