第1 目 標
2 自然の環境から問題を見いだし,事実に基づき,筋道を立てて考えたりくふう・処理したりする態度と技能を養う。
3 生活に関係の深い自然科学的な事実や基礎的原理を理解し,これをもとにして生活を合理化しようとする態度を養う。
4 自然と人間の生活との関係について理解を深め,自然を愛護しようとする態度を養う。
上に掲げた理科の目標は,各項目相互に密接な関連をもつものであり,次に示す各学年の目標は,教科の目標の各項目それぞれについて,学年的発展を明らかにして具体的に示したものである。なお,各学年の目標の作成にあたっては,次の諸点を考慮した。
教科の目標1については,低学年では,ごく身近な自然の事物・現象に触れたり,扱ったりさせることによって,できるだけ興味や関心を高め,自然に親しむ態度を養うとともにできるだけ実証的方法を通して事実に即したものの見方・考え方を育てるようにする。学年が進むにつれて自然環境をしだいに広げ,事物や現象間の関係などを,進んで観察や処理を通して確かめたり,ためしたりすることによって,客観的なものの見方・考え方ができるようにする。目標2については,低学年では自分から進んで自然の環境から疑問を見つけようとする態度を養い,これを解こうとしてそのしかたを考えたり,これを実際に行なって確かめたりすることができるようにし,学年が進むにつれて,はっきりした問題をとらえ,これを分析したり総合したりして考慮することに慣れさせ,筋道の通った考え方でくふう・処理することができるようにする。目標3については,低学年では,できるだけ遊びや作業など,からだを通して自然にはたらきかけ,自然の事物・現象についての観察を広め,その中から自然科学的な事実を意識するようにし,新しいことがらに出会ったときに,これを前の経験と結びつけていけるようにする。学年が進むにつれて,多くの経験の中から自然科学的な事実や基礎的な原理を理解させ,生活に応用してこれを合理化しようとするようにする。目標4については,低学年では飼育・栽培の世話の手伝いから始め,生物に興味や親しみをもつようにしむけ,これを愛護するようにし,学年が進むにつれてその気持ちを自然物一般に広げ,自然と人間との関係を考慮し,自然の保護や利用のしかたについての関心を深め,自然科学の進歩が生活を豊かにするのに役だつことを認識させるようにする。
1 目 標
(2) ごく身近な自然の環境について疑問をもつように導き,これを自分から進んで解こうとする気持ちを育てる。
(3) 主として遊びの形を通して,ごく簡単な自然科学的な事実に気づかせる。
(4) 学校や家庭などで育てている草花や動物の世話を手伝い,それらをかわいがるように導く。
また,自分のからだに関心をもち,からだのおおよそのつくりに気づくようにする。
(イ) あさがおのような粒の大きな種子をまき,種子のまき方を知る。まいた種子に水を与えて発芽を待ち,発芽や育つ様子を見守り,世話の手伝いをして,これを愛育しようとする。
(ウ) 春まいた草花の開花について話し合い,花・つぼみ・葉を観察するなどして,親しみをもつとともに,そのにおい・形・草たけなどの違いに気づく。
(エ) 秋咲く草花を観察して,秋になると春・夏のころ見られなかった草花の咲くことに気づく。
(イ) 樹木の葉にはいろいろの形や大きさのものがあることを知る。
(ウ) 樹木のはだは種類によってそれぞれ違うことに気づく。
(イ) 野山で草つみ,花つみ,花束づくりなどをして遊び,それぞれの花の種類や様子に気づく。また,木の実や茎・葉を使って木の実遊びをくふうしたり,草笛づくりや葉くらべなどをしたりして,実・茎・葉の大きさや形などに気づく。
(イ) きんぎょなどをガラスの水そうに入れてえさを与え,それらには大きさ・形などの違ったものがあることに気づく。
(イ) 天気を簡単な記号で1週間ぐらい記録することができるようになる。
(イ) 石ころを集め,大きさや形で分けたり,石並べなどをしたりして,石の大きさや形に関心をもつ。
(イ) 作ったおもちゃを風に当てたり,うちわであおいだりして,その動く様子が,風の向きや強さによって違うことに気づく。
(イ) 氷が水に浮くことや, 氷や雪が溶けて水になる様子などに気づく。
(イ) 磁石で身のまわりのいろいろなものを調べ,磁石が引きつけるものと,引きつけないものとがあることに気づく。
(ウ) 磁石を使うおもちゃや遊びをくふうして,磁石のはたらきに興味をもつ。
しかしこれらの学習においては,自然の事物・現象を直接学ばせ,そのおりおりの野山の姿を強く印象づけることがたいせつである。
(2) 内容(2)のア〔天気〕の学習では,児童には晴れと曇りの区別のつきにくい日もあるが,あくまでも児童の感覚を通して学習するように配慮することが必要である。
天気を記録するには,記号をいろいろくふうして記録させるようにする。
(3) 内容の文中「気づく」とあるのは,児童の自発活動によって実際のものについて観察したり考えたりなどして,みずから納得することをさしている。
したがって教師が話などにより,結果だけを教えこむような指導は避けなければならない。このことは第2学年以上においても同様である。
(4) 内容の文中「知る」とあるのは,児童が観察・実験などを通して学習するのを本態とするけれども,さらに教師が知識として与える面が必要な場合を意味している。したがって児童にじゅうぶん活動させないで教師が初めから教えこむことは避け,その知識も児童が納得できる程度を考えて,無埋のない指導をすることがたいせつである。このことは第2学年以上においても同様である。
1 目 標
(2) 身近な自然の環境から疑問を見いだし,いろいろくふうして,これを納得のいくように解決しようとする気持ちを育てるとともに,自然の事物・現象の目だった特徴を全体的,直覚的にとらえるように導く。
