第12節 水 産
第1款 目 標
1 水産業の各分野における生産および経営に必要な知識と技術を習得させる。
2 水産技術の科学的な根拠を理解し,その改善進歩を図ろうとする能力を養う。
3 水産資源に対する科学的な理解を深めるとともに,これを愛護し,適切に利用する能力と態度を養う。
4 水産業と国民経済との関係を理解させ,水産業を合理化しようとする態度を養う。
第2款 各 科 目
第1 水 産 一 般
1 目 標
(2) 水産業の沿革と状況を理解させる。
(3) 水産業の各分野の一般知識と基礎的技術を理解させる。
2 内 容
(3) わが国の水産業の現状 (4) 世界の水産業の現状
(5) 海洋・気象 (6) 水産生物
(7) 漁場と漁期 (8) 水産生物の採り方
(9) 水産増殖 (10) 水産製造
(11) 水産経営 (12) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 水産業のそれぞれの分野は相互に密接な関係があることと,また数学,理科等の応用部門の広いことに注意して指導する。
(3) 地域で行なわれている水産業の実際をなるべく多く見学させたり,その概要を調査させるなどして,水産業に興味をもつように指導することがたいせつである。
(4) 標本その他の視聴覚教材なども利用して,学習効果があがるように指導する。
第2 水 産 生 物
1 目 標
(2) 水産生物の種類や形態および生理生態に関する知識を得させ,水産業との関連を認識させる。
(3) 水産生物の採集,観察および標本作成等の知識と技能を習得させる。
2 内 容
(3) ほ乳類
(4) 水産業と関係の深い鳥類,は虫類および両せい類
(5) 魚 類 (6) 円口類および原索動物
(7) きょく皮動物 (8) 節足動物
(9) 軟体動物 (10) その他の水産動物
(11) 水産植物の分類 (12) 水産植物の生活
(13) プランクトン (14) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 水産生物の種類や名まえを分類的に見分けることができるよう,科学的な研究と習慣を身につけさせることに留意して指導する。
(3) 実験・観察・採集調査を重視する。
第3 海洋・気象
1 目 標
(2) 海洋および気象の観測の知識と技術を習得させ,水産技術に活用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 海水の物理的,化学的性質とそれらの相互関係
(4) 波 浪 (5) 潮 汐(せき)
(6) 海 流 (7) 海洋と水産生物との関係
(8) 大気の物理的性質 (9) 天気予報に必要な諸要素
(10) 天気予報 (11) 海上気象と漁業との関係
(12) 各種観測器械の構造,取り扱い (13) 海洋観測
(14) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 自然現象を正しく観察する態度を養い,観測,調査に重点をおいて指導する。
第4 漁 業
1 目 標
(2) 日本および世界で行なわれている重要漁業と,それらの漁具・漁法を理解させる。
(3) 漁具の製作や保存および修理の知識と技術を習得させる。
(4) 水産生物の習性を知らせ,漁場と漁期の条件および漁具・漁法を理解させる。
(5) 水産生物を適正かつ効果的に漁獲するため,水産資源の概念を理解させ,漁具・漁法および漁獲物処理などについて,科学的にくふう改良する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 漁具の分類とその漁法 (4) 漁場と漁期
(5) 漁場施設 (6) 漁 船
(7) 漁 港 (8) 日本近海の漁業と海況および気象
(9) 日本および世界における重要漁業の概要
(10) 網漁具 (11) つり漁具
(12) 主要漁業各論 (13) 水産資源の調査および研究
(14) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 地域で行なわれている漁業を中心にして指導し,実験・調査・実習を重視する。
(3) 標本用電気・機械に関する技術の習得を関係項目の中で重視して指導する。
(4) 漁業その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(5) 乗船実習で総合的に漁業の実態を確認させ,漁具の操作や漁船の運用などに応用できる能力をつけさせるように指導する。
第5 漁 船
1 目 標
(2) 漁船関係法規の意義と大要を理解させる。
(3) 漁船の舶体構造および機能について基礎的な知識を理解させる。
(4) 船舶理論の概要と簡単な船舶計算を理解させ,船舶の安全な運航を行なうのに必要な知識を得させる。
(5) 船舶をたいせつに管理する態度を養う。
2 内 容
(3) 船体構造 (4) 船舶理論の概要と船舶計算
(5) 魚倉
(6) 各種漁船の構造および,ぎ装上の特徴
(7) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 船体配置図の見方に慣れ,船室や魚倉および機械器具等の配置状況を早く理解できるように指導する。
(3) 標本その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(4) 造船,造機工場を見学し,船体,機関の材料や構造および工程等について知識・理解を得させるようにする。
