第11節 商 業
第1款 目 標
1 商業ならびに経営管理や事務についての知識と技術を習得させ,これらの活動を合理的,能率的に営む能力を養う。
2 経済生活における商業の機能や,産業における経営管理の重要性を理解させ,国民経済の発展に寄与しようとする態度を養う。
3 各種の商業ならびに経営管理や事務に従事する者としての望ましい心構えを養い,常に研究を重ねて進歩向上を図る態度を養う。
4 一般の経済生活を合理的,能率的に営む能力と態度とを養う。
第2款 各 科 目
第1 商 業 一 般
1 目 標
(2) 商業の諸科目を学習するために必要な,基礎的,入門的な知識を習得させる。
(3) 経済生活を合理的に営むために必要な,商業諸機関の利用についての知識を習得させる。
(4) 国民経済における商業の機能を理解させ,経済生活の向上に寄与しようとする態度を養う。
2 内 容
ア 分業と交換 イ 商業の機能と担当者
ウ 企業の形態
(2) 売 買
ア 仕入れと販売 イ 販売条件と売買手続き
ウ 支払用具 エ 取引の種類・方法
(3) 金 融
ア 金融の機能 イ 金融機関の種類
ウ 銀行の業務 エ 証券と証券取引所
(4) 運送・通信
ア 運送・通信の機能と種類 イ 陸上運送
ウ 海上運送 エ 航空運送
オ 通 信
(5) 保 管
ア 保管の機能 イ 倉庫の種類
ウ 倉庫の業務
(6) 保 険
ア 保険の機能と種類 イ 損害保険
ウ 生命保険
(7) 貿 易
ア 貿易の機能 イ 貿易の制度
ウ 貿易の業務
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 商業に関する学科では,第1学年において必ず履修させることが適当である。
(3) 商業に関する学科以外の学科においても,一般教養として学習させる商業科目として最も適当なものである。
(4) 少ない単位数でこの科目を学習させる場合にも,一応この科目の内容の全般にわたることが必要であり,いずれかの項目をまったく省略することは避けなければならない。また,商業に関する学科においては,この科目の全体を通して,商業の社会的使命の理解と,商業に従事しようとする者としての自覚を得させるように指導することがたいせつである。
(5) この科目の内容は,基礎的な程度において一応商業経済関係の諸科目にわたるものである。したがって,同一の項目を取り扱っても,実質的に重複しないように注意しなげればならない。
第2 商 事
1 目 標
(2) 商事活動を合理的,能率的に行なうために必要な技能と能力とを養う。
(3) 商事活動の重要性を理解させる。
2 内 容
ア 現代市場の特色 イ 商事活動の重要性
(2) 市場調査
ア 需要の分析 イ 市場調査の方法
ウ 店舗立地
(3) 商品計画と管理
ア 商品計画 イ 商品管理
(4) 販売価格の決定
ア 販売コストとその合理化 イ 販売価格政策
(5) 販売促進
ア 販売組織 イ 店舗設計
ウ 広 告 エ 販売サービス
(6) 販売金融
ア 運転資金の調達 イ 資金の運用
ウ 割賦販売
(7) 商品取引所
ア 商品取引所の機能と種類 イ 取引の形態
(8) 貿 易
ア 輪出入手続 イ 貿易条件
ウ 外国為替(かわせ)
(9) 商業に関する政策
ア 配給政策 イ 貿易政策
ウ 運送政策 エ 金融政策
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目は売買に関する諸活動を中心とするが,それに関連する範囲で金融,運送,保管,保険などについても取り扱う。また,商業に関する国の政策については,商事活動の担当者として必要な知識・理解を得させることを主眼とする。
(3) この科目は,商業に関する学科においては,「商業一般」につづいて必ず履修させることが適当である。
第3 経 営
1 目 標
(2) 経営に関する各種の管理活動を合理的,能率的に行なう態度と能力とを養う。
(3) 経営管理の重要性を理解させ,それに従事する者としての自覚を深めさせる。
2 内 容
ア 企業と経営 イ 経営と国民経済
(2) 企業の形態と規模
ア 企業形態 イ 株式会社
ウ 協同組合 エ 公企業
オ 企業の集中と系列化 カ 企業の規模
(3) 経営組織
ア 組織の原理 イ 最高管理組織
ウ 部門管理組織 エ 作業組織
(4) 業務と作業の管理
ア 業務管理 イ 作業管理
ウ 事務管理 エ 事務の機械化
