1.性 格
「農業工作」は,農業生産力を高め,生産費を低減させるために,土地と水とを最も有効に利用するとともに,それにかなった農舎・農機具等の改善に役だつ製作・修理・くふう・操作等を学ぼうとするものである。したがって,「総合農業」や「作物」・「園芸」・「畜産」・「養蚕」などと緊密な関連をもって学習すべきものである。
2.目 標
(2) わら細工・竹細工・木工・金工・土工・コンクリート工の基礎的な技能を養う。
(3) 農機具の操作・修理・くふう・保存および簡単なものについての製作などの技能を養う。
(4) 農地の生産力を高めるために,自然的条件を改善し,労働効率の高い工事を施しうる能力を養う。
(5) 農業構造物を予算に応じて設計し,かつそれを合理的に管理し,有効に利用する能力を養う。
(6) 経営に適した農機具を選び,作業に応じてくふう・調整して使いこなす能力を養う。
(7) 農業工作の技術は,農業の近代化をもたらす基本的なものであることを自覚し,常に農地・農舎・農機具を改良し,これを愛用する態度を養う。
(8) 周到な用意をして機械を安全に使いこなす態度を養う。
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2.規格に合ったなわをなうことができること。 3.わらや麻で,三つよりのなわをつくることができること。 4.各種のなわの結び方ができること。 5.なわを使って,もっこをつくることができること。 6.規格に合った,俵・さんだわらやかますを編むことができること。 7.こもやむしろをつくることができること。 8.役畜の装具(あんこつを除く)をつくることができること。 9.麦わらさなだを編むことができること。 10.かま敷き・ひつ入れなどをつくることができること。 11.麻ロープをつくることができること。 13.竹の割り方・はぎ方ができること。 14.かご・ざる・土みなどをつくることができること。 15.おけ類のたがのかけかえができること。 16.竹がきがつくれること。 17.竹を曲げることができること。 18.簡単な丸竹細工ができること。 20.かんな・のみなどの研摩・修理や手入れができること。 21.普通の木材の鑑別ができること。 22.といしの鑑定ができること。 23.木を削ったり,穴を掘ったり,ほぞ・みぞの切込み・組合せができること。 24.かすがいの打ち方,ボルトの締め方ができること。 25.さしがね・けびき・墨つぼが使えること。 26.かんなの裏出し,のこぎりの目立ができること。 27.木工機械が使えること。 28.研摩盤を使いこなせること。 29.簡単な家具・作業具・小畜舎・簡易温室・フレーム・物置・共同作業場,その他小建築物設備などの製作・修理ができること。 30.ニスやペンキの塗装ができること。 31.パテが使えること。 32.ガラスを切ることができること。 34.はんだろう付ができること。 35.簡単な火造りができること。 36.ねじ切ができること。 37.びょう打ができること。 38.旋盤・ボール盤などが使えること。 39.金属器具や農具や刃物などの修理・手入れができること。 40.簡単な器具の製作ができること。 41.パイプを曲げることができること。 42.コック・弁の修理,パッキングができること。 43.やすりや金切りのこぎりがうまく使えること。
(土工・コンクリート工) 44.土のくずれない傾斜面をつくることができること。 45.木材の防腐処理をすることができること。 46.簡単な石積みや石工ができること。 47.壁塗りや,れんが積みができること。 48.セメント,その他の材料の見積りができること。 49.足洗い場・フレーム・歩道・床・水だめ・流しなどの,コンクリートの配合・練合せ・打込み・養生・仕上げなどをすることができること。 50.型わくがつくれること。 51.コンクリートの修理・手入れができること。 53.製図器具を正しく使うことができること。 54.第一角法および第三角法による工作ができること。 55.簡単な見取図や透視図がかけること。 56.簡単な機械製図・建築製図などがかけること。 57.各種の図を読むことができること。 58.青写真を焼くことができること。 59.仕様書や内訳明細書が書け,見積りをすることができること。 61.人力農具の鑑定ができること。 62.人力農具を使いこなすことができること。 63.人力農具の整備・修理ができること。 64.噴霧機・散粉機の使用・手入れや修理ができること。 65.役畜に装具をつけることができること。 66.畜力農機具の鑑定ができること。 67.畜力農機具を整備し,使いこなすことができること。 68.畜力農機具の修理・手入れができること。 69.おもな動力農機具(自動耕うん機・ハンドトラクタ・動力噴霧機・揚水ポンプ・脱穀機・もみすり機・精米精麦機・製粉機など)の鑑定ができること。 70.おもな動力農機具のすえ付・調節・運転および簡単な修理ができること。 71.おもな動力農機具の故障の発見と整備ができること。 72.電動機の運転・分解・手入れ・組立や,運転方向を変えることができること。 73.発動機の運転・分解・組立や,故障の発見・修理ができること。 74.簡単な配線および修繕をすることができること。 75.電気機具を扱うことができること。
(農業測量) 76.巻尺や間なわを使って田畑の測量ができること。 77.平板を使って農場や部落の測量ができること。 78.コンパスを使って山の測量ができること。 79.目的に応じたこう配を設置できること。 80.傾斜地の等高線を測ることができること。 81.盛土や切取の計算ができること。 82.ため池の貯水量の測定ができること。 83.水路の流量を測ることができること。 84.トランシットやレベルの取扱とその使用ができること。 85.計算尺の取扱や使用ができること。 (農地の開発と改良) 86.簡単な開墾の段どりができること。 87.開田作業の段どりができること。 88.耕作による水食防止の設計ができること。 89.テラス工作ができること。 90.郷土の気候と地形にかなった防風林の設計ができること。 91.地力の判定ができること。 92.営農の規模に応じた耕地の区画が決定できること。 93.水田の状態に応じた水の分配ができること。 94.下水を合理的に処理することができること。 95.美しく,しかも能率的に作業のできる農家の庭の設計ができること。 96.水田の用水量の測定ができること。 97.揚水機の大きさを決定することができること。 98.湿地の原因の見分けがつくこと。 99.排水量の計算ができること。 100.簡単な暗きょ排水の設計ができること。 101.目的にかなった客土の選定と土の量の計算ができること。 |
