第1 目 標
2 自然の環境から問題を見いだし,事実に基き,筋道を立てて考えたりくふう・処理したりする態度と技能を養う。
3 生活に関係の深い自然科学的な事実や基礎的原理を理解し,これをもとにして生活を合理化しようとする態度を養う。
4 自然と人間の生活との関係について理解を深め,自然を愛護しようとする態度を養う。
教科の目標1については,低学年では,ごく身近な自然の事物・現象を見たり,扱ったりさせることによって,自然に親しむ態度を養うとともに,事実に即したものの見方・考え方を育て,主客未分化的な見方からはやく脱皮させるようにし,学年が進むにつれて自然環境をしだいに広げ,事物・現象の観察や処理を通して客観的なものの見方・考え方ができるようにする。目標2については,低学年では自然の環境から疑問を見いだし,これを解こうとしてそのしかたを考えたり,これを実際に行って確かめたりすることができるようにし,学年が進むにつれてはっきりした問題をとらえ,これを分析したり総合したりして考察することに慣れさせ,筋道の通った考え方でくふう・処理することができるようにする。目標3については,低学年では,自然の事物・現象についての観察を広め,その中から自然科学的な事実を意識するようにし,新しいことがらに出あったときに,これを前の経験と結びつけていけるようにする。学年が進むにつれて,多くの経験の中から自然科学的な事実や基礎的な原理を理解させ,生活に応用じてこれを合理化しようとするようにする。目標4については,低学年では,飼育栽培から始め,生物を愛護するようにし,学年が進むにつれて,その気持を自然物一般に広げ,自然と人間の生活との関係を考慮し,自然の保護や利用のしかたについての関心を深め,自然科学の進歩が生活を豊かにするのに役だつことを認識させるようにする。
第2 各学年の目標および内容
〔第1学年〕
1 目 標
(2) ごく身近な自然の環境について疑問をもち,これを納得のいくように解こうとする気持を強めるとともに,自然の著しい事物・現象を全体的・直覚的にとらえるように導く。
(3) 主として遊びの形を通して,ごく簡単な自然科学的事実に気づき,これに関連のある事物・現象を正しく見たり考えたり扱ったりしようとする気持を育てる。
(4) 学校や家庭などで育てている草花や動物の世話を手伝い,それらをかわいがることに喜びをもつようにする。
ア 花だんの草花の観察と,世話の手伝いをする。
(イ) あさがおのような粒の大きな種子をまき,種子のまき方を知る。まいた種子に水を与えて発芽をまち,発芽や育つ様子を見守り,世話の手伝いをして,これを愛育しようとする。
(ウ) 春まいた草花の開花について話し合い,花を数えたり,つぼみや葉を観察したりなどして,親しみをもつとともに,その色・形・草たけなどの違いに気づく。
(エ) 秋咲く草花を観察して,秋になると春・夏のころ見られなかった草花の咲くことに気づく。
(イ) 野山で,草つみ・花つみ・花束つくりなどをして遊び,それぞれの花の種類や様子に気づく。また,木の実や茎・葉を使って木の実遊びをくふうしたり,草笛つくりや葉ならべなどをしたりして,実・茎・葉の色や形などに気づく。
(イ) 取った虫やかたつむりなどを観察し,色や形,運動のしかたなどに気づく。
(イ) きんぎょやめだかなどをガラスの水そうに入れてえさを与え,その食べ方や泳ぎ方に気づく。
きんぎょなどには,大きさ・色・形の違ったものがあることに気づく。
(イ) みかんなどを絞ってしるをとり,これらであぶりだしをして遊び,しるの色や様子,あぶりだしをしたときの色の変り方に気づく。
ア 天気には,いろいろあることに関心をもつ。
(イ) 天気を簡単な絵記号で1週間ぐらい記録することができるようになる。
(イ) 石ころを集め,色や形で分けたり,石並べなどをしたりして,石の色や形に関心をもつ。
ア 風で動くおもちゃを調ベる。
(イ) 作ったおもちゃを風に当てたり,うちわであおいだりして,その動く様子が風の向きや強さによって違うことに気づく。
(イ) 影の濃さは,ガラスや水のような物と金物や木のような物とでは違いのあることに気づく。
(ウ) 影の形・大きさ・濃さは,物と電燈やスクリーンとの距離,または,物の置き方によって変ることに気づく。
(イ) 鏡を使って光あて遊びなどをして,光を決まった所に当てるには,鏡の向け方をくふうしなければならないことに気づく。
(イ) 氷が水に浮くことや,氷や雪が溶けて水になる様子などに気づく。
(イ) 磁石で身のまわりのいろいろな物を調べ,磁石が引きつける物と引きつけない物とがあることに気づく。
(ウ) 磁石を使うおもちゃや遊びをくふうして,磁石のはたらきに興味をもつ。
(2) 内容の文中「気づく」とあるのは,児童の自発活動によって,実際のものについて観察したり考えたりなどして,みずから納得することをさしている。したがって,教師が話などにより,結果だけを教えこむような指導は避けなければならない。このことは,第2学年以上においても同様である。
(3) 内容の文中「知る」とあるのは,児童が観察・実験などを通して学習するのを本態とするけれども,さらに,教師が知識として与える面が必要な場合を意味している。したがって,児童にじゅうぶん活動させないで,教師が初めから教えこむことは避け,その知識も,児童が納得できるように程度を考えて,無理のない指導をすることがたいせつである。このことは,第2学年以上においても同様である。
〔第2学年〕
1 目 標
(2) 身近な自然の環境から疑問を見いだし,これを解決しようとしていろいろくふうし,見たり,ためしたりすることにより,自然の事物・現象の目だった特徴のとらえ方ができるようにする。
(3) 遊びや作業などの活動を通して簡単な自然科学的事実に気づき,これに関連した新しい事実の正しい見方・考え方・扱い方ができるようにする。
(4) 育てやすい草花や身近で興味のある動物の世話をさせ,それらをかわいがり,よく育てようと努めさせる。