(5) 初歩の造船製図について指導するのもよい。
(6) 乗船実習によって総合的に漁船の機能を理解させる。
第6 航 海
1 目 標
(2) 船位決定に必要な各種計算に習熟させ,その応用能力を養う。
2 内 容
(3) 水路図誌 (4) 航路標識
(5) 沿岸航法 (6) 電波航法
(7) 天文概説 (8) 時および時法と天体諸元の求め方
(9) 緯度算法 (10) 天測による船位決定法
(11) 日出没時,薄明時および月出没時算法
(12) 天測による自差測定法 (13) 海流と潮汐
(14) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 基礎計算に習熟させるとともに,正確な位置記入ができるように指導する。
(3) 練習問題の反復練習に重点をおき,乗船実習で活用できるように指導する。
第7 航 海 計 器
1 目 標
(2) 各種航海計器の使用法に慣れさせ,その取り扱いや簡単な故障修理の知識と技能を習得させる。
(3) 航海計器の重要性を認識させ,これをたいせつに管理する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 測程機 (4) 測深機
(5) クロノメータ (6) 電波計器
(7) ジャイロコンパス (8) 自動操舵装置
(9) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視するとともに優秀船舶の設備や製作会社の見学を行なうことが望ましい。
第8 運 用
1 目 標
(2) 操船一般,船舶運動力などについて理解させ,船舶を安全に運航する知識と技術を習得させる。
(3) 保安応急法,船体の保存,修理,検査などに関する知識と技術を習得させる。
(4) 船内の職務を責任をもって遂行し,乗組員と協同する態度を養う。
2 内 容
(3) 船用品と属具 (4) 船舶運動力
(5) 操船一般 (6) 漁獲物積載法
(7) 保安応急法 (8) 船体の保存手入れ
(9) 船舶乗組員の編成および船務 (10) 各種信号法
(11) 各種結索法 (12) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視する。
(3) 海事関係科目を総合し,乗船実習で漁船を運航する能力をつけさせるように指導する。
第9 海 事 法 規
1 目 標
(2) 海上衝突予防法およびこれに関連する航海法規を理解させ,海上において適切な処置がすみやかにとれる知識と技術を習得させる。
(3) 積極的に法を守る態度を養う。
2 内 容
(3) 船員法 (4) 船舶職員法
(5) 海上衝突予防法 (6) 特定水域航行令
(7) 港則法 (8) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 機関科では,必要な関係法規に重点をおいて指導する。
第10 水 産 法 規
1 目 標
(2) わが国水産業の法制上の組織を理解させる。
(3) 法規に親しみ,法に従う態度を養う
2 内 容
(3) 水産行政機構 (4) 漁業権および入漁権
(5) 許可漁業制度 (6) 漁業調整
(7) 水産業協同組合 (8) 公海漁業
(9) 漁 港 (10) 水産資源の保護
(11) 水産金融 (12) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 地域で行なわれている水産業の実状を例に取り上げ,できるだけ平易に指導する。
第11 水 産 製 造
1 目 標
(2) 水産物の処理加工とそれに関する機械器具取り扱いの知識と技術を習得させる。
(3) 水産製品の検査および管理に関する知識と技術を習得させる。
(4) 水産物を衛生的,合理的に処理する態度を養う。
2 内 容
(3) 水産加工原料の成分とその利用価値
(4) 水産動物の死後における変化と鮮度鑑定法
(5) 水産加工原料の取り扱い
(6) 水産加工品の種類,製法,検査ならびに設備
(7) 副資材 (8) 水産製品の保蔵
(9) 水産製造工場の経営および管理 (10) 工場設計
(11) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視する。
(3) 標本その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(4) 加工用機械およびそれに関連する電気に関する知識と技術の習得を関係項目の中で重視して指導する。
第12 水 産 化 学
1 目 標
(2) 食品に関する化学を理解させる。
(3) 化学分析の知識と技術を習得させる。
(4) 水産化学の知識と技術を水産製造に応用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 水産食品の化学的変化 (4) 食品の栄養価と代謝作用
(5) 水産物の分析 (6) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 水産増殖科では必要な項目に重点をおいて指導する。
(3) 実験・観察を重視する。
第13 水産微生物
1 目 標
(2) 微生物の取り扱いに関する知識と技術を習得させる。
(3) 微生物に関する知識と技術を水産製造に応用する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 微生物の生活環境による変化
(4) 水産物の腐敗および毒生成と微生物との関係