1.わら工品は,農村生活や農業経営から切りはなすことができない。 2.わらの性質は品種によって違う。 3.わらの性質に応じて使い道をくふうする必要がある。 4.わらの打ち方によって,その後の硬化の度合が違う。 5.わら工品には検査の規格が決まっている。
6.竹の種類・年齢や切り時,貯蔵の良否が,製品に関係する。 7.竹工具にはいろいろある。 8.竹には,油抜き・着色などの加工法がある。
9.木材にはいろいろな特徴があり,また規格がある。 10.木材にはいろいろな種類があり,それぞれにふさわしい用途がある。 11.かすがいやボルトには寸法がある。 12.さしがねや墨つぼは,わが国独特のものであるが,使いなれれば便利である。 13.ガラスには,いろいろな種類と規格がある。
14.金工をおこなうには,その材料の物理的,化学的性質を知ることがたいせつである。 15.金工の一般的なものとしては,鍛造・板金・溶接・管工・鋳物などがある。 16.針金や板金には,いろいろな種類と規格がある。 17.金工材料によって接合方法が違う。 18.はんだは種類によって溶ける温度が違う。 19.火造り作業の場合には,熱鉄の色によって打ちかげんがわかる。 20.ねじには,いろいろな種類と規格がある。 21.金工・工作機械には,いろいろな種類があり,またその性能が違う。 22.パイプには規格がある。 23.コックを使用したり,パッキングをするには,その種類と構造について知ることがたいせつである。 24.やすりには,いろいろな種類があり,それぞれ性能が違う。 25.石積み工では,石材の性質によって強度が違う。 26.型わくは,正確かつじょうぶで離れやすいようにつくることが必要である。 27.コンクリートの配合割合は,用途によって違う。 28.コンクリートは,鉄筋や竹筋を入れると強くなる。 29.コンクリートの硬化の速さや度合は,セメントの種類・配合割合・温度・水分などによって違う。
30.製図器具には,いろいろな種類があり,それぞれ用途が違う。 31.製図には,日本工業規格(JIS)による各種材料の表示,寸法の記入がたいせつである。 32.同じ図面が多数必要な場合は,青写真をつくると効果的である。
33.わが国の農機具の現状は,調製加工の部面は相当動力化されているが,耕うん・整地・中耕・草取等の諸作業には畜力も利用され,さらに種まき・施肥・収穫の諸作業には人力が利用されている。 34.人力農具の適否・構造は,作業能率,疲労の程度に大きな影響を与える。 35.人力農具の使用のじょうず・へたは,能率・できばえ・疲労に大きな関係がある。 36.使用後の手入れや保存のしかたは,耐久力に大きな関係がある。 37.役畜の種類と作業の種類によって装具のつけ方が違う。 38.農機具の構造,材料の良否は,性能・耐久力に大きな関係がある。 39.機械の構造・性能は,能率および生産物の品質に大きな影響を与える。 40.作業機の回転数は,作業の能率や生産物の品質に影響する。 41.故障の大部分は,締付のふじゅうぶん,潤滑の不完全によって起る。 42.使用の前後には,各部を点検して整備する必要がある。 43.故障のまま,または整備不完全のまま運転すれば,破損を生じ,危険を伴う。 44.農村の電化は農業を近代化する。 45.電動機や発動機には,それぞれ得失がある。 46.電動機を正しく取り扱うには,その原理・構造・機能についての知識が基礎になる。 47.電動機は種類によって用途や使用法が違う。 48.三相電動機をすえつけるには,配電盤に電流計をとりつける必要がある。 49.電動機を焼くのは,過大電流が流れるのと,通風の不完全,潤滑油の過不足による。 50.石油発動機を正しく取り扱うには,その構造,各部の機能,運転の原理についての知識が基礎になる。 51.農地の事情によって測量のしかたが違う。 52.平板測量器を使うと,簡単にいろいろな測量をすることができる。 53.青写真の色合いは薬の調合によって違う。 54.土地の工作をするには高低測量がもとになる。 55.計算尺は土工の計算に便利である。 56.大きい川と小さい川とでは流れの測り方が違う。
57.開墾工事は,周到な用意とともに開墾後の利益計算がたいせつである。 58.傾斜が15°以上の耕地には階段工を施すがよい。 59.傾斜の度合によって階段工のしかたは違う。 60.稲の直まき栽培は塩分に対する抵抗が強い。 61.水食は,土性・スロープ・雨量や農耕の方法等によって違う。 62.輪作は水食防止の上に大きな効果がある。 63.防風林の効果は形によって違う。 64.耕地の大きさや形態は.営農規模・地積経済・用水経済に関係が深い。 65.交換分合には,いろいろな効果と方法がある。 66.農地の交換分合には.採草地・水利権・水利施設が含まれる。 67.住居や協同施設の配置は村の近代化に影響を与える。 68.水田の用水量は実測によって知ることができる。 69.機械揚水の電動機には,予備の電動機を付属させるのが常である。 70.畑地かんがいには,いろいろな効果と方法がある。 71.畑地かんがいは,施設に要する資本と収益との関係でおこないえない場合がある。 72.湿地の原因は地形に左右されることが多い。 73.暗きょのやり方は地形によって違う。 74.秋落田の客土には山土がよい。 75.客土は2〜3年に分けておこなうがよい。 76.毒水は,PH.の測定や作物の状態によってだいたい判定できる。 77.排水することによって地方病のでる土地を改良することができる。 |
丸のこぎり・研摩盤・自動がんななどの操作・手入れ。
(2) 「農業工作」の教育計画をたてる場合には、「総合農業」や作物関係・園芸関係・畜産関係などの科目と緊密な関連を図り、「農業工作」にふさわしい教育内容を取り上げ、学習の効果をたかめることがたいせつである。
(3) 農業工作機械を取り扱うにあたっては,あらかじめ災害防止の方途を講ずるとともに,常に安全を図ることが必要である。