(5) 労務と人事の管理
ア 労務・人事管理 イ 賃金制度
ウ 労使関係 エ 労働関係法規
オ 福利制度
(6) 財務管理
ア 資本の構成 イ 資本の調達と運用
ウ 利益計画と予算統制 エ 経営比較
オ 内部統制
(7) 経済の発展と経営
ア 生産性の向上 イ 企業の社会化
ウ 経営の民主化
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目は将来経営を担当する者にとって必要であるだけでなく,一般に経営管理に関する職務に従事する者にとって重要な科目である。
(3) この科目は高学年において履修させることが適当である。
第4 経 済
1 目 標
(2) 経済事象を理解し,その動向を合理的にはあくしようとする態度を養う。
(3) 国民経済における商業の機能の理解を深め,わが国経済の発展に寄与しようとする心構えを養う。
2 内 容
ア 経済行為 イ 経済組織
ウ 経済の循環
(2) 消 費
ア 効 用 イ 生活水準
ウ 需 要
(3) 生 産
ア 生産の要素 イ 生産組織
ウ 生産費
(4) 流 通
ア 価格の形成 イ 生産用役の価格
ウ 貨幣と物価
(5) 経済の発展
ア 国民所得 イ 貯蓄と投資
ウ 経済の発展 エ 景気変動
(6) 経済と国の政策
ア 財政と国民経済 イ 経済に関する国の規制
ウ わが国経済の現状と課題
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目と「政治・経済」との関連は密接であるが,この科目においては原理的な面を主眼とすることを特色とする。ただし,指導にあたっては,なるべく実証的に材料を取り扱うようにし,そのような取り扱いの能力についても発展させるようにする。
(3) この科目の内容は比較的に高度なものであるから,高学年において履修させることが適当である。
第5 商 業 法 規
1 目 標
(2) 社会生活の規範である法の本質を理解させ,商業活動を合理的に営む態度と能力とを養う。
(3) 法律的に思考する能力,特に商業事象を法律的に判断する能力を養う。
2 内 容
ア 経済生活と法規 イ 権利・義務の意義
ウ 権利の主体 エ 権利の客体
オ 権利の変動
(2) 財産権
ア 財産権 イ 物 権
ウ 債 権 エ 特別な財産権
(3) 契 約
ア 契 約 イ 移転型の契約
ウ 貸借型の契約 エ 労務型の契約
オ その他の契約
(4) 商人・商号・商業登記・商業帳簿など
ア 商 人 イ 商業使用人・代理商
ウ 商号・商業登記・商業帳簿など
(5) 会 社
ア 会社の性格と種類 イ 合名会社
ウ 合資会社 エ 株式会社の設立
オ 株 式 カ 株式会社の機関
キ 株式会社の資金の調達 ク 株式会社の会計
ケ 株式会社の定款の変更と終了 コ 有限会社
(6) 商行為
ア 商行為に関する通則 イ 特定の種類の営業に関する規定
ウ 海 商 エ 金融業に関する法規
(7) 手形・小切手
ア 手形・小切手の意義 イ 為替手形
ウ 約束手形 エ 小切手
(8) 紛争の防止と訴訟
ア 予防的司法制度 イ 民事訴訟
(9) 法の本質・種類・効力など
ア 法の本質 イ 法の種類
ウ 法の効力 エ 法の適用と解釈
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目は,他の商業科目と同様な項目を取り扱う場合でも,もっぱら法規の面から学習させることを特色とする。
(3) この科目は必ずしも法典の順序に従って指導する必要はない。またその内容のすべてにわたらなくてもよい。
(4) この科目は,つとめて具体的な事例によって指導することが必要である。
第6 商 品
1 目 標
(2) 商品を鑑識する技能ならびに商品の経済的,技術的な特質を研究する能力と態度とを養う。
(3) 商品の改善・標準化などについて考察し,商品流通の円滑化に寄与しようとする心構えを養う。
2 内 容
ア 商品の生産と国民経済 イ 商品の種類と特質
ウ 商品の鑑識・格付・品質表示・標準化
エ 商品の包装
(2) 食料品
ア 米 イ 小麦・小麦粉
ウ 大 豆 エ 砂 糖
オ その他
(3) 衣料品
ア 綿花・綿糸 イ 麻 類
ウ 羊 毛 エ 生 糸
オ 化学繊維 カ 繊 物
キ その他
(4) 燃 料
ア 石 炭 イ 石 油
ウ その他
(5) 木 材
ア 木 材 イ 合 板
ウ その他
