21.農 業 造 構

1.性   格

(1) 「農業造構」は,農業経営あるいは農村生活を向上させるためにつくられる,構造物の設計の基礎になる力学的な知識ならびに工事の施工に必要な材料や施工法について学ぶ科目である。

(2) 「農業構造」は,「数学」・「物理」を基礎とし,「農業水利」・「農地造成」・「農林測量」・「農業機械」などと,緊密な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 構造物設計の基礎になる力学的な知識を養う。

(2) 簡単な構造物を設計・製図する能力を養う。

(3) 構造物の施工や維持管理に関する基礎的な技能を養う。

(4) 設計・施工を通じて科学的な態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
1.計算や図上で,力の合成や分解ができること。 

2.断面の一次モーメントを用いて,いろいろな図形の図心が求められること。 

3.いろいろな場合の断面二次モーメントが求められること。 

4.いろいろな場合の断面係数や回転半径が求められること。 

5.部材が力を受けた場合の応力やひずみが求められること。 

6.単純ばり(梁)や片持ばりにいろいろな荷重が作用した場合の反力,せん断力,曲げモーメントを求め,せん断力図や曲げモーメント図が書けること。 

7.はりの曲げ応力・抵抗モーメント・せん断応力が求められること。 

8.影響線を用いて,はりの最大反力・最大せん断力・最大曲げモーメントが求められること。 

9.単純ばりの絶対最大曲げモーメントが求められること。 

10.はりのたわみの計算ができること。 

11.場合に応じたはりの設計ができること。 

12.種々の公式を用いて,座屈応力や座屈荷重が求められること。 

13.偏心荷重を受ける柱の応力が求められること。 

14.いろいろな場合のつぎ手の計算ができること。 

15.トラスの部材応力を計算や図上で求められること。 

16.単鉄筋長方形ばりの計算ができること。 

17.複鉄筋長方形ばりの計算ができること。 

18.単鉄筋T形ばりの計算ができること。 

19.複鉄筋T形ばりの計算ができること。 

20.はりの複鉄筋の計算ができること。 

21.鉄筋コンクリート柱の計算ができること。 

22.木橋各部の名称がわかること。 

23.木けた(桁)橋の設計図が書けること。 

24.木けた橋の設計・計算ができること。 

25.版橋の設計ができること。 

26.簡単なT形けた橋の設計ができること。 

27.拡面基礎工・くい打基礎工の計画ができること。 

28.いろいろな方法で士圧力が求められること。 

29.重力擁壁の安定計算ができること。 

30.鉄筋コンクリート擁壁の設計ができること。 

31.重力ダムの断面の決定や安定計算ができること。 

32.アースダムの安定条件を知って断面の決定ができること。 

33.固定ぜきの設計ができること。 

34.水たたきの設計ができること。 

35.取入れ水門の安定計算ができること。 

36.ボックスカルバートや管形暗きょの設計ができること。 

37.掛ひの設計ができること。 

38.沈砂池の位置や形状の決定ができること。 

39.かき根の柱,フレーム・水そう(槽)・こえだめ・サイロなどの設計や施工ができること。 

40.鶏舎・豚舎・たい肥舎などの設計ができること。 

41.作業場や穀物倉庫などの計画ができること。 

42.木材の性質や規格を知って,場合に応じた材料の選定ができること。 

43.木材の強度試験ができること。 

44.石材の簡単な試験ができること。 

45.鉄材の種類・性質・規格などを知って,いろいろな場合に応じた材料の選定ができること。 

46.セメントの比重・凝結・安定度・粉末度などの測定ができること。 

47.骨材に関する測定や試験ができること。 

  

48.れんがの種類や性質がわかること。 

49.土のせん断試験や圧縮試験などができること。 

50.のり面の保護工を場合に応じて決められること。 

51.場合に応じた土の切取・運搬・盛土の計画ができること。 

52.爆薬を用いた掘削の計画ができること。 

53.土工費の計算ができること。 

  

  

54.石材の仕上方法やその工具の見分けができること。 

55.石積みの計画ができること。 

56.よい石積みと悪い石積みの見分けができること。 

57.目的に応じたコンクリートの配合設計ができること。 

58.簡単な工事の型わくの計画ができること。 

59.コンクリートやモルタルのいろいろな試験ができること。 

60.簡単なコンクリート工事の材料や工費の計算ができること。 

61.それぞれの場合に応じた橋台や橋脚の,型式や工法が決められること。 

 

