第1 目 標
2 各種の運動に親しませ,運動のしかたや技能を身につけ,生活を豊かにする態度を育てる。
3 運動やゲームを通して,公正な態度を育て,進んで約束やきまりを守り,互に協力して自己の責任を果すなどの社会生活に必要な態度を養う。
4 健康・安全に留意して運動を行う態度や能力を養い,さらに保健の初歩的知識を理解させ,健康な生活を営む態度や能力を育てる。
なお,目標4については,各学年を通じて,各種の運動の実践にあたって必要な健康・安全に関する態度や能力の育成に努めるとともに,特に,第5学年以上において,健康な生活を営むために必要な保健に関する初歩的な知識を得させることを目ざしている。
次に示す各学年の目標は,児童の発達段階に応じ,上記の目標を達成するために必要なことがらを具体的に示したものである。
第2 各学年の目標および内容
〔第1学年〕
1 目 標
(2) だれとでも仲よくし,また,きまりを守って楽しく運動を行う態度を育てる。
(3) 運動と関連した健康・安全についてのきまりを守る態度や習慣を養う。
A 徒手体操
ア しゃがんだり,立ったりする。
イ 足を大きく開いたり,片足または両足でとんだりする。
ウ 両手で押したり,引いたりする動作をする。
エ 腕をいろいろな方向に振り上げたり,振り回したりする。
オ 片手をすり上げながら,体を左右に曲げる。
カ 開脚で,足くびを握って体を前に深く曲げ,両脚の間からうしろをみたり,手を腰にあて体をうしろにそらして,うしろを見るようにしたりする。
キ 体を左右に回して,体側で手をたたく。
(2) 楽しくきまりよく運動を行う態度を育てる。
ア 固定施設による遊び……固定施設(たとえば,ぶらんこ,シーソー,すべり台,登り棒,雲梯(てい),ジャングルジム,平均台など。)を使って運動する。
イ 鉄棒遊び……腕立てとび上がり,足かけ振り,うしろおり,足ぬき回りをする。
ウ とび箱遊び……またぎ越し,踏み越し,腕立てとび上がり,とびおりをする。
エ マット遊び……横回り,ゆりかごをする。
(2) だれとでも仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア 友だちの運動をよく見る。
イ 待つときの順番を守る。
ウ 運動をしているものに近寄らない。
ア かけっこ(約30m)……まっすぐに走る。
イ 置換えリレー‥…決まった方法で置換えや引継ぎをする。
ウ 並びっこ……位置を移動して早く並ぶ。
エ 川とび……片足や両足でとび越す。
オ ゴムとび……ひざの高さぐらいをとび越す。
(2) だれとでも仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア 順番を守る。
イ 走るとき,他人を押したり突いたりしない。
ウ 用具の準備を手伝う。
ア 手渡し順送球……ボールを上・横から手渡しする。指を開いて両手でボールを捕える。
イ ころがしドッジボール……ボールをころがし,中の者に当てる。
ボールを当てられないように身をかわす。
ウ たま入れ……高い所につったかごに紅(白)球を投げ入れる。腕やからだを調子よく使って投げる。
エ 対列ボールけり……とまっているボールをける。ころがってくるボールをとめてける。
(2) だれとでも仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア 順番を守る。
イ 合図や約束を守る。
ウ 逃がしたボールを進んで取りに行く。
エ ボールを避けたりとったりするとき,他人を押したり突いたりしない。
ア 簡単な歌を伴う遊び
(ア) 夕やけこやけ,かごめかごめ,あわぶくたった,おしくらまんじゅうなどをする。
(イ) 自由隊形や1重円で,スキップ,ランニング,ウォーキングなどをする。
イ 模倣遊び
(ア) 動物・乗物・遊びなどの簡単な摸倣をする。
(イ) ひとりないし3人で,はう,ころがる,歩・走,跳躍,屈伸などの1,2拍動作を速度を変えて行う。
(2) だれとでも仲よく運動を行う態度を育てる。
ア だれとでも組んで遊ぶ。
イ 役を代りあって遊ぶ。
ア すもう……押し出し遊び,片足ずもうをする。
イ 鬼遊び……ひとり鬼,場所とり鬼,けん鬼をする。
ウ なわとび……短なわで片足前とび,両足とび,1回旋2跳躍とびをする。長なわで大波小波をする。
エ 水遊び……水中を歩いたり,走ったりするなどの遊びによって水に慣れる。
(2) だれとでも仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア すもう,鬼遊びなどの遊び方の約束を守る。
イ なわを代りあって持ち,順番を守ってとぶ。
ウ 用具を仲よく使う。
(3) 水遊びの心得を知らせ,日常生活に生かされるようにする。
ア 水遊びの前後には,必ず人員点呼を受ける。
イ プールにはいる前には,必ず用便をすませ,水遊び後は,きれいな水でからだや目を洗う。
ウ ひざぐらいの深さで遊ぶ。
エ 決してひとりだけで水遊びに行かない。
オ あぶない場所で水遊びをしない。
カ あぶないときやおぼれた人を見たときは,大声で近くの人の助けを求める。
ア 運動をする場所の小石や危険物を取り除く。
イ 運動後,手足を洗い,汗をふく。
(2) 健康・安全に関する指導においては,運動の服装を整える,つめを短く切るなどについても適切に行うようにする。
(3) Aの(1)の内容は,運動の範囲や方法の例を示したものである。指導にあたっては,事物や動作の模倣などを取り入れるとともに座臥(が)姿勢で行うことも考慮する。このことについては,第2学年および第3学年においても同様である。
〔第2学年〕
1 目 標
