第2章の群や項目について適当と考えられる内容ならびに留意点を示すと次のとおりである。
これらは,職業・家庭科の性格・目標に照して広く選ばれたものであるから,各学校では,性別や環境などを考慮して,これらの素材の中から適切なものを取り上げるものとする。
なお,一般には,これらの素材でじゅうぶんと考えられるが,特に必要な場合には,これらのほかに適切なものをつけ加えるものとする。
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第1群は作物や家畜のような生命体を愛育すること,および農産物に加工することを通して栽培・飼育や農産加工の基礎的な技術を習得させ,それらを手がかりとして,広く生産と科学との関係や生産と経済との関係を理解させることをねらいとし,また,持久的に作物・家畜を愛育する態度,およびそれを基調とする正しい観察力や判断力を養おうとするものである。
留 意 点
2.教師の指導のもとに生徒の自主性を生かして,作物の栽培や飼育の計画に参加させたり,分担させたり,当番制を取り入れたり,あるいは家庭における経験を活用したりして,生徒が作物・家畜を愛育するように指導することがたいせつである。
3.各項目に掲げた繁材の取扱にあたっては,「技能」,「技術的な知識・理解」,「社会的,経済的な知識・理解」などについて具体的な目標を設定し,それを意識して指導する必要がある。
4.第1群の内容は,どの仕事を取り上げても,さまざまの事項が有機的に入り組んでいるから,注意しないととりとめもない学習に終るおそれがある。したがって,どの仕事で何を取り上げるかを重点的に決めて,能率的な指導ができるような体系をつくる必要がある。
5.栽培や飼育は季節に伴う継続的な仕事であるから,一つの仕事が終ってから次の仕事に移るというようなことは困難であって,いくつかの仕事が並行する場合が考えられる。この場合は特に相互の関係を考慮し,指導する事項が,順序正しく,発展的に取り上げられるようにくふうする必要がある。
6.栽培や飼育は天候に支配されることが多いから,それに応じるため,事前に弾力性のある計画を立てておくことが必要である。
7.第2章の「内容の組織」の表の備考欄に,「農耕」と「園芸」の項目をかっこでくくって○印がつけてあるのは,その両方または一方という意味である。
(2) 農耕と気象 (11) 作物の病気とその対策
(3) 農耕と土の性質 (12) 作物の害虫とその対策
(4) 肥料とその施し方 (13) 作物の性質と手入れ
(5) 耕作のしかた (14) 取り入れ
(6) 農作物の品種 (15) 種とり
(7) 土地利用と作付計画 (16) 貯蔵
(8) 種苗の選択と準備 (17) 農具とその使い方
(9) 苗の育成 (18) 農業経営の特色
取り上げる作物の種類は,国およびその地域における重要性と,その学校においてこの教科の目標を達成する上の可能性とをにらみ合わせて決める。
(2) 数種の作物を取り上げる場合,各作物について上の内容を平面的にまんべんなく取り上げることはむだが多い。どの作物のどういうところで何を取り上げるかを,農耕の全体はもちろん,栽培の全体,この教科の全体についてあらかじめ考えておき,計画的,組織的な指導体系をつくる必要がある。
(3) この項目は全国の男女生徒が学ぶことが望ましいが,不可能なときは「園芸」にこの項目のねらいを加味して指導する。
(4) 農業経営の特色は第3群,国民経済に関する事項は第6群,食糧事情は第5群・第6群との関連を図って指導する。
(5) 社会科・理科との関連を図って無益な重複を避ける。
(2) 園芸と気温・日照時間 (13) 園芸作物の性質と手入れ
(3) 園芸と土の性質 (14) 取り入れ
(4) 肥料とその施し方 (15) 促成栽培・抑制栽培
(5) 耕作のしかた (16) 種とり
(6) 園芸作物の品種 (17) 生ものの貯蔵
(7) 園芸作物の地域性 (18) 造園
(8) 球根や苗の繁殖 (19) 庭木の植付・手入れ
