第1章 職業・家庭科の性格と目標

 

第1.性格

1.職業・家庭科は,われわれの生活における経済的な面,技術的な面ならびに社会的な面に関する知識・技能・態度を,主として実践的活動を通して学習するものである。

2.職業・家庭科の教育は,将来いかなる進路をとる者にとっても必要な一般教養を与えるものであるから,共通に学習すべき面をもつものである。しかし具体的な指導計画においては,性別や環境などにより特色をもつものである。

3.職業・家庭科における産業ならびに職業生活・家庭生活についての社会的,経済的な意義の理解や,基礎的な技術の習得,基本的な生活活動の経験は,職業指導における情報ならびに啓発的経験に役だつものである。

 

第2.目標  職業・家庭科の目標は,われわれの生活に必要な知識・技能・態度を身につけ,家庭および社会の一員として,その家庭や社会の発展のために力を合わせることの意義を自覚し,みずからの能力に応じた分野を受け持って,その力をじゅうぶんに発揮し,職業生活・家庭生活の改善向上を図るようにさせることにある。これを具体的に示せば,次のようになる。

1.基礎的な技術を習得させ,基本的な主活活動を経験させる。

2.産業ならびに職業生活・家庭生活についての社会的,経済的な知識・理解を得させる。

3.科学的,能率的に実践する態度・習慣およびくふう創造の能力を養う。

4.勤労と責任を重んじる態度を養う。

5.将来の進路を選択する能力を養う。