(2) 運動をするときの簡単なきまりをつくり,みんなで同じ運動を仲よく楽しく行う態度を育てる。
(3) 競争やゲームにおいて,規則を守り,負けてもすなおに認める態度を育てる。
(4) 運動と関連した健康・安全についてのきまりを守る態度や習慣を養う。
A 徒手体操
ア しゃがんだり,背伸びしたりする。
イ 足を大きく開く。
ウ 両足または片足で,移動したり,向きを変えたりしてとぶ。
エ 両手で押したり,引いたりする動作をする。
オ 腕をいろいろな方向に振りあげたり,振り回したりする。
カ 片手をすりあげながら,体を左右に曲げる。
キ 指先が,地面や足先につくまで体を前に深く曲げる。
ク 開脚で,腕を下げたまま体をうしろにそらせ,うしろのものを見る。
ケ 開脚で,体を前に深く振り曲げ,両脚の間からうしろに物を投げたり,体をうしろにそらせ,頭の上からうしろに物を投げたりする動作をする。
コ 体を左(右)に回して,両手で左(右)からうしろに物を投げる動作をする。
(2) 楽しくきまりよく運動を行う態度を育てる。
ア 固定施設による遊び……固定施設(たとえば,ぶらんこ,シーソー,登り棒,雲梯(てい),ジャングルジム,平均台など。)を使って運動する。
イ 鉄棒遊び……腕立てとび上がり,足かけ振り,前回りおり,足ぬき回り(前後連続)をする。
ウ とび箱遊び……またぎ越し,踏み越し,腕立てとび上がり,とびおりをする。
エ マット遊び……ふたり組横回り,前回りをする。
(2) 友だちと仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア 気づいたことを進んで注意しあう。
イ 器具の使い方のきまりを守る。
ウ 順番を守って運動をする。
ア かけっこ(約30m)……そろってスタートする。
イ 回旋リレー……じょうずに回って走る。
ウ かけ足……約1分間同じ調子でかけ足をする。
エ 川とび…‥片足や両足で踏み切ってとぶ。
オ ゴムとび……腰の高さぐらいを走って行ってとぶ。
(2) 友だちと仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア 途中でやめないで最後まで走る。
イ 決められた約束を守る。
ウ だれとでも楽しく行う。
ア 投げ渡し順送球……両手で上・横・下から相手の取りやすい所にボールを投げる。それたボールは移動して捕える。
イ 円形ドッジボール……相手をねらって投げる。ボールをよく見て身をかわす。
ウ ボール投げ……ボールを目標に当てる。ボールを遠くへ投げる。ボールを両手で捕える。
エ 対列ボールけり……ボールを手・体・足でとめ,けり返す。
(2) 友だちと仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア ボールの奪いあいをしないなどの簡単なきまりをつくって遊ぶ。
イ 乱暴やじゃまをしないで遊ぶ。
ウ ゲームで負けてもすなおにそれを認める。
エ ボールをたいせつに取り扱い,決められた場所に返す。
ア 簡単な歌を伴う遊び
(ア) 花いちもんめ,かりにいきましょう,のぞきっこ,ぴょんぴょんとんでなどをする。
(イ) 2重円や対列で,スキップ,ランニング,ウォーキングなどをする。
イ 模倣遊び
(ア) 動物・乗物・遊び・手伝いなどの簡単な模倣をする。
(イ) ひとりないし3人で,はう,ころがる,歩・走,跳躍,屈伸などの1,2拍動作を速度を変えて行う。前後に移動したり,回ったりする。
(2) だれとでも組になって,同じ遊びができるような態度を育てる。
ア だれとでも組んで遊ぶ。
イ 役を代りあって遊ぶ。
ア すもう……押し出し遊び,片足ずもうをする。
イ 鬼遊び……子ふやし鬼,場所とり鬼,けん鬼をする。
ウ なわとび……短なわでかけ足とび,1回旋1跳躍とびをする。
長なわで回旋とびをする。
エ 水遊び……水中を歩いたり,走ったり,水をかけあったりして水に慣れる。
(2) 友だちと仲よくし,簡単なきまりをつくり,それを守って運動を行う態度を育てる。
ア すもうでは乱暴にならないようにきまりをつくり,それを守る。
イ 鬼の交代の仕方,場所の範囲などを決め,それを守る。
ウ とぶ順番,なわを持つ順番などのきまりをつくり,それを守る。
(3) 水遊びの心得を知らせ,日常生活に生かされるようにする。
ア 水遊びの前後には,必ず人員点呼を受ける。
イ プールにはいる前には,用便をすませ,からだをよく洗い,水遊び後は,きれいな水でからだや目を洗う。
ウ ひざから腰ぐらいの深さで遊ぶ。
エ 決してひとりだけで水遊びに行かない。
オ あぶない場所で水遊びをしない。
カ あぶないときやおぼれた人を見たときは,大声で近くの人に助けを求める。
ア 運動をする場所の小石や危険物を取り除く。
イ 運動後,手足を洗い,汗をふく。
(2) 健康・安全に関する指導においては,運動の服装を整える,つめを短く切るなどについても適切に行うようにする。
〔第3学年〕
1 目 標
(2) 運動するときの簡単なきまりをつくり,決められた役割を果し,励ましあって運動を行う態度を育てる。
(3) 競争やゲームにおいて,規則を守り最後まで努力し,負けてもすなおに認める態度を育てる。
(4) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
A 徒手体操
ア 閉脚で手をひざにあて,または腕を前に振ってひざを屈伸する。
イ 足を前後に広く開いたり,足を交互に前に振って脚の下で手をたたいたりする。
ウ 足を前後・左右に開閉してとぶ。
エ 腕で上下を突く動作をする。
オ 腕を,前と上に振ったり,前後に回旋したりする。
カ くびを前後・左右に曲げたり,左右に回したりする。