(9) 種による苗の育成 (20) 園芸用具とその使い方
(10) 雑草とその対策 (21) 農業経営の特色
(11) 園芸作物の病気とその対策
果樹…かき・もも・なし・ぶどうなど
花…1,2年草・宿根草・球根・花木など
造園
これらのうちから,経済的な立場や生活改善の立場などからみて,教育的に重要であると考えられるものを選ぶ。また学校農園の作付順序なども考慮する。
(2) 数種の作物を取り上げる場合,各作物について上の内容を平面的にまんべんなく取り上げることはむだが多い。どの作物のどういうところで何を取り上げるかを,園芸の全体はもちろん,栽培の全体,この教科の全体についてあらかじめ考えておき,計画的,組織的な指導体系をつくる必要がある。
(3) 農場の得られない都市の学校でも,校地のあいた場所を利用したり,植木ばちを使ったりなどして,草花などを作り,生物愛育の体験を得させるようにする。また種苗を分けてやって家庭で作らせるようにするのもよい。
(4) 農業経営の特色は第3群,園芸生産物と栄養は第5群とじゅうぶんな関連を図って指導する。
(2) 植樹計画 (8) まき作り
(3) 林木の種 (9) 炭焼き
(4) 苗木の育成 (10) きのこの栽培
(5) 植付 (11) 用具とその使い方
(6) 植付後の手入れ
広葉樹…なら・くぬぎ・くり・けやき・かし・きりなど
竹類…もうそうちく・まだけなど
きのこ類…しいたけなど
(2) 他の項目との関連を図って,益鳥保護のため巣箱を作り,適当な所に掛けるとよい。
(2) 飼料の種類と調理・貯蔵 (9) せん毛
(3) 家畜・家きんの品種 (10) 病気とその簡単な対策
(4) 家畜・家きんの繁殖 (11) 害虫とその簡単な対策
(5) 家畜・家きんの育成 (12) 家畜・家きん舎の施設設備
(6) 家畜・家きんの手入れ (13) 養畜と農業経営
(7) 搾乳
家きん…にわとり・あひるなど
(2) 畜産物が,わが国の食生活の改善に役だつことを考慮して,養畜の進展に努力しようとする意欲を起させる。
(2) かいこの品種とその改良 (8) 上ぞく
(3) 飼育の設備 (9) まゆかき
(4) 催青とはきたて (10) かいこの病気とその対策
(5) 採桑と給桑 (11) 蚕種の製造
(6) 蚕齢と温度・湿度 (12) 養蚕経営の改善
(2) 「農耕」のくわの栽培とじゅうぶんな関連を図って指導する。
(3) かいこの飼育は相当長期にわたり,継続的な努力を要する仕事であるから,飼育の時期や生徒の分担,実習の時間,安全などについて,綿密な計画を立てて実施する必要がある。
(2) 原料の選定 (6) 加工の種類に応じた各種の操作
(3) 用具の準備 (7) 製品検査
(4) 原料の調製 (8) 加工と食品衛生
(2) 食品加工においては,器具・原料はもちろん,作業の進行中においても清潔で衛生的であるようにじゅうぶん注意する。
(3) 農産加工を通して,伝統的な生産方式や生活様式をいっそう科学的,合理的に改善しようとするようにしむける。
(2) こうじの作り方 (6) 製品の検査
(3) こうじ室の構造 (7) 食品衛生
(4) 原料の選定・配合 (8) 醸造と産業や生活との関係
(2) 施設設備のない場合は,季節を選んで学習するよう計画する。
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第2群の分野・項目は,主要な工業生産技術を一般教養の観点から技術的活動を中核として類型化し,中学校教育の段階では不適当なもの,特珠な条件でだけ可能なものを除いて組織したものである。
したがってこの群では,各項目の代表的な仕事を選定し,それを計画的,系統的に学習させることにより,基礎的な技術を習得し,その社会的,経済的な意義を理解するとともに技術的,実践的な態度・習慣を養うのが一般的なねらいである。
留 意 点
2.理科・図画工作科との関連にじゅうぶん留意し,それらの学習を基礎として無益な重複を避けるとともに,妥当な年次計画を立てることが望ましい。したがって○印をつけてある項目の学習を,いたずらに第1学年に集中するようなことは適当ではない。
