第4章 学校における教育課程の編成
1 一般方針
聾(ろう)学校高等部における教育課程は,以上の章に示したところに従い,地域社会および学校の状況を考慮し,下記により編成されなければならない。
(2) 全学年を通じて,一貫した計画のもとに,教科,科目およびその単位数ならびに,特別教育活動およびその時間数を配当し,組織的,能率的な指導ができるように教育課程を編成する。
(3) 共通に必要とする教養をなるべく広く与えることができるようにするとともに,事情のゆるす限り個々の生徒の希望により自由に選択することができるように,教科,科目およびその単位数を設ける。
(4) 各教科,科目および特別教育活動の指導が,全体としての教育課程の中で調和を保つように編成する。
2 留 意 点
聾(ろう)学校高等部における教育課程は,上にしるす方針に準拠し,次に述べる諸点に留意して,具体的に編成されなければならない。
(2) 施設,教員数,生徒数を考慮して,組織的,能率的な指導ができるようにする。
(3) 各教科,科目および特別教育活動の指導が,全体として調和が保たれるようにする。
(4) 教科,科目とその単位数ならびに,特別教育活動とその時間数の配当にあたっては,全学年を通じて一貫した計画のもとに行なう。
(5) 一般的な教養を広く与えるとともに,特に課程の目ざす専門的知識,技能に習熟することができるよう,生徒の個性と進路の必要に応じ教科,科目を選定し,弾力性のある教育課程を作成する。
(6) 生徒の個性や進路,さらに関心等の共通面に着目して,その必要をできるかぎり満たすよう教育課程を編成するとともに,能率的な学習ができるように配慮する。
(7) 各課程ごとに,その課程の目標に従い,教科,科目を組織するとともに,その専門とする教科,科目に特に重点を置く。
(8) 専門的な技能を重視するあまり,その時間数をいたずらに増加して生徒の負担過重に陥らないように留意する。
(9) 教科,科目を組織するにあたっては,それぞれの教科,科目の指導内容がじゅうぶん連絡と調和を保つよう,発展的に系統づけられるように配慮し,学年の履修の順序を定める。
(10) 教科,科目を各学年に配当するに当っては,1個学年において出来るだけまとまった経験が与えられるように配慮し,指導時間数の細分化を避ける。
(11) 生徒の個人差に着目するとともに,学力の実態をよくはあくし,その遅滞や偏向に特に留意する。
(12) いわゆる普通教科,科目と職業に関する専門の教科,科目の間の連絡を密にし,調和のある指導を受けさせるように留意する。
(13) 広く一般社会との交流をもたせるように留意し,各種の行事への参加や職場見学,工場実習等を効果的に活用するようにくふうする。
(14) 特別教育活動においては,生徒の自発的活動を助長するとともに,常に教師は適切な指導を行ない,各活動相互の関連ならびに,各教科,学校行事との関連に留意し,特に公民的資質を育成し,豊かな心情を養い,個々の生徒に対する進路指導についても,じゅうぶんな機会が与えられるように配慮する。
3 生徒の履修に対する指導
学校は,各課程および各課程で選択させる教科,科目のうち,生徒がいかなるものを選んで履修したらよいかについては,下記により,じゅうぶんな指導を行なわなければならない。
(2) 学校は,その教育課程について,個々の課程の特性と目標とを明らかに生徒に理解させ,それぞれの課程において共通に履修することを要する必修の教科,科目およびその単位数と,個々の生徒が自由に選択履修することのできる教科,科目およびその単位数との関係をじゅうぶんに理解させるようにする
(3) 学校は,学年の開始以前に,じゅうぶんな余裕のある時期において,課程別に,教科,科目および単位数の配当表等を生徒に示し,その履修について適切な指導を与える。
聾(ろう)学校 高等部 学習指導要領 一般編
MEJ2801
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