(3) 遊びや作業などの活動を通して,簡単な自然科学的な事実に気づき,これに関連する事物・現象を正しくみたり考えたり,扱ったりしようとする気持ちを育てる。
(4) 学校や家庭などで育てている草花や動物の世話を進んで手伝い,それらをかわいがり育てることに喜びをもつようにする。
また,自分たちの歯のつくりやはたらきに気づき,歯をたいせつにするように導く。
(イ) まいたり植えたりした種子や球根の芽ばえや育ち方が種類によって違うこと,よく育てるためには日がよく当たるようにし,ときどき水をやらなければならないことに気づく。
(ウ) 雑草を抜いたり,水を与えたりなどの手入れや世話の手伝いができるようになる。
(エ) 種子を取ったり,球根を掘ったりして,一つの種子や球根から多くの種子や球根ができることに気づき,翌年のためにそれらを保存することができるようになる。
(イ) 四季おりおりの野山の草を集めて,花だんやはちに植えたり,押し花や押し葉にしたり,木の実でこまなどを作ったりする間に種類によって花・実・茎・葉などが違うことに気づく。
(ウ) 秋から冬にかけて,葉が落ちる木と,そうでない木があることや,草や地上の部分がたいてい枯れてしまうことなどに気づく。
(エ) 早春の野山に出て,草木の芽ばえなどを観察したり,つみ草をしたりして,春めいた自然の印象を深める。
(イ) 田畑で採集した虫をびんや箱に入れて,えさを与え,食べる様子を観察するとともに,それらの虫の生活について興味を深める。
(イ) 池や小川(海)で採集したいろいろな動物を水草とともに水そうに入れて観察し,それぞれの形や泳ぎ方などについて違いのあることに気づく。
(イ) 乳歯は抜けかわること,抜けかわった歯は二度と抜けかわらないことや歯のはたらきを知り,歯をたいせつにするようになる。
(イ) 日によって.暑さ・寒さなどが違うことに気づく。
(ウ) 毎日の天気の様子を簡単な記号で2〜3週聞記録し,天気は日によって変わり,また1日のうちでも変わることがあることに気づく。
(エ) 吹き流しなどを利用して,風の向きや強さがいろいろと変わることに気づく。
(イ) 土や砂に水をかけ,水がしみこんでいく様子を観察して,地上に降った雨水の一部は地下にしみこむことを知る。
(ウ) 雨が降り続いたあとの小川や池などを観察して,川や池などの水がふえることから,雨水の一部は川や池に流れこんだり低い所にたまったりしていることに気づく。
(イ) 太陽は毎日東から出て西にはいることを知るとともに,これをもとにして,東西南北の方角を知る。
(ウ) 立木や建物などの影の動きに興味をもち,影は朝・昼・夕としだいに西から東へ動いていることから,影の動くのは,太陽が刻々動くためであることを知る。
(イ) 油粘土などで船を作って水に浮かべ,水に沈むものでも,形によっては,浮く場合があることに気づく。
(イ) うでの長さやうでのつけ方,つけるおもりの重さを変えると,つりあいが変わることに気づく。
(イ) ふくらませたゴム風船を水中に押し入れたり,水中で風船の口を開いたりして,手ごたえのあることや,あわのでることに気づく。
(ウ) ボールにたくさん空気を押し込むと,よくはずむようになることに気づき,空気をつめて使うものを考える。
(イ) 紙を吹いたり,輪ゴムなどをはじいたりして音を出し,それが震えていることに気づく。
(イ) 水の中にせっけんを少しずつ溶かして,そのたびにせっけんのあわを作ってみて,せっけん水の濃さによって,せっけんのあわがうまくできたり,できなかったりすることに気づく。
(2) 内容(1)のウ〔田畑の虫〕では,そのころの作物の種類や生育の様子にも注意を向けさせ,また田畑を荒らさないように指導することがたいせつである。なお採集した虫とあるのは,教師が採集し用意したものである。
(3) 内容の(1)エ〔池や小川(海)の生物〕については,海に近い所では潮干狩りなどを利用し,この内容と関係のある海辺の生物について学習させることが望ましい。採集した動物とあるのは教師が採集し用意したものである。
(4) 内容(2)のイ〔雨水のゆくえ〕,内容(3)〔身近にある道具やおもちゃ〕のところでは,具体的に経験するような指導が必要である。
(5) 内容(2)のウ〔太陽の動き〕については,日常の生活と結びつけて指導することがたいせつである。
(6) 内容(3)のカ〔音の出方〕・キ〔せっけんの溶け方〕の学習に用いる笛や管などのように口につけて吹くものは,吹く前によく洗わせ,衛生に注意することがたいせつてある。
1 目 標
(2) 身近な自然の環境から疑問をとらえ,これを解決しようとして,いろいろくふうしてみたり,ためしたりすることにより,自然の事物・現象の目だった特徴のとらえ方ができるようにする。
(3) 作業や考察などを通して簡単な自然科学的事実に気づき,これに関連した新しい事実の正しい見方,考え方,扱い方ができるようにする。
(4) 生物の飼育・栽培・野外観察などにより,いろいろな生物の生活の様子を知り,広く生物をかわいがるようにする。
また,外部からの観察を通して,人のからだのつくりの大要に気づくようにする。
(イ) 苗の植えかえをし,植物は植えかえるとじょうぶに育つものがあることを知る。
(ウ) つつじのようなつくりのわかりやすい花を観察して,花はがく・はなびら・おしべ・めしべなどからできていることを知る。
(エ) へちまには,実のできる花と実のできない花とあることに気づく。
(オ) へちまの水とりをし,根の吸った水が茎の上方にのぼることを知る。へちまの実の内部を観察し,その筋を利用することを知る。