また,自分たちの歯のつくりやはたらきに気づき,歯をたいせつにするように導く。
ア 草花の世話をし,育ち方に関心をもつ。
(イ) まいたり植えたりした種子や球根の,芽ばえや育ち方が種類によって違うこと,よく育てるためには日がよく当るようにし,ときどき水をやらなければならないことに気づく。
(ウ) 雑草を抜いたり,水を与えたりなどの手入れや世話ができるようになる。
(エ) 種子を取ったり,球根を掘ったりして,一つの種子や球根から多くの種子や球根ができることに気づき,翌年のために,それらを保存することができるようになる。
(イ) 四季おりおりの野山の草を集めて,花だんやはちに植えたり,押し花・押し葉にしたり,木の実でこまなどを作ったする間に種類によって花・実・茎・葉などが違うことに気づく。
(ウ) 秋から冬にかけて葉が色づいて落ちる木と,そうでない木のあることや,草の地上の部分がたいてい枯れてしまうことなどに気づく。
(エ) 早春の野山に出て,草木の芽ばえなどを観察したり,つみ草をしたりして,春めいた自然の印象を深める。
(イ) 田畑で採集した虫をびんや箱に入れて,えさを与え,食べる様子を観察するとともに,それらの虫の生活に興味を深める。
(イ) 池や小川(海)で採集したいろいろな動物を水草とともに水そうに入れて観察し,それぞれの形や泳ぎ方などについて違いのあることに気づく。
(イ) 乳歯は抜け換ること,抜け換った歯は二度と抜け換らないことや,歯のはたらきを知り,歯をたいせつにするようになる。
ア 天気の変化に関心をもつ。
(イ) 日によって,暑さ・寒さなどが違うことに気づく。
(ウ) 毎日の天気の様子を簡単な記号で2〜3週間記録し,天気は日によって変り,また1日のうちでも変ることがあることに気づく。
(エ) 吹き流しなどを利用して,風の向きや強さがいろいろと変ることに気づく。
(イ) 土や砂に水をかけ,水がしみこんでいく様子を観察して,地上に降った雨水の一部は地下にしみこむことを知る。
(ウ) 雨が降り続いた後の小川や池などを観察して,川や池などの水がふえたり,濁ったりしていることから,雨水の一部は川や池に流れこんだり低い所にたまったりしていることに気づく。
(イ) 太陽は毎日東から出て西にはいることに気づくとともに,これをもとにして,東西南北の方角を知る。
(ウ) 立木や棒などの影の動きに興味をもち,影は朝・昼・夕としだいに西から東へ動いていることから,影の動くのは,太陽が刻々動くためであることに気づく。
ア 水車の回り方を調べる。
(イ) 油粘土などで船を作って水に浮べ,水に沈むものでも,形によっては,浮く場合があることに気づく。
(イ) うでの長さやうでのつけ方,つけるおもりの重さを変えると,つりあい方が変ることに気づく。
(イ) ふくらましたゴム風船を水中に押し入れたり,水中で風船の口を開いたりして,手ごたえのあることやあわの出ることに気づく。
(ウ) ボールにたくさん空気を押しこむと,よくはずむようになることに気づき,空気をつめて使うものを考える。
(イ) 紙を吹いたり輪ゴムなどはじいたりして音を出し,それらが震えていることに気づく。
(イ) シャボン玉を吹いて,その大きさや色に興味をもち,吹き方や飛ばし方をくふうする。
(ウ) 水の中にせっけんを少しずつ溶かし,そのたびにシャボン玉を吹いてみて,せっけん水の濃さによつて,シャボン玉がうまく吹けたり,吹けなかったりすることに気づく。
(2) 内容(1)のウ〔田畑の虫〕では,そのころの作物の種類や生育の様子にも注意を向けさせ,また,田畑を荒さないように指導することがたいせつである。
(3) 内容(1)のエ〔池や小川(海)の生物〕については,海に近い所では潮干狩などを利用し,この内容と関係のある海辺の生物について,学習させることが望ましい。
(4) 内容(2)のエ〔月の形〕は,天体を夜間観察する最初であるから,特に家庭における学習のしかたについて懇切に指導し,児童の負担が過重にならないよう注意しなければならない。三日月の観察から始め,満月まで2・3回月の形を観察することが適当であろう。
(5) 内容(3)のキ〔音の出方〕,ク〔シャボン玉〕の学習に用いる笛や管などのように,口をつけて吹くものは,吹く前によく洗わせ,衛生に注意することがたいせつである。
〔第3学年〕
1 目 標
(2) 身近な自然の環境から疑問をとらえ,これを解決しようとして,いろいろくふうして見たり,ためしたりして考え,いろいろな事物・現象の共通点や相違点に気づくようにする。
(3) 作業や考察などを通して簡単な自然科学的事実に気づき,これをもとにして,新しく経験する事実がうまく扱えるようにする。
(4) 生物の飼育・栽培・野外観察などにより,いろいろな生物の生活の様子を知り,広く生物をかわいがるようにする。
また,外部からの観察を通して,人のからだのつくりの大要に気づくようにする。
ア 学校園の世話をし,草花や野菜の育ち方・ふやし方を調べる。
(イ) 苗の植え換えをし,植物には植え換えるとじょうぶに育つものがあることを知る。
(ウ) あぶらなのようなつくりの見やすい花を観察して,花はがく・はなびら・おしべ・めしべなどからできていることを知る。
(エ) へちまには,実のできる花と実のできない花とあることに気づく。
(オ) へちまの水取りをし,根の吸った水が茎の上方にのぼることを知る。
へちまの実の内部を観察し,その筋を利用することを知る。
(カ) 草や木で,さし木・株分けを行い,植物には,さし木・株分けでふやすことのできるものがあることを知る。
(キ) 球根などの水栽培をし,根や芽が出る様子や,葉・つぼみ・花の様子を観察記録して,球根の中に養分のあることに気づく。
(ク) 草花などに霜よけをしたり,これらを簡単なフレームなどの中に入れたりして,草木の中には冬の寒さを防いでやる必要のあるもののあることを知る。
