第13節 音 楽
第1款 目 標
1 音楽の学習経験を通して,音楽の芸術的な表現に必要な知識や技術を習得させる。
2 音楽の学習経験を通して,美的感覚を洗練し,創造性に富む音楽の表現や鑑賞の能力を高める。
3 音楽の学習経験を通して得た知識や技能をもって,わが国音楽文化の発展に寄与する態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 音楽理論
1 目 標
音楽学習に必要な基礎的な知識や法則を習得させ,理論的に思考する能力を養うとともに,これらを音楽の実践に活用する能力を身につけさせる。
2 内 容
(2) 和声法
(3) 対位法
(4) 楽式論
(5) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 和声法においては,その概論について行ない,課題や楽曲の分析などを通して,和声に関する思考力を育成するように考慮する。
(3) 対位法においては,その概念をはあくさせるようにする。
(4) 楽式論においては,基礎楽式を中心とし,楽曲構成原理の概念をはあくさせるようにする。
第2 音 楽 史
1 目 標
日本音楽および西洋音楽の変遷について文化的背景と結びつけながら考察し,各時代における音楽の性格と音楽の文化的意義とを明らかにすることによって,音楽に対する理解を深める。
2 内 容
(2) 日本音楽史
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 音楽史上の顕著な事項について,その生成の理由や原因,あるいはその歴史的意義をはあくさせるなどして,音楽に対する適正な解釈が与えられるように考慮する。
(3) 日本音楽史の取り扱いでは,わが国の音楽に対する愛情や正しい理解をもたせるように配慮する。
(4) 鑑賞との関連を保ち,レコード,図版などをじゅうぶんに活用して,学習効果をあげるようにくふうする。
第3 ソルフェージュ
1 目 標
リズム,旋律,和声などの聴取や表出の経験を通して,音楽を感得し,正しく表現するための基礎的能力を養う。
2 内 容
(2) 視 唱
(3) 視 奏
(4) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 聴音,視唱,視奏などは相互に関連を保って行う。
(3) 聴音は,リズム,旋律,和声について行なう。
(4) 視唱は,リズム練習,音程練習のほかに,速度,強弱,フレージングなどの練習をも行なうようにする。
なお,譜表は高音部譜表のみにとどまらず,低音部譜表やハ音譜表についても取り扱うことが望ましい。
(5) 視奏は,視唱に準じて行なうが,できればピアノ,弦楽器,管楽器などに分け,それぞれの楽器の特性に応じた指導を行なうことが望ましい。
また,移調や拍子の変更などについても練習することが望ましい。
第4 合 唱
1 目 標
合唱による協同の音楽経験を通して,各声部の均衡と各声部の融合とを図り,統一ある演奏のための基礎的技能や態度を身につけさせる。
2 内 容
(2) 重 唱
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 合唱の基本的態度として,協調性および指揮に順応することのたいせつなことを理解させ身につけさせるようにする。
なお,生徒の能力に応じて,指揮の体験をさせるようにする。
(3) 重唱は,生徒の必要や能力に応じて履修させ,二重唱,三重唱等種々の形態による経験をさせるようにする。
第5 合 奏
1 目 標
合奏による協同の音楽経験を通して,各声部の均衡と全体の調和を図り,統一ある演奏のための基礎的技能や態度を身につけさせる。
2 内 容
(2) 重 奏
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) いたずらに楽曲数を増すことよりも,合奏の基本的な態度や基礎的技能が積み重ねられ身につくように,体系をもった指導計画をたてるようにする。
(3) 生徒の能力に応じて,指揮の体験をさせるようにする。
(4) 重奏は,生徒の必要や能力に応じて履修させ,二重奏や三重奏等種々の形態による経験をさせるようにする。
第6 声 楽
1 目 標
声楽に関する知識や技術を習得させ,それらを活用して,芸術的な表現ができる能力を養う。
2 内 容
(2) 声 楽 B
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 声楽Bは,声楽を専門とする生徒を対象とする内容で,最低6単位を履修させるようにする。
(3) 生徒の身体的発達をじゅうぶんに考慮し,確実に基礎的な技術が身につくように指導計画を作成し,いたずらに高い技術を求めるようなことのないように注意する。
(4) 演奏が常に音楽の解釈と結びついて,より高い表現へと向かうように配慮する。
(5) 美しい声,よい声,また正しい発音で歌えるような技術の指導とともに,音楽的な感覚や感受性が高まるように考慮する。
(6) 発声器官に関する知識を得させ,技術の裏づけとなるような指導も考慮する。