(5) 水産物の加工処理と微生物 (6) 食品と病源菌
(7) 微生物実験法 (8) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 標本その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(3) 基礎的実験を重視し,できるだけ平易に指導する。
第14 冷蔵・冷凍
1 目 標
(2) 食品製造において冷凍利用の合理的経営が行なえる能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 冷 媒 (4) モリエル線図
(5) 冷凍装置 (6) 冷凍機器の取り扱いと保安
(7) 低温貯蔵法 (8) 食品冷凍
(9) 製 氷 (10) 冷凍に関する法規
(11) 冷凍工場の経営管理 (12) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 「水産製造法規」と関連させ,将来冷凍機取扱い主任者として立ちうる技術的素養が体得できるように留意して指導する。
(3) 機械運転実習にあたっては,災害の予防に注意する。
第15 ボ イ ラ
1 目 標
(2) ボイラの取り扱いに関する知識と技術を習得させる。
(3) ボイラに関する法規を理解させ,災害を未然に防止する能力と態度を養う
2 内 容
(3) 燃料および燃焼 (4) ボイラの取り扱い
(5) 関係法規 (6) 熱管理
(7) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実習に際しては機械の取り扱いを慎重に行ない,災害の予防に注意する。
(3) 「水産製造法規」と関連させ,将来ボイラ技士として立ちうる技術的素養を体得できるように留意して指導する。
第16 水産製造法規
1 目 標
(2) 法規に親しみ,法に従う態度を養う。
2 内 容
(2) 食品衛生 (3) 工場施設の管理
(4) 労務管理 (5) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 「水産法規」の法に関する一般的知識や,その他必要な項目との関連をはかって指導する。
第17 水 産 増 殖
1 目 標
(2) 増殖に関する知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 温水性魚類の増殖 (4) 冷水性魚類の増殖
(5) 海産生物の増殖 (6) 水産資源
(7) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視する。
(3) 標本その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(4) 地域の水産増殖業発展に役だつよう内容の選択に留意して指導する。
第18 水 産 土 木
1 目 標
水産増殖に必要な水理・土木関係について基礎的な知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 計画・設計・製図 (4) 測量法および器械器具の使用法
(5) 測量法の応用 (6) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) つとめて現場実習を行ない,その理解を深めるように指導する。
第19 水 産 経 営
1 目 標
(2) 水産経営の実態を理解させ,合理的な経営管理をする能力と態度を養う
2 内 容
(3) 漁業生産の構造 (4) 水産業の企業形態
(5) 漁村と漁家における問題 (6) 水産経営における管理組織
(7) 水産業における労務管理 (8) 水産業における財務管理
(9) 水産物流通 (10) 水産製造業の経営
(11) 水産養殖業の経営 (12) 水産経営の合理化と社会化
(13) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 地域で行なわれている水産業のそれぞれの分野に重点をおいて指導する。
(3) 実地調査を重視し,正確な統計資料を集めることに重点をおく。
(4) 地域の水産経営を能率的に改善発展することに役だつように指導する。
第20 水 産 簿 記
1 目 標
(2) 経理を明確に処理し,分析する能力と態度を養う。
(3) 簿記の知識を用いて,水産経営を合理化しようとする能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 漁業簿記 (4) 水産養殖業簿記
(5) 水産製造業簿記 (6) 水産物の原価計算
(7) 水産業協同組合簿記 (8) 財務諸表と経営分析
(9) 水産業と税務 (10) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 記帳・計算を重視する。
(3) 取引き例は水産関係取引きを取り上げて指導する。
(4) 学科の必要に応じ内容を選択して重点的に指導する。
第21 漁 船 機 関
1 目 標
(2) 燃料および潤滑油を科学的かつ経済的に取り扱う知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 蒸気機関とその付属装置 (4) ディーゼル機関
(5) 電気着火機関および焼玉機関 (6) 指圧器および指圧図
(7) 推進,軸系およびプロペラ (8) 燃 料
(9) 潤滑油および潤滑装置 (10) 舶用補機(漁船に装備する補助機械)