3.各項目の学習と結びつけて生産管理についても指導することが必要である。
4.指導計画にあたっては,各項目の無理な融合は避け,系統的,組織的な学習ができるように計画することが望ましい。
(2) 線の用法 (7) 複写図
(3) 文字の種類 (8) 見取図
(4) 形体の図示法 (9) 製図と産業や生活との関係
(5) 寸法の記入法
(2) 「金属加工」・「木材加工」に関する工作図の製図
(3) ねじ・ボルト・ナット・ばね・歯車・調車・軸受などの機械要素の略画
(2) 第2群の他の分野に先行して学習させるほうが望ましいもの〔仕事の例の(1)〕,融合して学習させるほうが望ましいもの〔仕事の例の(2)〕,単独に学習させるほうが望ましいもの〔仕事の例の(3)〕を区別し,効果的な指導計画を立てる。
(2) 実体図と記号配線図 (4) 記号配線図の描き方
(2) 第2群の「機器製作」・「保守修理」の項目と融合して学習させるほうが望ましい。
(2) 立面図 (6) 材料と構造
(3) 断面図 (7) 設計の諸条件
(4) 透視図 (8) 仕様書・見積書
(2) 理科の「家」の学習と密接な関連を保って,効果的な指導計画を立てる。
(3) 取り上げる仕事によっては,第2群の「建設」に含まれる各項目と融合して学習させるほうが望ましい。
また,第5群の「住生活」と結びつけて,住生活の改善の方向を理解するように導く。
(2) 治具・工具の使用法 (10) 研削
(3) 測定器具の取扱法 (11) 仕上
(4) 金属材料の種類・用途 (12) 塗装
(5) けがき・切断 (13) 火造
(6) 穴あけ・ねじ立て (14) 熱処理
(7) 変形 (15) 災害と安全
(8) 接合 (16) 機械技術と産業や生活との関係
(2) 第2群の「機械製図」の項目と融合して効果的な指導計画を立てる。
(3) 取り上げる仕事によっては,第2群の「整備修理」の項目と融合して学習させるほうが望ましい。
(2) 動力の伝達 (7) 補給・注油
(3) 負荷の速度 (8) 起動・運転・停止
(4) 液体燃料・潤滑油 (9) 清掃・整備
(5) 点検・調整 (10) 災害と安全
(2) 取り上げる仕事によっては,第2群の「整備修理」の項目と融合して学習させるほうが望ましい。
(3) この教科の選択の時間の学習において,オートバイやモーターバイクなどの操縦を取り上げる場合には,交通規則にじゅうぶん留意し,事故防止に万全を期するように指導する。
(2) 機械要素 (7) 変形修理
(3) 機械と機構 (8) 部品交換
(4) 故障の点検 (9) 災害と安全
(5) 分解・組立・調整 (10) 機械と産業や生活との関係
(2) 取り上げる仕事によっては,第2群の「操作運転」の項目と融合して学習させるほうが望ましい。
(2) 通信機器の種類 (7) 配線工作
(3) 部品の種類・用途 (8) 試験・調整
(4) 部品検査 (9) 災害と安全
(5) 部品配置 (10) 電気技術と産業や生活との関係
(2) 取り上げる仕事によっては,第2群の「電気製図」・「金属加工」・「保守修理」の項目と融合して学習させるほうが望ましい。
(2) 電気機械器具の種類 (8) 分解・組立
(3) 電気工事 (9) 結線・接触・絶縁
(4) 許容電流 (10) 部品交換
(5) 電力・電熱の計算 (11) 電気事故防止
(6) 故障の診断 (12) 電気と産業や生活との関係
(2) 取り上げる仕事によっては,第2群の「電気製図」・「整備修理」・「機器製作」の項目と融合して学習させるほうが望ましい。
(2) チェーン測量法 (8) 測量製図記号
(3) 平板測量法 (9) 測量図の作製
(4) 骨組測量・細部測量 (10) 面積の計算法
(5) 測点設定 (11) 測量技術と産業や生活との関係
(6) 誤差と精度
(2) 測量図の作製については,第2群「機械製図」の共通に学習する内容を基礎とする。