1.構造物は,これに作用する力に耐えられるようにつくられることが必要である。 

2.力の大きさ・作用点・方向を力の三要素という。 

3.力がつり合いを保つには三つの条件が必要である。 

4.物体の弾性と塑性は,構造物の設計に深い関係がある。 

5.構造物の設計にあたっては,材料の強さや安全率,許容応力などについて知らなければならない。 

6.はりにはいろいろな種類と作用力がある。 

7.移動荷重を受けるはりの反力・せん断力・曲げモーメントを求めるには,影響線を用いるとつごうがよい。 

8.長柱の設計にあたっては,座屈という現象を考えなければならない。 

9.偏心荷重を受ける部材の設計のにあたっては,合力の作用線が断面核内にはいるようにする。 

10.部材の接合法には,リベット接合・ボルト接合・溶接などがある。 

11.トラスにはいろいろな種類がある。 

12.鉄筋コンクリートは,鉄筋とコンクリートの長所を取り入れ,短所を互に補っていることが特徴である。 

13.鉄筋コンクリートの設計にあたっては,鉄筋の太さ・間隔・鉄筋のつぎ手などについても,こまかい注意が必要である。 

14.橋の種類や架設の方法にはいろいろある。 

15.橋の設計にあたっては,荷重の種類や負載の方法も知らなくてはならない。 

16.橋の型式は地質・地形・環境・橋の大きさなどによって決められる。 

17.大きな橋には連続けた橋やゲルバー橋などが考えられる。 

18.基礎は上部構造をささえ,荷重を下部地盤に伝える重要な部分である。 

19.地盤の支持力の調査法には,いろいろある。 

20.水中や地下水の多い所には,特殊な基礎工をおこなう。 

21.構造物の設計にあたっては,地震力や風圧を考えなくてはならない。 

22.ダムにはいろいろの種類があり,それぞれ特徴をもっている。 

23.ダムには余水吐や取水装置が必要である。 

24.せきには流木路・魚道・排砂門などの必要な場合がある。 

25.水路ののりくずれや漏水を防ぐには,ライニングや護岸をおこなうとよい。 

26.排水ひ(樋)門には引上式ひ門や自由扉によるものなどがある。 

27.道路の計画にあたっては線形・こう配・幅員・路盤と排水・横断こう配などについて考なければならない。 

28.道路の構造は路盤・基礎・舗装などに分けられる。 

29.路上施設には街路樹と植樹帯・道路標識・こま止めなどがある。 

30.土砂道・砂利道・砕石道には,それぞれいろいろな工法がある。 

31.アスファルト舗装やコンクリート舗装はすぐれた舗装方法である。 

32.木材の乾燥法には,自然乾燥法と人工乾燥法がある。 

33.木材の防腐処理法にはいろいろある。 

34.石材には多くの種類があり,それぞれ特徴がある。 

35.石材は種々の原因で風化される。 

36.鉄材の腐食防止はたいせつなことである。 

37.セメントには多くの種類があり,それぞれ性質が異なる。 

38.骨材の選定は強いコンクリートをつくる上に重要な条件である。 

39.岩石を砕いて骨材にする場合もある。 

40.コンクリートの混和剤にはいろいろある。 

41.土管や陶管は安価であるから,強さを多く必要としない所に使われる。 

42.コンクリート管には多くの種類があり,それぞれ特徴をもっている。 

43.簡単な工事にはコンクリートブロックを用いることがある。 

44.簡易な構造物には鉄筋の代りに竹を用いることがある。 

45.アスファルト質材料には多くの種類があり,舗装や防水工事に使われる。 

46.土工の計画にあたっては,土工の平均を図ることがよい。 

47.掘削の方法は土質や工事の規模に応じて異なる。 

48.石積みには多くの種類があり,それぞれ特徴をもっている。 

49.石積みのつぎ手には普通モルタルを使うが,特殊な目地をおこなうこともある。 

50.れんがにはいろいろな積み方や仕上方がある。 

51.コンクリートの混合・運搬・てん充には種々の機械器具が用いられる。 

52.じょうぶなコンクリートをつくるには養生がたいせつである。 

53.コンクリートは構造材としてすぐれた性質をもっている。 

54.鉄筋コンクリートの施工にはこまかい注意が必要である。 

55.基礎や土留工はその種類によって工法が異なる。 

56.基礎工に用いられる機械には,試すい(錐)機・くい打機・掘削機などがある。 

57.通路を切取にするかトンネルにするかは慎重に検討しなくてはならない。 

58.トンネルの計画にあたっては地質の調査が重要である。 

59.トンネルの掘削や支保工にはいろいろな方式がある。 

60.トンネルの覆工には普通石材・れんが・コンクリートなどが用いられ,特殊な場合には鉄筋コンクリートや鉄材が使われる。 

61.トンネル工事の坑内設備のおもなものは照明と通風である。 

62.工事は図面と仕様書によっておこなわれる。 

63.工事にあたっては周到な工費の見積と工事計画が必要である。