1.性 格
(2) 「造園」は,主として造園課程以外の課程において履修されるものである。
(2) 自然的,社会的,経済的条件に応じて,生活環境に造園をどのように取り入れ,またどのように計画したらよいかを理解させる。
(3) 造園についての技術的な知識を身につけさせる。
(4) 目的および条件に応じて,創意くふうに富んだ造園設計をなし,施工し,維持管理する能力を養う。
(5) 造園材料について,識別・利用・保護・管理・経営の能力を養う。
(6) 生活環境に造園的美的要素を取り入れ,文化の向上に貢献する喜びと楽しみを見いだす態度を養う。
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1.造園の計画にあたり,敷地選択,立地条件,既成諸施設および依頼者の希望事項など,諸条件の予備調査書がつくれること。
2.一般図面の正確な複写・拡大・縮小および青写真の焼付ができること。 3.簡単な見取図面がつくれること。 4.製図器具の使用,設計図面の鉛筆仕上・墨入れ・着色がじょうずにできること。 5.設計用図面として,平面図・立面図・透視図・土工用図・配植図などがつくれること。 6.設計図面に基いた模型の作製ができること。 7.日本庭園のだいたいの設計ができること。 8.西洋庭園のだいたいの設計ができること。 9.花壇の設計および植栽計画ができること。 10.いろいろな住宅庭園の設計ができること。 11.造園設計書がつくれること。 12.公園・広場などの設計ができること。 13.陸上競技場・野球場など各種運動場の設計ができること。
14.造園植物のいろいろなふやし方ができること。 15.造園植物がじょうずに育てられること。 16.造園植物の手入れや,防風・防寒などの保護・管理ができること。
17.諸資材を使って工事の計画ができること。 18.土の切取・盛土・運搬の作業を計画し,実施できること。 19.土工の労力計算・見積りができること。
20.排水の計画ができること。 21.えん路のこう配・幅員や構造などが決められること。
22.簡単な池・プールなどの工事ができること。 23.張芝工の準備と作業ができること。 24.張芝の計画と見積りができること。 25.庭石として最も使いやすい石を選ぶことができること。 26.庭石の運搬とすえ付ができること。 27.簡単なかき・日陰だななどの工事ができること。 28.石の形を生かした使い方ができること。 29.都市のいろいろな調査ができること。 30.風景地に適した簡単な路傍施設(ベンチ・ピクニックテーブル・指導標など)の設計ができること。 |
1.造園は,われわれの生活環境において保健・教化・美化・防災などの施設として重要な役割をもっている。
2.造園の形式は,自然式と整形式の二つに大別されるが,世界各国にそれぞれ特異の様式と意匠とが見られる。 3.わが国および諸外国の造園の発達を知ることは,新たに造園を設計する場合の基礎になる。 4.造園の観賞力と批判力とを高めることによって,さらにすぐれた作品をつくることができる。 5.建築の様式や構造の大略を知るのは,造園の設計と観賞に役だつ。 6.造園設計には諸材料と様式・意匠とを活用して,独創的な造園の構成をつくり出すことがたいせつである。 7.造園設計には,敷地の選択,地勢・風土・環境,既成諸施設および依頼者の希望事項など,諸条件の予備調査がいる。 8.設計図面には,だいたいの設計図と詳細な設計図とがある。 9.住宅庭園の設計は,住宅に応じてその規模と種類とを異にするが,特に建物との調和が必要である。 10.花壇の設計は,西洋庭園や公園に取り入れられることが多い。 11.各種の大小公園の設計は,公共造園施設の中で最も重要である。 12.各種運動場の設計は,公園緑地系統の一環としてたいせつである。 13.校庭の設計は,運動場・教材園などを主にした特殊なものである。 14.造園には多種多様の材料が用いられる。 15.造園植物は,われわれの生活環境と密接な関係をもっている。 16.樹木は周囲の環境によく合ったものが用いられる。 17.樹木のふやし方にはいろいろな方法がある。 18.樹木を移植するには,適当な時期と方法とがある。 19.樹木を健全に美しく育てるためには,いろいろな手入れが必要である。 20.樹木の栽培を取り入れて,農業経営を有利に導くことができる場合がある。 21.庭石には,外形・野面・色沢・節理・硬度・勢いなど・それぞれの特徴がある。 22.庭石には,石に加工してつくられた,とうろう・ちょうずばちなどの添景物が用いられる。 23.造園が完成するまでには,いろいろの工事がある。 24.工事は,労力と資材などの経費を少なく,確実にしかも短期間に完成するように計画することが必要である。 25.一般に土工の計画は,盛土と切取との量が同一になるように設計される。 26.えん路は使用目的・地質・地形などの条件を考慮して,こう配・幅員など決定し,設置される。 27.階段は昇降につごうのよい構造にすることがたいせつである。 28.池・プールなどの工事では,漏水の防止,給排の設備,護岸などがたいせつである。 29.張芝工は,土地の状態,経済的条件などによっていろいろな方法が選ばれる。 30.庭石の運搬とすえ付には,周到な準備と慎重な取扱とが必要である。 31.庭園の設備として,かき・日陰だな・庭門・あずまや・壁泉・プールなどの建設物の工事がおこなわれる。 32.都市計画とは,それぞれの地方で経済・政治・文化の中心となっている都市を理想的に建設するための総合計画である。 33.内外都市の発生と発達には,いろいろな条件と特徴とが見られる。 34.都市計画遂行のためには,都市と農村とを一体とする地方計画が必要である。 35.地方計画は,国土全体の計画(国土計画)のもとにたてられて,はじめて健全な効果を発揮する。 36.都市計画の実際には,保健衛生施設・交通施設・地域制・土地区画整理などがあり,それぞれ造園に関係が深い。 37.風景計画は,特にすぐれた風景を保護開発し,国民の保健・休養・教化のためにおこなうものである。 38.国立公園は,国が代表的な大風景地に設定する公園であって,全国民の享用にあてるとともに,国際的利用価値もまた大きい。 |
2.造園の様式および意匠