第7 ピ ア ノ
1 目 標
ピアノ演奏に関する知識や技術を習得させ,それらを活用して,芸術的な表現ができる能力を養う。
2 内 容
(2) ピアノB
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) ピアノBは,ピアノを専門とする生徒を対象とする内容で,最低6単位を履修させるようにする。
(3) ピアノA,ピアノBともに,確実に基礎的な技術が身につくように指導計画を作成し,いたずらに練習曲の進度を早めるなど,生徒の関心のみにとらわれないように留意する。
(4) ピアノBの指導では,伴奏の経験をさせるように考慮する。
(5) 美しい音,よい音が作り出せるような技術の指導とともに,音楽的な感覚や感受性が高まるように考慮する。
(6) 演奏技術が常に音楽の解釈と結びついて,より高い表現へと向かうように配慮する。
(7) ピアノに関する知識を得させ,技術の裏づけとなるような指導も考慮する。
第8 弦 楽 器
1 目 標
弦楽器の演奏に関する知識や技術を習得させ,それらを活用して,芸術的な表現ができる能力を養う。
2 内 容
(2) 弦楽器B
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 弦楽器Aは,弦楽器を専門とする生徒を除く者のうちで,弦楽器に対する興味や関心をもつ者が選んで履修する内容で,最低3単位を履修させるようにする。
(3) 弦楽器Bは,弦楽器を専門とする生徒を対象とする内容で,最低6単位を履修させるようにする。
(4) 弦楽器A,弦楽器Bともに,確実に基礎的な技術が身につくように指導計画を作成し,いたずらに練習曲の進度を早めるなど,生徒の関心のみにとらわれないように留意する。
(5) 美しい音,豊かな音が作り出せるような技術の指導とともに,音楽的な感覚や感受性が高まるように考慮する。
(6) 演奏が常に音楽の解釈と結びついて,より高い表現へと向かうように配慮する。
(7) 弦楽器に関する知識を得させ,技術の裏づけとなるような指導も考慮する。
第9 管 楽 器
1 目 標
管楽器の演奏に関する知識や技術を習得させ,それらを活用して,芸術的な表現ができる能力を養う。
2 内 容
(2) 管楽器B
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 管楽器Aは,管楽器を専門とする生徒を除く者のうちで,管楽器に対する興味や関心をもつ者が選んで履修する内容で,最低3単位を履修させるようにする。
(3) 管楽器Bは,管楽器を専門とする生徒を対象とする内容で,最低6単位を履修させるようにする。
(4) 管楽器A,管楽器Bともに,生徒の身体的発達を考慮し,確実に基礎的な技術が身につくように指導計画を作成する。
(5) 美しい音,豊かな音が作り出せるような技術の指導とともに,音楽的な感覚や感受性が高まるように考慮する。
(6) 演奏が常に音楽の解釈と結びついて,より高い表現へと向かうように配慮する。
(7) 管楽器に関する知識を得させ,技術の裏づけとなるような指導も考慮する。
第10 打 楽 器
1 目 標
打楽器の演奏に関する知識や技術を習得させ,それらを活用して,芸術的な表現ができる能力を養う。
2 内 容
(2) 打楽器B
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 打楽器Aは,打楽器を専門とする生徒を除く者のうちで,打楽器に対する興味や関心をもつ者が選んで履修する内容で,最低3単位を履修させるようにする。
(3) 打楽器Bは,打楽器を専門とする生徒を対象とする内容で,最低6単位を履修させるようにする。
(4) 打楽器A,打楽器Bともに,確実に基礎的な技術が身につくように指導計画を作成する。
(5) 正しいリズム,美しい音,豊かな音が作り出せるような技術の指導とともに,音楽的な感覚や感受性が高まるように考慮する。
(6) 演奏が常に音楽の解釈と結びついて,より音楽的な表現へと向かうように配慮する。
(7) 打楽器に関する知識を得させ,技術の裏づけとなるような指導も考慮する。
第8 作 曲
1 目 標
作曲に関する知識や技術を習得させ,それらを活用して,芸術的な創作ができる能力を養う。
2 内 容
(2) 作曲 B
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 作曲Bは,作曲を専門とする生徒を対象とする内容で,最低6単位を履修させるようにする。
(3) この科目で扱われるものは,和声法,対位法,楽式論などの理論のほかに,自由な創作をも含める。また,生徒の能力や進度に応じて管弦楽法やフーガ作法なども,適宜取り扱うことができる。
(4) 理論の学習にあっては,単なる知識として終わることなく,常に実音を通して実感に訴えて行なう。
(5) 作曲に必要な創造力や構成力の基礎となる感覚と感受性を高めるとともに,あらゆる機会をとらえて創作意欲を刺激するように留意する。
(6) いろいろな楽器や声に関する理解を深め,創作についての広い経験をもたせるように配慮する。