(2) 工具の使用法 (9) 穴あけ
(3) 木材の種類・用途 (10) 接合・組手
(4) 荷重と構造 (11) 緊結・接着
(5) 変形・乾燥 (12) 塗装
(6) 墨付け・木どり (13) 災害と安全
(7) のこぎりびき (14) 木工技術と産業や生活との関係
(2) 第2群の「機械製図」・「建築製図」の項目と融合して効果的な指導計画を立てる。
(2) コンクリート材料の見積り・配合
(3) 用具の使用法
(4) 荷重と構造
(5) 基礎工事
(6) わく組み・打込み
(7) 養生
(8) 仕上
(9) 補修
(10) セメントの貯蔵法
(11) コンクリート施工技術と産業や生活との関係
(2) 第2群の「機械製図」・「建築製図」の項目と融合して効果的な指導計画を立てる。
(3) 取り上げる仕事によっては,第2群の「建設」に含まれる各項目と融合して学習させるほうが望ましい。
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第3群は,われわれの生活における経営管理的な面,および事務的な面についての知識・技能を習得させ,それらを通じて生活を能率的,合理的に営む能力と態度とを養うことを目標とするものである。この群の内容はいわゆる第3次産業に関するものだけではなく,その他の産業分野や家庭生活における経営・管理・事務の面にも用いられるものである。そうしてそれは専門的な職業教育としてではなく,一般の社会生活を送る上に必要とされる内容を取り扱うものであり,事業に従事する者としての立場よりも,個人の立場,消費者の立場に重点をおいて学ばれることが適当である。同時にそれは,将来の職業の選択にあたって適性を判断するためにも役だち,さらに進んだ程度におけるこの種の教育を受ける場合の基礎としても役だつものである。
留 意 点
2.この群は広い内容を包含しているので,その全部を学習するためには多くの時間を必要とする。しかし,少ない時間で学習の効果を高めるためには,内容を限定して重点的に指導するのがよい。
3.なるべく生徒のすでにもっている知識から導入していき,だんだんと社会における商業の機能を理解させるように指導することがたいせつである。
4.社会科や数学科などとの関達にじゅうぶんに留意し,無益な重複を避けることが必要である。一般的に,他の教科よりも,実務的,具体的な面を主眼とするところにこの群の特色がある。
(2) 物品の購入 (6) 代金決済
(3) 物品の販売 (7) 物品の保管・運送と保険の利用
(4) 売買の手続と取引関係の書類 (8) 事務用器具
(2) 書類作成・記帳・計算などの技能的な実習と金融・経営についての知識・理解は他の分野・項目に属するので,これらと重複しないように注意する。
(2) 貯蓄の価値 (9) 保険のはたらき
(3) 預金の種類と利用 (10) 生命保険
(4) 小切手・手形 (11) 有価証券(株式・公社債)と投資
(5) 銀行から金融を受ける方法
(6) 送金の方法
(7) 一般の金銭貸借とその決済
(2) なるべく具体的な知識から導入していき,だんだんと現代社会における金融の機能の理解を得させるようにする。
(2) 有限会社 (8) 協同組合
(3) 合名会社 (9) 大企業と中小企業
(4) 合資会社 (10) 事業体の内部組織
(5) 個人企業と集団企業 (11) 経営従事者の心構えと事務分掌
(6) 公企業
(2) 応対・接客の心構えも,人間関係として共通するものがあるから,この項目で取り扱うのもよい。
(2) 記帳の原則 (5) 簡単な決算
(3) 現金収支の記帳
(2) 現金出納帳 (5) 伝票
(3) 仕入帳・売上帳・商品有高帳 (6) 簡単な決算表
(2) 仕事の例の(6)では,収支計算表・費用明細表,原価の算出法なども取り扱う。
(2) 取引と仕訳 (6) 決算と帳簿の締切
(3) 元帳と勘定 (7) 財務諸表
(4) 試算表
(2) 総勘定元帳 (5) 財務諸表
(3) 試算表