3.造園計画上の調査事項
4.住宅庭園の設計
5.日本庭園の設計
6.西洋庭園の設計
7.各種公園の設計
8.運動競技場の設計
9.造園植物の特性と取扱
10.庭石および加工石材
11.木材・竹材・金属材・かま製材など造園に用いられる諸材料
12.土工の計画および施工
13.えん路・階段の施工
14.池・プールなどの施工
15.排水工
16.岩組工
17.かき・日陰だな
18.張芝工
19.工事の見積り,仕様書・設計書
20.都市計画の必要
21.都市の発達と最近の都市計画
22.都市計画の実際
23.風景地および国立公園
24.造園の観賞と批判
(2) 学習の効果を高めるために,学習に必要な実習材料,学習方法などについては,つとめて創意くふうされたい。
1.性 格
「農業経営」は,農業生産力を向上し,高い所得をあげて農家の生活を豊かにするには,土地や農機具や労力などを活用して,どのように農業経営を営めばよいか,を学ぶ科目である。したがって,「農業経営」以外の農業科目においても,経営的考え方と密接不離の関係において生産技術を学び,技術と経営の一体化された学習がおこなわれなければならない。このようにしてはじめて農業経営学習の目的は達せられるものであるが,「農業経営」の科目では,特にまとめて次のような学習を指導しようとするものである。
すなわち,①「農業経営」学習の動機を,ホームプロジェクトの計画および実施と農村調査に求めて,生徒の当面する農業経営問題の解決を図り,②これを一般的な農業問題に発展させて,農業経営の考え方,農業簿記・農業経営と社会・国家とのつながり,国の農業政策や法規,日本の農業と世界の農業との関係などに及ぼし,③農業クラブ活動によって,生徒の農業経営にまつわる諸般の活動力を養うようにしようとするものである。
2.目 標
(2) 自分の家や郷土の自然的,社会的,経済的環境と農業経営・農村生活との関係を理解させる(外部環境との関係の理解)。
(3) 農業経営を改善し,経営設計をたてる能力を養う(経営改善設計の能力)。
(4) 自分の家や郷土の農業生産力の発展をはばんでいる素因を理解し,進んでこれを除去し,さらに,これを発展させようとする態度を養う(積極的活動力)。
(5) 農業や農村生活に喜びや楽しみを感じ,進んでこれを改善しようとする態度を養う(生活への発展)。
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2.ホームプロジェクトの記録と評価ができること。
4.郷土や自分の家の実態調査ができること。
5.農家経済簿記ができるとと。 6.労働日記が書けること。 7.生産費の計算ができること。 8.労働日記その他から,労力節減の方途を見いだすことができること。 9.生産費の計算その他から,栽培・飼育改善の方途を見いだすことができること。 10.協同組合簿記ができること。 11.協同組合簿記を見て,組合の会計監査や経営改善の勧告をすることができること。 12.農家経済簿記から,農業経営の改善点を見いだすことができること。 13.農業経営の設計ができること。 14.生産物の市場出荷,ことに共同出荷ができること。 15.生産にどれだけ役だつかを考えて資材を購入することができること。 16.販売するか,自家消費するかを見通して,その目的にあった生産計画がたてられること。
17.農家にかかる租税の算定ができること。 18.償還の見通しをつけて,生産資金の調達ができること。 19.農業協同組合金融など,農家独特の金融を利用し,またこれをもりたてることができること。
20.協同育苗,協同飼育,農機具の共同利用などをうまく世話することができること。
(学校農業クラブ) 21.大ぜいの人の前で,農業の問題について発表することができること。 22.農業問題について,他人と意見を交換し,正しい判断をくだすことができること。 23.互に協力して,農業改良や生活改善の仕事を進めることができること。 24.品評会・研究会・見学などの催しを,協力して運営することができること。 |
1.ホームプロジェクトは,生産をあげることのほか,枝能向上や生産手段の改善などのことを考慮して実施される。 2.ホームプロジェクトは,初め簡単な生産プロジェクトを主体にして出発し,徐々に,種類・規模の拡大をはかるとともに,技術プロジェクト・改良プロジェクト等を加えて総合を図り,ついには自分の家の農業経営改善に発展することを目ざしている。 3.ホームプロジェクトは,常にわが家の農業経営改善の立場に立って,計画され,実施され,反省されることがたいせつである。
4.実態調査の結果をみると,その経営状態がだいたいわかる。 5.わが国の農業経営は,経済的条件の支配を受けるほか,自然的条件の支配を受け,零細な主穀式の経営が多い。 6.農業生産力を向上するには,零細な主穀式農業経営の方式を打開することも考えられる。 7.わが国では,耕地の単位面積当り生産は多いほうであるが,なお耕地の生産力向上について改善する余地がある。 8.耕地の利用のほか,草地・林地の利用についてくふうする必要がある。 9.わが国の農業では,特に労働集約度が高く,労働の生産性が低い。 10.農業経営の計画と実施にあたっては,怠らず記帳し,その結果を反省し,絶えずくふう改善することが必要である。 11.農業労働は,季節によって繁閑の差がはげしい。 12.無計画に副業を取り入れても,労力の調節はできない。 13.畜力や機械力の利用によって,農業労働を楽にし,労働能率を高めることができる。 14.労力の余裕が生じても,経営に取り入れる作物や家畜の種類を変えて有効に活用しなければ,農家の収入を増すことにはならない。 15.経営を改善するには,農業改良普及員や生活改良普及員の助力を借りることもたいせつである。 16.農業経営は,環境の変化や技術の進歩に伴い,常にくふう改善されなければならない。 17.農産物の価格は,工業製品と異なる要因によって形成される。 18.農産物は,共同出荷するほうが有利である。 19.共同出荷する農産物は,初めからその目的に従って生産する必要がある。 20.販売される農産物は,特に市場の要求にあうように計画的に生産されなければならない。 21.同じ物を年々続けて栽培・飼育すれば,市場の需給による収入の増減は免れないが,生産技術は向上し,生産資材は節約されることが多い。 