学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)の一部を次のように改正する。
第56条の2から第57条までを第57条とし,同条を次のように改める。
第57条 高等学校の教育課程は,別表第3に定める教科並びに特別教育活動及び学校行事等によって編成するものとする。
第57条の次に次の1条を加える。
第57条の2 高等学校の教育課程については,この章に定めるものの外,教育課程の基準として文部大臣が別に公示する高等学校学習指導要領によるものとする。
第59条第3項中「第54条の2」を「第54条の3」に改める。
第61条第2項中「履修」を「修得」に改める。
第63条の次に次の1条を加える。
第63条の2 校長は,生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当っては,高等学校学習指導要領の定めるところにより,85単位以上を修得した者についてこれを行なわなければならない。
第65条第1項中「第25条,第26条」を「第26条」に改め,同項後段を削る。
附則
1 この省令は,公布の日から施行する。ただし,この省令による改正後の学校教育法施行規則第57条,第57条の2及び第63条の2の規定は,昭和38年4月1日以降高等学校の第1学年に入学した生徒に係る教育課程及び全課程の修了の認定から適用する。
2 前頂の規定により,この省令による改正後の学校教育法施行規則第57条及び第57条の2の規定が適用されるまでの高等学校の教育課程については,なお従前の例による。
(付録)2
小・中学校の教育課程の改訂に伴い,その基礎の上に小・中・高等学校の教育課程の一貫性をもたせるとともに,昭和31年度の高等学校の教育課程改訂の精神をいっそう徹底し,時代の進展に即応するようにすることをねらいとして,下記の方針によることとした。
1 高等学校のそれぞれの課程の特色を生かした教育を実現できるようにするとともに,生徒の能力,適性,進路等に応じて適切な教育を行なうことができるようにした。
2 普通科および職業教育を主とする学科のうち商業科などにおいては,その教育課程について類型を設け,いずれかの類型を選択して履修させるようにした。各学校において類型を設ける際に参考となる基本的な類型(付録3参照)およびその展開例については,別途示すこととする。
3 普通科においては,教養の片寄りを少なくするため,必修科目を多くするとともに,その内容を精選充実し,基本的事項の学習がしゅうぶん身につくようにした。
4 職業教育を主とする学科においては,中堅産業人の育成を期するため,普通教育を改善充実するとともに専門教育の基礎を徹底するため,専門科目の内容を精選充実し,その必修単位を増加した。
5 道徳教育は教育活動のすべてを通じて行なうものとし,これをいっそう充実強化するため,社会科の1科目として「倫理・社会」をおくとともに,特別教育活動その他における生徒指導をいっそう充実強化した。
6 生徒の能力,適性,進路等に応じて教育を行なうため,国語の古典,社会の世界史および地理,数学Ⅱ,理科の物理および化学ならびに外国語の英語については,それぞれA,B(古典にあっては甲,乙)の2科目を設け,そのいずれかを履修させるようにした。
7 基礎学力の向上と科学技術教育の充実について,次のように措置した。
(2) 国語に関しては,基礎学力を高めるため,「現代国語」を新設し,現代国語の読解力および作文の能力の向上を図った。
(3) 外国語を必修とし,運用面の指導に重点をおき,外国語に関する基本的能力の向上を図った。
9 芸術については,情操の陶やに資するため,原則として1科目以上を必修とした。
10 音楽および美術に関する専門の学科における専門教育の振興を図るため,これらの学科における専門科目を定めるとともに,これらの学科における教育課程の編成について明示した。
11 定時制の課程および通信教育については,その実際的効果をあげるため,その実情に即応した措置を考慮した。
12 教育にいっそうの計画性をもたせるため,必要かつ可能な教科・科目について履修内容を学年ごとに示したが,学校における運営については,弾力性をもたせるようにした。
13 教育課程の1領域として「教科・科目」,「特別教育活動」のほかに,「学校行事等」を設け,その指導が適切に行なわれるようにした。
14 各教科・科目の単位数については,標準としての単位数を示し,学校における教育課程の編成に弾力性をもたせた。
(付録)3
全日制の課程の普通科における基本的類型
次に示すものは教育課程審議会から答申された全日制の課程の普通科における基本的類型である。この基本的類型をさらに分化させた展開例や,定時制の課程の普通科の基本的類型や展開例ならびに職業教育を主とする学科の教育課程の類型例や編成例などについては,別途示すこととする。
A類型(どの教科にも比較的片寄らないもの) | B類型(国・社・数・理・外の5教科に重点をおくもの) | |||||||||
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国 語
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現 代 国 語 | 7 | 3 | 2 | 2 |
12
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3 | 2 | 2 |
15
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古 典 甲 | 2 | |||||||||
古 典 乙 Ⅰ | 5 | 2 | 3 | 2 | 3 | |||||
古 典 乙 Ⅱ | 3 | 3 | ||||||||
社 会
|
倫 理・社 会 | 2 | 2 |