(6) 金 属
ア 鉄 鋼 イ 銅
ウ 軽金属 エ その他
(7) 化学工業製品
ア 工業薬品 イ 化学肥料
ウ セメント エ ガラス
オ 陶磁器 カ 紙・パルプ
キ ゴ ム ク プラスチック
ケ 油 脂 コ その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 個々の商品については,生産上,流通上および利用上の特質を学習させる。
(3) この科目は,他の教科・科目で習得した知識・技能を基礎とし,実験実習を重んじ,つとめて具体的,実証的に学習させることが必要である。また,標本その他の視聴覚教材を活用して,学習の効果をあげるように指導する。
(4) この科目は高学年において履修させることが適当である。
第7 商 業 簿 記
1 目 標
(2) 商取引を正確・めいりょうに記帳する技能を習得させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 事業の経理と簿記
(2) 簿記の要素
ア 資産・負債・資本 イ 損失・利益
(3) 簿記の機構
ア 取 引 イ 勘 定
ウ 仕 訳 エ 仕訳帳・元帳
オ 貸借対照表・損益計算書
(4) 勘定科目
ア 貸借対照表の科目 イ 損益計算書の科目
(5) 決算および財務諸表
ア 決算整理 イ 帳簿決算
ウ 財務諸表
(6) 帳簿および帳簿組織
ア 主要簿・補助簿 イ 仕訳帳・元帳の分割
ウ 伝 票
(7) 会社企業の経理
ア 株式会社の資本 イ 株式会社の損益処分
(8) 商業簿記の特殊な問題
ア 支店会計 イ 税 務
ウ 中小企業の簿記 エ 帳簿に関する法規
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目は,商業に関する学科以外の学科においても,経理に関する一般教養として学習させるのに適当な内容を含むものである。その場合には,単位数の差に応じて内容の一部を省略することはさしつかえない。
(3) この科目の指導にあたっては,記帳を中心として,それによって理解を深めるようにすることがたいせつである。
(4) この科目では,勘定科目については一般的なものにとどめ,また財務諸表については貸借対照表・損益計算書に重点をおき,いずれもさらに進んだ程度の学習は「会計」にゆずるものとする。
(5) この科目の指導にあたっては,「商業一般」との間で,内容の進度を調整し,その学習を効果的に進めるように注意することが必要である。
第8 銀 行 簿 記
1 目 標
(2) 銀行の取引を正確・めいりょうに記帳する技能を習得させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 銀行の業務と分課組織 イ 銀行簿記の特色
(2) 伝票・勘定科目・帳簿組織
ア 伝 票 イ 勘定科目
ウ 帳簿組織
(3) 決算および財務諸表
ア 決算の手続 イ 財務諸表の作成
ウ 本支店財務諸表の合併
(4) 銀行簿記の特殊な問題
ア 手形交換取引 イ 為替取引
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目においては,銀行取引の記帳を通して,銀行の経理方法と業務内容の理解を深めさせるようにする。また,精密な帳簿組織や伝票制度などの銀行簿記の特色をはあくさせて,商業簿記の発展としての意味をもたせる。
(3) 銀行の実務は,帳簿の様式や帳簿組織,記帳事務の機械化など著しい進化がみられるから,それらの点に留意して指導することが必要である。
第9 工 業 簿 記
1 目 標
(2) 工企業の取引,特に内部取引を正確・めいりょうに記帳する技能を習得させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 工業簿記の特色 イ 原価計算の意義
ウ 工業簿記の構造
(2) 原価要素
ア 材料費 イ 労務費
ウ 経 費
(3) 原価の把握(はあく)方法
ア 直接費 イ 間接費
ウ 部門別原価計算
(4) 原価の集計方法
ア 個別原価計算 イ 総合原価計算
(5) 決算および財務諸表
ア 決 算 イ 財務諸表
(6) 工業簿記の特殊な問題
ア 等級別計算,連産品計算 イ 標準原価計算
ウ 工場会計の独立