(カ) 草や木で,さし木・株分けを行ない,植物には,さし木・株分けでふやすことのできるものがあることを知る。
(キ) 球根などの水栽培をし,根や芽が山る様子や,葉・つぼみ・花の様子を観察記録して,球根の中に養分のあることに気づく。
(ク) 草花などに霜よけをしたり,これらを簡単なフレームなどの中に入れたりして,草木の中には,冬の寒さを防いでやる必要のあるもののあることを知る。
(イ) 花だんや野山て普通に見られる植物の開花結実などの期日に違いのあることに気づくとともに草木の種子の散り方に気づく。
(ウ) 鳥や虫などの中には,年じゅう見られるものと,ある季節にだけ見られるものとがあることに気づく。
(エ) 1年の終わりに季節ごとの観察の記録を主とめて,季節の移り変わりについての理解を深める。
(イ) 採集した虫を飼って観察し,鳴く虫にもいろいろあることに気づき,雌雄の別,食べ物などを知る。
(イ) 季節により,暑さ・寒さに違いがあることに気づく。
(ウ) 1年の終わりに,季節ごとの観察記録をまとめ,季節の移り変わりについて理解を深め,季節の特徴を知る。
(イ) がけや切り通しなどで土や岩石を観察したり,柔らかい岩石を砕いたりして,土は岩石から変ったものであることを知る。
(イ) 石を集め,形・大きさ・かたさ・手ざわりなどで区別する方法にいろいろあることに気づくとともに,簡単な標本を作ることができる。
(イ) 水でっぽうを作って遊び,水が吸いこまれたり,押し出されたりするしくみに気づき,水を遠くへ飛ばすように押し方や傾け方などをくふうする。
(イ) 金属・木などを伝わって音がよく聞こえることに気づく。
(ウ) 聴診器・伝声管などを使って遊び,これらを使うと音がよく聞こえることに気づく。
(イ) 物の冷たさや暖かさの程度は,温度計を使えば正しく調べられることを知り,温度計の初歩的な扱いができるようになる。
(イ) 上記の寒剤を入れたガラスの器などの外側に水滴や霜のようなものがついたりすることに気づく。
(ウ) 寒剤の中に,水を入れたビーカーを入れ,水が冷えて氷になるときの様子に気づく。
(イ) 縫い針などを磁石でこすって,それが磁石になることに気づく。
(ウ) 磁石を自由に動くようにささえると,南北をさすことに気づく。
(エ) 磁石(コンパス)を使うと,方位を知ることができることに気づき磁石の使い方を知る。
(イ) 乾電池とブザー(または電鈴)の回路にスイッチをつないでブザー(または電鈴)を鳴らしたり,とめたりして,回路の一部が離れていると電気が通らないことに気づく。
(ウ) 乾電池とブザー(または電鈴)の回路に,金物・紙・木などを入れてブザー(または電鈴)の鳴り方を調べ,電気を通しやすいものと通しにくいものがあることに気づく。
(イ) ほう酸を水や湯に溶かして比べ,その溶け方が水の暖かさによって違うことに気づく。
(ウ) 湯に溶けたほう酸の液を冷やすと,湯がさめるにつれて,液中にほう酸が小さな粒となって出てくることに気づく。
(エ) 濃い食塩水(飽和溶液)を10倍ないし20倍にうすめて,うがい水を作ることができるようになる。
(オ) マッチやアルコールランプの扱い方を知り,安全に使うことができるようになる。
(2) 内容(1)のア〔学校園の世話〕と(2)のイ〔土の性質〕とは関係が深いから,その点を考慮して計画を立てる必要がある。
(3) 内容(1)のア(ウ)〔花のつくり〕の学習は,実物で観察したあとで,模型を使って理解を深めるように指導することが望ましい。
実物と模型との錯覚に注意することがたいせつである。第4学年の内容(1)のア(ウ)や,第5学年の内容(1)のウ(ウ)との関連を考えて指導することがたいせつである。
(4) 内容(3)のエ〔物の温度〕の学習は,今までの感覚的にとらえてきた冷温の程度を,温度計を使うと客観的に測れることを理解させる最初の段階である。
内容(2)のア〔四季の天気〕に関する学習においても,暑さ寒さは,気温に関係することから,気温を温度計を用いて測るように,しだいに指導することが望ましい。
この場合,温度を測るには,盲人用にくふうされた温度計を用いるようにする。細かい目もりの読みや,測定技能の指導は,第4学年にゆずり,ここでは温度計のだいたいのつくりや,基礎的な扱いの指導に重点を置くこと。
(5) 内容(3)のキ〔ブザーの鳴らし方〕の学習で,ブザー・乾電池などをホルダーに取り付けたり,また導線をつなぎやすいようにくふうすることがたいせつである。
(6) マッチ・アルコールランプなど,観察・実験に必要な器具の正しい扱い方を指導するだけでなく,必要に応じてこれを使用させ,その扱いに慣れさせるように指導することがたいせつである。
1 目 標
(2) 自然の環境から問題を見いだし,これを解決しようとする意欲を高め,いろいろくふうしてみたりためしたりして考え,いろいろな事物・現象の共通点や相違点に気づくようにする。
(3) 学校や家庭などにおける生活のなかで得られる事実をもとにして,それらの基礎となる自然科学の原理が理解できるようにする。
(4) 身近な自然の事物・現象を利用することに喜びをもたせ,自然物をたいせつにする態度を養う。
また,人のからだの成長や正常なはたらきに気づくようにし,人の栄養についても理解させる。
(イ) 植物には,じゃがいもなどのように,いもでふえるもののあることに気づく。
(ウ) 秋まきのえんどうなどは,春になると目だった育ち方をすることに気づくとともに,その花や実のつくり方を調べる。
(イ) 水辺・水面・水中に生育する植物の葉や茎を観察して,それぞれの著しい特徴に気づく。
(ウ) うきくさを水そうに入れておき,それが分かれてふえることや,日あたりなどによって,ふえ方に速いおそいのあることを知る。