キ 片腕を横から上にあげながら体を左右に曲げる。
ク 体を前に曲げて頭を両脚の間に入れるようにしたり,うしろの物が見えるまで体をうしろに曲げたりする。
ケ 腕立て伏臥(が)の姿勢で,足を手の位置までひきつけて進む。
コ あお向けで,両手と両足を床につけて前後に歩く。
サ 両腕を左(右)からうしろに振りあげながら,体を左(右)に回す。
シ 体を回旋して,両手で空間にできるだけ大きなまるや横8の字をかく。
(2) 互に仲よくし,きまりを守って運動を行う態度を養う。
ア 気づいたことは進んで注意しあう。
ア 鉄棒運動……さか上がり,前回りおり,足かけ振りをする。
イ とび箱運動……踏みとび(とび箱,横,高さ約30cm),腕立てとびのり(とび箱,縦,高さ約50cm),腕立てとび上がりおり(とび箱,横,高さ約50cm)をする。
ウ マット運動……前回り(連続)をする。
(2) 互に助けあい,きまりを守って運動を行う態度を育てる。
ア 気づいたことを進んで注意しあう。
イ よくできない人を励ましたり助けたりする。
ウ 器具の出し入れには,きまりを守り,みんなで協力する。
ア 短距離走(約50m)……スタンディングスタートで腕を調子よく振って走る。
イ 折返しリレー……走りながらバトンの受け渡しをする。
ウ かけ足……約2分間みんなで調子を合わせてかけ足をする。
エ 走り幅とび……片足踏切でとぶ。
オ 走り高とび……片足踏切で横木をとび越す。
(2) 互に協力する態度や勝敗に対する正しい態度を育てる。
ア チームでバトンの受け渡しなどのしかたを互に教えあう。
イ グループで計測の係などを代りあって行う。
ウ 負けた者の悪口をいわない。
ア 方形ドッジボール……片手でねらいをつけて強く投げる。ボールを両手で捕える。ボールを見てすばやく身をかわす。
イ ハンドベースボール……片手で持ったボールを他の手で打つ。ゴロやフライボールを捕えてベースに投げる。投げられたボールを捕える。走塁をする。
ウ フットベースボール……置いてあるボールを走って行ってける。方向や,強さを考えてボールをける。ボールはからだの正面でとるように,ボールの飛んでくるほうへ移動する。走塁をする。
エ ラインサッカー……ボールをけって進める。方向を決めてボールをける。
(2) ゲームに対する好ましい態度ならびに仲間と協力して運動を行う態度や能力を育てる。
ア ゲームに必要なきまりを決め,それを守る。
イ 審判の判定によく従う。
ウ 失敗したり負けたりしても気を落さないでがんばる。
エ へたな者も仲間はずれにしないで助けあう。
オ 決められたボールやコートの準備,あとしまつなどの係をじょうずに果す。
ア 歌を伴う遊びや簡単なフォークグンス
(ア) らかんさん,パウパウパッチ,ロンドンブリッジ,グスタフスコールなどをする。
(イ) 1重円・2列縦隊・方形でスキップ,ランニング,ウォーキングをする。
イ 模倣遊び
(ア) こん虫・草花・乗物・行事・お話などから特徴をとらえて模倣し,それらを組み合わせる。
(イ) ふたりないし6人で歩・走,跳躍,屈伸,回旋などの1,2,3,4拍動作を速度を変えて行う。前後・左右に移動したり,回ったりする。
(2) 役割を分担して協力する態度を育てる。
ア 役を受け持ち,また代りあって行う。
イ 決められた用具,準備などの係をじょうずに果す。
ウ みんながじょうずになるように教えあう。
ア すもう……中腰の構えで押しあいずもうをする。
イ 鬼遊び……ことり鬼,ともえ鬼,手つなぎ鬼,組み鬼をする。
ウ なわとび……短なわで連続してとぶ。長なわでいろいろの回旋とびをする。
エ 水遊び……顔を水につけ,目を開き,鼻または口から息をはく。水中じゃんけん,石拾いなどを行い,からだの浮くことを知る。
(2) きまりをつくり,それを守って仲よく運動を行う態度を育てる。
ア 押しだけですもうを行うなどの規則をつくって,それを守り,グループで互に審判を交代しながら行う。
イ 鬼遊びのきまりをつくり,それを守る。
ウ グループできまりをつくり,互にとびくらべをする。
(3) 水遊びの心得を知らせ,日常生活に生かされるようにする。
ア 水遊びの前後には,必ず人員点呼を受ける。
イ プールにはいる前には,用便をすませ,からだを洗い,水遊び後は,きれいな水でからだや目を洗う。
ウ ひざから腰ぐらいの深さで遊ぶ。
エ あぶない場所で水遊びをしない
オ 決してひとりだけで水遊びに行かない。
カ あぶないときやおほれている人を見たときは,大声で近くの人の助けを求める。
ア 運動をする場所の危険物を取り除き,安全に整備する。
イ 用具の破損に注意する。
ウ 軽い服装で運動をする。
エ つめをいつも短く切っておく。
オ 準備運動・整備運動をする。
(2) 健康・安全に関する指導においては,運動後の手足の清潔,汗のしまつなどの習慣の育成についても適切に行うようにする。
〔第4学年〕
1 目 標
(2) 運動するときのきまりをつくり,必要に応じてそれを改めたり,また役割を決めたりして,リーダーを中心に助けあって運動を行う態度を育てる。
(3) 競争やゲームにおいて規則を守り,最後まで努力し,負けてもすなおに認める態度を伸ばす。
(4) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
A 徒手体操
ア あしの運動……閉脚または開脚で手をひざにあて,ひざを屈伸する。腕を前と上に振ってひざを屈伸する。足を左右に広く開く。足を前に振りあげる。腕を横と上に振りながら足を左右に開閉してとぶ。
イ 腕の運動……腕を前・左右・上下に突く動作をする。腕を横と斜め上に振る。腕を内外に回旋する。
ウ くびの運動……くびを前後・左右に曲げる。くびを左右に回す。くびを回旋する。
