26.森 林 土 木

1.性   格

(1) 「森林土木」は,伐木ならびに木材運搬を能率的におこない,また林地の荒廃を防止し,あるいは,それを復旧するための基礎的および応用的技術を学ぶ科目である。

(2) 「森林土木」は,主として林業課程で履修される科目である。

(3) 「森林土木」は,「数学」・「物理」を基礎とし,「農林測量」や「森林生産」と緊密な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 木を切ったり,運搬の施設をつくったり,運搬をおこなったりする能力を養う。

(2) 荒廃地を復旧する工事をおこなう能力を養う。

(3) 森林を開発し,林業を機械化し,また,林地を荒廃から守ろうとする態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
  (森林利用)

1.森林の伐採・搬出の計画ができること。

2.簡単な伐木・造材ができること。

3.簡単な集材・運材ができること。

4.素材および製材の品等区分ができること。

 

 

  (森林土木)

5.林道および簡単な橋の設計・施工ができること。

6.土場の設計ができること。

 

 

 

 

 

  (森林機械)

7.林業用の器具・機械の分解・組立および取扱ができること。

 

 

 

  (砂 防)

8.荒廃地を復旧する計画がたてられること。

9.簡単なダムや谷止め,あるいは,護岸工事のようなけい(渓)間工事ができること。

10.山腹の地ならし,階段づくりのような山腹工事,および砂防植栽ができること。

 

1.木を切るにはいろいろな方法があり,また,それに応じていろいろ違った道具や機械が使われる。

2.木材は,運搬につごうのよいように,また,それぞれの利用目的にかなうように一定の寸法に造材される。

3.木材を集めたり運んだりするには,昔からおこなわれているいろいろな方法や機械を使う新しい方法がある。その方法の適否は,仕事の能率や安全に大きな影響をもつ。

4.貯材のためにいろいろな方法がとられる。

5.林道にはいろいろな種類があり,その構造(幅・こう配・曲線半径・路面構造など)は,その運搬能力,運搬の安全性,運搬の経済性などをもとにして決められる。

6.橋は目的を異にするいろいろな部分(主げた・橋床・橋台など)から成りたっている。そうして,これらの各部分は,それぞれが受ける荷重に対して安全であるように寸法が決められる。

7.林道・橋などの森林土木工事には,それぞれの場合に応じた,いろいろな材料(コンクリート・石砂・木材・鉄材)が使われる。

 

8.森林土木工事の施工方法にはいろいろな種類があり,また,いろいろな器具・機械が使われる。

9.林業機械に用いられる原動機には,蒸気機関・ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンなどいろいろな種類のものがある。

10.林業機械において,その原動機の動力を使って一定の仕事をさせるために,てこ・滑車・歯車など,いろいろな仕掛けが使われる。

 

11.森林があると,水源がかれないばかりでなく,ひでりのときでも川の水が絶えない。

12.森林の取扱を誤ると,荒廃地ができたり,土砂が流失し,河床が高まって,大水のもとになったりする。

13.荒廃地を復旧するには,山腹と谷川との両方に工事を施さなければならない。

14.海岸に森林があると,飛砂がおさえられる。また,海岸へ造林するには特別な方法がある。

4.教 育 内 容 (森林利用) 1.簡単な伐木・運材・検地

2.伐採・集材・運材

3.貯木

(森林土木) 4.林道の設計と施工

5.橋の設計と施工

(森林機械) 6.林業用機械 (砂 防) 7.崩壊地と野けいの調査

8.けい間工事の設計

9.山腹工事と砂防植栽

10.海岸砂防

5.指導上の留意事項 (1) 測量は,「森林土木」のたいせつな基礎であるから,特に「農林測量」と関連して指導されたい。

(2) 伐木は,森林の更新に大きな関係があるから,「森林生産」と関連させて指導されたい。

(3) 木材の生産費中で最も大きな部分を占めるものは運搬費であるから,運搬技術の向上が森業経営上重要な意義をもち,したがってまた,それが「森林土木」のねらいであることを理解させるように指導することがたいせつである。

(4) 技術を体得させるために実習はたいせつであるが,これらのうちには,学校で実施することが困難なものもあるから,つとめて見学や調査をおこなって学習の効果を高められたい。

27.林 産 加 工

1.性   格

(1) 「林産加工」は,木材の合理的な利用法および森林副産物の能率的な生産ならびに合理的な利用法を学ぶ科目である。

(2) 「林産加工」は,主として林業課程で履修される科目である。

(3) 「林産加工」は,「理科」を基礎とし,林業関係の他の科目と関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 木材の性質をよく理解して合理的に利用し,加工する能力を養う。