(2) 財務諸表の読み取り方を取り扱うにあたっては,生徒の発達段階を考慮して,理解に無理のない程度にする。
(3) 法人税
(2) 第3群の他の項目,特に経営や簿記の他の項目と関連して有効に学習させるように計画する。
(2) 加減算 (6) 度量衡・貨幣の換算
(3) 暗算 (7) 歩合算・利息算
(4) 乗除算と定位法 (8) その他の応用計算
(2) 小学校の算数における珠算の学習の基礎の上に,その能力を伸長するように指導する。
(2) 計算器の操作 (5) 除算
(3) 加減算
(2) 主として乗除法における利用と,器械のひととおりの操作を主眼として指導するのがよい。
(2) 取引関係文書の種類と作成法
(2) 取引関係文書…見積依頼書・見積書・注文書・注文請書・送り状・納品書・請求書・領収書・小切手・約束手形・かわせ手形・借用証書・契約証書
(2) 文書の処理のしかたでは受付・発送・整理・保管などを取り扱う。
(3) 速記について適宜指導することもよい。
(2) 謄写印刷 (4) 活版印刷
(2) 活版印刷では,それに関する知識を得させることを主眼とする。
(3) 器具を愛護する態度を養うように指導する。
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第4群は,国民の食生活に関係の深い魚貝類・海そう類などを対象にして,これらの水産生物を採捕することや,加工の方法,あるいは繁殖させることなどについて科学的,経済的な知識・理解を深め,基礎的な技術を習得させることをねらいとする。
またこれらの学習を通して,正しい観察力や判断力を養い,他に応用できる能力を身につけさせるとともに,日常生活に実践し,家庭生活の改善向上を図る態度を養おうとするものである。
留 意 点
また山間の地域においても増殖について学習させることは,水産物の自給や栄養改善の意味で望ましい。
2.水産業の実態に即してみると実技の経験が重んじられている。しかし,この群の学習においては,常にそれらの技術について科学的な根拠を見いだすように導き,理解を早めるため,理科その他の基礎知識を発展させて,他の群と有機的な関連を保たせ,理論と実際を一体とした指導計画を立てることがたいせつである。
また,第4群のそれぞれの分野の相互の関係や心身の発達を考慮して,継続的に学習することが効果的である。
3.第4群は,広い分野で構成されているので,少ない学習時間で効果をあげるためには,何を取り上げるかを重点的に決めて,能率的に指導できる指導計画を立てる必要がある。
(2) 漁具の種類 (6) 防腐染料の種類と扱い方
(3) おもな水産生物のとり方 (7) 漁具の保存・手入れ
(4) 漁具材料の選び方と扱い方
染網…カッチその他
網地の修理…本修理・渡り修理
網漁業実習…地域の網漁業について
(2) 理科および第4群の他の項目の内容と関連を保たせ,漁具・漁法・漁船の進歩や,水産増殖の必要ならびに漁業経営の特徴などを理解させる。
(3) 漁業の特異性から,学習が単に漁に関する知識・理解だけに終ることのないよう,できるだけ見学や実習を取り入れながら,内容を地域の漁業と結びつけ,効果のある指導計画を立てるようにする。
(4) 海上の作業については,危険防止にじゅうぶん注意する。
(2) 船体の構造と設備 (7) 衝突予防の規則
(3) 漁船機関の構造と操作 (8) 結索の方法
(4) 航海計器の種類 (9) 船体の保存・手入れ
(5) 航法の種類
(2) 航法では,沿岸航法を主として扱い,コンパスや海図の見方に慣れさせる。
(2) 漁期と漁場 (4) 実験観測器具の構造と取扱
(2) 漁具・漁法の改善や.漁獲の適正に関心を深めるように指導する。
(3) 実習にあたっては,「漁」・「操船」などと密接な関連を保たせて指導する。
(4) 漁場の現況では,地域の漁場調査を基として,日本および世界の漁場の大要を知らせるようにする。
(2) 原料の成分 (5) 貯蔵方法の種類
(3) 魚貝類の死後変化 (6) 貯蔵中における変化と予防