エ 胴体の運動……片腕を横から上に振りあげて,体を左右に曲げる。ひざを伸ばしたまま足くびを握り,体を前に曲げ,頭を脚につけるようにする。手を腰にあて体を反動的に深くうしろに曲げる。ひざつきで座り,体をうしろに曲げる(補助をする。)あお向けで両手,両足を床につけて前後・左右に歩く。腕立て伏臥(が)の姿勢で足を中心に手を使って円をかく。開脚で腕を前にあげ,左(右)に振りながら体を左(右)に回す。開脚で体を回旋する。
(2) 互に仲よく,きまりを守って運動を行う態度を養う。
ア グループの中で互に教えあい,助けあって練習する。
ア 鉄棒運動……さか上がり(連続),足かけ上がり(振って上がる),踏み越しおり,腕立てうしろ回り,足かけうしろ回りをする。
イ とび箱運動……開脚の腕立てとび越し(とび箱,縦,高さ約50cm)閉脚の腕立てとび越し(とび箱,横,高さ約40cm),前回り(とび箱,縦,高さ約30cm)をする。
ウ マット運動……前回り(連続)うしろ回りをする。
(2) 互に協力して運動を行う態度を育てる。
ア グループの中で互に教えあい,助けあって行う。
イ よくできない人を励ましたり助けたりする。
ウ 器械・器具の使い方のきまりをくふうする。
エ 器具の出し入れに協力する。
ア 短距離走(約80m)……クラウチングスタートで走る。
イ 円形リレー……走りながらバトンの受け渡しをする。追い越すときは外側から追い越す。
ウ 持久走……約3分間みんなでそろってかけ足をする。
エ 走り幅とび……助走に速度をつけてとぶ。
オ 走り高とび……片足で踏み切り,横木をとび越す。
(2) グループで協力して練習する態度や勝敗に対する正しい態度を育てる。
ア 出発合図,順位の判定,計測などの係を代りあってする。
イ おくれても途中で競走をやめない。
ウ グループで走り方,とび方などを互に注意しあう。
ア ポートボール……パスやドリブルでボールを進める。ボールをとったら,じゃまされていない味方を捜してパスする。パスしたらすぐあいている所に走る。相手に触れないで相手をじゃまする。
イ ハンドベースボール……投手の投げたボールを手で打つ。ゴロやフライのボールを早くその位置に行ってじょうずにとる。走塁をする。審判をする。
ウ フットベースボール……ころがされたまたは置かれたボールを走って行って,足の甲でける。けられたボールをいろいろの場合に応じて正確に早く処理する。走塁をする。審判をする。
エ ラインサッカー……相手や味方の位置に応じて方向・強さを考えてボールをける。パスされたボールをすばやく移動して取る。相手がボールをけるのを足でじゃまをする。
(2) チームで協力して練習やゲームを行う態度や能力ならびにゲームに対する好ましい態度を育てる。
ア 自分のポジションの責任を果す。
イ へたなことや失敗を許しあい,互に励ましあう。
ウ リーダーを中心に計画に従って活動する。
ア 簡単なフォークダンス
(ア) エースオブダイヤモンド,きつねとがちょう,あんたがたどこさなどをする。
(イ) 1重円・2重円・1列縦隊で,ツーステップ,ポルカステップ,ホップ,バランスなどをする。
イ 表現
(ア) 鳥・植物・行事・物語などから特徴をとらえて簡単な表現をし,よい組合せをつくる。
(イ) 4人ないし6人で歩・走,跳躍,屈伸,回旋,回転などの1,2,3,4拍動作を強度をかえて行う。前後・左右に移動したり,回ったりする。
(2) グループで役割を分担し,協力して運動を行う態度や能力を育てる。
ア 役割や配役を決めてじょうずに果す。
イ 表現の内容や順序などを話しあって決める。
ア すもう……押しと突きを用いてすもうをする。
イ なわとび……短なわであやとび,ふたりとびをする。長なわでいろいろな回旋とびを行い,どちらからもはいれるようにする。
ウ 水泳
(ア) 面かぶり……顔を水につけ,目を開き,鼻または口から息をはく。
(イ) 浮くこと……沈み方,浮き方,立ち方をする。
(ウ) 泳ぎ……ばた足,平体の泳ぎ(犬かき)をする。
(エ) 立ち飛込み……低い台からとび,足から水にはいる。
(2) グループで協力して練習や競技を行う態度や能力を育てる。
ア 突く部位の範囲を決めるなど危険のないように規則を決める。
イ グループで互に審判を交代して行うなど協力してすもうを行う。
ウ きまりをつくってグループ対抗のとびくらべをする。
(3) 水泳の心得を理解させ,日常生活に生かされるようにする。
ア 水泳の前後には,必ず人員点呼を受ける。
イ プールの清潔に注意する。
ウ ふたり組をつくって泳ぐ。
エ 水にはいるときは,すぐ飛び込まないで徐々にはいる。
オ からだの調子の悪いときは泳がない。
カ 腰から腹ぐらいの深さで泳ぐ。
キ 水泳に安全な場所と危険な場所を知る。
ク 必ず水泳に自信のあるおとなと同行する。
ケ あまり長時間水にはいらない。
コ けいれんを起したとき,あぶないとき,おぼれた人を見たときは,大声で知らせ,近くの人の肋けを求める。
ア 運動をする場所の危険物を取り除き,安全に整備する。
イ 用具の破損に注意する。
ウ 軽い服装で運動する。
エ つめをいつも短く切っておく。
オ 準備運動・整理運動をする。
(2) 常によい姿勢を保つように留意するとともに,日常の正しい歩き方についても適切な指導をする。このことについては,第5学年および第6学年においても同様である。
(3) 男女が反発しあう時期であるから,男女仲よく助けあって運動を行うように指導する。
(4) 健康・安全に関する指導においては,運動後の手足の清潔,汗のしまつなどの習慣の育成についても適切に行うようにする。
