第2節 特別教育活動

第1 目  標

1 児童の自発的,自治的な活動を通して生活経験を拡充し,日常生活や学校生活の諸問題を適切に処理する能力を高め,自主的な生活態度を養い,社会性の育成を図る。

2 所属する集団の運営に積極的に参加し,自信と意欲をもってその向上発展に尽くすことができるようにする。

3 実践活動を通して,個性の伸長を図り,趣味や教養を深めて余暇を善用する基礎を養い,心身ともに健康で充実した生活ができるようにする。

第2 内  容

 特別教育活動においては,児童会活動,学級会活動,クラブ活動などを行なうものとする。

A 児童会活動

 児童会は,全校の児童をもって構成し,学校生活に関する諸問題を話し合い,解決し,さらに学校内の仕事を分担処理するための活動を行なう。その運営は主として高学年児童によって行なわれる。

B 学級会活動

 学級会は,学級ごとに,全員をもって組織し,学級生活に関する諸問題を話し合い,解決し,さらに学級内の仕事を分担処理するための活動を行なう。

C クラブ活動

 クラブは,主として中学年以上の同好の児童が組織し,共通の興味・関心を追求する活動を行なう。

第3 指導計画作成および指導上の留意事項

1 特別教育活動の指導計画作成およびその実施にあたっては,児童の自発的な要求を可能な限り受け入れるようにし,取り上げるべき種類,時間,方法などを慎重に考慮する必要がある。その際,各教科,道徳および学校行事等との関連はもちろん児童の実態について,じゅうぶん留意しなければならない。

2 特別教育活動は児童の自主的活動を基本とするものであるから,その計画は,固定的なものではなく,児童とともにいっそう具体的な実施計画を立てることができるような弾力性・融通性に富むものでなければならない。なお,中学部・高等部の特別教育活動と適切な調和が保たれているものであることが望ましい。

3 指導にあたっては特に下記の事項に留意する必要がある。

A 児童会活動に関するもの

(1) 児童会は,あくまで児童による実践的な活動を基本とするものであるから,その活動が具体的な生活の場面で実際に生かされ,常に児童の経験の深化と拡充に結びつき,自信と意欲を高めるよう配慮されなければならない。

(2) 児童会に所属するいくつかの部(またはこれに類するもの)の種別や数は,児童の希望,学校の事情などを考慮し,形式的な組織や運営に流れないようじゅうぶん配慮し,各部の活動が有機的な関連をもって学校生活全体を向上しうるように決められなければならない。

(3) 必要に応じては,小学部の全児童が集まって児童会の集会を開くことがあり,また,中学部・高等部や地域社会との関係において,いろいろな活動が行なわれる場合も考えられるが,それらの際には学校行事等との関連に留意するとともに,その教育的価値と限界について配慮する必要がある。

B 学級会活動に関するもの

(1) 学級会は,学級のすべての児童が,積極的に参加できる活動でなければならない。したがって,一部の児童だけが運営に参加していることのないように留意する必要がある。

(2) 学級会に所属するいくつかの係り(またはこれに類するもの)の種類や数は,児童の希望,学級の事情などを考慮して,決められなければならない。

(3) 学級会の活動が単に申し合わせや反省会の形で終わることなく,進んで自分たちの力で問題を解決したり,児童会へ問題を提起したりする実践的な活動とならなければならない。特に小人数の編成からくる種々の困難性を克服して,特別教育活動における学級会の意義,目標を常に明確にするよう努めなければならない。

(4) 毎週一定の時間を学級会にあてることが望ましい。しかし,学年の段階によって時間の長短は考慮されなければならない。

C クラブ活動に関するもの

(1) クラブの種別,数の決定には児童の実態とその希望および学校の実情,地域社会の特性などをじゅうぶん考慮しなければならない。また,余暇を善用する態度を養うよう配慮する必要がある。

(2) どのクラブに参加するかは,児童の自発性にまつのであるが,その際にも教師の適切な指導を忘れてはならない。また,クラブの種別によっては指導にあたる教師の配置と人数も慎重に配慮する必要がある。

(3) クラブ活動が教科の学習と深い関連をもつ場合が多いのであるが,単に教科の補習にならないように配慮する必要がある。