(2) 漁獲物の特性に伴う魚価の調整と,われわれの生活に必要なたんぱく質を平均に供給するという観点に重点をおいて,貯蔵の重要性を理解させる。
(3) 低温貯蔵法の普及および利用についてじゅうぶんな理解をもたせる。
(4) 水産物の衛生的な取扱について指導する。
(5) 貯蔵は「加工」と密接に関連させる。
(2) 原材料の選定 (5) 製品の良否鑑別
(3) 食用品 (6) 加工と食品衛生
(2) 技術の習得にあたっては,その科学的根拠を見いだすことのたいせつなことを注意して指導する。
(3) 衛生的な優良品を製造することに留意する。
(4) 従来むだに廃棄されていたものを有効に利用するようにしむける。
(2) 養殖魚の種類と習性 (7) 水温と水質
(3) 魚類増殖法の種類 (8) 養魚の害敵
(4) 養魚池の構造 (9) 池の広さと魚の数
(5) 親魚の選び方と採卵方法 (10) 魚の生長
(2) 理科の「生物」に関連を保たせ,増殖技術に応用するよう指導する。
(2) 貝類のえさ (6) 海そうの繁殖方法
(3) 親貝と稚貝 (7) 海そうの病害と繁殖保護
(4) 種まきと放し飼い (8) その他の増殖生物
(2) 理科の「生物」に関連を保たせ,増殖技術に応用するよう指導する。
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第5群は現在の家庭における自己の生活および家族生活のあり方を中心として,家庭生活における基本的な生活活動の経験とこれに必要な知識や技能を習得させ,家庭生活を科学的,能率的に営み,日常生活にこれらを実践して,家庭生活の改善向上を図る能力と態度を養う。以上の学習の間に,家庭生活が衣・食・住・育児などの総合されたもので,いずれの生活も家族関係・家庭経営につらなるものであることを理解させ,ついで経済循環における家庭生活の位置と責任を自覚し,国民生活・国民経済の向上に貢献しようとする態度を養おうとするものである。
留 意 点
2.調理・被服製作の技術は3年間継続的に学習するほうが効果があがることに留意して指導計画を立てる。
3.理論と実習とが離れないように計画する。
4.個々の家庭や地域・国の事情に即応して指導する。
(イ) 食品の栄養的特質 (4) 食品の鑑別・購入
(ウ) 食糧事情 (5) 食生活の簡素化
(エ) 食品群別摂取量の基準 (6) 家族の必要の充足
(オ) 食物費
(2) 食生活の簡素化は,各家庭内だけの問題でなく,社会的な問題をも含むものであることに注意する。
(3) 食生活の経済面については,家庭経済の立場で扱うばかりでなく,個人の食生活と国の経済や産業との相関関係についても扱うこととする。
(4) 食生活に関する知識・理解は,調理実習に関連して指導し,さらに日常生活に実践するように導く。
(5) 栄養は理科と,食糧事情は第1群・第4群・第6群と,購入は第3群と緊密な関連を保って指導する。
A.共通に学習する内容
(イ) 副食の調理,主食偏重の改善,各栄養素の摂取
(3) 調理・食生活改善・食事作法
(2) 調理の鑑賞(味・香・色・形・舌ざわり)
(3) 調理・食生活改善・食事作法
しる物・煮物・焼物・揚げ物・いため物・あえ物・浸し物・酢の物・蒸し物・よせ物・ねり物の調理(乾物の調理を含む)
菓子類・飲み物の調理
食物の保存・貯蔵など
(2) 進歩した調理の手法と食生活の改善,台所の改善は家庭において実践するように導く。
(3) 台所の施設・設備は第2群と,調理実習は第1群・第4群と緊密な関連をもって指導する。
(4) 実習の例に示す調理手法については,必修の時間に指導するように計画する。
(2) 日常の被服の手入れ
(3) 被服計画とそのめやす
(イ) 被服の修理・更生・新調の計画
(ウ) 被服費
(5) 衣料事情
(6) 材料と洗剤
(7) 被服整理の機械・器具とその使用法
(2) 被服計画や被服費その他については,個人や家庭の立場からばかりでなく,常に国の衣料事情に関連づけて指導する。