4.教 育 内 容 1.はりと柱  はりと柱,はりに関する力学,はりの設計,トラス,柱。 2.木けた橋  木けた橋,設計計算。 3.鉄筋コンクリートの計算法  鉄筋コンクリート計算法の原理,曲げモーメントに対するはりの計算,曲げモーメント軸方向または偏心軸方向荷重を受ける部材の計算,鉄筋コンクリートはりのせん断応力,鉄筋コンクリート柱。 4.鉄筋コンクリート橋  鉄筋コンクリート橋の種類と特色,版橋・Tけた橋・連続けた橋およびゲルバー橋,橋台および橋脚。 5.基礎工  基礎地盤,基礎工の種類,拡面基礎工,くい打基礎工,その他の基礎工。 6.擁壁  擁壁の分類と設計,土圧,重力擁壁,鉄筋コンクリート擁壁。 7.ダム  ダムの種類,重力ダム,アースダム。 8.頭首工  固定ぜき・可動ぜき,付帯構造物,取入れ水門。 9.水路構造物  水路・暗きょ・掛ひ・沈砂地・排水ひ門。 10.農道  設計上必要な事項,各種道路とその構造。 11.営農構築物  コンクリートかき柱・温床・フレーム・水そう・こえため・鶏舎・豚舎・サイロ・たい肥舎・たい肥盤・作業場・収納舎。 12.材料  木材・竹材・骨材・れんが・土管・金属材料・セメント・塗料・アスファルト材料について,その種類・性質・規格・採取・計算等。 13.施工  石工・れんが工・コンクリート工・土工・基礎工・擁壁工・橋台および橋脚工・暗きょ工・トンネル工などの施工ならびに施工機械。 5.指導上の留意事項 (1) 各学校は,地域や生徒の必要などを考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習の効果を高めるために,学習に必要な実験材料・実験器具,学習の方法などについては,つとめて創意くふうされたい。

(3) できるだけ機会をとらえて校内実習をおこなうとともに,現地調査,事業場の見学などをおこない,学習の効果を高められたい。

(4) 各種の示方書や規格などに常に注意し,具体的,実際的に指導されたい。

22.農 業 水 利

1.性   格

(1) 「農業水利」は,かんがい・排水・治水・農家用水など,農業経営および農村生活に必要な水を合利的に利用するために,その理論や方法を学習する科目である。

(2) 「農業水利」は,「数学」・「理科」を基礎とし,「農業造構」・「農地造成」・「農業機械」などと緊密な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 農業に利用される水の循環,およびこれに関連する土の役割について理解させる。

(2) 構造物の設計に必要な水の圧力,および水の流れについて理解させる。

(3) かんがい,排水・水の総合的利用などの計画に必要な能力を養う。

(4) 農業水利の社会的,経済的な意義を理解し,進んでこれを向上させようとする態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
  

  

  

  

  

  

  

1.土の機械的分析ができること。 

2.土の比重・容水量・容積重・毛細管力などの測定ができること。 

3.土の化学的な性質について簡単な検査ができること。 

4.農業に深い関係をもつ降水量・蒸発量・湿度・風・気圧などの観測や資料の整理ができること。 

5.浸透量や浸透速度を求めることができること。 

  

  

  

  

  

  

  

6.地下水に関する簡単な測定ができること。 

7.河川の流出量・水位曲線・流量曲線・比流量・河状係数などを求めることができること。 

8.河川のかっ水量・こう水量を求めることができること。 

  

  

  

  

9.いろいろな面に作用する静水圧を求めることができること。 

10.浮力の計算ができること。 

11.動水圧を求めることができること。 

12.跳水によるエネルギーの損失の計算ができること。 

13.管水路のいろいろな場合の損失水頭を求めることができること。 

14.管水路の流量や管径・管厚を求めることができること。 

15.サイホンの水理計算ができること。 

16.小オリフィス・大オリフィスの流量計算ができること。 

17.もぐりオリフィスや小門の流量計算ができること。 

18.いろいろな場合のせきの流量計算ができること。 

19.いろいろな公式を用いて開水流量を求めることができること。 

20.条件にかなった開水路の断面の決定ができること。 

21.条件にかなった沈砂池の水理計算ができること。 

22.いろいろな場合の背水曲線の計算ができること。 

23.地下水の流れの法則を知って,井戸や集水きょの集水量を求めることができること。 

24.水田の用水量の決定ができること。 

25.畑地の用水量の決定ができること。 

26.頭首工や貯水池の位置の選定ができること。 

27.貯水池の容積の決定ができること。 

28.それぞれに応じた用水路の設計ができること。 

29.耕地過湿の原因が見分けられること。 

30.状況に応じた排水の方法を決めることができること。 

31.いろいろな場合の排水量の計算ができること。 

32.状況に応じた排水路の断面やこう配を決めることができること。 

33.暗きょ排水の計画ができること。 

34.いろいろな施設の機能の変化を調べたり,またそれらの合理的な維持管理ができること。 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

35.水流の落下による理論水力の計算ができること。 

36.小水力発電に関する計画の概要がわかること。 

  

  

  

  

  

  

  