(イ) 花だんや野山で普通に見られる植物の開花結実などの期日に違いのあることに気づくとともに,草木の種子の散り方に気づく。
(ウ) 鳥や虫などの中には,年中見られるものと,ある季節にだけ見られるものとがあることに気づく。
(エ) 鳥や獣の中には,季節によって,からだの様子や生活のしかたが変るものがあることに気づく。
(オ) 1年の終りに季節ごとの観察の記録をまとめて,季節の移り変りについての理解を深める。
(イ) 採集した虫を飼って観察し,鳴く虫にもいろいろあることに気づき,雌雄の別,鳴く様子,食べ物や食べ方などがわかる。
(イ) かえるには,いろいろな種類があることを知り,それらのすむ場所や運動のしかたなどに気づく。
(イ) 花や実のしるに水や酢を加えたり,木灰の上澄み液を作って加えたりして,色の変り方に違いのあることに気づく。
ア 四季おりおりの天気を調べ,その特徴に関心をもつ。
(イ) 季節により,暑さ・寒さに違いがあることに気づく。
(ウ) 四季おりおりの雲を観察して,いろいろな形があることに気づき,夏は入道雲,秋はすじ雲など,季節によって多く見られる雲のあることを知る。
(エ) 1年の終りに,季節ごとの観察記録をまとめ,季節の移り変りについて理解を深め,季節の特徴を知る。
(イ) がけや切り通しなどで土や岩石を観察したり,柔らかい岩石を砕いたりして,土は岩石から変ったものであることを知る。
(イ) 石を集め,形・色・大きさ・かたさなどにいろいろあることに気づくとともに,簡単な標本を作ることができる。
(イ) 毎日,同じ時刻に月を観察して,月の位置や形は,少しずつ変っていくことに気づく。
(ウ) 月はいつも同じ形には見えないが,一つのまるいものであることを知る。
(エ) 三日月・半月・満月などの動きを観察して,月も東から西へ動いていることを知る。
ア ゴムやばねを利用したおもちゃをくふうする。
(イ) 水でっぽうを作って遊び,水が吸いこまれたり,押し出されたりするしくみに気づき,水を遠くへ飛ばすように押し方や傾け方などをくふうする。
(イ) 金属・木などを伝わって音がよく聞えることに気づく。
(ウ) 聴診器・伝声管などを使って遊び,これらを使うと,音がよく聞こえることに気づく。
(イ) 2枚以上の鏡をいろいろ組み合わせて,物の映り方が変る様子を観察する。
(ウ) 鏡をうまく組み合わせて,万華(まんげ)鏡や潜望鏡をくふうして作り,その映り方に興味をもつ。
(イ) 虫めがねを目から離して,遠くの物を見ると,物がさかさまに小さく見えることに気づく。
(ウ) 虫めがねに日光を当てると,影の中に明るい所ができ,虫めがねを動かして,これを小さくすると,黒い紙などが焦げることに気づく。
(イ) 物の冷たさや暖かさの程度は,温度計を使えば正しく調べられることを知り,温度計の初歩的な扱いができるようになる。
(イ) 上記の寒剤を入れたガラスの器などの外側が曇ったり,霜のようなものがついたりすることに気づく。
(ウ) 寒剤の中に,水を入れた試験管をさしこみ,水が冷えて氷になるときの様子に気づく。
(イ) 縫い針などを磁石でこすって,それが磁石になることに気づく。
(ウ) 磁石を自由に動くようにささえると,南北をさすことに気づく。
(エ) 磁石(コンパス)を使うと,方位を知ることができることに気づき,磁石の使い方を知る。
(イ) 乾電池と豆電球の回路にスイッチをつないで豆電球を点滅させて,回路の一部が離れていると電気が通らないことに気づく。
(ウ) 乾電池と豆電球の回路に,金物・紙・木などを入れて豆電球の点燈のしかたを調べ,電気を通しやすいものと通しにくいものがあることに気づく。
(イ) ほう酸を水や湯に溶かして比べ,その溶け方が水の暖かさによって違うことに気づく。
(ウ) 湯に溶けたほう酸の液を冷やすと,湯がさめるにつれて,液中にほう酸が小さな粒となって出てくることに気づく。
(エ) 濃い食塩水(飽和溶液)を10倍ないし20倍にうすめて,うがい水をつくることができるようになる。
(オ) マッチやアルコールランプの扱い方を知り,安全に使うことができるようになる。
(イ) 感光紙の上に花や葉などや,絵や字を書いた薄い紙などをのせて日光に当てると,その物の形が写し出されることに興味をもつ。
(ウ) (イ)のように光に当てた感光紙は,水で洗えば,さらに光を当てても変色しないようになることを知る。
(2) 内容(1)のア〔学校園の世話〕と(2)のイ〔土の性質〕とは関係が深いから,その点を考慮して計画を立てる必要がある。
(3) 内容(3)のキ〔物の温度〕の学習は,今までの感覚的にとらえてきた冷温の程度を,温度計を使うと客観的に測れることを理解させる最初の段階である。内容(2)ア〔四季の天気〕に関する学習においても,暑さ寒さは気温に関係することから,気温を温度計を用いて測るように,しだいに指導することが望ましい。細かい目もりの読みや測定技術の指導は第4学年にゆずり,ここでは温度計のだいたいのつくりや,温度計の液の高さを目の高さと水平にして見るとか,温度計が体温などで暖まらないように注意して読むとかなどの基礎的な扱いの指導に重点をおくべきである。
(4) 虫めがね・マッチ・アルコールランプなど観察・実験に必要な器具の正しい扱い方を指導するだけでなく,必要に応じこれを使用させ,その扱いに慣れさせるように指導することがたいせつである。
〔第4学年〕
1 目 標
(2) 自然の環境から問題を見いだし,これを解決しようとする意欲を高め,解決の方法を考え,それを事実に即して確かめることができるようにする。
(3) 学校や家庭などにおける生活の中で得られる事実をもとにして,それらの基礎となる自然科学の原理が理解できるようにする。
(4) 身近な自然の事物・現象を利用することに喜びをもたせ,自然物をたいせつにして,これをみだりにいためたり荒したりしないようにする。
ア いもやまめの育ち方やふえ方を調べる。
(イ) 植物にはじゃがいもなどのように,いもでふえるもののあることに気づく。