(2) 森林植物の特殊成分を能率的に採取し,合理的に利用する能力を養う。

(3) 森林副産物を能率的に生産する能力を養う。

(4) 林産物をむだなく科学的に利用する態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
  (木材の理学および化学)

1.重要な木材の識別ができること。

2.木材の比重・含水率・膨張・収縮の測定ができること。

  (木材加工)

3.簡単な方法で,木材の製材・乾燥・工作ができること。

4.木材を接着して,その接着ぐあいの検査ができること。

5.竹工ができること。

6.簡単な方法で,合板・積層材・繊維板の製造ができること。

  (林産製造)

7.炭がまを築いて炭を焼くことができること,および木材の乾留による生産物の採取ができること。

8.木炭の良否の鑑別ができること。

9.オートクレープなどを使って簡易ソーダパルプの製造ができること。

10.和紙をすくことができること。

11.いろいろな林産油脂・樹脂・精油・タンニンなどの採取ができること。

12.食用きのこ類の栽培ができること。

 

1.木の種類によって,その材の構造や物理的,化学的性質が違い,それぞれ適当な用途がある。

2.防腐その他いろいろな木材保存法がある。

 

3.木材を乾燥するには,いろいろな方法がある。

4.木材を製材加工するには,構造や働きの違う製材機械や木工機械がある。

5.木材の加工方法には,切削・接着・くぎ付などによる結合や曲げ木などがある。

6.いろいろな物理的,化学的処理によって,合板・積層材・圧縮材・注入材・繊維板などをつくって,木材の性質を改良し,用途を広くすることができる。

7.木材は,焼いたり,熱によって分解したりすると,いろいろな物質になる。また,炭焼にはいろいろな方法がある。

8.木炭にはいろいろな性質があり,品質も違う。そうして,それぞれに応ずる使い方がある。

9.木材パルプの製造法には,材料の種類・性質,製品の用途,施設の規模などによっていろいろな方法がある。

10.和紙の原料には,いろいろな林産繊維が使われる。

11.森林内にはいろいろな油脂・樹脂・精油・タンニンなどの原料が採れる植物がある。

12.森林内には,食用きのこ・有毒きのこや,木材を腐朽させるきのこなど,いろいろなきのこの種類

4.教 育 内 容 (木材の理学および化学) 1.木材の識別

2.木材の比重・含水率・膨張・収縮の測定

3.木材の強さ・かたさ

4.木材の化学的性質

5.木材の防腐・防虫

6.耐火木材

(木材加工) 7.木材の乾燥

8.木材および竹材の工作

9.塗装と接着

10.ベニヤおよび合板の製造

11.積層材・圧縮材・注入材

12.簡易な製材と製材工場

13.繊維板の製造と硬質繊維板の製造

(林産製造) 14.炭がまの築き方

15.炭の焼き方

16.炭の性質および使い方

17.木材の乾留

18.木材パルプの製造と製紙

19.製紙工場と人造繊維工場

20.木材の糖化および家畜飼料の製造

21.松やにと漆

22.木ろうときりあぶら

23.松根油と針葉油

24.タンニン

25.しいたけ菌のおがくず培養

26.しいたけ接種とほだ木の処理

27.ひらたけ・なめこ・えのきたけの培養

28.まつたけの増殖

5.指導上の留意事項 (1) 「具体的な到達目標」および「教育内容」は,その一例を示したものであるから,各学校は,地域や生徒の必要,あるいは季節を考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習の効果を高めるために,学習に必要な実験材料・実験器具,学習の方法などについては,つとめて創意くふうされたい。

(3) 学習の効果を高めるために,できるだけ機会をとらえて,研究所や工場における実習あるいは見学を実施されたい。

28.林 業 経 済

1.性   格

(1) 「林業経済」は,林業とはいかなるものであるかを知り,その経営方法ならびに,森林や林業に関する政策や法規を学ぶ科目である。

(2) 「林業経済」は,主として林業課程で履修される科目である。

(3) 「林業経済」は,「社会科」や林業関係の他の科目と関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 林業を経済的に管理・経営する能力を養う。

(2) わが国の林業政策やその運営について理解させる。

(3) 社会における林業の意義を理解し,これに打ち込む態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
  (林業通論)

 

 

 

 

 

 

 

 

  (測 樹)

1.測高器や輪尺を使って,木の高さや直径を測定することができること。

2.求積式や区分求積法によって木の材積を求めることができること。

3.胸高形数法・地方材積表あるいは目測によって,材積が求められること。

4.標準木法や標準地法によって,森林の材積が求められること。

5.樹幹解析ができること。

  (森林評価)