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目においては,工企業の各種取引の記帳を通して,工企業の本質を理解させるように指導する。また,精密な原価計算を行なわせることによって商業簿記の発展としての意味をもたせる。
(3) 勘定科目や帳簿については,それぞれ関連する項目において取り扱う。また,財務諸表では製造原価報告書をも取り扱う。
第10 会 計
1 目 標
(2) 企業会計の基本的な理論を理解させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 企業の経理と会計 イ 財務諸表
(2) 資 産
ア 資産の評価 イ 流動資産
ウ 固定資産と減価償却 エ 繰延勘定
(3) 負 債
ア 流動負債 イ 固定負債
ウ 引当金,偶発債務
(4) 資 本
ア 資本金 イ 剰余金
(5) 損失および利益
ア 営業固有の損益 イ 営業外ならびに臨時損益
(6) 財務諸表の分析
ア 貸借対照表の分析 イ 損益計算書の分析
ウ 経営比較
(7) 会計に関する制度
ア 会計に関する法規 イ 会計監査
ウ 職業会計士
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目は,「商業簿記」の延長として,より進んだ諸問題を中心として基本的な理論を学ばせるものであって,会計学の理論に深入りするものではない。
(3) 企業会計原則や財務諸表準則についても取り扱う。また,会計に関する制度については理論的な面は簡単に取り扱い,主として監査手続や制度的な知識について指導する。なお,会計に関する法規については,内容の他の項目を学ぶ際に,これに関連する規定を取り扱うようにするのもよい。
(4) この科目と「経営」との関連は,特に財務諸表の分析の項目において著しいから,両科目の間で無用の重複を避けるように指導計画を立てる必要がある。
第11 計 算 実 務
1 目 標
(2) 計算事務を処理するのに必要な商業上の法規・慣習・制度などの知識を習得させる。
(3) 企業経営の事務を計数的に処理し,合理的に遂行する態度と習慣とを養う。
2 内 容
ア 四則計算 イ 乗除定位法
ウ 検算法 エ 暗 算
オ 補数計算 カ 簡便算
(2) 利息・割引料の計算
ア 期日および期間の計算 イ 単利法
ウ 割引料の計算
(3) 度量衡・外国貨幣の計算
ア 度量衡の制度 イ 外国貨幣の制度
ウ 不十進諸等数の計算 エ 省略算
オ 度量衡の換算 カ 貨幣の換算
(4) 売買や損益の計算
ア 商品の数量と代価の計算 イ 原価と売価の計算
ウ 貨物運賃の計算 エ 保管料の計算
オ 損害保険料の計算 カ 手数料の計算
(5) 複利・年金の計算
ア 複利法 イ 年金の計算
(6) 企業損益の計算
ア 期聞損益の計算 イ 商品棚(たな)卸価額の計算
ウ 賃金の計算 エ 減価償却費の計算
オ 製造原価の計算
(7) 税金の計算
ア 所得税の計算 イ 法人税の計算
ウ 事業税の計算
(8) 有価証券の計算
ア 債券の計算 イ 株式の計算
(9) 経営財務に関する計算
ア 利益処分の計算 イ 財務分析の計算
(10) 計算機
ア 計算事務の機械化 イ 計算機の種類
ウ 計算機の操作と利用
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目のすべての内容にわたり,計算は主として珠算によって行なうのが普通であろうが,計算機についても,実際に操作の練習をさせ,適切な利用ができるように指導するのがよい。
(3) 数理の学習については,数学との関連を考慮し,数理の応用能力を養うようにする。
(4) この科目は,商業に関する学科においては,必ず履修させることが適当である。また,その内容は,商業に関する学科以外の学科においても履修させるのに適当なものを含んでいる。
(5) 単位数が少ない場合には,内容の一部を省略したり,あるいは簡略に取り扱うこともよい。
第12 統 計 実 務
1 目 標
(2) 商業事象や経済事象を統計的にはあくする能力と態度とを養う。
(3) 統計を用いて経営管理を合理的に行なう能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 統計の意義 イ 統計調査の方法
ウ 統計資料
(2) 統計表の作り方と見方
ア 統計表の作り方 イ 統計数列の種類
ウ 度数分布表の作り方と見方
(3) 統計図表の作り方と見方
ア 線図表 イ 棒図表