(ウ) 秋まきのえんどうなどは,春になると目だった育ち方をすることに気づくとともに,その花や実のつくりを調べる。
(イ) 水辺・水面・水中に生育する植物の葉や茎を比較観察して,それぞれの著しい特徴に気づく。
(ウ) うきくさを水そうに入れておき,それが分れてふえることや,日あたりなどによって,ふえ方に速い遅いがあることに気づく。
(イ) か・はえの一生の変化や生活の様子を観察して,これをもとにして,駆除する方法を考えることができるようになる。
(イ) 潮のひいた砂浜・潮だまりまたはいそで,貝・うにのように手に入れやすい海浜の動物を観察したり採集したりして,それらにはいろいろな種類のあることや,それらの生活の様子に気づく。
(ウ) 海そうや海浜の植物のはえている様子を観察したり,それらを採集したりして,その性状が野山の植物と違っている点に気づく。
(エ) あさり・はまぐりなどのような二枚貝を観察して,貝がら・ちょうつがい・貝柱・足・入水管・出水管などのあることを知る。
(イ) こん虫はその種類によって,卵・幼虫・さなぎまたは成虫のようないろいろな状態で冬を越すことを観察し,あわせて,身近に見られるその他の動物の冬の越し方を知る。
(ウ) 春・夏のころ見られた鳥の中には,秋から冬にかけて見られなくなるものがあり,秋・冬のころになると春・夏のころに見られなかった種類の鳥が見られるようになることを知る。
(イ) 鼓動・体温・呼吸などが,運動したときや病気のときには正常時と違うことを知る。
(ウ) 口・目・耳・鼻・皮膚の清潔に注意し,むし歯・トラホームなどの病気にかからないようにする。
(イ) これらの栄養素は,それぞれ独自のはたらきをもっていて,一つの種類の食物だけでは,栄養を完全にとることはできないことを知る。
ア 気温を測り,その変化を調べる。
(イ) 気温を測り,それが1日のうちでも,また季節によっても変化することに気づく。
(ウ) 地温や水温を測り,気温との違いに気づく。
ア 川の水の流れ方を調べる。
(イ) 川に木片などを流して流れの様子を調べ,川の中央と岸とでは流れの速さに違いがあることに気づく。
(イ) 海岸のがけ・砂浜の様子などから,海水にも川の水と同じようなはたらきがあることを知る。
(ウ) 雨水や川の水のはたらきで,長い間に土地の様子がしだいに変化していくことを知る。
ア おもな星と星座を観察する。
(イ) 北極星・北斗七星・カシオペア座・さそり座・オリオン座など目ぼしい星や星座を観察して,明るさや並び方など,区別のつく特徴に気づき,これを見分けられるようになる。
(ウ) 季節によって,見える星はいつも同じではないことに気づく。
(エ) 北極星は方角を知るに役だつことを知る。
ア てんびんのしくみとはたらきを調べる。
(イ) 上ざらてんびんのはたらきを知って,正しく使うことができるようになる。
(イ) 卵などは水の中では沈むけれども,濃い食塩永の中では浮くことに気づく。
(イ) はさみ・おしぎりなどは,てこのはたらきを応用した道具であることを知り,その使い方に慣れる。
(イ) 水が凍るのは普通0°C,沸騰するのは普通100°Cであることを知る。
(イ) 温度計は温度の高低によって,水銀やアルコールなどが膨張・収縮することを応用したものであることを知る。
(ウ) 水が氷になったり,氷が水になったりするときには,体積が変る事実に気づく。
(エ) 水を少量入れた試験管を熱して,試験管にはめたせんを飛ばし,水は水蒸気になると体積が著しく増すことを知る。
(イ) 2個の乾電池を豆電球につなぐとき,直列・並列のつなぎ方によって,豆電球の明るさが違うことに気づく。
(ウ) 豆電球の明るさが違うのは,豆電球を流れる電流の強さが違うからであることを知る。
(エ) 乾電池に豆電球をつないだときの回路を,簡単な絵や記号を使った配線図で表わしたり,配線図に従って簡単な回路を組み立てたりすることができるようになる。
(オ) 乾電池や豆電球などを使って,簡単な懐中電燈・シグナルなどをくふうして作ることができる。
ア でんぷんを取り,その性質を調べる。
(イ) でんぷんを水に入れて振ったり,これを熱したりして,でんぷんは水に溶けないが,これを暖めるとのりになることに気づく。
(ウ) でんぷん液によう素液を加えると青紫色に変ることから,でんぷんを確かめるには,よう素液を用いればよいことを知る。
(エ) パンやごはんなどに,よう素液をつけると青紫色に変ることから,これらの食物にはでんぷんが含まれていることがわかる。
(オ) ごはんをかんでいると甘くなることから,でんぷんは,つばのはたらきで砂糖のなかまに変ることを知る。
(イ) 水にあぶらを入れると,まじらないで上に浮くことから,あぶらは水に溶けないで,水より軽いことに気づく。
(ウ) あぶらの中にしんを立てて火をつけると,燃えることに気づく。
(イ) たんぱく質を含んだものを焼くと,特臭を出して変化することに気づく。
(ウ) たんぱく質には,熱したり,酢を加えたりすると,固まるものがあることに気づく。
(イ) 食塩水(または海水)を熱して水分を蒸発させ,食塩を取り出すことができることに気づくとともに,製塩法を知る。
(ウ) 食塩水を熱し,出てきた水蒸気を集めて冷やし,その水を味わって,食塩が含まれていないことに気づく。
(2) 内容(2)の気温・地温・水温の観測結果の記録やその処理については,算数科で得た知識・技能をじゅうぶんに活用し,また,これによって表やグラフについての理解を深めることがたいせつである。
(3) 内容(3)のイ〔水のはたらき〕に関する学習は,第2学年(2)のイ〔雨水のゆくえ〕の発展として扱い,また,川原の石についても指導することがたいせつである。
(4) 内容(5)のウ〔てこ〕に関する学習は,第6学年(5)のエ〔てこ〕との関連を考え,ここでは日常用いられる道具を使い,それを通して具体的な経験を得させて,てこの三点と,それにはたらく力について理解させる。三点間の数量的関係については,第6学年で扱うようにする。