22.農家の生産に要する資金の需要は季節的である。 23.農業には,一般の金融機関から融資されることが少ない。 24.農業金融は,国家の財政と深い関係がある。 25.農業経営を遂行する上に知らなければならない法規はいろいろある。 26.個々の農業経営は,国の政策によって影響されることが多い。 27.農業生産は,協同して営めばむだが省かれることが多い。 28.農業問題を解決するには,常に意見や技術を交換し,協力して進めることが必要である。 29.農業と農家の生活はたいへん遅れているので,強力に近代化するようにしなければならない。 30.農家の生活を向上させるには,農業の所得をふやすことが必要であるが,農家の消費生活の改善もおこなわなければならない。 31.農村の生活や文化を向上させるには,進んで社会の世論を受け入れ,健全な判断のもとにこれを消化するようにしむけなければならない。
32.自分の意見や研究を発表することは,その考えが正しいかどうかを確かめることになると同時に,お互の生活を向上させる上に役だつ。 33.他人に話をするには,話の内容をみずからよく理解し,話の要点を明らかにするとともに,視聴覚資料を利用するなどの着意がたいせつである。 34.他人と意見を交換するには,他人の意見を尊重して聞き,その内容を理解して,正しい判断をくだすことがたいせつである。 35.会議を民主的におこなうことは,農村を民主化し,農村に協同性をつちかうために必要である。 36.会議を正しく,しかも能率的に進めるには,議事規則を設け,各人の意見を平等に尊重することがたいせつである。 37.正しい結論を出すためには,まず,いろいろな意見を発表させ,その議論の中心と判断すべき点を明らかにすることが必要である。 38.問題によっては,小委員会を設けて研究する必要がある。 39.会議の結果は正しく記録しておく必要がある。 40.互に個性を理解し協力し合うことによって,農業を改良し,楽しく豊かな生活をすることができる。 41.いろいろな催しや奉仕活動をおこなうことは,地域社会の発展のために役だつものである。 42.催しに参加する人を多くするには,参加する人の立場や状況をよく知る必要がある。 43.催しを円滑に進めるには,多くの人の意見を取り入れ,精密な計画をたて,関係方面との交渉や連絡を確実にすることがたいせつである。 44.催しを愉快に能率的に進めるには,各人の責任を明らかにし,その責任を遂行することがたいせつである。 |
6.農業経営と農業政策
8.学校農業クラブ
(2) 農業の各科目の指導にあたっては,各科目に含まれる家畜や作物や農産加工を孤立的に考えて,その優位性を必要以上に一面に強調することを避け,むしろそれらを農業経営に取り入れた場合を考慮して,その問題点を解明させるように指導されたい。
(3) 農業法規は,無味乾燥な学習に陥りやすいので,農業経営途上に直面する事項と密接な関連において指導し,常に生徒の関心と興味をつなぎ,理解を深くさせるようにされたい。
(4) 「農業経営」を履修する場合には,低学年から適切な教育内容を選んで学習させ,高学年になるに従い,その教育内容を増加して,この科目の目標の達成を図られたい。
1.性 格
(2) 「農業一般」の教育内容は,履修の目的,学校の施設・設備,地域社会の状況および生徒の必要などによって,特色をもってくるものである。
(2) 農業の自然的,社会的,経済的な知識・理解を得させる。
(3) 作業を科学的,能率的に進める能力を養う。
(4) 勤労と責任を重んずる態度を養う。
(5) 自然ならびに生物の生命力の偉大さを体得し,豊かな情操をつちかい,作物・家畜を愛育する態度を養う。
そうして各学校は,次に示すいくつかの例を参考にし,実情に即して教育計画をたてるものとする。
A 農作物に関するもの
B 園芸に関するもの
C 家畜に関するもの
D 農産加工に関するもの
E 農業工作に関するもの
A 農作物に関するもの
具体的な到達目標
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(農作物)
1.おもな農作物の種類の見分けができること。
(栽培管理) 2.よい種ものを選ぶことができること。 3.種ものの消毒ができること。 4.種ものをじょうずにまくことができること。 5.苗の良否の鑑別ができること。 6.苗しろの設定・管理ができること。 7.苗の植付ができること。 8.温床の設定・管理ができること。 9.整地・中耕・土入れができること。 10.肥料を施すことができること。 11.草取が合理的にできること。 12.おもな病害虫の見分けができること。 13.おもな農薬の使用ができること。 14.幼穂形成の見分けができること。 15.おもな農産物について収穫の適期を見分けることができること。 16.種ものの採り方ができること。 17.種ものの貯蔵ができること。
※(土・肥料) 18.土性・土層の見分けができること。 19.土の酸性の度合が測定でき,石灰の必要量がわかること。 20.おもな肥料の種類の見分けができること。 21.つみ肥の製造ができること。
※(品種改良) 22.交配ができること。 |
1.農作物の栽培には,作物の遺伝的性質,作物の生育する環境,栽培の方法の三つの条件を合理的にして,一定面積から最大の収益をあげるようにしなければならない。 2.土地に適する作物の種類・品種は,その土地の環境,栽培の目的と方法によって違う。 3.慣行作業には,作物と土や水の関係を合理的に関係づけているものも少なくない。それらをよく調べてさらに作業を合理化することが必要である。