37.土地改良法に基いた工事の手続が誤りなくできること。

1.土地の生産力を高めるには,特に水の問題を合理的に解決しなくてはならない。 

2.水はいろいろな形で循環している。 

3.土はたい(堆)積の状態によって,残積土・運積土・でい(泥)炭土などに分けられる。 

4.土層は表土・下層土・基土などに分けられ,それらの状態は作物の生育に影響する。 

5.土の性質は気候・地形・母岩植物などの生成条件によって違い,いくつかの土じょう型に区分される。 

6.土粒の集合状態は,土の空気や水に対する性質と密接な関係がある。 

7.土中水分の表わし方にはいろいろある。 

8.土中の水は吸湿水・毛管水・重力水などに大別される。 

9.土中の空気の量は最小容気量・最大容気量などによって表わされる。 

10.土の熱容量・熱伝導度・色などは,地中温度に大きく影響する。 

11.土は多くの微生物の作用を受ける。 

12.降水は,その分布・強度・持続時聞・ひん度などが重要な問題になる。 

13.蒸発と蒸散は用水量を決める上にたいせつなことである。 

14.浸透は土の空げき(隙)・降雨・土層・地下水の状態,土の水分量,地表の被覆伏態などによって異なる。 

15.地下水は自由地下水と圧力地下水に分けられる。 

16.地下水の水位,流れの方向,地下水量の求め方にはいろいろある。 

17.流出率や流出速度は降雨・土質植生・地形などによって異なる。 

18.河川の性質は,流域・こう配・断面の状態などによって異なる。 

19.流水には浸食・運搬・たい積などの作用がある。 

20.湖沼には河川の流量調節作用がある。 

21.水には,比重・粘性・表面張力・圧力の伝達などいろいろな物理的性質がある。 

22.水流はその状態によっていろいろに分けられる。 

23.水流には連読の法則がある。 

24.水流には位置・運動・圧力の三つのエネルギーがある。 

25.定流においては,各水頭の総和は常に一定である。 

26.平均流速公式はシェジー型公式と指数公式に大別され,これらにはさらに多くの実験公式がある。 

27.波には長波・段波・表面波などがある。 

28.常流と射流との間には,水深・流速・こう配などに限界がある。 

29.開水路にはいろいうな断面形がある。 

30.せきや滝のある所,水路幅が急に変る所などでは,不等流の計算が必要である。 

31.計画を慎重におこなうには模型実験をおこなうとよい。 

  

  

  

  

  