(5) Aの(1)の内容は,運動の範囲や方法の例を示したものである。指導にあたっては,この例を参考とし,各種の方法をくふうして行うようにする。このことについては,第5学年および第6学年についても同様である。
〔第5学年〕
1 目 標
(2) 練習やゲームのきまりをくふうし,チームをつくり,リーダーを選んで,共通の目標に向かって互に協力して運動を行う態度を育てる。
(3) 競争やゲームで,規則を守り,最後まで努力し,勝敗の原因を考え,さらに進歩向上を図ろうとする態度を育てる。
(4) 日常生活における運動の行い方や心得を理解させ,学校や家庭における運動や遊びを健全に豊かにする態度や能力を養う。
(5) 自己のからだの発達や健康状態について関心をもたせるとともに,身近な日常生活における健康・安全についての初歩的な理解をもたせる。
A 徒手体操
ア あしの運動……閉脚または開脚で,手をひざにあてひざを屈伸する。腕を前後に回しながらひざを屈伸する。足を前と斜め前に振り上げる。足を横と後に振り上げる。片足を前・後・左・右にあげ,片足で調子よくとぶ。
イ 腕の運動……腕を前・横・上下にゆっくりとまたは強く速く屈伸する。腕を前・横・上に振る。腕を横8の字形に回旋する。
ウ くびの運動……くびを前後・左右に曲げる。くびを左右に回す。くびを回旋する。
エ 胴体の運動……腕を肩に曲げ胸を伸展する。腕を前に上げ,左右に開いて胸を伸展する。腕を横にあげ,片腕を横から上に上げながら体を左右に曲げる。開脚で足くびを握って,体を前や斜め前に曲げる。腕を上にあげ,体をうしろに深く曲げる。ひざつきで座り,体をうしろに曲げる。腕立て伏臥(が)の姿勢で脚をささえてもらい両手で歩く。舟のろをこぐ動作をする。腕を前にあげ,左(右)に振り,体を左(右)に回す。開脚で体を回旋する。
(2) 互いに協力して運動を行う態度を育てる。
ア グループでリーダーを決めて練習する。
(3) 各部位の運動の効果を理解させ,他の運動の準備運動・整理運動として活用できるようにする。
ア 鉄棒運動……さか上がり(伸膝(しつ)),足かけ上がり,腕立てうしろ回り(両足をそろえて),足かけうしろ回りをする。
イ とび箱運動……開脚の腕立てとび越し(とび箱,縦,高さ約60cm),閉脚の腕立てとび越し(とび箱,横,高さ約50cm),前回り(とび箱,縦,高さ約40cm),をする。
ウ マット運動……とびこみ前転,前回り(開脚),うしろ回り(開脚),腕立て側転,背支持腕立て前転,倒立(補助)をする。
(2) 互に協力して運動を行う態度を養う。
ア グループで役割を決めて助けあう。
イ 器械・器具の使用についてのきまりをつくる。
(3) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
ア 器械・器具の破損の有無に注意し,安全を確かめる。
イ 準備運動・整理運動をする。
ウ 自分の能力やからだの調子を知り,段階的に練習する。
ア 短距離走(約100m)……体をやや前に傾けて走る。
イ リレ一……約5歩ないし6歩走りながらバトンを受け取る。
ウ 障害走……障害物をいくつか置いて越す。
エ 持久走……同じような調子で約600m走る。
オ 走り幅とび……踏切線を決めてとぶ。
カ 走り高とび……助走や踏み切りを考えてとぶ。
(2) グループごとに協力する態度や勝敗に対する正しい態度を養う。
ア グループごとにリーダーを中心に協力して練習する。
イ 記録,計測などの係を代りあって行う。
ウ グループ対抗のリレーを計画し実施する。
エ 勝敗にこだわらず最後までがんぱる。
オ 個人やチームの力に応じてハンディキャップをつけて競走する方法のあることを知る。
(3) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
ア 砂場をやわらかにしたり,走路を整備して安全に行う。
イ 高とびの横木,障害物などの用具の破損の有無に注意し,安全を確かめる。
ウ 準備運動・整理運動をする。
オ 持久走では,自分のからだの調子を考えて走る。
ア ポートボール……走りながらボールを捕え,2歩以内にパスする。ドリブルして止まったら,続いてドリブルしないでパスかシュートをする。三角パスをする。相手を決めてじゃまをする。審判をする。
イ ハンドベースボール……投手の投げたボールを手またはラケットで打つ。ゴロやフライボールを早く移動して取り,適切な塁にすぐ投げる。捕球のとき,近くのものがバックアップする。走塁をする。審判をする。
ウ 簡易サッカー……ドリブルやパスでボールを進め,ゴールにけり込む。足・脚・体を使ってボールを止める。頭の上からスローインする。相手のボールを前や横からじゃまをする。ゴールキーパーは,ボールを手や足で止めて防ぐ。審判をする。
(2) グループの協力によって練習やゲームの運営を計画的に進める能力を育てる。
ア 規則やきまりをつくり,必要に応じて改善する。
イ 審判,コート・用具係などの役割を分担し,それを果す。
ウ チームのつくり方を知り,チームをつくって計画的に協力して練習する。
エ 勝敗の原因を考え,練習のしかたをくふうする。
オ グループが相互に協力して,ゲームに必要な係,ゲームの方法,組合せを決める。
(3) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
ア 競技規則で禁じられた方法を用いない。
イ コートや用具の安全を確かめ,整備する。
ウ 準備運動・整理運動をする。
ア フォークグンス
(ア) みんなで楽しく,アメリカンプロムナードなどをする。
(イ) 2重円・対列・放射形で,スキップ,ギャロップ,ウォーキング,ミクサーなどをする。相手と調子を合わせて踊る。
イ 表現