(3) 内容の(1),(2),(3)の(ア),(5),(6)・(7)の一部は共通に学習させるものとする。
(4) 仕事の例は,内容の(6),(7)を実習によって理解させるためのものである。
(5) 整理・保存およびその機械・器具に関する原理は,理科や第2群,洗剤などについては理科と関連づけて指導する。
A.裁縫
(2) 採寸
(3) 型紙の選択・補正
(4) 用布の見積り
(5) 裁ち方
(6) 仮縫と補正
(7) 縫い方
(8) ミシンの使用法
(9) 仕上げ・たたみ方
(10) 着方
(2) 採寸と型紙
(3) 基礎編み
(4) 編み方
(5) 仕上げ
(6) 編物機の種類とその特色
(イ) 各種手芸の方法と仕上げ
(ウ) 簡単なフランスししゅう・ビニール細工
(エ) カットワーク・ドロンワーク
(オ) ぬいぐるみ細工など
(イ) 繊維の種類と染料,染色用具
(ウ) 染め方・仕上げ
編物…手袋・ソックス・セーター,こどもの帽子・花ぐつ・ケープなど
手芸・染色…テーブルかけ・かびんしき・さらしき・のれん・ふろしき・手さげ袋・カラー・ぬいぐるみおもちゃなど
(2) 第2群の「整備修理」・「保守修理」で学習したことをじゅうぶんに活用するように導く。
(2) 洗い方・干し方 (5) しみ抜き
(3) 仕上げ (6) つくろい
「衣生活」の内容を基礎として,さらに深く広く学習させる。
(イ) 家事労働とすまい
(ウ) 休養とすまい
(エ) 家族生活を中心とするすまい
(イ) 商工業自営者などのすまい
(ウ) 通勤者のすまい
(4) 近代の住居ならびに施設の傾向
(5) すまい方のくふうと住居の改善 台所・給水・排水・浴室・便所・押入れ・居間・寝室・勉強場など
(6) 近隣との関係
(7) わが国の住宅事情と住宅水準
(2) 理科の学習と密接な関連を保って,無益な重複を避けるようにする。
(3) 住居のくふう改善については,身近なもの,簡単なものから実践するように導く。
(イ) 浴室
(ウ) 便所
(エ) 居間
(オ) 寝室
(カ) 勉強場
(キ) 室内装飾
(イ) こどもの遊び場
(ウ) 庭園・かこい
(エ) 菜園・飼育場
(2) 設備は理科や第2群と,室内装飾は図画工作と,(2)の(ウ),(エ)は特に第1群と関連を図る。
(3) 設備の設計は,模型などの立体的なもので実習させ,あるいは見学により実際の指導をするように計画する。
(2) 家族相互の理解 (12) 児童福祉とこどもに関する行事
(3) 家族相互の協力 (13) 乳幼児に多い病気と看護
(4) 家族相互の満足な生活 (14) こどもの発育に影響するもの
(5) 家庭生活の意義 (15) 育児法の改善
(6) 家庭と社会 (16) こどもや青年の発達の特色
(7) 乳幼児心身の正常な発達 (17) こどもからおとなへの生活の変化(婦人衛生,純
(8) 乳幼児の生活 潔な生活を含む)
(9) 乳児の世話・扱い方
(10) 乳幼児の遊ばせ方
(2) 弟妹または近隣のこどもを観察し,理論と実際との緊密な関係において学ぶようにする。
(3) こどもの世話や家族関係については,家庭において実践するように導く。
(2) 病気の予防
(3) 家庭看護
(ア) 医師を招くまでの処置
(イ) 病室・病床・病衣
(ウ) 病人の観察・記録
(エ) 病気の手当
(オ) 病人の食事
(4) 社会施設の利用
(2) 消化しやすい食物の調理は,離乳期の食物調理とあわせて実習させてもよい。
(3) 保健衛生は保健体育科で一般的な学習をするので,ここでは特に家庭看護について指導する。
(2) 支出と収入の実態
(3) 予算生活
(4) 物価の変動と家計
(5) 消費生活の合理化(物の選択・購入・使用)
(6) 記帳(家計簿)
(2) 第3群・第6群との関連を考慮して指導する。
(2) 家事労働の価値
(3) 家庭生活における物・金・労力・時間の関係
(4) 生活時間の計画
(5) 能率的な家事作業
(6) 施設の利用
(7) 疲労と休養・睡眠
(8) 余暇の利用
(2) 能率的な作業のしかたについては,衣・食・住その他の実習と結びつけて指導する。