(5) 内容(6)のア〔でんぷん〕・イ〔あぶら〕・ウ〔たんぱく質〕は,(1)のク〔食物と栄養素〕との関連を考えて指導することがたいせつである。(1)ア〔いもの栽培〕で収穫したいもは(6)のア〔でんぷん〕に利用することができる。
〔第5学年〕
1 目 標
(2) 自然の環境の中にある問題を見いだし,解決の方法をいろいろ考えて事実に即して確かめ,処理できるようにする。
(3) 日常生活の中で経験できる事実をもとにして,自然科学的な基礎的原理を理解し,これを生活にあてはめてみるように導く。
(4) 自然の事物や現象についての理解をもとにして,自然と人間の生活との関係に気づくようにし,自然を愛護しようとする気持を養う。
ア いねを栽培して,その育ち方を調べ,環境との関係に関心をもつ。
(イ) もみをまき,発芽したときの様子を観察し,芽の出方の特徴に気づく。
(ウ) いねの育ち方を観察して,株の分れ方,花の咲く時期,花のつくりや開閉などを知る。
(エ) いね・むぎのほかにも,まつ・とうもろこしなどのように,こん虫のなかだちによらないで受粉するもののあることを知る。
(オ) 除草,施肥,水温や気温などが,いねの生育に関係することを知る。
(カ) いねは,ずいむしなどの害虫や病気におかされる場合のあることに気づくとともに,これらの害を防ぐ方法を知る。
(イ) 発芽には適当な水分や温度が必要なことを知る。
(ウ) かき・そらまめのように,つくりの見やすい種子を観察して,種皮・子葉・はい乳などがあることや,それぞれのはたらきを知る。
(エ) 種子をはちにまき,明るい所や暗い所で育て,茎の伸び方や色・茎や根の伸びる方向などが,光に関係することに気づく。
(イ) 花には,かぼちゃのように雄花・雌花の別のあるものもあることを知るとともに,かぼちゃなどで人工受粉をしたり,受粉をさまたげたりして,花は受粉すると,めしべのもとがふくらみ,実となり,その中に種子ができることを知る。
(ウ) あぶらな・つつじ・たんぽぽなどの花びらの数・形・並び方などを観察して,それらには,それぞれよく似た花があることに気づく。
(エ) ちょう・がなどのからだのつくりを比較観察し,からだの区分や目・ひげ・はね・足などの共通点に気づき,これらがこん虫であることを知る。
こん虫には,このほか多くの種類のあることを知る。
(イ) 池や海などの水を顕微鏡で観察することにより,水中には,みじんこ・ぞうりむし・けいそうなどの小さな生物がすんでいることに気づき,これらが魚のえさとなることを知る。
(ウ) いろいろな魚の種類や生活のしかたを調べて,魚には海にすむもの,川にすむものがあり,また生育の時期によって生活の場所を変えるものがあることを知る。
(エ) めだかなどのふやしやすい魚を飼育して,魚が卵から生れて育っていく様子を観察するとともに,魚の養殖のしかたを知る。
(イ) 病原体が体内にはいっても,必ず発病するものではないが,栄養の不足や,過労,不節生などのためにからだが弱っているときには,発病しやすいことを知る。
(ウ) 人体の寄生虫には,回虫・ぎょう虫・十二指腸虫などがあり,健康に影響することに関心をもつ。
(エ) 回虫や十二指腸虫の寄生経路を知り,検便の必要や,これの駆除予防についての理解を深める。
(オ) 病原体は日光・熱・薬品などによって殺すことができることを知り,これを実行するように努める。
ア 風の向きや強さを調べる。
(イ) 簡単な風向計を作って風の向きを測り,風向は1日の中でも変化することに気づくとともに,風の向きや速さを正確に測るには,風向計・風速計を使うことを知る。
(ウ) 季節や場所(海岸・山あい)などによって,風が吹く向きやその変り方に特徴があることに気づくとともに,風の向きや強さが日常生活と関係のあることを知る。
(エ) 風は空気の動きであることに気づくとともに,局地風の起るわけを実験によって理解する。
ア 地層を観察し,そのでき方に関心をもつ。
(イ) 地層は水や風などのはたらきによって,粘土や砂などが積り,長い年月かかってできたことを考えることができる。
(ウ) 地層の傾きなどを観察して,地層はできてから後にもち上がったり,傾いたりすることを知る。
(イ) 岩石はそれぞれの性質によって利用され,砂岩・粘板岩などは石材として,石灰岩は石灰・セメントなどの原料として使わることを知る。
(イ) 化石が過去の生物であることや,出てきた化石によって,その化石を含んでいた地層のできた当時の様子が,現在の様子と違っていたことを知る。
ア 地球の自転と昼夜のでき方を理解する。
(イ) 月は太陽の光を反射して光っていることを知る。
(ウ) 太陽は月とほぼ同じ大きさに見えるが,月よりも大きくて,遠くにあることを知る。
(エ) 北の空の星は,北極星のまわりを回っているように見えることや,そのほかの星も時間がたつにつれて,位置が変っていくことを観察して,星も太陽や月と同じように,1日たつとだいたいもとの位置に見えることを知る。
(オ) 太陽・月・星の1日の見かけの運行の事実から,地球は自転していることを知る。
(カ) 海岸に近づく船が帆柱から見え始めることなどから,地球が球形であることを知る。
(キ) 太陽は自転している地球の半分を照すために,昼夜ができることを理解する。
ア 物の運動に伴う摩擦の大小と,その利用について調べる。
(イ) 同じ物を木やガラスなどの板の上で動かし,面のなめらかさによって摩擦に大小のあることに気づく。
(ウ) 物を動かすとき,接触面にろうや油を塗ったり,ころや車を使ったりすると,運動をさまたげる力が小さくなることを,ぜんまいばかりなどを使って確かめる。
(エ) 身のまわりの道具や機械には,ベアリングやブレーキなどのように,使う目的によって摩擦を小さくしたり,大きくしたりするくふうがされていることを理解する。