(イ) かえるには,いろいろな種類があることを知り,それらのすむ場所や運動のしかたなどに気づく。
(イ) 潮のひいた砂浜,潮だまりまたはいそで,貝・うにのように手に入れやすい海浜の動物を観察したり採集したりして,それらにはいろいろな種類のあることや,それらの生活の様子に気づく。
(ウ) 海そうや海浜の植物のはえている様子を観察したり,それらを採集したりして,その性状が野山の植物と違っている点に気づく。
(エ) あさり・はまぐりなどのような二枚貝を観察して,貝がら・ちょうつがい・貝柱・足・入水管・出水管などのあることを知る。
(イ) こん虫はその種類によって,卵・幼虫・さなぎまたは成虫のようないろいろの状態で冬を越すことを観察し,あわせて,身近に見られるその他の動物の冬の越し方を知る。
(ウ) 春・夏のころ見られた鳥の中には,秋から冬にかけて見られなくなるものがあり,秋・冬のころになると春・夏のころ見られなかった種類の鳥が見られるようになることを知る。
(イ) 鼓動・体温・呼吸などが,運動したときや病気のときには正常時と違うことを知る。
(ウ) 口・目・耳・鼻・皮膚の清潔に注意し,むし歯・トラホーム・流行性角結膜炎などの病気にかからないようにする。
(イ) これらの栄養素は,それぞれ独自のはたらきをもっていて,一つの種類の食物だけでは,栄養を完全にとることはできないことを知る。
(イ) 気温を測り,それが1日のうちでも,また季節によっても変化することに気づく。
(ウ) 気温や水温を測り,気温との違いに気づく。
(イ) 川に木片などを流して流れの様子を調べ,川の中央と岸とでは流水の速さに違いがあることに気づく。
(イ) 海岸のがけ,砂浜の様子などから,海水にも川の水と同じようなはたらきがあることを知る。
(ウ) 雨水や川の水のはたらきで,長い間に土地の様子がしだいに変化していくことを知る。
(イ) 上ざらてんびんのはたらきを知って,正しく使うことができるようになる。
(イ) 卵などは水の中では沈むけれども,濃い食塩水の中では浮くことに気づく。
(イ) はさみ,おしぎりなどは,てこのはたらきを応用した道具であることを知り,その使い方に慣れる。
(イ) 水が凍るのは普通0°C,沸騰するのは普通100°Cであることを知る。
(イ) 温度計は温度の高低によって,水銀やアルコールなどが膨張・収縮することを知る。
(ウ) 水が氷になったり,氷が水になったりするときには,体積が変わる事実に気づく。
(エ) 水を少量入れた試験管を熱して,試験管にはめたせんを飛ばし,水は水蒸気になると体積が著しく増すことを知る。
(イ) 2個の乾電池をブザー(または電鈴)につなぐとき,直列・並列のつなぎ方によって,ブザー(または電鈴)の音の強さが違うことに気づく。
(ウ) ブザー(または電鈴)の音の強さが違うのは,ブザー(または電鈴)を流れる電流の強さが違うからであることを知る。
(エ) 乾電池や電鈴などを使って,簡単な呼びりんなどをくふうして作ることができる。
(イ) でんぷんを水に入れて振ったり,これを熱したりして,でんぷんは水に溶けないが,これを暖めるとのりになることに気づく。
(ウ) でんぷん液によう素液を加えると青紫色に変わることから,でんぷんを確かめるには,よう素液を用いればよいことを知る。
(エ) パンやごはんなどに,よう素液をつけると青紫色に変わることから,これらの食物にはでんぷんが含まれていることを知る。
(オ) ごはんをかんでいると甘くなることから,でんぷんは,つばのはたらきで砂糖のなかまに変わることを知る。
(イ) 水にあぶらを入れると,まじらないで上に浮くことから,あぶらは水に溶けないで,水より軽いことに気づく。
(ウ) あぶらの中にしんを立てて火をつけると,燃えることに気づく。
(イ) たんぱく質を含んだものを焼くと,特臭を出して変化することに気づく。
(ウ) たんぱく質には熱したり,酢を加えたりすると固まるものがあることに気づく。
(イ) 食塩水(または海水)を熱して水分を蒸発させ,食塩を取り出すことができることに気づくとともに,製塩法を知る。
(ウ) 食塩水を熱し,出てきた水蒸気を集めて冷やし,その水を味わって,食塩が含まれていないことに気づく。
(2) 内容(2)の気温・地温・水温の観測結果の記録やその処理については,算数科で得た知識・技能をじゅうぶんに活用し,また,これによって表やグラフについての理解を深めることがたいせつである。
また,温度を測るには,盲人用にくふうされた温度計を用いるようにし,それを正しく扱えるように指導することがたいせつである。
(3) 内容(3)のア(イ)〔川の流れの様子〕の学習は,糸の先に木片をつけ,そのひかれる力により流れの速さの違いに気づくなど,特別に考える必要がある。
イ〔水のはたらき〕に関する学習は,第2学年の内容(2)のイ〔雨水のゆくえ〕の発展として扱い,また,かわらの石についても指導することがたいせつである。
(4) 内容(4)のウ〔てこ〕に関する学習は,第6学年の内容(5)のエ〔てこ〕との関連を考え,ここでは日常用いられる道具を使い,それを通して具体的な経験を得させて,てこの三点とそれにはたらく力について理解させる。三点間の数量的関係については,第6学年で扱うようにする。
(5) 内容(4)のカ(イ)〔温度計のしくみ〕に関する学習は,盲人用にくふうされた温度計のしくみを理解させるとともに,水銀またはアルコール温度計についても,そのしくみを簡単に知らせることが望ましい。
(6) 内容(5)のア〔でんぷん〕・イ〔あぶら〕・ウ〔たんぱく質〕は,(1)のケ〔食物と栄養素〕との関連を考えて指導することがたいせつである。