(3) 従来,経験やかんで行われていた家事労働を科学的な方法で行うように指導する。
(4) 家庭経済と密接な関連をもたせて指導する。
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第6群は主として産業ならびに職業生活についての社会的,経済的な知識・理解を深めさせることを目標とするものである。なおこれを具体的にいえば,産業や職業についての基礎的な知識や理解をもとにして,産業と職業の相互関係や,産業ならびに職業が国民経済や国民生活にどのように関連をもっているかについて理解を与えるとともに,学校と職業や個性と職業の関係についての理解を与え,将来進むべき方向を考えさせ,現在および将来の生活の計画や心構えを養う。さらに進んで職業生活と能率・健康・安全・適応などについて学ばせ,その心構えを養おうとするものである。
留 意 点
2.他の群における仕事や実習と関連づけて取り上げられるものは,その関連のさせ方を研究し,内容の学習順序を考えて効果を高めるようにくふうする。
3.社会科においても,近代産業の発達の大要や,これをめぐる社会問題などについて学習するから,それらとの関連についてもくふうする。
(2) おもな産業の内容とその特色 (4) 産業と国民生活
〔留意点〕
(1) 社会科と密接な関連を保ち,重複を避ける。
(2) これらの内容は,なるべく実際の仕事と関連させて取り扱うようにくふうする。
(3) 日常生活や卒業生の職場における具体的な事実や資料などを活用して,観念的な学習にならないようにくふうする。
(4) 「産業分類」は主として大分類について取り扱うが,製造業中の必要なものについては,中分類中の産業(たとえば紡織業・化学工業・金属製品製造業など)についても理解させる。
(5) おもな産業の「特色」においては,その産業の国民経済における役割および動向についても理解させる。
(2) 産業と職業との関係
(3) おもな職業の内容とその特色
(2) これらの内容は,なるべく実際の仕事と関連させて取り扱うようにくふうする。
(3) 日常生活や卒業生の職場における具体的な事実や資料などを活用して,観念的な学習にならないようにくふうする。
(4) 「職業分類」は主として大分類について取り扱うが,特殊技能工・生産工程従業者中の必要なものについては,中分類中の職業についても理解させる。
(5) おもな職業の「特色」においては,その職業の動向についても理解させる。
(2) 学校以外の教育施設とその特色 (4) 資格・免許と職業
(2) 「学校の体系とその特色」においては,学資・育英制度についてもふれる。
(3) 社会には学校以外にも自己を高めるためのいろいろな教育施設があることを理解させるとともに,適切な学校やその他の教育施設を選択する態度も養う。
(4) 各種学校についての理解は,その取扱を適正にする。
(2) 個性と職業 (4) 職業選択のめやす
(2) 実際の仕事との関連において,自己の個性を考察する態度も養う。
(3) 各学校における「職業指導」との関連についてもふれる。
(4) 「環境」は家庭環境のみでなく,職場の環境にもふれる。
(5) 「職業選択のめやす」においては,卒業生の適切な事例を取り上げ,学習効果を高めるようにする。
(2) 職業生活と健康 (4) 職業生活と社会保険
(2) 日常生活や職場における具体的な事実や資料などを活用して,学習効果を高めるようにくふうする。
(3) 他の群でも「健康」・「安全」などが取り扱われるから,その関連に注意する。
(4) 社会科との関連(特に労働法規)についても考慮する。
(2) 転職と失業
(2) 「職業生活の充実」においては,職業道徳についても取り扱う。
(3) 職業生活におけるおもな問題の事例を整理し,学習を生徒の身近なものとして取り扱う。
MEJ 2462
昭和31年5月25日 印 刷
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