32.かんがいは湿潤かんがいと肥培かんがいに大別されるが,さらに特殊な目的でおこなう場合もある。 

33.かんがい水は作物の生育に適当な温度が必要である。 

34.かんがいの計画にあたっては,水質についても考えなくてはならない。 

35.かんがい水は,葉面蒸発・水面蒸発・土面蒸発・浸透などによって消費される。 

36.用水量の表わし方にはいろいろある。 

37.かんがい水節約には,いろいろの方法がある。 

38.水田に対するかんがいの方法には,連続・間断・循環かんがいなどがある。 

39.畑地かんがいは,地上かんがいと地下かんがいに大別される。 

40.機械かんがいをおこなうには,精確な測量によって,その区域を決め,所要水量や運転時間から揚水量を決定しなくてはならない。 

41.かんがい水源には河川・貯水池・湖沼・地下水などがあり,それぞれ特徴をもっている。 

42.用水の取入れをよくするには低水工事を施すとよい。 

43.低水工事には水制工・並行工・派流締切・分流工・しゅんせつ工などがある。 

44.取入れぜきは固定ぜきと可動ぜきに大別され,それぞれ種々の型式がある。 

45.取入れ水門の取入れ方式には,越流式とひ管式がある。 

46.地下水は浅井戸・深井戸・集水きょなどによって集水する。 

47.排水は,かんがいとともに土地の生産力を高める重要な手段である。 

48.機械排水の計画にあたっては,地区の状況に応じて,その排水量や機場の位置を決めなくてはならない。 

49.大水のはん濫を防いだり,排水の機能をじゅうぶんにするには,高水工事を行うとよい。 

50.高水工には,大水の流路の制限,流量の調節,流れをよくするなどの工事がある。 

51.堤防の維持管理は,断面や位置の決定とともに,重要なことである。 

52.水防作業は越水・浸透・洗掘などに対しておこなう。 

53.護岸工には,のり覆工・のり留工・根固め工・根固め水制工などがある。 

54.河床の安定を保つには,床固めをおこなうとよい。 

55.暗きょにはいろいろな種類や配列方式がある。 

56.暗きょ排水はその施工に注意するとともに,合理的な管理が必要である。 

57.水のもつエネルギーは,機械的エネルギーとして利用する場合と,電気エネルギーに変えて利用する場合とがある。 

58.水車は反動水車と衝動水車とに分けられる。 

59.水資源の高度な利用と合理的な水の保全には総合開発の方式がよい。 

60.水の総合開発にあたっては,利水と治水の内容や相互の関係をよく知らなければならない。 

61.総合開発にあたっては,開発の目標や規模を決め,総合開発の価値,水の配分,社会的,経済的条件などについて検討しなければならない。 

62.総合開発は,いろいろな方式によっておこなわれる。 

63.土地改良事業は土地改良法に準拠しておこなわれる。

4.教 育 内 容 1.農地と水

2.農業水文

 水の循環,土・降水・蒸発と蒸散・浸透・地下水・流去・河川・湖沼。 3.水理  水の物理的性質,静水・動水・管水路・孔口・せき・用水路,せき上および背水,地下水,水理模型実験。 4.かんがい  かんがいの目的と必要,土の水分と作物,かんがい水の性質,かんがい水源と施設,用水量,かんがいの種類と方法,用水路。 5.排水  排水の目的と必要,排水の方法,排水量の計算,明きょ排水,暗きょ排水。 6.農家用水と小水力発電  農家用水・用水施設・小水力発電,発電水理と施設。 7.水の総合開発  総合開発の意義と目的,総合開発の内容,諸外国ならびに日本の実例。
5.指導上の留意亭項 (1) 各学校は,地域や生徒の必要などを考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習効果を高めるために,学習に必要な実験材料・実験器具,学習方法などについては,つとめて創意くふうされたい。

(3) できるだけ機会をとらえて校内実習をおこなうとともに,現地調査,事業場の見学などをおこない,学習の効果を高められたい。

23.農 地 造 成

1.性   格

(1) 「農地造成」は,営農の発展と農村の生活を向上させるため,農地のつくり方やその育成のしかたなどについて学ぶ科目である。

(2) 「農地造成」は,「数学」・「理科」を基礎とし,「農林測量」・「農業水利」・「農業造構」などと緊密な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 農業とその環境との関係を理解し,それに応じた農地造成を理解させる。

(2) 農地をつくるために必要な調査や計画についての能力を養う。

(3) 開墾や干拓についての技能を養う。

(4) 農地造成と営農ならびに農村の生活との関係を理解し,進んでこれの向上をはかる能力を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
  

  

1.開拓適地の選定ができること。 

2.土地分類の調査ができ,土地分類図がつくれること。 

3.営農の規模に応じた区画の大きさが決定できること。 

4.地形に応じた用排水路と農道の配置ができること。 

  

5.農道の種別とそれに応じた農道の設計ができること。 

6.家事用水の使用量の決定や簡単な浄水装置ができること。 

7.住宅や共同施設を便利な位置に選定できること。 

  

  

8.耕うんや作付による水食防止の設計ができること。 

9.郷土の地形と気象状態にかなった防風林の設計ができること。 

10.防風林・防霧林・防潮林の目的に応じて,苗木の選定ができること。 

  

11.工事設計の目的にかなった営農調査ができること。 

12.土地の利用区分およびその配分計画ができること。 

13.山林原野における開墾の段どりができること。 

14.目的にかなった抜根作業ができること。 

15.開田作業の段どりができること。 

  

  

  

  

  

  

  

  

  

16.階段工やけい(畦)畔の設計ができること。 

17.目的に応じた床締作業ができること。 

18.目的にかなった客土の選定と土量の計算ができること。 

19.でい炭地における開墾の段どりができること。 

20.砂丘地における開墾の段どりができること。 

  

  

  

  

21.開拓地の土性・土層の見分けがつくこと。 

22.開墾地における土の酸性の度合の測定および石灰の必要量の算出ができること。 

23.開拓地に適する作物の選定とその作付計画ができること。 

24.開拓地に適する家畜導入の計画ができること。 

25.開拓地に適する営農計画ができること。 

  

  

  

26.干拓適地の選定ができること。 

27.潮受堤防の設計ができること。 

  

  

  

  

  

28.排水不良地区を調べ,排水門の断面または排水機の容量を図式解法で求めることができること。 

29.塩分濃度の検定ができること。

1.農地造成は農村の繁栄をもたらす基本的なものであるが,これには社会的,経済的条件が必要である。 

2.開拓は開墾より,その内容的にも意義が大きい。 

3.土地分類調査の作業にあたっては,「国土調査法」による「作業規程準則」が参考になる。 

4.耕地の大きさや形態は,営農規模・土地経済・用水経済などに関係が深い。 

5.区画の大きさは,水田と畑とで違う。また,そのいずれの場合においても,人力・畜力および機械力などの利用によって違う。 

6.農道には地区外幹線道路と地区内農道がある。諸規程のあるものは,これを準用して設計することがたいせつである。 

7.家事用水の選定には,水源・水質・水量などについて調査しなければならない。 

8.住居や共同施設の配置は,村の機能をうまく発揮できるようにすることが必要である。 

9.住宅は従来の農村住宅の欠点を改善しなければならない。 

10.水食は耕うんと施工,作物の耕作を計画的におこなえば防げる。 

11.防風林は形によってその効果が違う。 

12.防風林は,風向きに直角に,基本になる防風林を設け,風向に平行に,副防風林を設けるとその効果は大きい。 

13.潮風の防止には松がすぐれている。 

14.土地の利用区分には,土地分類・基本施設・水源・気象などの調査結果や営農組織・営農規模などを考えて,まず耕地・薪炭林地・採草地に区分する。次に入用地と増反用地とを区分した上,宅地・村落などの位置を決定して土地配分をおこなう。 