(1)のア〔いもの栽培〕で収穫したいもは(5)のア〔でんぷん〕に利用することができる。
(7) 内容(5)のエ〔食塩水を水と食塩に分ける〕学習で,はじめてろ過という操作を用いる。操作に慣れさせるとともに,その意味についても理解させることがたいせつである。
1 目 標
(2) 自然の環境のなかにある問題を見いだし,解決の方法をいろいろ考えて事実に即して確かめ,処理できるようにする。
(3) 日常生活のなかで経験できる事実をもとにして,自然科学的な基礎的原理を理解し,これを生活にあてはめてみるように導く。
(4) 自然の事物や現象についての理解をもとにして,自然と人間との生活の関係に気づくようにし,自然を愛護しようとする気持ちを養う。
(イ) もみをまき,発芽したときの様子を観察し,芽の出方の特徴に気づく。
(ウ) いねの育ち方を観察して,株の分かれ方,花の咲く時期,花のつくりや開閉などを知る。
(エ) いね,むぎのほかにも,まつ・とうもろこしなどのように,こん虫のなかだちによらないで受粉するもののあることを知る。
(オ) 除草・施肥・水温や気温などが,いねの生育に関係することを知る。
(カ) いねは,ずいむしなどの害虫や病気におかされる場合のあることに気づくとともに,これらの害を防ぐ方法を知る。
(イ) 発芽には適当な水分や温度が必要なことを知る。
(ウ) かき・そらまめのように,つくりの見やすい種子を観察して,種皮・子葉・はい乳などがあることや,それぞれのはたらきを知る。
(エ) 種子をはちにまき,明るい所や暗い所で育て,茎の伸び方や色,茎や根の伸びる方向などが,光に関係することを知る。
(イ) 花には,かぼちゃのように雄花・雌花の別のあるのもあることを知るとともに,かぼちゃなどで人工受粉をしたり,受粉をさまたげたりして,花は受粉すると,めしべのもとがふくらみ,実となり,その中に種子ができることを知る。
(ウ) あぶらな・つつじ・たんぽぽなどの花びらの数・形・並び方などを観察して,それらのつくりの違いに気づき,それらのつくりには,それぞれよく似た花があることに気づく。
(エ) ちょう・がなどのからだのつくりを比較観察し,からだの区分や目・ひげ・はね・足などの共通点に気づき,これらがこん虫であることを知る。
こん虫には,このほか多くの種類のあることを知る。
(イ) 池や海などの水中には,みじんこ・ぞうりむし・けいそうなどの小さな生物がすんでいることを知り,これらが魚のえさになることを知る。
(ウ) いろいろな魚の種類や生活のしかたを調べて,魚には海にすむもの,川にすむものがあり,また生育の時期によって生活の場所を変えるものがあることを知る。
(エ) 近くの池や川の魚を採集したり,めだかなどのふやしやすい魚を飼育して,魚が卵から生まれて育っていく様子を観察するとともに,魚の養殖のしかたを知る。
(イ) 病原体が体内にはいっても,必ず発病するものではないが,栄養の不足や,過労,不摂生などのためにからだが弱っているときには,発病しやすいことを知る。
(ウ) 人体の寄生虫には,回虫・ぎょう虫・十二指腸虫などがあり,健康に影響することに関心をもつ
(エ) 回虫や十二指腸虫の寄生経路を知り,検便の必要や,これの駆除・予防についての理解を深める。
(オ) 病原体は日光・熱・薬品などによって殺すことができることを知り,これを実行するように努める。
(カ) が・はえの一生の変化や生活の様子を知り,これをもとにして,駆除する方法を考えることができるようになる。
(イ) 簡単な風向計を作って風の向きを測り,風向きは1日のうちでも変化することに気づくとともに風の向きや速さを正確に測るには,風向計,風速計を使うことを知る。
(ウ) 季節や場所(海岸・山あい)などによって,風が吹く向きやその変わり方に特徴があることに気づくとともに,風の向きや強さが日常生活と関係のあることを知る。
(エ) 風は空気の動きであることに気づくとともに,局地風の起こるわけを実験によって理解する。
(イ) 地層は水や風などのはたらきによって,粘土や砂などが積もり,長い年月がかかってできたことを考えることができる。
(ウ) 地層の傾きなどを観察して,地層はできてから後にもち上がったり,傾いたりすることを知る。
(イ) 岩石はそれぞれの性質によって利用され,砂岩・粘板岩などは石材として,石灰岩は石灰・セメントなどの原料として使われることを知る。
(イ) 化石が過去の生物であることや,出てきた化石によって,その化石を含んでいた地層のできた当時の様子が,現在の様子と違っていたことを知る。
(イ) 月は東から出て西に移るが,毎日その形が少しずつ変わっていくことを知る。
(イ) 北極星は方角を知るのに役だつことを知る。
(イ) 月は太陽の光を反射して光っていることを知る。
(ウ) 太陽は月とほぼ同じ大きさに見えるが,月よりも大きくて,遠くにあることを知る。
(エ) 北の空の星は,北極星のまわりを回っているように見えることや,そのほかの星も時間がたつにつれて,位置が変わっていくことを知って,星も太陽や月と同じように,1日たつとだいたいもとの位置に見えることを知る。
(オ) 太陽・月・星の1日の見かけの運行の事実から,地球は自転していることを知る。
(カ) 海岸に近づく船が帆柱から見え始めることなどから,地球が球形であることを知る。
(キ) 太陽は自転している地球の半分を照らすために,昼夜ができることを理解する。
(イ) 同じ物を木やガラスなどの板の上で動かし,面のなめらかさによって摩擦に大小のあることに気づく。
(ウ) 物を動かすとき,接触面にろうや油を塗ったり,ころや車を使ったりすると,運動をさまたげる力が小さくなることを,ぜんまいばかりなどを使って確める。
