第1.道 徳
道徳の目標,内容ならびに指導計画作成および指導上の留意事項については,小学校学習指導要領に示されたものに準ずるほか,下記の事項によるものとする。
1.指導計画は,児童の生活環境や心身の状態の特殊性を考慮して,具体的なものにすることが必要である。
2.児童の生活環境,生育歴,交友などについて,できるだけ多くの資料を収集,整理して,指導計画の作成と指導の実際に活用することが望ましい。
3.病弱に起因する性格や行動上の問題点をきょう正することに努め,明るく生きることができるように指導することが必要である。
4.指導の効果をあげるために,病院,寄宿舎および家庭との連絡を密接にするとともに,児童の日常生活全体を明るくし,よいふんい気を作るようにすることが必要である。
5.指導にあたっては,児童に健康回復に対する自信と希望をもたせ,自主性を尊重するように努めることが必要である。
6.指導にあたっては,特に児童が健康回復に対する自主的な習慣態度を育成するように留意することが必要である。
第2.特別教育活動
特別教育活動の目標,内容ならびに指導計画作成および指導上の留意事項については,小学校学習指導要領に示されたものに準ずるほか,下記の事項によるものとする。
1.指導計画の作成にあたっては,児童の生活環境,病弱の状態および発達段階を考慮して,種類,方法,時間などを慎重に定めることが必要である。
2.指導計画の作成およびその実施にあたっては,弾力性をもたせることが必要である。
3.指導にあたっては,広い地域から随時入学してくる児童たちが,できるだけ早く相互に理解しあい,楽しく自主的な活動ができるように、特に配慮することが必要である。
4.指導にあたっては,児童の自発的な実践活動を促すことがたいせつであるが,児童の病弱の状態に注意して,心身の負担過重にならないように留意することが必要である。
第3.学校行事等
学校行事等の目標,内容ならびに指導計画作成および指導上の留意事項については,小学校学習指導要領に示されたものに準ずるほか,下記の事項によるものとする。
1.指導計画は児童の生活環境,病弱の状態に応じ,特に健康観察,健康診断,健康相談,病気の予防措置などの保健的行事を充実することが必要である。
2.指導計画の作成およびその実施にあたっては,児童の生活環境の特殊性を考慮し,生活の単調化を防いで楽しくするようにしなければならない。
3.指導計画の作成およびその実施にあたっては,弾力性をもたせることが必要である。
4.指導にあたっては,児童の積極的参加を促すことがたいせつであるが,児童の病弱の状態に注意して,心身の負担過重にならないよう留意することが必要である。
昭和38年2月27日発行
東京都千代田区霞ヶ関3の4 著作兼
印 刷 者 正敏社印刷所 |