4.よい種を選ぶ方法には,ふるい選・とうみ選・塩水選などいろいろあるが,さらに発芽試験によって,発芽のよいものを選ぶこともたいせつである。 5.よい種とは,純正で,清潔歩合が高く,よく充実して発芽歩合・発芽勢ともによいものである。 6.作物の中には,栄養体の一部を繁殖に供するものがある。 7.苗の良否には,苗床の状態と天候・手入れが影響する。 8.種ものをまく前に種を処理することによって,発芽や生育を促すことができる。 9.種まき・植付の適当な密度は,気温,土の肥よく度,施肥量,植付の早晩,品種の特性,用途などによって違う。 10.種ものの発芽,作物の生長・開花・結実には適当な水分が必要であるが,水分が多すぎる場合や不足する場合には,いずれも作物の生育を阻害する。 11.土中の空気が作物に及ぼす影響はきわめて大きい。特に,さつまいも・じゃがいもなど地下部の発育を図るには,土中の空気がたいせつである。 12.作物の生育に適する温度は,作物の種類によって違う。 13.作物によっては,低温処理または高温処理によって,開花・結実を促進または抑制させることができるものもある。 14.日照時間の長短は,花芽の分化や結実に関係する。 15.雑草の種類や生育のしかたは,土地や季節によって違う。 16.病害虫の被害は,作物の品種や栽培法を改め,また農薬を使用することによって軽減することができる。 17.農薬はその使用を誤ると効果がないばかりでなく,ときには薬害を起すこともある。 18.花芽の分化や幼穂形成の時期における水分・養分・日照,手入れの良否は,作物の収量に大きな影響を与える。 19.質のよい収穫物をたくさんとるには,均等な発育が必要である。 20.作物の収穫の時期は,収量や品質に大きな影響を与える。 21.種ものの貯蔵のしかたや貯蔵の期間は発芽力に影響があり,かつその後の生長にも関係する。 22.種いもや球根などの貯蔵には,温度・湿度の調節がたいせつである。
23.土はその種類によって組織や性質が違う。 24.土の酸性の程度は,作物の発育や病害と深い関係がある。 25.土の性質や土中の微生物の作用は,作物の生育に影響を及ぼす。 26.肥料は種類によって主成分の含有量や性質・使用法などが違う。 27.つみ肥のつくり方や管理法は,その品質に関係する。 28.適切な施肥量と施肥法は,土地の様子と作物の種類によって違う。 29.作物の発育状態は,土地の肥よく度や施肥量によって違う。
30.品種の改良には,遺伝の法則がたいへん役だっている。 31.品種改良には,系統とうたをおこなう場合と,雑種や倍数性や突然変異を利用して新しい品種をつくる場合とがある。 32.一代雑種には,生育が盛んで生産力の高いものがある。 |
(農作物と栽培管理)
2.種ものの選定実習
3.発芽試験
4.種ものの消毒実習
5.種まきと植付の実習
6.苗しろをつくる実習
7.苗床をつくる実習
8.育苗の実習
9.整地・中耕・土入れの実習
10.肥料配合と施肥の実習
11.雑草の種類調査
12.草取の実習
13.病害虫の被害調査
14.農薬の調製と使用法の実習
15.根の生長調査
16.幼穂形成の調査実験
17.花粉の発芽実験
18.おもな農作物の収穫・調製の実習
19.種ものの貯蔵実習
20.農業試験場などの見学
※(土・肥料)
21.土の酸度測定
22.土の容水量の実験
23.根粒菌の培養と接種
24.つみ肥の製造実習
25.肥料試験
※(品種改良)
26.交配実習
具体的な到達目標
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(園芸作物)
1.おもな草花・野菜・果樹の種類の見分けができること。 (栽培管理) 2.よい種ものを選ぶことができること。 3.種ものの消毒ができること。 4.種ものをじょうずにまくことができること。 5.苗・苗木の良否の鑑別ができること。 6.苗の植付ができること。 7.温床の設定・管理ができること。 8.苗床・はちもののかん水ができること。 9.肥料を施すことができること。 10.草刈が合理的にできること。 11.おもな病害虫の見分けができること。 12.おもな農薬が使用できること。 13.花芽の分化の見分けができること。 14.草花の開花期の調節ができること。 15.草花・果樹・庭木のさし木・さし芽・つぎ木・とり木ができること。 16.整枝・せん定ができること。 17.人工授粉ができること。 18.おもな園芸作物について,収穫の適期を見分けることができること。 19.種ものの貯蔵ができること。 20.庭木の簡単な手入れができること。 21.庭木の根まわし・植えかえができること。 22.芝ふがつくれること。
※(土・肥料) 23.土性・土層の見分けができること。 24.土の酸性の度合が測定でき,石灰の必要量がわかること。 25.おもな肥料の種類の見分けができること。 26.つみ肥の製造ができること。
※(品種改良) 27.交配ができること。 |
1.園芸作物は,自然的環境や栽培条件のわずかな変化によっても,収量・品質に大きな違いが生ずる。
2.ある土地に適する園芸作物の種類は,その土地の栽培環境・栽培目的・栽培方法によって違う。 3.充実して栄養に富んでいる種ものからは強い芽が出る。 4.園芸作物を普通と違った時期に生産するには,特別の技術や資材や管理を必要とする。 5.作物の生育には,水分・空気・温度・日照・肥料などの諸要因が影響を及ぼす。 6.雑草の種類や生育のしかたは,土地や季節によって違う。 7.虫害の程度は,害虫の種類や加害の時期によって違う。 8.越冬する病菌や虫を駆除すると,病害虫を防ぐ効果が大きい。 9.園芸作物では,病害虫の被害が,品種や栽培法を改め,また農薬を使用することによって著しく軽減することができる。 10.農薬は,使用目的に応じて,最も効果のあがる種類・使用時期・調合割合などがある。 11.落果は,天候や栄養状態の不良,病気・害虫などによって起ることが多い。 12.花芽の分化や結実のおこなわれるころの水分・養分・日照などの良否は,作物の収量に大きな影響を与える。 13.園芸作物には,受精しなくても果実が発育するものと,受精しなければ発育しないか,または発育のよくないものとがある。 14.園芸作物の中には,種もののほか,茎・芽・葉・根など栄養体を繁殖に供するものがある。 15.整枝やせん定などの手入れは,作物の栽培目的・種類・品種および生育の状態によって違う。 16.作物の収穫の時期は,収量や品質に大きな影響を与える。 17.くだものの発育は,栄養生長と生殖生長とが調和してはじめてうまくおこなわれる。 18.種ものの貯蔵法や貯蔵期間によって,作物の発芽や生育の状態が違う。
19.土は,その種類によって組織や性質が違う。 20.土の酸性の程度は,作物の発育や病害と深い関係がある。 21.土の性質や土中の微生物の作用は,作物の生育に影響を及ぼす。 22.肥料は種類によって,主成分の含有量や性質・使用法などが違う。 23.つみ肥のつくり方や管理法は,その品質に関係する。 24.適切な施肥量と施肥法は,土地の様子と作物の種類によって違う。 25.作物の発育状態は,土地の肥よく度や施肥量によって違う。