6.立木価格を算定することができること。

7.林産物を正しく有利に販売することができること。

  (森林経理)

8.林業簿記の記帳ができること。

9.簡易な経営計画がたてられること。

 

  (林 政)

 

1.森林には,経済的効用,水源かん(涵)養および防災のような,国土保全的効用,公衆の保健衛生あるいは風致などのような厚生的効用など,いろいろな効用がある。

2.郷土の自然的,社会的,経済的環境と林業との間には,いろいろな関係がある。

 特に農村における林業と農業との間には,森林それ自身およびその生産を通じて相互関係がある(森林は,労力・肥料・飼料・燃料あるいはまた,水源かん養・防風林・牧野樹林などとして農業経営に関連をもつことが多い)。

3.木材を取り扱ったり利用したりする場合に便利なために,規格が決められている。

 

4.丸太・立木および森林の材積をはかるには,いろいろの方法がある。

5.樹幹解析をおこなったり,収穫表を利用したりすることによって,材積・生長量などを知ることができる。

6.航空測量写真をみて,森林の樹種,林木の直径・高さなどを測定することができる。この方法は,特に大森林の資源調査をおこなう場合などにはつごうがよい。

7.森林を評価するにはいろいろな方法がある。林産物の取引には,市場や取引の方法について知っている必要がある。

8.森林から毎年一定の収穫を得るには,保続作業をおこなう必要がある。

9.森林の伐期はいろいろな方法によって決められる。

10.林業を計画的に営むために,経営案が編成され,それによって事業が実行される。

11.林業を営む場合には,その生産の管理のほかに,労務や財務の管理をうまくおこなわなければならない。したがって林業経営にも特に簿記が必要である。

12.林業にはいろいろな所有形態・経営形態があり,それぞれの目的に従って経営され,また管理されている。

13.国有林は,国営によって模範的に経営されている。私有林のうちにも,昔からの優良林業地がたくさん見いだされる。

14.小面積の私有林は,協同的に経営されることによって有利になる場合が多い。

15.林業は社会的,経済的事情の変遷に伴って発展してきている。また,木材の需給関係についてもいろいろの変遷がある。

16.国家は法制を設けて森林を保護し,林業を助成してきている。

17.国家は林業技術の向上と林業知識の普及を図り,学校植林なども奨励している。

18.わが国の林業は世界の林業の一環として存在しているから,各国と貿易の上で結びついてくる。また,世界の林業資源は限られたものであるから,その活用については各国が協力しなければならない。

4.教 育 内 容 (林業通論) 1.森林の経済的効用

2.森林の国土保全的効用と保安施設

3.森林の厚生的効用と風致的取扱

4.農用林

5.木材規格

(測  樹) 6.材積の種類と単位

7.丸太材積の測定

8.立木材積の測定

9.林分材積の測定

(森林評価) 10.立木価格の算定

11.材木の評価

12.林地の評価

13.林産物の取引

(森林経理) 14.林業簿記

15.林業経営

16.経営計画

17.経営管理

(林  政) 18.林業とそのタイプ

19.民有林の実態(特に郷士の林業)

20.森林組合

21.林業関係の法規および予算

22.世界の森林資源

23.日本の森林資源と林産物の需給

24.営林の監督

25.林業の助成

26.森林刑法

5.指導上の留意事項 (1) 「林業経済」では,「森林生産」・「森林土木」・「林産加工」の各科目で,個別的に学ばれる知識や技能を総合して,林業を有利に経営することができるように指導されたい。

(2) 「具体的な到達目標」および「教育内容」は,その一例を示したものであるから,各学校は,地域や生徒の必要に応じて具体的な教育計画をたてられたい。

(3) 林業は収益を目的とする土地生産業であることはいうまでもないが,そのほかに公益性があることをよく理解させ,私益と公益とをいかに調知させるかを考えるように指導されたい。

(4) 測樹の部分は,特に実習を主として指導されたい。

29.造 園 計 画

1.性   格

(1) 「造園計画」は,造園の目的・種類・条件に応じた様式・意匠をくふうし,地勢・環境などの諸条件に合った設計・計画をたてることを学ぶ科目である。

(2) 「造園計画」は,「造園材料」や「造園施工」・「都市計画」と緊密な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 自然的,社会的,経済的条件に応じて,生活環境に造園をどのように取り入れ,またどのように計画したらよいかを理解させる。

