第2節 社   会

 

第1  目   標

 上に掲げた社会科の目標は,相互に密接な関連をもつものであるが,特に,社会科はわが国における民主主義の育成に対して重要な教育的役割をになう教科であるから,各学年における具体的な学習が,主として目標2から5までのいずれかにかかわる場合においても,つねにその指導の根底には目標1が考慮されなけれはならない。

 社会科は,社会生活に対する正しい理解を得させることによって,児童の道徳的判断力の基礎を養い,望ましい態度や心情の裏づけをしていくという役割をになっており,道徳教育について特に深い関係をもつものである。したがって,社会科の指導を通して育成される判断力が,道徳の時間において児童の道徳性についての自覚としていっそう深められ,この自覚がふたたび社会科における学習に生きてはたらくように指導することが望ましい。

 以下に示す各学年の目標は,次のような児童の発達段階に応じた社会科の特性を考慮して作成したものである。すなわち,低学年では,児童の日常生活における諸経験を整理,発展させながら,身近な社会生活をささえている人々の仕事や事物のはたらきなどに着目させ,これらの意味を正しく理解させることを通して,社会生活に対する正しい見方,考え方の基礎や集団の一員としての自主的,自律的な生活態度の芽ばえを育てることが重点であって,社会事象に対するあまり立ち入った解釈や批判をしいてもたせようとすることは適切ではない。学年が進むにつれ,ものごとを系統的に考える力や,社会事象相互の関係を追求したり,批判的に考える力などもしだいに発達してくるので,このような特性をじゅうぶん生かしながら,社会科の目標を有効に達成するように配慮したものである。

 

第2 各学年の目標および内容

 〔第1学年〕

 1 目   標

 2 内   容  3 指導上の留意事項  

 〔第2学年〕

 1 目   標

 2 内   容  3 指導上の留意事項  

 〔第3学年〕

 1 目   標

 2 内   容  3 指導上の留意事項  

 〔第4学年〕

 1 目   標

 2 内   容  3 指導上の留意事項  

 〔第5学年〕

 1 目   標

 2 内   容  3 指導上の留意事項  

 〔第6学年〕

 1 目   標

 2 内   容  3 指導上の留意事項  

第3 指導計画作成および学習指導の方針

1 どの程度具体的な指導計画をあらかじめ作成しておくことが効果的であるかは,個々の教師の経験や能力によって異なる。

 しかし社会科の場合は,単元という内容・学習経験の具体的なまとまりをくふうし,これに基いて指導を進めていくのが原則であるから,少なくとも,

 等については,第2に示した各学年の目標,内容を全体としておおうようなかたちで,あらかじめ計画をたてておくべきである。なお,第2に示した内容の順序は,必ずしも学習の順序を示すものではない。

2 社会科における単元は,その学年で扱う内容の単なる便宜的区分ではなく,児童がどのような能力や経験をもち,身のまわりの社会的事象をどうとらえ,どのような疑問や問題をもっているか等の実態と教師の指導目標を結びつけて考えたとき,具体的に決定できるものである。

 以上のことから,

3 なお,指導計画作成および学習指導の上で,留意すべき重要事項をあげれば次のとおりである。  しかし,この段階は単元学習としても重要なものであるから,このような傾向に陥らないよう,指導計画を作成する際にも,また実際指導にあたっても,じゅうぶん留意すべきである。