(イ) あき箱(直方体)などの内部につけたおもりの位置を変えたり,また,底の広さの違う箱を使ったりして,箱を少しずつ傾けて,その倒れ方を調べ,すわりのよしあしが,おもりの位置や重さ,底の広さに関係のあることを理解し,いろいろな物のすわりに関心をもつ。
(イ) 簡単な琴を使って,弦の長さ・太さ・張る強さの違いによって,音の高低の違いができることを理解する。
(ウ) 琴の弦をはじいたり,太鼓をたたいたりなどして,音の強弱は,振幅の大小に関係することを理解する。
(イ) 水や金属なども,音を伝えることを知る。
(ウ) 音は物に当ってはねかえったり,まわりのものに吸収されることを実験によって理解する。
(イ) 針穴写真機を作って,いろいろな物の像を写し,それが光の直進によることを理解する。
(ウ) 鏡に当った光は,入射した方向によって反射する方向が決まることを確かめる。
(エ) 光を出さないものが見えるのは,他から来た光を反射しているからであることを理解する。
(オ) 光が,空気中から水中にはいるとき,また,水中から空気中に出るときなどには,その境で屈折したり反射したりすることを理解し,光の屈折によっておこる日常の現象に関心をもつ。
(イ) 金物などの一部を熱して,熱が物を伝わって移ることに気づき,物によって熱をよく伝えるものと,伝えにくいものとがあることを理解する。
(ウ) 水や空気の一部を熱して,その動きを調べ,熱が水や空気の動きに伴って移ることを理解する。
(エ) 太陽から熱や,ストーブなどのそばで受ける熱は,中間の空気を暖めないで直接物に移ることを知り,黒い物は白い物よりも暖まりやすい事実に気づく。
(オ) 日常生活には,熱の移り方をうまく利用しているもののあることに気づく。
(イ) 電磁石は,導線を多く巻いたり,電流を強くしたりすると,磁力が強くなることを理解する。
(ウ) 電磁石は,巻線に流れる電流の向きによって,極が変ることを確かめる。
(エ) 電信機や,ブザー・電鈴などには,電磁石が利用されていることを知り,それらのしくみや,はたらきを理解する。
(オ) 電磁石を使った簡単な電信機やブザーなどをくふうして作ることができる。
ア 火の起し方と消し方を調べる。
(イ) 燃えているまきや木炭を火消しつぼに入れたり,水をかけたりすると火が消えることから,火を消すには空気を断ったり,温度を下げたりすることが必要であることを理解する。
(イ) 空気の中には,酸素のほかに窒素が含まれていることを知る。
(ウ) 口の広いびんの中でろうそくや炭火を燃やし,消えたあとに石灰水を入れて振ると,白濁する事実に気づく。
(エ) 石灰石・炭酸水素ナトリウム(重そう)または貝がらなどに塩酸を作用させて,二酸化炭素を捕集し,空気より重い気体であること,その中では物が燃えないこと,石灰水を白濁することに気づき,二酸化炭素の検出法がわかる。
(オ) 二酸化炭素は水に溶け,その液は青色リトマス紙を赤く変えることに気づく。
(イ) 木片を試験管でむし焼きにすると,燃える気体が出て,あとに木炭ができることに気づく。
(ウ) 木炭・れん炭などが燃えるとき,一酸化炭素ができることがあり,この気体は有毒であることを知る。
(エ) アルコールランプとろうそくなどで,炎の様子を比較観察して,色・温度,すすのつき方は,燃える物や炎の部分によって違うことに気づき,炎は気体が燃えていることを知る。
(イ) せっけん水とま水に油を落してよく振り,その変り方を比較し,せっけん水は油を細かい粒に分けることを知る。
(ウ) せっけん水とま水に,すすを加えてよく振り,その変化を比べ,せつけん水はすすを細かく分ける性質のあることを知る。
(エ) せっけん水とま水の液面に毛糸や毛織物を浮べ,せっけん水のほうが毛糸や毛織物の間に速くしみこむ性質のあることに気づく。
(イ) 木灰の上澄み液・アンモニア水・石灰水や,水酸化ナトリウム・せっけんの水溶液などは赤色リトマス紙を青く変えることに気づき,これらのものは,アルカリ性であることを知る。
(ウ) 蒸留水・砂糖水・食塩水などは中性であることに気づく。
(エ) 水酸化ナトリウムの水溶液と塩酸を適当な割合で混ぜると,中和して中性になり,その水分を蒸発させると食塩ができることを知る。
(2) 内容の(1)のオ〔病原体と寄生虫〕については体育科との関連を,(6)のア〔火の起し方〕・ウ〔燃料〕・エ〔せっけん〕については,家庭科との関連をじゅうぶんはかる必要がある。これらについては,理科では,体育科や家庭科の学習の基礎となる事項を取り上げることをたてまえとしている。
(3) 内容(3)のオ〔石炭と石油〕は,炭田・油田地方以外の一般の地域では,(6)のウ〔燃料〕と合わせて学習する程度に考えてよい。
(4) 内容(6)のエ〔せっけんのはたらき〕に関する学習において,せっけん以外の洗剤をも取り上げることは望ましいが,ここではせっけんのはたらきを主として理解させることがたいせつである。
(5) 内容の文中「理解する」とあるのは,児童の活動と教師の指導によりじゅうぶん納得し,さらにこうして得られた知識が他の場合にもはたらくようになることをさしている。このことは,第6学年においても同様である。
〔第6学年〕
1 目 標
(2) 自然の環境の中にある問題を見いだし,これを分析したり総合したりして考察することに慣れさせ,筋道の通った考え方でくふう・処理することができるようにする。
(3) 日常生活の中で経験できる事実をもとにして,自然科学的な基礎的原理を理解し,これを生活の上にあてはめ,合理的な生活を営もうとする態度を養う。
(4) 自然と人間の生活との関係について理解を深め,自然の資源を保護する方法を考え,さらに進んでこれを利用することに関心をもたせる。
また,人のからだのしくみとはたらきについて知らせ,からだの各部が互に関連してはたらいていることを理解させる。
ア 植物の根・茎・葉のおもなつくりとはたらきを調べる。
(イ) 発芽しただいこんなどの根を観察して,根毛のあることに気づき,根毛のはたらきを知る。