(11) 冷凍装置 (12) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視し,実技を習得することに重点をおいて指導する。
(3) 標本その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(4) 災害の予防に注意する。
第22 機関設計工作
1 目 標
(2) 製図および読図に関する基礎的な知識と技術を習得させ,簡単な機械,器具および装置を設計に従い製図できる能力を養う。
(3) 適切な材料を選定して機械,器具および装置を工作修理できる基礎的な知識と技術を習得させるとともに,測定,検査に関する技能を養う。
2 内 容
(3) 軸に関する機械要素 (4) 伝動装置
(5) 管弁ばね,ブレーキ
(6) 製図通則および機械要素の製図と読図法
(7) 機械材料 (8) 機械工作法
(9) 測定,検査器具の種類と取り扱い
(10) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 学習内容が広範囲にわたるので,機械設計,機械工作および製図に関する内容を適宜に配分して指導することが望ましい。
(3) 単に知識の技術の習得に終わらせることなく,系統的に理論面と実際面とを融合させるように努め,基礎的な実験・実習は学習と平行して実施する。
(4) 標本その他の視聴覚教材などを利用して,学習効果があがるように指導する。
(5) 災害の予防に注意する。
第23 舶 用 電 機
1 目 標
(2) 舶用電気機器の原理,構造および特性を理解させ,その取り扱いに関する知識と技術を習得させる。
2 内 容
(3) 交流とその回路 (4) 三相式交流
(5) 直流機械 (6) 交流機械
(7) 電気計測 (8) 配電系統
(9) 電 池 (10) 電動力応用および電気応用
(11) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 電気の基礎理論を重視する。
(3) 災害の予防に注意する。
第24 電気通信理論
1 目 標
(2) 電子管回路の動作,原理について理解させ,回路定数が決定できる知識と技術を習得させる。
(3) 空中線の種類,動作および構造と電波の伝わり方の知識を理解させ,電波を能率的に利用できる能力を養う。
2 内 容
(3) 電波の伝わり方と空中線 (4) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視する。
第25 無 線 測 定
1 目 標
(2) 測定機器の原理,構造および構成方法を理解させ,これを実際に活用できる能力を養う。
2 内 容
(3) 電気磁気測定 (4) 交流回路
(5) 電子管とその回路 (6) 周波数
(7) 送受信機 (8) 空中線
(9) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視する。
第26 無線機器
1 目 標
(2) 無線航行計器の構造,動作および原理について理解させ,正確な操作,保守ができる知識と技術を習得させる。
(3) 無線機器の重要性を認識させ,これをたいせつに管理する能力と態度を養う。
2 内 容
(3) 送信機の試験 (4) その他の送受信機
(5) 航行用計器 (6) TVの概要
(7) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 実験・実習を重視する。
第27 無 線 通 信
1 目 標
(2) 各種通信機の運用を理解させる。
(3) 無線電話・無線電信による無線通信の送受信の実地運用の技能に習熟させる。
(4) 電波の拡散性を認識させ,電波法を尊重する態度を養う。
2 内 容
(2) 電信術(和文,欧文の送信および受信)
(3) 各種通信実践 (4) 無線装置の操作運用
(5) 各種航用機器の操作運用 (6) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 正確な発音または字号を確実かつ迅速に送り,また受けるように指導する。
(3) 通信に習熟させるために,相互交信の技能を得させるように指導する。
(4) 電波の混信,妨害に対する注意事項を理解させて指導する。
第28 通 信 法 規
1 目 標
(2) 法規に親しみ,法に従う態度を養う。
2 内 容
(2) 国際電波法規
(3) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 第2学年までに国内電波法規を理解させ,総合実習で国内通信がじゅうぶんできるように指導する。
また,第3学年では,国際通信条約および付属規則による国際通信が違法なく実践できるように指導する。
第29 海 事 概 要
1 目 標
(2) 海事法規を理解させ,船舶の安全に協力する態度を養う。
(3) 気象と船舶の関係について理解させるとともに気象電報を受信し,天気図を作製する技能を養う。
2 内 容
(3) 船内勤務と職務分掌 (4) 海事法規
(5) 気象と海象 (6) 海 運
(7) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
この科目は,主として無線通信科で履修させる。
第30 交 通 地 理
1 目 標
(2) 主要航路および寄港地について理解させる。
(3) 主要航空網および寄港地について理解させる。
2 内 容
(3) 世界の交通地理 (4) 気象関係地理