15.開墾工事は周到な用意とともに開墾後の利益計算がたいせつである。 

16.抜根の方法には手掘法・焼却法・抜根機法・爆破法および機械法などがある。 

17.開田作業には,地ならしをして表土の厚さを一様にし,水持ちをよくする方法を考えなければならない。 

18.開田当初の水田は,水持ちが悪いから床締が必要である。ときには客土も必要となる。 

19.床締は単に水田の水持ちをよくするばかりでなく,他の効果も大きい。 

20.床締の方法には,表土締と心土締がある。このほか床練りや盤練りもおこなわれる。 

21.客土は,土質によってその種類や量が違う。ベントナイトは漏水防止にも役だつ。 

22.開田の状態に応じた水の分配計画を考えなければならない。 

23.15°以上の傾斜地には,階段工が必要である。階段工のしかたは傾斜の度合によって違う。 

24.けい畔にはコンクリートけい畔が理想的である。 

25.でい炭地では開墾する前に排水こうを掘って土地を乾燥させることが必要である。 

26.砂丘地を開墾するには,砂丘における飛砂を止める必要がある。 

27.砂丘地における畑作には散水かんがい施設が適当である。 

28.でい炭地・砂丘地および急傾斜地の開墾は,開墾地としては特殊なものであるが,そのほか各種の開墾困難な地域がある。 

29.開墾地は特に強酸性の土が多く,りん酸分にも欠乏している。          
                    30.酸性土の改良には,石灰の使用とともに,りん酸の補給や,うまや肥・つみ肥の併用がよい。                                   31.開拓地における適作物の選定には,その土地の自然条件(気象・地形・土性)と営農形態に適合して,経済的に引き合うものを選ぶことがたいせつである。 

32.開拓地の作付には,輸作型式をとると,いろいろの利益がある。 

33.開拓地の家畜飼料は,できるだけ自給できるように計画することがたいせつである。 

34.開拓地の農業経営でたいせつなことは,自分のもつ資本と労力を,生活と生産にどのように取り入れていくかということである。 

35.干拓地の締切工事のよしあしは,その事業の成否にかかわる。 

36.潮受堤防を設計するには,潮せきや風波についての深い知識が必要である。 

37.堤防の構造は,地盤の状態,干拓の規模,風向・風波,築堤材料の入手の難易,施工法などから規定される。 

38.許容浸水深および浸水日数は,一般に田面上20〜30cmの浸水深が,1昼夜をこえないことが望ましい。 

39.排水門の設計には,まず排水量を決定し,地区内の許容浸水深および浸水日数を定めて,さらに外潮位曲線をつくることが必要である。 

40.塩分濃度が0.3%以下であれば,その害は免れるが,干拓直後はできるだけ耐酸性の強い作物を選ぶことが必要である。

4.教 育 内 容 1.農地造成の意義

2.開拓の意義と発達

 開拓適地の選定・取得,開拓地の基本施設,土地の利用および配分計画,開墾の作業,開拓地の営農。 3.干拓  干拓の意義と発違,干拓の適地条件,干拓工事,干拓地の利用および配分の計画,除塩,干拓地の営農。
5.指導上の留意事項 (1) 「具体的な到達目標」および「教育内容」はその一例を示したものであるから,各学校は,地域や生徒の必要などを考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習に必要な器材および学習方法などについては,つとめて創意くふうされたい。

(3) できるだけ機会をとらえて,現地調査,事業現場の見学などをおこない,学習の効果を高められたい。

24.農 業 機 械

1.性   格

(1) 「農業機械」は,農作業や農業土木工事に使用する機械の種類・特徴・構造・機能・性能・取扱法などについて学ぶ科目である。

(2) 「農業機械」は,主として農業土木課程で履修される科目である。

(3) 「農業機械」は,「物理」を基礎とし,「農業造構」・「農業水利」・「農地造成」などと密接な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) すぐれた農機具の利用は,農業経営を合理化する基本であることを理解し,経営に適した農機具を選び,これを正しく使いこなす能力を養う。

(2) 農業土木工事の範囲と規模の拡大化に伴い,土木施工機械の必要性および効果が増大することを理解し,工事の種類や規模に応じた機械を選んでこれを合理的に運用する基礎的な能力を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
1.内燃機関の馬力計算ができること。 