(ウ) 赤インクの中にほうせんかなどの茎をさし,その染まった茎を薄く横切りにして,水分の通り道を知る。
(エ) 実験によって,植物は葉から水を蒸散している事実に気づき,顕微鏡によって気孔を観察し,そのはたらきを知る。
(オ) 葉の表面の薄い皮を顕微鏡で観察し,これがいくつかのくぎりからできていて,その一つ一つが細胞であることを知る。
(カ) 実験によって,緑の葉にはでんぷんのできること,その場合に日光が関係することを知る。
(イ) 樹木の切り口を観察して年輪のある事実に気づき,樹木は,春・夏ころよく育ち,秋・冬にかけて育ちの悪くなることを知る。
(ウ) 森林の中では,すぎ・ひのきなどが,まっぐに伸びている様子を観察するとともに,ふじなどのような草木のつるが樹木に巻きつくと樹木の成長をさまたげることがあることを知る。
(エ) 繁茂した樹木の陰には,日かげに育つしだなどの植物がはえていることや,下草やこけと森林の樹木とは互に関係しあって育つことを理解する。
(オ) 森林は鳥・獣などのよいすみかとなること,樹木を食害する虫を鳥が捕食することなどを理解して,生物の間のつながりを知るとともに,野鳥の保護に関心をもつ。
(カ) 森林が大水・風・土砂くずれ・雪の害などを防ぐに役だつことから,植林や森林保護の必要を知る。
(イ) まつたけ・しいたけなどのようなきのこには,柄とかさがあり,かさの表面には,ひだのあることに気づく。
(ウ) 顕微鏡できのこの胞子を観察し,きのこはこれによってふえることを知る。
(エ) しいたけのようなきのこの栽培のしかたからきのこの育つ様子を知る。
(オ) かびを顕微鏡で観察し,かびも胞子によってふえることを知る。
(カ) かびにはいろいろな種類があり,こうじかびなどのように利用できるものや,くろかびのように腐敗の原因となるものなどがあることを知る。
(イ) 食物は口・胃・腸を通る間に細かく砕かれたり,消化液がまじったりして,消化・吸収されることを知る。
(ウ) 血液は心臓から押し出され,血管を通ってからだの各部に養分と酸素を送り,そこから不用なものを取り去ることを知る。
(エ) 肺臓は空気中から酸素を取り,二酸化炭素を出して,血をきれいにするはたらきをすることを知る。
(オ) 尿や汗は,体内の不用になったものが体外に出されるものであることや,汗には体温を調節するはたらきもあることを知る。
(カ) 目・耳のつくりやはたらきを知る。
(キ) 人のからだには病気を防いだり,病気にかかっても自然に直したりする力が備わっていることを知るとともに,予防接種などはこの力を強め,病気の予防に役だつことを知る。
ア 空気の湿り気を調べる。
(イ) 冷たい水を入れたコップの表面に,細かい水滴がつくことから,空気中には水蒸気のあることに気づく。
(ウ) 空気の湿り気は,空気に含まれる水蒸気の量に関係があることを知る。
(エ) セロハンなどで湿り気を測る道具を作り,湿り気が量的に測れることを知るとともに,湿り気を測って,それが天気によって違いがあり,日常生活にも関係があることに気づく。
(イ) 雲の高さや形を観察し,その変化は天気の変化に関係があることを知る。
(ウ) 雨量は,たまった水の深さで測ることを知り,簡単な雨量計を作って雨量を測るとともに,雨量は日常生活や産業に関係があることに気づく。
(エ) 積雪量の測り方を知るとともに,積雪量の多少が人の生活に関係深いことを理解する。
(オ) 降雨や降雪の量は,季節や土地によって違いのあることを知る。
ア 火山に関心をもち,火成岩のおもな種類や性質,利用のしかたを調べる。
(イ) 温泉は,地下から熱い湯がわき出したもので,火山地域に多いことを知る。
(ウ) 花こう岩・安山岩などを観察して,粒・色・かたさなどの特徴に気づくとともに,これらが火成岩であることを知る。
(エ) 花こう岩・安山岩などは,石材として利用されていることを理解する。
(オ) 火成岩とたい積岩とを比較して,火成岩にはたい積岩と違う性質のあることを知る。
(カ) 岩石には火成岩やたい積岩などがあり,これらの岩石によって地かくができていることを知る。
(イ) 水晶や方解石などの鉱物の形を観察したり,ガラス・小刀などでかたさを比べたりして,その違いに気づく。
(ウ) 黄鉄鉱・黄銅鉱または方鉛鉱などの金属鉱物を観察して,色・形・かたさ,素焼きのものにこすったときの粉の色など,これらの鉱物にはそれぞれ特徴があることを知るとともに,鉱物には金属を取り出すことができるものがあることを知る。
(イ) 棒のかげを時刻を変えて調べ,太陽の高度や方位を知ることができる。
(ウ) 春分・夏至・秋分・冬至の日の,日の出・日の入りの方位・時刻,南中の太陽の高度,昼夜の長さなどを調べ,これらの違いに気づくとともに,季節による移り変りを知る。
(エ) 季節の変化の起る理由に関心を深め,その理由について考え,地球は自転しながら太陽のまわりを回っていることを知る。
ア 振り子の振れ方を調べる。
(イ) 振り子はとけいに利用され,正しい時をきざむのに役だつことを知る。
(イ) ぜんまいばかりで物の重さを測ったり,そのぜんまいを手で引いてみたりして,物の重さを力の大小で考えることができる。
(ウ) ばねやゴムは,これをおし縮めたり引き伸ばしたりすると,もとにもどろうとする力がはたらき,また,急に力がかかるとき,ばねやゴムを間に置くと,力が弱められることを理解するとともに,身のまわりには,これらを利用した道具や機械があることに気づく。
(イ) かみ合っている二つの歯車の回転の向き,回転数などについて理解する。
(ウ) ベルトは,二つの車をつないで力を伝え,車の大きさが違うとその回転数が違い,ベルトのかけかたによって回転の向きが変ることを理解する。
(エ) チェーンは,二つの歯車をつないで力を伝え,歯車の大きさが違うと,その回転数が違うことを理解する。
(イ) 輪軸のはたらきを,てこの原理によって理解する。