(5) 時差の概念 (6) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 位置の確認を習慣づける。
(3) 電報の経路が有線と無線に関連をもつものは,特に注意して相互関係を理解させる。
第31 海 洋 実 習
1 目 標
(2) 集団として海に親しませ,それぞれが協同して責任,規律を重んじ,敏速,確実に行動する態度を養う。
2 内 容
(2) 各種泳法,遠泳法
(3) 各種信号の原理および送信送信,受信
(4) 手旗送受信法 (5) 結 索
(6) 和船,ボート(カッタ)の各主要部名称
(7) 操ろ,操艇法および各種属具の取り扱い
(8) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 技能の習得には,できるだけ具体的に,個々にわたって指導する。
(3) 常に生徒の身体的状況に注意するとともに,精神的,身体的に鍛練する。
(4) 規律のある組織的な行動を常に保たせる。
(5) 災害の予防に注意する。
第32 総 合 実 習
1 目 標
(2) 勤労に対する正しい体験を得させ,責任と協同および安全を重んじる態度を養う。
2 内 容
イ 水産製造工場用機械器具の構造,機能およびその取り扱い
ウ 各種機器故障に対する応急処置と修理
エ 原料の鮮度の鑑別 オ 水産製品の検査,鑑別
カ 水産物の高度利用 キ 工場設計と工場生産計画
ク その他
(2) 水産増殖実習
ウ そう類の海中養殖 エ 貝類の海中養殖
オ 甲殻(かく)類の養殖と蓄養 カ 鹹(かん)水魚の人工養殖および池中養殖
キ 土木測量 ク 微生物の検鏡と細菌の培養
ケ 水質分析 コ 餌(じ)料の分析
サ 農薬および工場排水に対する処置
シ 水産物の冷蔵・冷凍法 ス その他
(3) 水産経営実習
(ア) 漁業経営 (イ) 水産物市場
(ウ) 水産養殖経営 (エ) 水産製造経営
(オ) 水産金融など
イ 経 理
(ア) 漁 家 (イ) 魚市場
(ウ) 漁業協同組合 (エ) 水産養殖場
(オ) 水産加工場など
ウ 水産商品の鑑別
エ その他
(4) 無線通信実習
(ア) 和文,欧文の受信 (イ) 和文,欧文の送信
(ウ) 和文,欧文の送受話
イ 通信実践
(ア) 海上移動業務の一般通信 (イ) 遭難通信
(ウ) 緊急通信 (エ) 安全通信
(オ) 医事通信 (カ) 測位通信
(キ) 航空通信 (ク) 陸上通信
(ケ) 気象通信 (コ) 放送通信
(サ) タイプライティング (シ) ヒヤリング
ウ その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 水産増殖実習は,主として水産増殖科で履修させ,「水産増殖」を中心に関係科目を総合した実習を行なうが,各地域に適した項目を選んで重点的に指導する。
(3) 水産経営実習は,主として水産経営科で履修させ,「水産経営」,「水産簿記」を中心に関係科目を総合し地域の水産業を中心に,魚市場,漁業協同組合等で実際の知識と技能が習得できるように指導する。
(4) 無線通信実習は主として無線通信科で履修させ「無線通信」,「無線機器」を中心に関係各科目を総合した実習を行ない,将来無線通信士として立ちうる技術的要素を体得できるよう留意して指導する。
(5) 水産科の実習は,地域社会や学校の状況に応じて,重点をおく科目を中心に関係科目を総合して実習を行なうようにする。
第33 漁業乗船実習
1 目 標
(2) 漁業の実態をはあくさせ,甲板部員の実務を体得させる。
(3) 船内勤務を理解させ,積極的な服務態度と,職責を全うできる体力および精神力を養う。
(4) 漁業を経済的,能率的に運営する能力と態度を養う。
2 内 容
(2) 航海計器および海洋・気象観測器具等の取り扱い
(3) 船用品,船体属具等の取り扱い
(4) 船位の測定 (5) 海況,漁況の観測調査
(6) 漁労作業 (7) 操 船
(8) 海難の予防とその処置法 (9) ドック作業
(10) その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 「漁業」や「航海」および「運用」を中心に関係科目を総合した実習を行ない,漁業の重要性と特殊性を認識させるとともに,進んで漁船に乗り組む態度を養うように留意する。
(3) 海上勤務に自信を得させるため,精神的,身体的に順応できるように注意して指導する。
(4) 将来船舶職員として立ちうる技術的素養を体得できるように留意して指導する。
(5) 災害の予防に注意する。
第34 機関乗船実習
1 目 標
(2) 漁業の実態を理解させ,機関部員の実務を体得させる。
(3) 船内勤務を理解させ,積極的な服務態度と職責を全うできる体力および精神力を養う。
2 内 容
(3) 配管および配線
ウ ヒューズ箱 エ 始動機
オ 船内配線など
(4) 保安装置
防火,防水,通風,換気,救命等の装置
(5) 運航実務
ウ 機関日誌の記載 エ 漁労作業
オ ドック作業など
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 「漁船機関」,「機関設計工作」を中心に関係科目を総合した実習を行ない,漁業の重要性と特殊性を認識させるとともに,進んで漁船に乗り組む態度を養うように留意する。
(3) 海上勤務について自信を得させるため精神的,身体的に順応できるように注意して指導する。
(4) 将来船舶職員として立ちうる技術的素養を体得できるように留意して指導する。
(5) 災害の予防に注意する。