(ア) 自然現象・日常生活事象・音楽・物語などから題を選んで表現し,簡単なまとまりをつける。
(イ) 4人ないし6人で歩・走,跳躍,屈伸,回旋,回転,振動,平均などの1,2,3,4拍動作を,強度を変え,相手と対応して行う。前後,左右,斜めに移動したり,回ったりする。
(ウ) 表現の特徴やよい組みあわせを感じとる。
(2) グループごとに計画に従って,役割を分担して練習や発表会を行う態度を養う。
ア 役割や配役を決めてじょうずに果す。
イ グループの中で長所・短所を見つけて直しあう。
ウ 役割を分担して発表会を行う。
ア すもう……しこ・伸脚・運び足・攻めなどの基本動作をする。
押しあい,突きあい,押しと突きを用いたすもうをする。
イ 水泳
(ア) クロール……伏し浮きでばた足を用いてひと息だけ泳ぐ。
(イ) 平泳ぎ……顔を水面に出し,かえる足またはあおり足で泳ぐ。
(ウ) さか飛込み……踏み切って頭から水にはいる。
(2) 健康・安全に注意し,役割を分担し,互に協力して運動を行う態度や能力を養う。
ア あらかじめ,攻め手,防ぎ手を決めて,押しと突きの練習をする。
イ のどを攻める,けんつき,胸に頭を突き当てるなどの禁じわざを守る。
ウ リーダーを中心に練習のしかたを決める。
エ 水泳の前後には,必ず人員点呼を受ける。
オ ふたり組をつくって練習する。
カ 水泳の前後には,準備運動・整理運動をする。
キ プールでのきまりを知り,それを守ってプールの清潔に注意する。
ク さおや手つなぎで救助する方法を知る。
(3) 水泳の心得を理解させ,日常生活に生かされるようにする。
ア 健康を害しているとき,空腹時,疲労時,食事や激動の直後には泳がない。
イ 水泳に安全な場所と危険な場所を知る。
ウ 必ず水泳に自信のあるおとなと同行する。
エ 飛び込むときは,水深,水中の危険物の有無を確かめる。
オ あまり長時間水にはいらない。
カ ひとりだけ離れて泳がない。
キ 水泳中は絶対にわるふざけをしない。
ク けいれんを起したとき,あぶないとき,おぼれた人を見たときは,大声で知らせ,近くの人の助けを求める。
ア からだや身の回りを常に清潔にすることの必要を知る。
イ 立位,座位,歩行などの姿勢について相互に比較しながら,よい姿勢と悪い姿勢に気づくとともに,悪い姿勢のきょう正のしかたを理解する。
ウ 激しい運動や長時間の作業などの疲労の状態,各自の睡眠時間などについての経験を通して,休養・睡眠の必要を理解する。
エ 運動が健康上必要なこと,自己の健康状態に応じた運動のしかたなどについて理解する。
(2) 身体の発達伏態や健康状態 自己のからだの発達状態や健康状態について理解させるとともに,日常生活における健康異常の状態について理解させ,健康異常に注意する態度を養う。
ア 健康診断の結果に基いて,自己の身長・体重・胸囲・座高を知り,また,他人や同年齢の者と比較し,自己のからだの形態的な発達状態を知る。
イ 健康診断の結果に基いて,自己の視力・聴力の状態,疾病異常の有無などの健康状態について知り,進んで治療を受けたり,健康をそこなわないように注意したりすることの必要に気づく。
ウ 肺活量・背筋力・握力・基礎的運動能力などの測定の結果に基いて,自己のからだの機能の現状を知り,運動がこれらの機能の向上に役だつことに気づく。
エ 健康異常の状態にあるときは,顔色が悪くなったり,気分が悪くなったり,食欲がなくなったり,頭痛がしたりすることなどを知り,また,その場合には,体温・脈はく・呼吸などに変化が起ることもあることについての理解を深める。さらに健康異常の場合は,進んで処置を受けるようにする。
(2) 女子は,この学年ごろから身体の発達が急速になるので,女子の特性を考慮して指導する。
(3) 健康・安全に関する指導においては,運動の服装を整える,運動後からだを清潔にするなどの習慣の育成についても適切に行うようにする。
(4) D(1)のウ「簡易サッカー」の指導では,男女別に練習の方法やチームの編成などを考慮する。このことについては第6学年においても同様である。
(5) F(1)のア「すもう」は,女子の場合,欠くことができる。このことについては第6学年についても同様である。
(6) Gの指導においては,理科,家庭科などとの関連を図り,適切な計画を立て,学習効果のあがるように指導する。
〔第6学年〕
1 目 標
(2) チームやグループにおける自己の役割を自覚し,共通の目標に向かって互に協力して練習やゲームを行う態度を伸ばす。
(3) 練習やゲームのしかたをくふうし,計画的に行う能力を育て,校内競技などの計画や運営に参加できるようにする。
(4) 競争やゲームで,規則を守り,最後まで努力し,勝敗の原因を考え,さらに進歩向上をはかろうとする態度を伸ばす。
(5) 運動やスポーツなどに関する初歩的知識をもたせ,日常生活における運動や遊びを健全に豊かにする態度や能力を養う。
(6) 日常かかりやすい病気やけがの予防,簡単な処置について理解させ,健康・安全な生活ができる態度を養う。
A 徒手体操
ア あしの運動……脚または開脚で手をひざにあて,ひざを屈伸する。腕を内外に回しながらひざを屈伸する。足を前−横−前に振り上げる。両腕を曲げ,前上方に振り上げながら,その場でまたは移動して上方に強くとぶ。
イ 腕の運動……腕を前・横・上下に強弱・遅速をつけて屈伸する。腕を下からうしろに振り,上に上げる。腕を横8の字形に回旋する。
ウ くびの運動……くびを前後・左右に曲げる。くびを左右に回す。くびを回旋する。