2.内燃機関の熱効率の計算ができること。 

3.用途に応じた石油発動機の選定ができること。 

4.石油発動機の運転・調整・整備ができること。 

5.ディーゼル機関の運転・調整・整備ができること。 

6.用途に応じたトラクタの選定ができること。 

7.トラクタの運転と簡単な整備ができること。 

8.用途に応じた電動機の選定ができること。 

9.電動機の運転と整備ができること。 

10.電動機の回転方向を変えることができること。 

11.すきおよびプラウの耕深・耕幅の調節ができること。 

12.用途や土の性状に応じた砕土器の選択ができること。 

13.経営および土地に適する耕うん機の選定ができること。 

14.耕うん機の運転・調整・整備ができること。 

15.作業に応じてカルチベータの作業部品を選定し,その取付と調節ができること。 

16.噴霧機や散粉機を選定し,これを正しく取り扱うことができること。 

17.かまの鑑定ができること。 

18.脱穀機の運転と調節ができること。 

19.もみすり機の運転と調節ができること。 

20.揚程と揚水量から適当なポンプを選定することができること。 

21.ポンプの運転馬力を計算することができること。 

22.ポンプのすえ付および運転ができること。 

23.運搬用機械の得失を比較し,適当な機械を選定することができること。 

24.場所や材料に応じた掘削用機械の選定ができること。 

25.締固め用機械の選定ができること。 

26.基礎工事用機械の選定ができること。 

27.コンクリート用機械の選定ができること。 

28.開墾用機械の選定ができること。 

29.耕土改良用機械の選定ができること。 

30.工事の種類や規模に応じて,各種の土木施工機械を組み合わせ,機械化施工の計画をすることができること。

1.農業経営の改善には,農機具の合理的な利用がたいせつである。 

2.優良な農機具は,設計・材料・工作がすぐれているだけでなく,経営の形態や規模に適合したものである。 

3.原動機には多くの種類があるが,農業用には内燃機関が最も適している。 

4.最近の石油発動機・ディーゼル機関は,小型軽量化が進み,移動作業に便利になっている。 

5.最近,動力農機具の普及発違がめざましいが,わが国ではまだ畜力農機具を無視したり軽視することはできない。 

6.機械の性能を発揮するには,正しい運転と整備が必要である。 

7.機械の故障の大部分は,締付のふじゅうぶんと潤滑の不完全によって起る。 

8.農機具の構造と機能を理解し,正しい取扱をするには,物理や材料の知識が基礎になる。 

9.機械を整備するには,工具に対する正しい知識と使用技術が必要である。 

10.ディーゼル機関が,石油発動機と異なる点は,圧縮比が高いことで,熱効率の高いことも,取扱上の相違もすべてこのことが基礎になっている。 

11.トラクタは,主として作業機をけん(牽)引する動力源であって,欧米では機械化農業の中心であるが,わが国ではまだ普及台数が少なく,土木工事用に使うほうが多い。 

12.単相誘導電動機は,そのままでは回転しないので,起動用に特別な装置を必要とする。単相電動機は,起動方式によっていくつかの種類がある。 

13.電動機に過大な荷がかかると巻線を焼損する。荷の大小は電流計によって測ることができる。 

14.農機具の適否および使用のじょうず・へたは,作業能率や作業成果に大きな影響を与える。 

15.土を相手とする農機具は,土の乾湿,土性,かたさなどによって能率も性能も変化する。したがって使用の際は,土の性状について考する必要がある。 

16.動力農機具は,規定回転数によって運転することが必要である。回転数が違うと,能率・できばえ,機械の耐用年限に悪い結果を及ぼす。 

17.機械化土木の効果は,工期の短縮,費用の低減のほか,施設を早く使用できることによる利益が大きい。

4.教 育 内 容 1.農業機械の意義

2.内燃機関

 石油発動機・ディーゼル機関。 3.トラクタ。

4.電動機

 三相誘導電動機・単相誘導電動機。 5.営農機械  整地用機具(くわ・すぎ・プラウ・まぐわ・ハロー・耕うん機)。

 育成管理機具(種まき機・カルチベータ・水田中耕草取器・噴霧機・散粉機)。

 収穫調製用機具(かま・刈取機・じゃがいも掘取機・脱穀機・もみすり機)。

6.ポンプ  うず巻ポンプ・軸流ポンプ。 7.土木施工機械  運搬用機械(トラック・トレーラ・機関車・トロ・コンベア・架空索道)。

 掘削用機械(ブルドーザ・スクレーバ・パワーショベル・ドレッジャー・トレンチャー・削岩機)。

 締固用機械(ローラ・ランマ)。

 基礎工事用機械(試すい機・くい打機)。

 コンクリート機械(ミキサー・バイブレータ・グラウトポンプ)。

 開墾用機械(抜根機・新墾プラウ・ハロー)。

 耕改良用機械(心土プラウ・心土破砕機・混層耕プラウ・床締ローラ・地下せん孔機)。

5.指導上の留意事項 (1) 各学校は,地域や生徒の必要などを考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 学習の効果を高めるために,できるだけ実物について指導するとともに,つとめて実習を課するようにされたい。

(3) 土木施工機械は,学校の設備を利用することが一般には困難であるから,工事現場や工場の見学を実施されたい。

25.森 林 生 産

1.性   格

(1) 「森林生産」は,土地その他の環境要素をじゅうぶんに活用して,適地に適木を育ててよい森林をつくり,また林木を外界のいろいろな危害から守るとともに,林地の生産力を保持することを学ぶ科目である。

(2) 「森林生産」は,主として林業課程で履修される科目である。

(3) 「森林生産」は,「理科」を基礎とし,林業関係の他の科目,特に,「森林土木」と緊密な関連をとって学習するものである。

2.目   標 (1) 環境と林木の生育・生長との関係を明らかにして,よい木材および特用林産物を能率的に生産する能力を養う。

(2) 林木の危害を予防駆除し,林地の生産力を保持させる能力を養う。

(3) 森林を愛護し,進んで国土の緑化をはかる態度を養う。

3.具体的な到達目標
〔技   能〕
〔一般的な知識・理解〕
  (育 林) 