13
|
2 |
15
|
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政 治・経 済 | 2 | 2 | 2 | |||||||
日 本 史 | 3 | 3 | 3 | |||||||
世 界 史 A | 3 | 3 | ||||||||
世 界 史 B | 4 | 2 | 2 | |||||||
地 理 A | 3 | 3 | ||||||||
地 理 B | 4 | 4 | ||||||||
数 学
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数 学 Ⅰ | 5 | 5 |
9
|
5 |
15
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数 学 Ⅱ A | 4 | 2 | 2 | |||||||
数 学 Ⅱ B | 5 | 5 | ||||||||
数 学 Ⅲ | 5 | 5 | ||||||||
応 用 数 学 | 6 | |||||||||
理 科
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物 理 A | 3 | 3 |
12
|
15
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物 理 B | 5 | 3 | 2 | |||||||
化 学 A | 3 | 3 | ||||||||
化 学 B | 4 | 2 | 2 | |||||||
生 物 | 4 | 4 | 4 | |||||||
地 学 | 2 | 2 | 2 | |||||||
保健体育 |
体 育 | 7 | 男4
女2 |
3 | 2 | 男11
女9 |
男4
女2 |
3 | 2 | 男11
女9 |
保 健 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||
芸 術
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音 楽 Ⅰ | 2 |
2
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2
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2
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6
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2
|
2
|
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4
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音 楽 Ⅱ | 4 | |||||||||
美 術 Ⅰ | 2 | |||||||||
美 術 Ⅱ | 4 | |||||||||
工 芸 Ⅰ | 2 | |||||||||
工 芸 Ⅱ | 4 | |||||||||
書 道 Ⅰ | 2 | |||||||||
書 道 Ⅱ | 4 | |||||||||
外 国 語
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英 語 A | 9 | 3 | 3 | 3 |
9
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15
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英 語 B | 15 |
5 |
5 |
5 |
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ド イ ツ 語 | 15 | |||||||||
フランス 語 | 15 | |||||||||
その他の外国語の科目 | 15 | |||||||||
家 庭 | 家 庭 一 般 | 4 | 女2 | 女2 | 女4 | 女2 | 女2 | 女 4 | ||
以 下 略 |
男6 女4
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9
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男15 女13
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農 業 | 〃 | |||||||||
工 業 | 〃 | |||||||||
商 業 | 〃 | |||||||||
水 産 | 〃 | |||||||||
音 楽 | 〃 | |||||||||
美 術 | 〃 | |||||||||
その他の教科 | 〃 | |||||||||
特別教育活動(ホームルームの週当たり時間)3 | 1 | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 | 1 | 3 | ||
計 | 29 | 31 | 30 | 90 | 32 | 31
女33 |
30 | 93
(女95) |
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増 加 単 位 | 5 | 3 | 4 | 12 | 2 | 3(女1) | 4 | 9(女7) |
2 この表にいう増加単位とは,各学校においてその必要と裁量により適当と認められる教科・科目または特別教育活動の授業に適宜増加して課することのできる単位である。
東京都千代田区霞関2の1
大阪市東区大手前之町(合同庁舎内)