(エ) 身のまわりの道具や機械には,べアリングやブレーキなどのように,使う目的によって摩擦を小さくしたり,大きくしたりするくふうがされていることを理解する。
(イ) あき箱(直方体)などの内部につけたおもりの位置を変えたり,また,底の広さの違う箱を使ったりして,箱を少しずつ傾けて,その倒れ方を調べ,すわりのよしあしが,おもりの位置や重さ,底の広さに関係のあることを理解し,いろいろな物のすわりに関心をもつ。
(イ) 簡単な琴を使って,弦の長さ・太さ・張る強さの違いによって,音の高低の違いができることを理解する。
(ウ) 琴の弦をはじいたり,太鼓をたたいたりなどして,音の強弱は振幅の大小に関係することを理解する。
(イ) 水や金属なども,音を伝えることを知る。
(ウ) 音は物に当たってはねかえったり,まわりのものに吸収されることを実験によって理解する。
(イ) 金物などの一部を熱して,熱が物を伝わって移ることに気づき,物によって熱をよく伝えるものと,伝えにくいものがあることを理解する。
(ウ) 水や空気の一部を熱して,その動きを調べ,熱が水や空気の動きに伴って移ることを理解する。
(エ) 太陽からの熱や,ストーブなどのそばで受ける熱は,中間の空気を暖めないで直接物に移ることを知り,黒い物は白い物より暖まりやすい事実に気づく。
(オ) 日常生活には,熱の移り方をうまく利用しているもののあることに気づく。
(イ) 電磁石は,導線を多く巻いたり,電流を強くしたりすると,磁力が強くなることを理解する。
(ウ) 電磁石は,巻線に流れる電流の向きによって,極が変わることを確かめる。
(エ) 電信機やブザー・電鈴などには,電磁石が利用されていることを知り,それらのしくみやはたらきを理解する。
(オ) 電磁石を使った簡単な電信機やブザー(または電鈴)などをくふうして作ることができる。
(イ) 燃えているまきや木炭を火消しつぼに入れたり,水をかけたりすると火が消えることから,火を消すには空気を断ったり,温度を下げたりすることが必要であることを理解する。
(イ) 空気の中には,酸素のほかに窒素が含まれていることを知る。
(ウ) 口の広いびんの中でろうそくや炭火を燃やし,消したあとに石灰水を入れて振ると,白濁する事実を知る。
(エ) 石灰石・炭酸水素ナトリウム(重そう)または貝がらなどに塩酸を作用させて,二酸化炭素を捕集し,空気より重い気体であること,その中では物が燃えないこと,石灰水を白濁することを知り,二酸化炭素の検出法がわかる。
(オ) 二酸化炭素は水に溶け,その液は青色リトマス紙を赤く変えることを知る。
(イ) 木片を試験管でむし焼にすると,燃える気体が出て,あとに木炭ができることに気づく。
(ウ) 木炭・れん炭などが燃えるとき 一酸化炭素ができることがあり,この気体は有毒であることを知る。
(エ) アルコールランプとろうそくなどで,炎の様子を比較観察して,温度・すすのつき方は,燃える物や炎の部分によって違うことに気づき,炎は気体が燃えていることを知る。
(イ) せっけん水とま水に油を落としてよく振り,その変わり方を比較し,せっけん水は油を細かい粒に分けることを知る。
(ウ) せっけん水とま水に,すすを加えてよく振り,その変化を比べ,せっけん水はすすを細かく分ける性質のあることを知る。
(エ) せっけん水とま水の液面に毛糸や毛織物を浮かべ,せっけん水のほうが毛糸や毛織物の間に速くしみこむ性質のあることに気づく。
(イ) 木灰の上澄み液・アンモニア水・石灰水や,水酸化ナトリウム・せっけんの水溶液などは赤色リトマス紙を青く変えることを知り,これらのものは,アルカリ性であることを知る。
(ウ) 蒸留水・砂糖水・食塩水などは中性であることを知る。
(エ) 水酸化ナトリウムの水溶液と塩酸を適当な割合で混ぜると,中和して中性になり,その水分を蒸発させると食塩ができることを知る。
このような場合には,見学または視聴覚資料の活用によって,理解を助けたり,深めたりすることができる。
(2) 内容(1)のオ〔病原体と寄生虫〕については体育科との関連を,(6)のア〔火の起こし方〕・ウ〔燃料〕・エ〔せっけん〕については,家庭科との関連をじゅうぶん図る必要がある。これらについては,理科では体育科や家庭科の学習の基礎となる事項を取り上げることをたてまえとしている。
(3) 内容(3)のオ〔石炭と石油〕は,炭田・油田地方以外の一般の地域では,(6)のウ〔燃料〕と合わせて学習する程度に考えてよい。
(4) 内容(4)〔太陽・地球・月〕については,太陽の動きをもとにして,くふうされた模型を使用して理解させることが望ましい。
(5) 内容(6)のエ〔せっけんのはたらき〕に関する学習において,せっけん以外の洗剤をも取り上げることは望ましいが,ここではせっけんのはたらきを主として理解させることがたいせつである。
(6) 内容の文中「理解する」とあるのは,児童の活動と教師の指導によりじゅうぶん納得し,さらにこうして得られた知識が他の場合にもはたらくようになることをさしてしる。このことは第6学年においても同様である。
1 目 標
(2) 自然の環境のなかにある問題を見いだし,これを分析したり,総合したりして考察することに慣れさせ,筋道の通った考え方でくふう・処理することができるようにする。
(3) 日常生活のなかで経験できる事実をもとにして,自然科学的な基礎的原理を理解し,これを生活のうえにあてはめ,合理的な生活を営もうとする態度を養う。
(4) 自然と人間の生活との関係について理解を深め,自然の資源を保護する方法を考え,さらに進んでこれを利用することに関心をもたせる。
また,人のからだのしくみとはたらきについて知らせ,からだの各部が互いに関連してはたらいていることを理解させる。