26.品種の改良には遺伝の法則が大へん役だっている。 27.品種改良には,系統とうたをおこなう場合と,雑種や倍数性や突然変異を利用して新しい品種をつくる場合とがある。 28.一代雑種には,生育が盛んで生産力の高いものがある。 |
1.栽培設計
2.種ものの選定実習
3.発芽試験
4.種ものの消毒実習
5.種まき・植付の実習
6.温床をつくる実習
7.かん水・施肥の実習
8.育苗の実習
9.病害虫の被害調査
10.農薬の調製と使用法の実習
11.落果の調査
12.雑草の種類調査
13.根の生長調査
14.花芽の分化の実験
15.温浴法の実験
16.さし木・さし芽・つぎ木・とり木の実験
17.せん定実習
18.日長効果の実験
19.花粉の発芽実験
20.人工授粉の実習
21.種ものの貯蔵の実習
22.庭木の植えかえの実習
23.芝ふづくりの実習
24.公園・庭園・植物園・果樹園・温室などの見学調査
25.農業試験場・林業試験場などの見学
※(土・肥料)
26.土の酸度測定
27.土の容水量実験
28.根粒菌の培養と接種
29.つみ肥の製造実習
30.肥料試験
※(品種改良)
31.交配実習
具体的な到達目標
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1.おもな家畜の産類と品種の見分けができること。
2.人工ふ化ができること。 3.ひなの雌雄鑑別ができること。 4.育すうができること。 5.だ鶏のとうたができること。 6.飼料標準によって飼料の給与計画がたてられ,合理的な給飼ができること。 7.おもな牧草と飼料に適する野草の見分けができること。 8.牧草がうまくつくれること。 9.簡単な畜舎や舎内設備の設計ができること。 10.畜舎の管理がよくできること。 11.家畜の健否の見分けがつくこと。 12.小家畜の解体ができること。 |
1.家畜の飼育は,家庭経済や食生活の改善に寄与する。
2.飼育する家畜の種類・品種は,気候・土地・用途などによって決まる。 3.鶏のふ化には,温度・湿度・空気などの条件のよいことがたいせつである。 4.ひなの雌椎の鑑別は,生殖器官の相違によっておこなわれている。 5.ひなの生育には,温度・湿度・栄養などの条件のよいことがたいせつである。 6.能力の劣る鶏や病鶏は,とうたすることが必要である。 7.家畜の種類・用途・能力によって与えるべき栄養の量や質が違う。 8.野草の中には,飼料に適するものがある。 9.飼料は,乾燥したりサイロに詰めたりして貯蔵することがある。 10.畜舎の構造や設備は,家畜の健康,管理の能率に関係する。 11.畜舎の整理・清掃・消毒は,家畜の健康に関係する。 12.飼養管理の良否は,家畜の能力に影響する。 13.家畜の病気には,予防がいちばんたいせつである。 14.小家畜の骨格・内臓・筋肉の位置や構造を知ることによって,解体の順序がわかる。 |
2.養鶏場・養豚場・牧場などの見学
3.飼育の設計
4.人工ふ化の実習
5.はい(胚)の発育状況の調査
6.ひなの雌雄鑑別実習
7.育すう実習
8.飼料とひなの生育関係の調査
9.飼育実習
10.牧草ならびに飼料用野草の種類の調査
11.乾草製造実習
12.畜舎の見学と調査
13.簡易な畜舎の設計と建設
14.小家畜の解体実習
具体的な到達目標
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1.麦芽がつくれること。
2.水あめがつくれること。 3.こうじがつくれること。 4.納豆がつくれること。 5.甘酒がつくれること。 6.みその諸原料の配合ができること。 7.豆腐の凝固剤の添加量を決めることができること。 8.乾燥果実や乾燥野菜がつくれること。 9.ゼリーポイントを決めることができること。 10.乳酸発酵中の管理ができること。 11.びんづめの密封や殺菌ができること。 12.発酵中のパン生地の手入れができること。 13.つけもの原料の配合ができること。 14.かきの渋抜きができること。 |
1.農産加工は,農産物を貯蔵・加工して,食生活を豊かにし,その改善に寄与するものである。
2.農産加工には,原料・原理・方法などによって,いろいろの分け方がある。 3.微生物の中には,食品加工にきわめて有用なものもあるが,また有害なものもある。 4.麦芽をつくるとき,発芽の均一と芽の発芽程度は,麦芽の品質に影響する。 5.こうじや麦芽の酵素は,でんぷんを糖化する。 6.水あめは,でんぷんを酸で分解してつくることもある。 7.こうじ・納豆ができるには,適度の温度・湿度・酸素が必要である。 8.みその熟成期間は,使う食塩の量やこうじの量によって違う。 9.大豆のたんぱく質は,塩化マグネシウムなどで固まる。 10.乾燥果実や乾燥野菜をつくるには,日乾・風乾・火力乾燥などの方法がある。 11.乾燥果実をつくるとき,いおうくん蒸をすると,よい製品ができることもある。 12.ゼリーポイントを決めるにはいろいろの方法がある。 13.牛乳は.バター・チーズ・練乳・粉乳・カゼイン・乳糖・乳酸飲料などに加工される。 14.びんづめの密封・殺菌が完全におこなわれないと,変質することがある。 15.パンは,アルコール発酸やふくらし粉から出る炭酸ガスの作用でふくれる。 16.つけものはいろいろな条件によってつかる速さが違う。 17.かきの渋抜きは,湯・アルコール・炭酸ガスなどでおこなわれる。 |
2.糖化検定
3.納豆菌の検鏡
4.納豆をつくる実習
5.こうじをつくる実習
6.廿酒をつくる実習
7.みその種類の調査
8.みそをつくる実習
9.豆腐をつくる実習
10.乾燥果実をつくる実習
11.びんづめ実習
12.ジャムをつくる実習
13.乳酸飲料をつくる実習
14.パンをつくる実習
15.つけもの実習
16.渋抜きの実習
具体的な到達目標
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1.各種のなわの結び方ができること。
