第13節 水 産
第1 目 標
2 水産技術の科学的な根拠を理解させ,これを実際に活用する能力を養う。
3 協同と責任を重んじる態度を養う。
第2 内 容
A 漁(りょう)
1 漁に関する基礎的な知識と技能を習得させ,それらを科学的に考察し,実践する態度を養う。
わが国の水産業の発達,わが国と世界の水産業の現状。
(2) 漁具と漁法
漁具の分類とその使用法,おもな水産生物の生態と採り方。
(3) 漁具材料とその性能
漁具の構成に必要な各種の材料とその性能。
(4) 漁具の製作
網地のすき方,簡単なつり具と網具の作り方。
(5) 漁具の修理と保存
網具の破損修理,染網と乾燥などによる保存法。
(実習例) 漁具の調査,網すき,つり具・たも網の製作,網地・つり糸の染め方(カッチ染,しぶ染),網地の修理(本修理,渡り修理)など。
2 指導上の留意事項
(2) 「漁」の授業時数は35単位時間を標準とする。
B 操 船
1 漁船の構造と運航の方法および機関の操作に関する基礎的な知識と技能を習得させる。
わが国の漁船の発達と現状,各種漁船の構造と設備など。
(2) 航 法
コンパスと海図を主にした沿岸航法。
(3) 運 用
操だ,操帆,けい船などの船の運用法。
(4) 結 索
綱の結び方と取扱法。
(5) 機関の操作
漁船用内燃機関の分解,組立,運転の方法。
(6) 漁場調査
漁期と漁場の関係,観測器具の使用法,漁場調査。
(7) 船体の保存
簡単な船体の手入れ法と保存管理。
(8) 漁業と経営
漁業経営の概要,魚市場の機構,漁村生活の改善。
(実習例) 船位の測り方,結索,漁場調査,漁労(つり漁,網漁),船底そうじ,船体の塗装など。
2 指導上の留意事項
「操船」の授業時数は70単位時間を標準とする。
C 増 殖
1 水産生物の養殖や繁殖保護に関する基礎的な知識と技能を習得させ,生物を愛育する態度を養う。
増殖の必要と重要性。
(2) 養殖生物の種類と養殖法
養殖生物の生態的特徴と養殖法。
(3) 魚類の養殖
コイ,マス,ウナギなどを中心に養魚池,稲田,ため池,沼などによる養殖法。
(4) 貝類の養殖
カキ,シンジュガイ,アサリなどを中心に垂下式,地まき式,耕うんなどによる養殖法。
(5) 海そう類の養殖
アマノリのひび建法などによる養殖法。
(6) 繁殖保護
魚,貝,そう類の繁殖助長の方法。
(実習例) コイ,マス,カキ,アマノリなどの養殖,いそそうじなど。
2 指導上の留意事項
(2) 「増殖」の授業時数は35単位時間を標準とする。
D 水産加工
1 水産物の貯蔵・加工に関する基礎的な知識と技術を習得させ,水産物を衛生的に取り扱う態度を養う。
貯蔵・加工の必要と重要性。
(2) 水産物の成分
水産物の特性とその科学的成分。
(3) 魚貝類の死後の変化と鮮度の調べ方
魚貝類の腐敗についての肉眼的,科学的な調べ方。
(4) 貯蔵・加工の方法
各種の貯蔵法・加工法。
(5) 貯蔵中の変質と予防
貯蔵中の虫害や油焼けとその予防法。
(6) 製品の良否鑑別
各種の良否鑑別法。
(7) 水産加工と経営
水産製造工業の特性と経営。
(実習例) 乾製品,塩蔵品,くん製品,調味加工品,練製品,かんづめ,びんづめなどの製造。
2 指導上の留意事項
(2) 「水産加工」の授業時数は70単位時間を標準とする。
第3 指導計画作成および学習指導の方針
2 この教科は,将来水産業に従事しようとする者の必要に応じて設けられたものであるから,それに従事する者に必要な心構えを養うことがたいせつである。このためには水産技術の特性にかんがみ,実験や実習を重視した学習指導を行うように留意する。
3 この教科は,季節や天候などの自然環境の影響を受けやすいので,弾力性のある指導計画を立てる。
4 生徒の既有の学習成果や生活経験を有効に利用するとともに,指導する事項のうち,特に水産に関する機械や電気の取扱に関するものに重点をおいて計画し,指導する。
5 学習指導にあたっては,つねに危険の防止に留意させ,安全に関する意識の高揚に努める。このためには服装の整備,学習環境の整理・整とん,作業規律の励行などをゆるがせにしないように指導する。