(イ) 発芽しただいこんなどの根を観察して,根毛のあることに気づき,根毛のはたらきを知る。
(ウ) 茎は水分や養分の通り道であることを知る。
(エ) 植物は葉から水を蒸散している事実に気づき,気孔のはたらきを知る。
(オ) 葉や茎の表面の薄い皮は,いくつかのくぎりからできていて,その一つ一つが細胞であることを知る。
(カ) 緑の葉にはでんぷんのできること,その場合に日光が関係することを知る。
(イ) 樹木の切り口を観察して年輪のある事実に気づき,樹木は春・夏ごろよく育ち,秋・冬にかけて育ちの悪くなることを知る。
(ウ) 森林の中では,すぎ・ひのきなどが,まっすぐ上に伸びている様子を観察するとともに,ふじなどのような草木のつるが樹木に巻きつくと樹木の成長をさまたげることがあることを知る。
(エ) 繁茂した樹木の陰には,日かげに育つしだなどの植物がはえていることや,下草やこけと森林の樹木とは互いに関係しあって育つことを理解する。
(オ) 森林は鳥・獣などのよいすみかとなること,樹木を食害する虫を鳥が捕食することなどを理解して,生物の間のつながりを知るとともに,野鳥の保護に関心をもつ。
(カ) 森林が大水・風・土砂くずれ・雪の害などを防ぐに役だつことから,植林や森林保護の必要を知る。
(イ) まつたけ・しいたけなどのようなきのこには,柄とかさがあり,かさの裏面にはひだのあることに気づく。
(ウ) きのこは胞子によってふえることを知る。
(エ) しいたけのようなきのこの栽培のしかたから,きのこの育つ様子を知る。
(オ) かびも胞子によってふえることを知る。
(カ) かびにはいろいろな種類があり,こうじかびなどのように利用できるものや,くろかびのように腐敗の原因となるものなどがあることを知る。
(イ) 食物は口・胃・腸を通る間に細かく砕かれたり,消化液がまじったりして,消化・吸収されることを知る。
(ウ) 血液は心臓から押し出され,血管を通ってからだの各部に養分と酸素を送り,そこから不用なものを取り去ることを知る。
(エ) 肺臓は空気中から酸素を取り,二酸化炭素を出して,血をきれいにするはたらきをすることを知る。
(オ) 尿や汗は,体内に不用になったものが体外に出されるものであることや,汗には体温を調節するはたらきもあることを知る。
(カ) 目・耳のつくりやはたらきを知る。
(キ) 人のからだには病気を防いだり,病気にかかっても自然に直したりする力が備わっていることを知るとともに,予防接種などはこの力を強め,病気の予防に役だつことを知る。
(イ) 冷たい水を入れたコップの表面に,細かい水滴がつくことから,空気中には水蒸気のあることに気づく。
(ウ) 空気の湿り気は,空気中に含まれる水蒸気の量に関係のあることを知る。
(エ) セロハンなどで湿り気を測る道具を作り,湿り気が量的に測れることを知るとともに,湿り気を測って,それが天気によって違いがあり,日常生活にも関係があることに気づく。
(イ) 雲の高さ・形・種類などを知り,その変化は天気の変化に関係があることを知る。
(ウ) 雨量は,たまった水の深さで測ることを知り,簡単な雨量計を作って雨量を測るとともに,雨量は日常生活や産業に関係があることに気づく。
(エ) 積雪量の測り方を知るとともに,積雪量の多少が人の生活に関係深いことを理解する。
(オ) 降雨や降雪の量は,季節や土地によって違いのあることを知る。
(イ) 温泉は,地下から熱い湯がわき出したもので,火山地域に多いことを知る。
(ウ) 花こう岩,安山岩などを観察して,粒・かたさなどを知るとともに,これらが火成岩であることを知る。
(エ) 花こう岩,安山岩などは,石材として利用されていることを理解する。
(オ) 火成岩とたい積岩とを比較して,火成岩にはたい積岩と違う性質のあることを知る。
(カ) 岩石には火成岩やたい積岩などがあり,これらの岩石によって地かくができていることを知る。
(イ) 水晶や方解石などの鉱物の形を観察したり,ガラス・小刀などでかたさを比べたりして,その違いに気づく。
(ウ) 黄鉄鉱・黄銅鉱または方鉛鉱などの金属鉱物を観察して,形・かたさなど,これらの鉱物にはそれぞれ特徴があることを知るとともに,鉱物には金属を取り出すことができるものがあることを知る。
(イ) 立木や建物などの影を時刻を変えて調べ,太陽の高度や方位を知ることができる。
(ウ) 春分・夏至(げし)・秋分・冬至の日の,日の出・日の入りの方位・時刻,南中の太陽の高度,昼夜の長さなどを調べ,これらの違いに気づくとともに,季節による移り変わりを知る。
(エ) 季節の変化の起こる理由に関心を深め,その理由について考え,地球は自転しながら太陽のまわりを回っていることを知る。
(イ) 振り子はとけいに利用され,正しい時をきざむのに役だつことを知る。
(イ) ぜんまいばかりで物の重さを測ったり,そのぜんまいを手で引いてみたりして,物の重さを力の大小で考えることができる。
(ウ) ばねやゴムは,これをおし縮めたり引き伸ばしたりすると,もとにもどろうとする力がはたらき,また,急に力がかかるとき,ばねやゴムを間に置くと,力が弱められることを理解するとともに,身のまわりには,これらを利用した道具や機械があることに気づく。
(イ) かみ合っている二つの歯車の回転の向き,回転数などについて理解する。
(ウ) べルトは二つの車をつないで力を伝え,車の大きさが違うとその回転数が違い,ベルトのかけかたによって回転の向きが変わることを理解する。
(エ) チェーンは,二つの歯車をつないで力を伝え,歯車の大きさが違うと,その回転数が違うことを理解する。
(イ) 輪軸のはたらきを,てこの原理によって理解する。
(ウ) 歯車を使うと,力の方向や,大きさを変えてはたらかせることを理解する。