エ 胴体の運動……腕を斜め上にあげ胸を伸展する。腕を前に上げ,左右に開いて,胸を伸展する。腕を横に上げ,片腕を横から上に上げながら体を左右に曲げる。閉脚で,体を前に曲げ,ひざを曲げてしゃがみ,ひざを伸ばして体を前に曲げ,体を起して腕を斜め上に上げ,胸をうしろにそらす。腕を上に上げ,体をうしろに深く曲げる。ひざつきですわり,体をうしろに曲げる。腕立て伏臥(が)姿勢でとびながらひざを屈伸する。舟のろをこぐ動作をする。腕を前に上げ,左(右)に振り,体を左(右)に回す。開脚で体を回旋する。
(2) 互に協力して運動を行う態度や能力を養う。
ア グループで計画を立てて練習する。
ア 鉄棒運動……さか上がり(伸膝(しつ)),腕立てうしろ回り(連続),足かけうしろ回り,足かけ前回り,足かけ上がり−足かけうしろ回りをする。
イ とび箱運動……開脚の腕立とび越し(とび箱,縦,高さ70cm),閉脚の腕立てとび越し(とび箱,横,高さ約60cm),腕立て横とび越し(とび箱,横,高さ約70cm。伏臥(が)の姿勢),前回り(とび箱,縦,高さ約50cm),をする。
ウ マット運動……前回り−後回り,とびこみ前転,腕立て側転,背支持腕立て前転倒立(補助)をする。
(2) 互に協力して運動を行う態度や能力を養う。
ア グループで計画を立てて練習する。
(3) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
ア 器械・器具の破損の有無に注意し,安全を確かめる。
イ 準備運動・整理運動をする。
ア 短距離走(約100m)……体をやや前に傾けて,手足の調和を保って直線やコーナーを走る。
イ リレー……リレーゾーンがじょうずに使える。
ウ 障害走……きき足で踏み切れるように足を合わせる。
エ 持久走……同じような調子で約1,000m走る。
オ 走り幅とび……そりとびのような形でとぶ。
カ 走り高とび……とび越し方や着地を考えてとぶ。
キ 立ち三段とび……腕を大きくふってとぶ。
(2) グループごとに目標をもち,協力して練習する態度や勝敗に対する正しい態度を養う。
ア グループごとに計画を立てて協力して練習する。
イ 記録,計測などの係を代りあって行う。
ウ 勝敗にこだわらず最後までがんばる。
(3) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
ア 砂場,走路,用具などの安全を確かめ,整備する。
イ 準備運動・整理運動を行う。
ウ 持久走では,自分のからだの調子を考えて走る。
ア ポートボール……走っている味方の速度,方向を考えてパスをする。片手のパスをする。ボールだけでなくまわりも見て,ドリブルをする。ボールを得たら,速く攻める。相手を決めてじゃまをする。審判をする。
イ ソフトボール……正しい構えでスイングしてボールを打つ。走塁・盗塁・帰塁をする。バックアップやベースカバーをする。審判をする。
ウ 簡易サッカー……右足も左足も使ってける。ヘッディングをする。ドリブルからパスやシュートをする。相手のボールを前や横からじゃまをする。ポジシヨンを守って攻めたり守ったりする。審判をする。
(2) 練習やゲームを計画的に進める能力を高める。
ア 互に能力を考えてチームを編成し,規則を作り,計画的に練習やゲームを行う。
イ 相手の立場を考えながら,意見を交換し,目標に協力する。
ウ 用具・コート係の役割を分担し,それを果す。
エ なるべく多くの者が交代して審判をする。
(3) 健康・安全に注意して運動を行う態度や習慣を養う。
ア 競技規則で禁じられた方法を用いない。
イ コートや用具の安全を確かめ,整備する。
ウ バットの取扱に注意し,危険のないようにする。
エ 準備運動・整理運動をする。
ア フォークダンス
(ア) 郷土の民踊,トロイカ,バージニアリールなどをする。
(イ) 方射形・対列・1重円でスキップ,ランニング,ウォーキング,ギャロップ,スタンプ,日本民踊の手ぶり・足どりなどをする。それぞれの国の踊りの特徴にふさわしく踊る。
イ 表現
(ア) 自然・日常生活事象・音楽・物語などから題を選んで表現し,中心をもつようにまとめる。
(イ) 4人ないし6人で歩・走,跳躍,屈伸,回旋,回転,振動,平均,倒などの1,2,3,4拍動作を強度や連続を変えて相手と対応して行う。前後,左右,斜めに移動したり,回ったりする。
(ウ) 題や内容のえらび方,表わし方,まとめ方などについてよい表現を見分ける。
(エ) 内容にふさわしい伴奏音楽をくふうする(リズム楽器,旋律楽器,歌を歌うなど)。
(2) グループで相互に協力して練習や発表会を計画し,運営する能力を養う。
ア グループごとに簡単な練習計画を立てる。
イ 役割や配役を決めてじょうずに果す。
ウ グループの中で,またグループ相互に長所・短所を見つけて直しあう。
エ 発表会を計画し,プログラム係,進行係などの役割を決め,運営する。
ア すもう……しこ・伸脚・運び足・攻めなどの基本動作を行う。
押しあい,突きあい,寄りあいの練習をする。押し・突き・寄りを用いたすもうをする。
イ 水泳
(ア) クロール……腕と足の動作を調和的にする。腕で水をかいたときに息を吸う。
(イ) 平泳ぎ……主として脚の力で泳ぎ,腕は浮きをとる。
(ウ) 潜水……平泳ぎの要領で潜水する。
(エ) さか飛込み……低い台から飛び込む。
(2) 健康・安全に注意し,グループで計画をもって協力して運動を行う態度や能力を養う。
ア リーダーを中心に練習のしかたを決める。
イ チームをつくり,チーム対抗のすもうの競技会を計画し,運営する。
ウ 頭の毛をつかむ,すねをける,つねる,さばおりなどの禁じわざを守る。
エ 水泳の前後には,必ず人員点呼を受ける。
オ 水泳ではふたり組をつくって練習する。
カ 水泳の前後には,準備運動・整理運動をする。
キ プールでのきまりを守り,プールの清潔に注意する。
ク 浮具を投げて救助する方法を知る。