ウ 面積図表 エ 統計地図
オ 実物図表
(4) 統計表の分析
ア 比例数 イ 平均数
ウ 散布度 エ 指 数
オ 傾 向 カ 循環変動
(5) 経済統計の見方
ア 経済活動量の統計 イ 物価の統計
ウ 所得の統計 エ 景気指標
(6) 経営統計の見方
ア 企業の操業量の統計 イ 経費および利益の統計
ウ 経営比率 エ 市場と企業活動との関係
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 数学的な取り扱いについては,「数学Ⅰ」の学習を基礎として理解できる程度とするのがよい。
(3) 計算機や統計機の利用にふれ,関心をもたせる。
(4) この科目の学習には,数学とともに商業諸科目の学習を基礎とすることが適当であるから,高学年において履修させるのがよい。
第13 文 書 実 務
1 目 標
(2) 各種の印刷事務に関する知識と技能とを習得させる。
(3) 文書の取り扱いや整理を合理的に行なう知識と技能とを習得させる。
(4) 文書に関する実習を通して,事務能率を増進する態度と習慣とを養う。
2 内 容
ア 商業文書の特質 イ 商業文書の種類
ウ 商業文書の形式と要素
(2) 商業文書の作成
ア 取引に関する商業通信文 イ 社内文書
ウ 電報文 エ 広告文
オ 商業書式
(3) 文書の印刷事務
ア 謄 写 イ 複 写
ウ 印 刷
(4) 文書の取り扱いと整理
ア 受 付 イ 発 送
ウ 整 理 エ 保 管
(5) 文書事務用機械・器具
ア 文書事務用機器の種類 イ 文書事務用機器の操作
ウ 文書事務用機器と事務能率
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目においては,実務を中心とし,つとめて事務用機器を用いるように指導する。
(3) この科目の学習は,「商業実践」の学習の前に行なわれることが適当である。
第14 商 業 英 語
1 目 標
(2) 英文の商業経済記事を読解する能力を養う。
2 内 容
ア 英文商業通信文の構成 イ 英文商業通信文の形式
(2) 英文商業取引文書
ア 照会に関する文書 イ 商品の売り込みに関する文書
ウ 注文に関する文書 エ 運送と保険に関する文書
オ 代金の取り立てと支払いに関する文書
カ 銀行との取引に関する文書 キ 電報文
(3) 各種の英文文書
ア 英文による広告・掲示・看板 イ 英字新聞・雑誌の商業経済記事
ウ 英文財務諸表 エ 就職に関する文書
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目においては,英語および商業諸科目の学習が基礎として必要であるから,高学年において履修させることが適当である。
(3) この科目の学習には,英文タイプライティングを利用することが効果的であり,「貿易実務」の学習にこの科目の学習を活用することもたいせつである。
第15 和文タイプライティング
1 目 標
(2) 和文タイプライティングによって,文書を作成し,事務能率を増進する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 和文タイプライターの構造 イ 文字の配列
ウ 機械の手入れ
(2) 和文タイプライターの操作
ア 印字法 イ けいの引き方
ウ 複写のしかた エ 謄写原紙の打ち方
(3) 文書の作成
ア 一般文書の作成 イ 取引書類の作成
ウ 作 表
(4) カナタイプライター
ア カナタイプライターの構造と用途 イ カナタイプライターの操作
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目においては,機械をたいせつに取り扱う習慣とその要領を身につけさせるように指導する。
第16 英文タイプライティング
1 目 標
(2) 英文タイプライティングによって,文書を作成し,事務能率を増進する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 英文タイプライターの構造
イ 英文タイプライターの各部の働きと名称
ウ 機械の手入れ
(2) 英文タイプライターの操作
ア 運指法 イ 基本印字
(3) 文書の作成
ア 一般文書の作成 イ 取引書類の作成
ウ 作 表
(4) 複写・謄写
ア 複写のしかた イ 謄写原紙の打ち方