(イ) モーターの回るわけを磁石の性質によつて理解する。
(イ) 電熱器では電熱線によって,電球ではタングステン線によって,電流を熱や光に変えていることを理解する。
(ウ) 電熱器や電球では,電熱線やタングステン線の太さや長さを変えて,それに流れる電流の強さを変え,熱や光の出方が違うようにくふうされていることを理解する。
(イ) 屋内配線のしかたを知り,安全器・ヒューズなどのはたらきを理解する。
(ウ) 家庭の電気器具を安全に扱えるようになる。
(イ) いろいろな金属の針金や箔(はく)を観察して,それは金属の伸びたり広がったりする性質を利用したものであることを知る。
(ウ) 縫い針を使って,焼き入れや焼きもどしをし,かたさが変わることに気づき,その性質が刃物などに利用されていることを知る。
(エ) よくみがいたくぎを,空気中や水気のあるところに置いたり,これを熱したりして,それらの表面のさびる様子に違いのあることを知り,鉄のさびに黒さびと赤さびのあることを知る。
(オ) ろくしょうは銅を水分の多い所に長く置くとできることや,ろくしょうは有毒であることを知る。
(カ) 鉄を酸性の液に入れたり,アルミニウムを酸性・アルカリ性の液に入れたりすると溶けることに気づき,そのとき出てくる気体が水素であることを知る。
(キ) 鉄や銅にめっきしたものや,油・塗料を塗ったものを,そのままの鉄や銅などといっしょに水気の多い所に置き,さびる様子を比較観察してさびを防ぐ方法に気づく。
(イ) はんだはもとの鉛やすずよりも溶けやすいことに気づき,はんだづけをすることができるようになる。
(ウ) 合金の中には,黄銅のように色を美しくしたり,ジュラルミンのようにかたくしたり,ステンレススチールのようにさびにくくしたりしたものがあることを知る。
(イ) いろいろな糸や日本紙を調べて,それらが繊維からできていることや,それらの繊維は形状に違いのあることを知る。
(ウ) 毛織物・綿織物・ナイロン製品など,またはそれらの糸を熱したり,酸性・アルカリ性の液に入れたりして,繊維には,熱や薬品によって変化を受けやすいものと,受けにくいものがあることに気づき,正しい扱い方を考える。
(エ) 紙は植物の繊維を加工して作ったものであることを知る。
(2) 内容(5)のア〔振り子〕・イ〔ばね〕・ウ〔歯車〕・エ〔てこ〕については,数量的に実験して理解させる必要がある。ことにイ〔ばね〕・エ〔てこ〕については,算数科で得た知識・技能をじゅうぶんに活用し,また,この学習を通して,比例についての理解を深めることがたいせつである。
(3) 内容(6)のア〔金属の性質〕の学習にあたっては,既習の第3学年の内容(3)のキ〔ブザーの鳴らし方〕,第5学年の内容(5)のオ〔熱の移り方〕で学習した金属の性質を思い起こさせ,この学習と相まって金属の性質がまとまるように導く。
(4) 内容(1)のエ〔人体〕については体育科との関連を,(6)のウ〔繊維〕については家庭科との関連をじゅうぶん図ることがたいせつである。
2 学校の指導計画作成にあたっては,児童の能力や経験,児童が見いだした疑問や問題,教師の指導目標などを考慮して,全体をいくつかのまとまりに組織することが望ましい。
3 内容中(ア),(イ),(ウ)などの事項においては,内容の程度や望ましい学習活動を示してある。学習指導にあたっては,その地域の実情や学校の施設・設備などに応じ,適切な方法により,そのねらいを達成するように努めることがたいせつである。
4 内容中にあげた生物の種名や岩石名などは,その例を示したものであるから,地域の生物や地質などを考慮して,それを学習に生かすようにし,また季節や地域の気象・行事などとの関連に留意し,適切な時期に観察・実験・飼育・栽培などができるように計画する必要がある。
5 児童の発達段階に応じ,その興味関心を発展させ,児童の経験のしかたや度合い,実生活との結びつきを重んじて,つとめて身近な具体的な事物・現象からはいり,実証的,研究的な態度で学習させるようにすることがたいせつである。
6 全感覚を活用して,できるだけくふうして広く観察・実験を行なうことが必要であって,観察・実験を行なわないで,単に知識にのみ偏することのないようじゅうぶん留意することが必要である。
7 観察・実験にあたっては,論理的思考の発展,特に順序をふんだ技能の習熟に努めることはもとより,習得した知識の整理や結論の確認にじゅうぶん時間を予定して指導するように留意する必要がある。また,盲児童の特性をじゅうぶんに考慮して,特別の方法をくふうして適切に指導することがたいせつである。
8 学習指導にあたっては,これまでの児童の経験をもとにして動機づけに力を入れ,ものごとを分析的,論理的に追究する態度を養うことを重んずるとともに,全体的,直覚的につかむしかたを重視することがたいせつである。
9 学習の環境を整備し,自然の事物や現象に接する機会をできるだけ多くしたり,観察・実験に特別のくふうをこらしてたやすくできるようにしたりして,児童の自主的,積極的な学習態度を助長するように指導することが望ましい。
10 観察・観測・飼育・栽培などを継続して行なうために,必要に応じ指導の単位時間を分割したり,野外調査などのために,半日ないし一日,理科の時間をまとめたりして指導してもよい。
11 盲児童の特性をじゅうぶん考慮して事故の防止に留意する。野外観察・実験などにあたり,不注意あるいは,無意識な動作,好奇心による行動,扱い方を理解しないで操作することなどから,けがをしたり,機械器具を破損したりすることを理解させ,理科の時間ばかりでなく,日常生活においても科学的な考え深い行動をとる習慣をつけるように指導することがたいせつである。