(ウ) 滑車を使うと,力の方向や,大きさを変えてはたらかせることができることを理解する。
(イ) とつレンズでは,軸に平行に来た光はその焦点に集まり,焦点の位置はレンズによって違うことを理解する。
(ウ) とつレンズでは,焦点の外に物を置くと,反対がわにさかさまの実像ができ,焦点内に置くと,実像ができないことを理解する。
(エ) 写真機・幻燈機・望遠鏡・顕微鏡などには,組み合わせたレンズを使っていることを知る。
(イ) モーターの回るわけを磁石の性質によって理解する。
(イ) 電熱器では電熱線によって,電球ではタングステン線によって,電流を熱や光に変えていることを理解する。
(ウ) 電熱器や電球では,電熱線やタングステン線の太さや長さを変えて,それに流れる電流の強さを変え,熱や光の出方が違うようにくふうされていることを理解する。
(イ) 屋内配線のしかたを知り,安全器・ヒューズなどのはたらきを理解する。
(ウ) 家庭の電気器具を安全に扱えるようになる。
ア 鉄・銅・アルミニウムなどの性質を調べる。
(イ) いろいろな金属の針金や箔(はく)を観察して,それは金属の伸びたり,広がったりする性質を利用したものであることを知る。
(ウ) 縫い針を使って,焼き入れや焼きもどしをし,かたさが変ることに気づき,その性質が刃物などに利用されていることを知る。
(エ) よくみがいたくぎを,空気中や水気のあるところに置いたり,これを熱したりして,それらの表面のさびる様子に違いのあることに気づき,鉄のさびに黒さびと赤さびのあることを知る。
(オ) ろくしょうを観察し,このさびは銅を水分の多い所に長く置くとできることや,ろくしょうは有毒であることを知る。
(カ) 鉄を酸性の液に入れたり,アルミニウムを酸性・アルカリ性の液に入れたりすると溶けることに気づき,そのとき出てくる気体が水素であることを知る。
(キ) 鉄や銅にめっきしたものや,油・塗料を塗ったものを,そのままの鉄や銅などといっしよに水気の多い所に置き,さびる様子を比較観察して,さびを防ぐ方法に気づく。
(イ) はんだはもとの鉛やすずよりも,溶けやすいことに気づき,はんだづけをすることができるようになる。
(ウ) 合金の中には,黄銅のように色を美しくしたり,ジェラルミンのようにかたくしたり,ステンレススチールのようにさびにくくしたりしたものがあることを知る。
(イ) いろいろな糸や日本紙を顕微鏡で調べて,それらが繊維からできていることや,それらの繊維は形状に違いのあることに気づく。
(ウ) 毛織物・綿織物・ナイロン製品など,またはそれらの糸を熱したり,酸性・アルカリ性の液に入れたりして,繊維には,熱や薬品によって変化を受けやすいものと,受けにくいものがあることに気づき,正しい扱い方を考える。
(エ) 紙は植物の繊維を加工して作ったものであることを知る。
(2) 内容(5)のア〔振り子〕・イ〔ばね〕・ウ〔歯車〕・エ〔てこ〕については,数量的に実験して理解させる必要がある。ことに,イ〔ばね〕・エ〔てこ〕については,算数科で得た知識・技能をじゅうぶんに活用し,また,この学習を通して,比例についての理解を深めることがたいせつである。
(3) 内容(6)のア〔金属の性質〕の学習にあたっては,既習の第3学年(3)のコ〔豆電球の点燈〕,第5学年(5)のカ〔熱の移り方〕で学習した金属の性質を思い起させ,この学習と相まって金属の性質がまとまるように導く。
(4) 内容(1)のエ〔人体〕については体育科との関連を,(6)のウ〔繊維〕については家庭科との関連を,じゅうぶんはかることがたいせつである。
第3 指導計画作成および学習指導の方針
2 学校の指導計画作成にあたっては,児童の能力や経験,児童が見いだした疑問や問題,教師の指導目標などを考慮して,全体をいくつかのまとまりに組織することが望ましい。
3 内容中(ア)(イ)(ウ)などの事項においては,内容の程度や望ましい学習活動を示してある。学習指導にあたっては,その地域の実情や学校の施設・設備などに応じ適切な方法により,そのねらいを達成するように努めることがたいせつである。
4 内容中にあげた生物の種名や岩石名などは,その例を示したものであるから,地域の生物や地質などを考慮して,それを学習に生かすようにし,また,季節や地域の気象・行事などとの関連に留意し,適切な時期に観察・実験・飼育・栽培などができるように計画する必要がある。
5 児童の発達段階に応じ,その興味関心を発展させ,児童の経験や実生活との結びつきを重んじて,つとめて具体的な事物・現象からはいり,実証的,研究的な態度で学習させるようにすることがたいせつである。
6 できるだけ広く観察・実験を行うことが必要であって,観察・実験を行わないで,単に知識にのみ偏することは厳に避けなければならない。
7 観察・実験にあたっては,論理的思考の発展,技能の習熟に努めることはもとより,習得した知識の整理や結論の確認にじゅうぶん時間を予定して指導するように留意する必要がある。
8 学習指導にあたっては,ものごとを分析的,論理的に追究する態度を養うことを重んずるとともに,全体的,直覚的につかむしかたを重視することがたいせつである。
9 学習の環境を整備し,自然の事物や現象に接する機会を多くしたり,観察・実験がたやすくできるようにしたりして,児童の自主的,積極的な学習態度を助長するように指導することが望ましい。
10 観察・観測・飼育・栽培などを継続して行うために,必要に応じ指導の単位時間を分割したり,野外観察などのために,半日ないし一日,理科の時間をまとめたりして指導してもよい。
11 事故の防止に留意する。野外観察・実験などにあたり,不注意あるいは,無意識な動作,好奇心による行動,扱い方を理解しないで操作することなどから,けがをしたり,機械器具を破損したりすることを理解させ,理科の時間ばかりでなく,日常生活においても,科学的な考え深い行動をとる習慣をつけるように指導することがたいせつである。