(2) 造園の発達・様式・意匠について理解させる。

(3) 目的および条件に応じた造園の施設を選び,かつ創意くふうに富んだ造園設計・計画ができる能力を養う。

(4) 各種の造園施設および保勝地を観賞し,批判する能力を養う。

(5) 造園の個人的,社会的,文化的意義と使命とを自覚し,これに打ち込む態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.造園計画にあたり,敷地の選択,地勢・風土・環境,既成の諸施設および依頼者の希望事項など諸条件の予備調査書がつくれること。

2.歩測あるいは巻尺などを使って庭園を測量し,簡単な見取図がつくれること。

3.測量調査の結果に従って正確な現況図や地形図がつくれること。

4.一般図面の正確な複写・拡大・縮小および青写真の焼付ができること。

5.製図器具の使用,設計図面の鉛筆仕上げ・墨入れ・着色がじょうずにできること。

6.設計用図面として,平面図・立面図・鳥かん図・土工用図・配植図などがつくれること。

7.設計図面に基いた模型の作製ができること。

8.日本庭園のだいたいの設計図ができること。

9.日本庭園の部分および局部(植栽・池泉・岩組・えん(苑)路・添景物など)設計ができること。

10.西洋庭園のだいたいの設計ができること。

11.西洋庭園の部分および局部(植栽・見通し線・水池・えん路・露壇・添景物など)設計ができること。

12.花壇の計画および設計図ができること。

13.普通公園・運動公園・自然公園・近隣公園・児童公園などの大小公園の設計ができること。

14.各種運動場の設計ができること。

15.校庭の設計ができること。

16.風景地の利用・開発計画をたて,簡単な路傍施設(ベンチ・ピクニックテーブル・指導標など)の設計ができること。

17.造園の設計書がつくれること。

18.庭園や風景地などを観賞して,これらの優劣の判断をすることができること。

1.造園は,われわれの生活環境に保健・教化・美化・防災などの諸施設として重要な役割をもっている。

2.造園は,全体・部分・局部および材料から構成されている。

3.造園の意匠には美の要素が応用される。

4.造園の形式は自然式と整形式二つに大別されるが,世界各国にそれぞれ特異の様式と意匠とが見られる。

5.造園の発達は,その国土・地理的環境・国民性および歴史的文化の経過のいかんによって影響される。

6.わが国および諸外国の造園の発達を知ることは,新たに造園を計画する場合の基礎になる。

7.造園は,都市の重要な公共施設である公園・緑地として,都市計画と緊密な関係をもっている。

8.造園設計には,諸材料と様式・意匠とを活用して独創的な造園の構成をつくり出すことがたいせつである。

9.造園設計には,敷地の選択,地勢・風土・環境・既成諸施設,および依頼者の希望事項など諸条件の予備調査がいる。

10.設計には,実地踏査をおこない,各種測量によって見取図や現況図をつくるとよい。

11.設計図面には,だいたいの設計図と詳細な設計図とがある。

12.設計には図面の複写・拡大・縮小および青写真焼付などの技術がいる。

13.設計図面について模型をつくることは,立体感を表わすのに役だてつ。

14.住宅庭園の設計は,住宅に応じてその規模と種類とを異にするが,特に建物との調和が必要である。

15.近代の住宅庭園には,和洋折衷式あるいは実用本位の西洋式が多く要望される。

16.花壇の設計は,西洋庭園や公園に取り入れられることが多い。

17.庭園の地割は設計上最もたいせつである。

18.各種の公園の設計は,公共造園施設のうちで最も重要てある。

19.公園・道路・広場などの設計には,造園技術が必要である。

20.各種運動場の設計は,公園緑地系統の一環としてたいせつである。

21.校庭の設計は,運動場・教材園などを主にした特殊なものである。

22.墓地の設計は,都市計画上からも公園式墓地が要望されている。

23.社寺えんの設計は,神聖な境域として尊厳で静寂なものが望ましい。

24.動物園・植物園その他特殊園は,市民の教化・慰安施設として利用される。

25.造園設計書は,造園施工・管理上にとって必要なものである。

26.風景計画は,特にすぐれた風景を保護開発し,国民の保健・休養・教化のためにおこなうものである。

27.風景地は,自然の風光に恵まれているわが国にとって重要な観光資源である。

28.国立公園は,代表的な大風景地に国が設定する公園であって,全国民の享用に当てるとともに国際的利用価値もまた大きい。

29.森林は風景地の重要な要素で,これを美的に取り扱うことは造園上たいせつである。

30.建築の様式や構造の大略を知ることは,造園の計画や観賞に役だつ。

31.造園は,都市・地方および国の公園緑地計画や,風景地の保存,開発計画として,都市計画・地方計画,さらに国土計画へと発展している。

4.教 育 内 容 1.造園の必要性