(3) 水泳の心得を理解させ,日常生活に生かされるようにする。
ア 健康を害しているとき,空腹時,疲労時,食事や激動の直後には泳がない。
イ 水泳に安全な場所と危険な場所を知る。
ウ 必ず水泳に自信のあるおとなと同行する。
エ 飛び込むときは,水深,水中の危険物の有無を確かめる。
オ あまり長時間水にはいらない。
カ 仲に向かって泳がないで岸に平行に泳ぐ。
キ 水泳中は絶対にわるふざけをしない。
ク けいれんを起したとき,あぶないとき,おぼれた人を見たときは,大声で知らせ,近くの人の助けを求める。
ア かぜの症状や原因について知り,その予防に努める。
イ インフルエンザの症伏や感染経路を知るとともに,その予防には,うがいをしたり,患者に近づかないことなどが必要であることを知る。
ウ 回虫病,十二指腸虫病の症状について知るとともに,その感染経路についての理解を深め,その予防に注意し,定期的に検便を受け,虫卵があったときは,駆虫に努めるようにする。
エ 白せん,かいせんなどの皮膚病の症状や感染経路を知り,その予防には,からだや衣服の清潔がたいせつであることを知る。
オ トラホームの症状や感染経路について知り,その予防に努める。
カ 食中毒の症状やおもなる原因について知るとともに,その予防には,ねずみやごきぶり(あぶら虫)の駆除,食物の保存に注意すること,加熱して食べることなどが必要であることを知る。
キ 赤痢の症状を知るとともに,消化器糸の伝染病の予防には,下水やふん便の完全な処理,なま水やなまものを飲食しないこと,はえの発生の防止や駆除など,いろいろな方法があるが,日常生活において手をよく洗うことや食物の清潔に注意することが最もたいせつであることを知る。
ク 結核については,発病していても自覚症状のほとんどないことや,その予防には,定期的な健康診断を受け,その結果に従って適切な処置を受けることが必要であることを知る。なお,自然陽転者は,約1か年,日常生活において特に栄養や休養に注意しなければならないことを知る。
ケ 伝染病の発生状態などから,伝染病の予防のために,予防接種が必要であることを知るとともに,定期的に受けなければならない予防接種の種類を知る。
(2) 傷害の防止 けがややけどの原因とその防止について理解させ,簡単な応急手当ができるようにする。
ア 交通事故,遊びや運動の事故,その他日常生活における事故の原因と予防のしかたについて知り,また安全についての規則を理解し,必要に応じて安全についてのきまりをつくる。
イ やけどの原因と予防のしかたを知る。
ウ すり傷,切り傷の手当や簡単な止血法,ほうたいの簡単なしかたおよびやけどの簡単な手当について理解するとともに,それに必要な技能を養う。
(3) 各種の運動の特徴と運動競技会 運動の種類とその特徴,校内競技,運動会などの計画や運営についての基礎的事項について理解させるとともに,国民的な体育行事についても関心をもたせ,日常生活においてすすんで運動を実践する態度や習慣を養う。
ア いままで学習した運動について,その種類や特徴についての理解を深め,仲間や場所に応じた運動のしかたを知る。
イ 校内競技,運動会の計画や運営にあたって心要なチームの単位,競技会の形式,競技規則,役員などの決定,コートや用具の整備などの基礎的事項について知る。
ウ 広く国民の間に運動やスポーツを普及し,生活を明るく健全にするため,毎年,国民的な体育行事として国民体育大会が設けられていることを知る。
(2) 女子は,身長・体重の急速な発達に心臓の発達が伴わないことがあり,また,第二次性徴も現われはじめるので,その特性を考慮して指導する。
(3) 健康・安全に関する指導においては,運動の服装を整える,運動後からだを清潔にするなどの習慣の育成についても適切に行うようにする。
(4) Gの(1),(2)については,理科,家庭科などとの関連をはかり,学習効果のあがるように指導する。(3)については,単なる知識の指導に終ることなく,AからFまでの各領域や特別教育活動などとの関連をはかり,適切に指導する。
第3 指導計画作成ならびに学習指導の方法
1 次の表は,年間の授業次数に対する各領域の授業次数のおよその割合を示したものである。
学年
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2 第2に示す内容は,特に示す場合を除き,いずれの学校においても取扱うことを必要とするものであるが,地域や学校の実態を考慮し,特に必要と認められる場合は,これに示していない運動種目を加えて指導してもさしつかえない。しかし,いたずらに指導する種目を多くしたり,程度の高い事項を取り扱ったりして,示された目標や内容の趣旨を逸脱したり,負担過重にならないよう慎重に配慮しなけれはならない。
3 地域の特性,施設,季節およびその他の条件を考慮して,各領域の内容やその授業時数について,次のような措置をとることができる。
(2) 寒冷地,積雪地では,スキー(雪遊びを含む),スケートを指導することができる。この場合,1に示した内容の各領域についての授業時数の割合をあまり狭ばめないように配慮する。
(2) 内容の配列にあたっては,特別教育活動,学校行事等(たとえば運動会など。),季節および施設用具などを考慮する。
(2) 児童の個人差にじゅうぶん留意し,男女の特性や個人差に即した目標をもたせるなど,個人差に応ずる指導を考慮する。
(3) 毎時間の指導においては,常に児童の健康状態を観察し,健康に異常のある場合は,休養または見学させるなどの指導は当然であるが,また,病弱者,身体虚弱者,肢(し)体不自由者に対しては,学校医と密接な連絡をとり,その程度に応じて適切に指導する。