1.種の品質の良否を見分けることができること。 

2.種の貯蔵ができること。 

3.重要な木の苗木を,いろいろな方法で,じょうずに育てることができること。 

4.苗木の良否が見分けられること。 

5.苗畑あるいは林内における簡単な気象観測や土性の調査などができること。 

6.それぞれの林地に適した木を選ぶことができること。 

7.苗木を林地にじょうずに植えつけられること。 

8.下刈・つる切・除伐・枝打・間伐を合理的におこなうことができること。 

9.薪炭林の択伐ができること。 

  

  

  (森林保護) 

10.病気や害虫を予防駆除するため,おもな薬剤の使用ができること。 

  

  

  

  (森林植物) 

11.おし葉がつくれること。 

12.おもな林木と下草の種類を見分けられること。 

13.森林の植生調査ができること。 

  

  (樹 芸) 

14.竹その他おもな特用樹種の栽培ができること。 

  (造 園) 

15.庭木の簡単な手入れができること。 

16.庭木の根まわし・植えかえができること。

  

1.品種改良によってすぐれた木をつくり出すことができる。 

2.種やさし穂は遺伝性のすぐれた母樹から採集するようにしなければならない。 

3.環境要素の影響によって,木の育ちぐあいが違う。 

4.森林をつくるには,自然的,経済的環境に応じて各種の適当な天然更新法や人工造林法が選ばれる。 

5.森林には,更新のしかたや作業の方法が違ういろいろな型のものがある。 

6.下刈・つる切・枝打・除伐・間伐をおこなうことによって,森林の諸害に対する抵抗力が増し,生産される木の質がよくなり,量も増す。 

7.樹型級(幹級別)や準量(単位面積当りの本数または樹幹断面積)を決めることによって,間伐木の選定がおこないやすくなる。 

8.農用林は,その目的によって木の種類が違い,手入れ・保護の方法も違う。 

  

9.苗木や林木に対しては,急激なあるいは慢性的な危害があり,それぞれの害に対していろいろな対策がある。そうして,木の種類や森林の状態によって・危害に対する抵抗力が違う。 

10.落ち葉や枯枝などを取りすぎると林地が荒れる。また肥料木とよばれるような木を適当に混生させれば,林地を積極的に改良することができる。 

11.樹木には,他の植物と異なった植物生理的および生態的な特徴がある。 

12.暑い地方から寒い地方に,また低い土地から高い土地にいくにつれて,また同じ地方でも環境要素の違いによって,茂る木の種類や森林の状態が違う。 

  

13.竹林の経営,その他特用樹種の栽培には,特殊な取扱方が必要である。 

  

14.風致林に対しては特殊な取扱方が必要である。

4.教 育 内 容 (育 林) 1.母樹の選び方

2.種の採集

3.種の精選

4.種の貯蔵

5.種の品質試験と発芽試験

6.まき付床のつくり方と種まき

7.さし木とつぎ木

8.草取と間引

9.施肥とかん水

10.日除けと霜除け

11.苗木の病気

12.苗畑の害虫および有害鳥獣の防除

13.床がえと掘取

14.山行き苗木の良否の見分け方とその荷造

15.気象観測

16.土性の調査

17.地ごしらえと植付

18.直まき

19.下刈・つる切

20.除伐・枝打

21.間伐

22.あかまつ,その他の天然更新

23.わい林択伐

(森林保護) 24.まつくいむし,その他害虫の駆除

25.森林火災とその防止

26.風害の対策とその善後策

27.雪害の対策とその善後策

28.野ねずみ・野うさぎの被害とその防除

(森林植物) 29.植物採集と森林植物の分類

30.おし葉つくり

31.植生調査

(樹 芸) 32.竹の植付

33.竹林の敷草・土入れ

34.竹林の伐採

35.竹林の改良と更新

36.きりの根分けと種根の伏込

37.きり苗の植付

38.芽かきと台切

39.漆・あぶらぎり・くり・みつまたなどの栽培

(造 園) 40.樹木の風致的取扱
5.指導上の留意事項 (1) 「具体的な到達目標」および「教育内容」は,その一例を示したものであるから,各学校は,地域や生徒の必要,あるいは季節を考慮して,具体的な教育計画をたてられたい。

(2) 伐採がそのまま森林の更新手段になるようなこともあるので,この科目は「森林土木」と特に関係が深いが,また,「林産加工」や「林業経済」とも関係があるので,これらと関連させて指導されたい。なお,風致林などの多い地方では「造園」と深い関連をもたせることも必要である。

(3) 林業は長期間にわたる事業であるから,優良な苗木を得ることが特にたいせつである。したがって,苗床におけるいろいろな仕事は,実習を通して体得し,熟練させるように指導しなければならない。