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目においては,機械をたいせつに取り扱う習慣とその要領を身につけさせるように指導する。
第17 速 記
1 目 標
(2) 速記によって,迅速・正確に文書を作成し,事務能率を増進する能力と態度とを養う。
2 内 容
ア 基本文字 イ 長拗(よう)音その他
ウ 単語の練習 エ 文章の練習
オ 反 訳
(2) 進んだ段階における速記
ア 省略の方法 イ 数詞の書き方
ウ 反 訳
(3) 速記の利用
ア 談話・会議などの要領の記録 イ 講演・会議などの記録
ウ テープレコーダーからの速記
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) 練習の教材は,なるべく生徒に興味の多いものを選んで指導する。
(3) 反訳の練習も常に行なわせることがたいせつである。これは作文の能力の発達と大きな関連があることに留意して指導する。
第18 商 業 美 術
1 目 標
(2) 商業美術についての鑑賞力を養う。
(3) 商業美術が商業活動においてもつ機能を理解させる。
2 内 容
ア 構 成 イ 色 彩
ウ 形 態
(2) 広告デザインとレイアウト
ア 新聞・雑誌の広告 イ ポスター
ウ リーフレット エ パンフレット
オ カタログ カ ショーカード
キ その他
(3) 包装デザイン
ア 商品容器 イ 商品化粧箱
ウ 包装紙 エ 紙 袋
オ シール カ ラベル
キ その他
(4) 展示デザイン
ア 店舗装飾 イ ショーウインドー装飾
ウ 陳 列 エ 照 明
オ 看 板 カ 広告塔
キ その他
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目と「商事」,「商品」,「文書実務」,「商業英語」などの諸科目とは密接な関連があるから,それらの学習によって得られる知識・理解を活用するようにする。
(3) この科目においては,商業美術の製作に重点をおき,単に理論的な学習にとどまらないようにする。
(4) 視聴覚教材をできるだけ多く利用して指導することが効果的である。
第19 商 業 実 践
1 目 標
(2) 商業社会の有機的関連を実践的に理解させ,その中において占める自己の職務の意義についての自覚を深めさせる。
(3) 各種の商業活動について実践的な経験を得させ,各自の個性に適した職業を選んで社会に役だつようにする態度を養う。
2 内 容
ア 普通売買業務 イ 特殊売買業務
(2) 機関商業の業務
ア 運送業務 イ 倉庫業務
ウ 銀行業務 エ 保険業務
3 指導計画作成および指導上の留事意項
(2) この科目においては,生徒にそれぞれの職務を分担させ,全体の商業組織の中で取引活動を行なわせることによって,商業社会の構成を実践的に理解させるように指導することがたいせつである。
(3) この科目の指導にあたっては,上記の項目のほかに,管理・運営のために必要な通信業務・中央銀行業務・証券業務などを処理する機関を設けることが適当である。また,商店・会社その他の機関の設立について取り扱うのもよい。
(4) この科目の指導にあたっては,生徒の分担職務を適時に交代させて,なるべく多くの経験を得させ,それによって職業指導に役だてるようにする。
(5) この科目はその性格から,最高学年において履修させることが適当である。
第20 貿 易 実 務
1 目 標
(2) 貿易活動に必要な書類を作成することによって,実務的な技能と能力とを養う。
(3) 商業諸科目の学習によって得られた知識・技能を総合的に身につけさせる。
(4) 貿易において特に必要な,信用を重んじ,公正を尊び,正確・敏速を旨とする態度を養う。
2 内 容
ア 取引先の選定 イ 取引先の信用調査
ウ 輸出入契約と取引条件 エ 国際電報
(2) 輸出実務
ア 輸出契約の締結 イ 通 関
ウ 船積み エ 保険契約
オ 代金決済
(3) 輸入実務
ア 輸入契約の締結 イ 通 関
ウ 荷受け エ 代金決済
オ クレイム
3 指導計画作成および指導上の留意事項
(2) この科目は外国貿易に必要な書類の作成を中心として,商業経済関係科目,簿記会計関係科目,「計算実務」,「文書実務」,「商業英語」および「英文タイプライティング」などの諸科目の学習を活用することに重点をおく。
(3) この科目はその性格から,最高学年において履修させることが適当である。