2.各国における造園の発達と様式

3.造園の意匠

4.造園計画に必要な調査

5.日本庭園の設計

6.西洋庭園の設計

7.住宅庭園の設計

8.各種公園の設計

9.運動競技場の設計

10.校庭の設計

11.墓えんの設計

12.社寺えんの設計

13.動植物園の設計

14.国立公園の施設と設計

15.造園設計書の作成

16.建築様式および構造

17.造園の観賞と批判

5.指導上の留意事項 (1) 「具体的な到達目標」および「教育内容」はその一例を示したものであるから,各学校は,地域や生徒の必要を考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習の効果を高めるために,学習に必要な材料・器具,学習方法などについては,つとめて創意くふうされたい。

30.造 園 材 料

1.性   格

(1) 「造園材料」は,造園に用いられる諸材料の種類・規格・性質・用途などについて理解し,それぞれの材料を生かした取扱ができることを学ぶ科目である。

(2) 「造園材料」は,特に「造園施工」と緊密な関連をとり,実習および調査・見学を通じて学習するものである。

2.目   標 (1) 造園に用いられる諸材料の種類・規格・性質・用途などについて理解させる。

(2) 造園に最も適した材料を選択する能力を養う。

(3) 造園材料をたいせつに保護・管理する態度・能力を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
 

 

 

1.立地条件や周囲の環境によく合った造園植物が選べること。

 

2.造園植物のいろいろなふやし方ができること。

3.造園植物が,じょうずに育てられること。

4.造園植物のおもな病害虫の駆除・予防ができること。

5.造園植物の手入れや防風・防寒などの保護管理ができること。

6.使いやすい庭石の見分けができること。

7.おもな石材の見分けができること。

8.造園の局部によく合った石材を選べること。

9.とうろう・ちょうずばちなど,加工石材の造園局部によく合ったものが選べること。

10.特性に応じた木材の選択ができること。

11.簡単な木材の防腐処理ができること。

12.用途にあった竹材の種類が選べること。

13.れんが・土管などの工事に適した規格品が選べること。

14.工事の目的に合った金属材料が選べること。

15.施工に適したセメントの種類が選べること。

16.なわ・綱の類のよい品が選べること。

1.造園には多種多様の材料が用いられる。

2.造園植物は,われわれの生活環境と密接な関係をもっている。

3.造園植物は,立地条件と周囲の環境を考慮して選択される。

4.庭木は,種類・品種によって,それぞれ独特な樹形と美しさをもっている。

5.樹木のふやし方にはいろいろな方法がある。

6.樹木の移植には,適当な時期と方法がある。

7.樹木を健全に美しく育てるためには,いろいろな手入れが必要である。

8.樹木の特性をよく観察して,従来の庭木の中に新しい樹種を取り入れることが必要である。

9.日本庭園では,庭石が大きな役割を占めている。

10.庭石には,外形・野面(のづら)・色沢・節理・硬度・勢いなど,それぞれの特徴がある。

11.庭石には花こう岩のほか,安山岩・凝灰岩などが用いられる。

12.造園の局部には,いろいろな石材が,単独または組み合わせて用いられる。

13.庭園には石を加工してつくったとうろう・つくばい・ちょうずばちなどの添景物が用いられる。

14.木材は,入手が容易であり,取扱や工作に便利なため,庭園工作物の材料として多く使用される。

15.竹材は,質が堅く弾力性に富み,東洋独特な材料として庭園に利用されることが多い。

16.れんが・タイル・テラカッタ・土管などのかま製材は,構造用・装飾用材料として使用されることが多い。

17.鉄・銅,その他の金属製品は,彫塑・構造用などとして用いられる。

18.わら・なわ・綱などは,原料や製品の種類が多く,それぞれ異なった用途がある。

19.セメントは,そのすぐれた特徴をもって,各種工事主要材料の一つとして欠くことのできないものである。

4.教 育 内 容 1.造園植物の種類と特徴

2.造園植物の繁殖と育成

3.造園植物の保護管理

4.庭石の種類と特性

5.石材および加工石材の種類と特性

6.木材および竹材の種類・規格と特性

7.かま製材の種類・規格と取扱方

8.金属材の種類・規格と特性

9.その他造園に用いられる諸材料の種類と特性について

5.指導上の留意事項 (1) 「具体的な到達目標」および「教育内容」は,その一例を示したものであるから,各学校は,地域や生徒の必要を考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習の効果を高めるために,学習に必要な実習材料,実験方法などについては,つとめて創意くふうされたい。