2.竹がきがつくれること。 3.小畜舎・簡易温室・フレーム,その他小建築物の製作や修理ができること。 4.平板測量ができること。 5.土のくずれない傾斜面をつくることができること。 6.コンクリートの作業ができること。 7.農機具の使用と整備ができること。 8.オート三輪車の運転ができること。 |
1.農業工作には,わら細工・竹細工・木工・金工・土工・コンクリート工,農機具の取扱および簡易農業測量などの内容がある。
2.なわには,その原料・規格によっていろいろの種類があり,用途も違う。 3.なわの結び方は用途によって違う。 4.かきにはいろいろの種類があるが,竹がきが広く用いられている。 5.建物などの施設をつくるには,まず規模・位置を定め,材料の見積りを正確におこない,施工することがたいせつである。 6.平板測量器は,使い方によって,いろいろな測量に利用できる。 7.こう配を決めるには,土質や施工法が関係する。 8.コンクリートの配合割合は,用途によって違う。 9.コンクリートの硬化の速さや度合は,セメントの種類・配合割合・温度・水分などによって違う。 10.わが国の農機具は近時相当動力化されてきたが,まだ人力によるものが多い。 11.農機具の適否・構造・使用のじょうず・へたは,作業能率・できばえ・疲労に大きな関係がある。 12.農機具使用後の手入れや保存のしかたは,耐久力に大きな関係がある。 13.オート三輪車の運転には,内燃機関の構造,各部の機能,操縦法,交通法規を知る必要がある。 |
2.かきの種類調査
3.竹がきをつくる実習
4.小建築物の設計と製作実習
5.平板測量実習
6.土質・施工法とこう配の関係調査
7.傾斜面の施工実習
8.コンクリートの硬化実験
9.コンクリート作業
10.郷土における農機具の種類の調査
11.農機具使用法の実習
12.オート三輪車の運転実習
(2) 「農業一般」の指導にあたっては,「理科」・「数学」・「社会」「芸術」などとの関連を図り,学習の効果を高めるようにされたい。
(3) 「農業一般」の学習に必要な材料・器具ならびに学習方法等については,つとめて創意くふうをされたい。
1.性 格
(2) 「林業一般」は,林業課程以外の課程において履修される科目である。
(2) 森林と環境との関係を理解し,林産物を合理的に生産する能力を養う。
(3) 簡易な木材採収や林産加工を,科学的,能率的におこなう能力を養う。
(4) 林業の経済的,国土保全的,風致・保健的な意義を理解し,林業および山村生活に喜びや楽しみを感じ,森林を愛護し,国土緑化に協力する態度を養う。
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(林業通論)
(森林生産) 1.自分の家の林地に適した木を選ぶことができること。 2.郷土において重要な2〜3種の木の苗を育てることができること。 3.苗木の良否を見分け,林地にじょうずに植えつけることができること。 4.下刈・つる切・除伐・枝打・間伐ができること。 5.薪炭林の択伐ができること。 6.郷士におけるおもな林木と下草の種類を見分けることができること。 7.郷土に適した竹,その他の特用樹種の栽培ができること。 (森林土木) 8.立木を切って運搬することができること。 9.簡単な砂防工事ができること。 (林産加工) 10.重要な木材の鑑別ができること。 11.簡単な方法で木材の製材・乾燥・工作ができること。 12.食用きのこの栽培ができること。 13.炭がまを築いて炭を焼くことが、できること。
(林業経済) 14.立木や森林の材積の測定や評価ができること。 |
1.森林は直接・間接に人生にいろいろ役だっている。 2.農村における林業と農業との間には,森林それ自身およびその生産を通じて相互関係がある(森林は,労力・肥料・飼料・燃料あるいはまた,水源かん養林・防風林・牧野樹林などとして農業経営に関係することが大きい)。
3.環境要素の影響によって木の育ちぐあいが違う。 4.森林には,更新のしかたや作業の方法の違ういろいろな型のものがある。 5.農用林はその目的によって木の種類が違う。したがって,いろいろな手入れ・保護の方法がある。 6.苗木や林木に対しては,急激なあるいは慢性的な危害があり,それぞれの害に対していろいろな対策がある。 7.竹林の経営その他特用樹種の栽培には,特殊な取扱方が必要である。
8.木の種類によって,その材の構造や,物理的および化学的性質が違い,それぞれ適当な用途がある。 9.防腐,その他いろいろな木材保存法がある。 10.森林内には,食用きのこ・有毒きのこや木材を腐朽させるきのこなど,いろいろなきのこの種類がある。 11.森林内には,油脂・樹脂・精油・タンニン原料などの取れるいろいろな植物がある。 12.和紙の原料として,いろいろな林産繊維が使われる。 13.木炭にはいろいろな性質があり,品質も違う。そうして,それぞれに応じた使い方がある。
14.適当な伐期は,木の生長やその用途によって違う。 15.国家は法規を設けて森林を保護し,林業の発達をはかっている。 |
2.森林資源
3.林業と農業
5.種の採集
6.種の精選
7.種の貯蔵
8.種の品質鑑定と発芽試験
9.まきつけ床のつくり方と種まき
10.草取と間引
11.日除けと霜除け
12.苗木の病気
13.害虫および有害鳥獣の防除
14.床がえと掘取
15.山行き苗木の良否の見分け方とその荷造
16.地ごしらえと植付
17.下刈・つる切・除伐・枝打・間伐
18.まつくいむしその他害虫の駆除
19.森林火災とその防止
20.風害・雪害の対策とその善後策
21.林地の生産力増進
22.わい林択伐
23.たけの植付
24.竹林の敷草・土入れ
25.竹林の伐採
26.竹林の改良と更新
27.きりの根分けと種根の伏込
28.きり苗の植付
29.芽かきと台切
31.木材の強さ・かたさ
32.木材の化学的性質
33.木材の防腐・防虫
34.木材の乾燥
35.木材および竹材の工作
36.炭がまの築き方
37.炭の焼き方
38.炭の性質および使い方
39.しいたけ菌のおがくず培養
40.しいたけ接種とほだ木の処理
42.簡単な砂防工事
44.丸太・立木・林分の材積の測定
45.立木価格の算定
46.森林法規と森林組合
(2) 林業に関する実習のうちには,学校でこれを実施することが困難なものもあるから,つとめて見学やその他視聴覚用具を利用して,学習の効果を高められたい。