1.性 格
(2) 「栽桑」は,蚕業課程およびこれを必要とする他の課程で履修されるものである。
(3) 「栽桑」は,「理科」を基礎とし,「養蚕」・「土・肥料」・「作物保護」と緊密な関連をとって学習するものである。
(2) 桑葉の収量を増し,桑園の生産性を高めるとともに,蚕の飼料としての桑の葉質を改善する能力を養う。
(3) 栽桑の基礎になる形態・品種・生理,桑園の土と肥料,桑の病害虫等について理解する。
(4) 桑園の能率向上について創意くふうする態度を養う。
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1.郷土に適する桑の品種の選択ができること。
2.おもな桑の品種の判別ができること。 3.植付予定面積と植付距離から,所要桑苗数の計算ができること。 4.つぎ木(あげつぎ・すえつぎ)とり木・さし木・しろだしができること。 5.桑苗の検査ができること。 6.桑園用地の選定と整地ができること。 7.天地返し・客土等桑園の土地改良ができること。 8.桑の植付とその後の管理ができること。 9.各種の桑の仕立ができること。 10.根刈から中幹仕立への変更(株上げ)ができること。 11.桑樹に対して生理的なまた能率的な桑葉の収穫ができること。 12.残桑の見込みのついたときの処置がとれること。 13.株上夏切収穫ができること。 14.夏秋蚕期における稚蚕用桑の育成ができること。 15.整芽ができること。 16.桑葉の収量が予想できること。 17.能率的な桑園の草取ができること。 18.効果的な桑園の中耕ができること。 19.桑園の施肥計画がたてられ,効果的な施肥ができること。 20.間作緑肥の栽培ができること。 21.桑園の土の反応の修正ができること。 22.桑園における他作物の間作・混作ができること。 23.能率的な結束・解束ができること。 24.仕立方に応じた株直しができること。 25.桑の病気の防除ができること。 26.桑の害虫駆除ができること。 27.凍霜害を予知できること。 28.桑園の凍霜害の予防と前後処置がとれること。 29.その他の気象障害の予防と前後処置がとれること。 30.桑樹の被害部の状態から,病気の診断や害虫の識別ができること。 31.桑園経営の計画がたてられること。 |
1.桑の目には冬芽やわき芽などの種類があり,構造や生理も異なる。
2.葉には丸葉・切れ葉などあり,外部形態に差がある。葉肉の構造は葉の生理を左右する。葉は同化器官としてきわめてたいせつである。 3.葉の収穫を無制限に行うと桑樹の発育を害し,い(萎)縮病を起すことがある。 4.桑の枝分れは,発芽時期・品種関係・摘心等の条件によって生ずる。 5.桑の花は単性花で,花の着生は品種・枝条の伸長条件等によって異なる。 6.桑の根は,養分の貯蔵,水分や肥料成分の吸収,樹幹の固定,地上部の発育と関係がある。 7.桑樹は,毎年一定の順序で発育し,その生長には遅速がある。 8.桑は桑料に属し,おもな品種二十数種ある。 9.普通栽培されている桑は,やまぐわ・からやまぐわ・ろぐわの3系統である。品種的な分布は地方により差がある。 10.桑の品種は交雑・突然変異の利用,染色体倍加の方法によって改良される。 11.酸性の土は,桑の収量や蚕作に悪い影響を与える。 12.桑園の設定計画は,立地条件やその用途等を考えてたてる。 13.定芽の伸長を利用すれば無けん(拳)式仕立となり,潜伏芽を利用すればけん(拳)式仕立となる。 14.春秋を通じ,条桑で桑葉を収穫するには,桑の生理に悪影響がないようにする必要がある。 15.桑園の雑草は,種類や,繁殖の時期・方法によって,桑樹に与える障害の程度が違う。 16.除草剤の種類や使用方法によっては,桑樹に障害を与える場合がある。 17.桑がよく生育するためには,土の中の空気や水分の条件,土の反応や深さ,構造などの諸条件がそなわっていることが必要である。 19.施肥時期・施肥量,肥料の種類等は,桑の収量や蚕作に大きな影響を与える。 20.桑園における日照時間は,桑園の種類によって異なるので,桑園間作物の選定や栽培には特別のくふうが必要である。 21.桑樹の病原には菌類・細菌・バイラスなどがあり,病徴等が異なる。 22.桑の害虫には,しんとめたまばえ・ひめぞうむしなどいろいろあり,加害状況それぞれ異なる。 23.桑園の気象障害には,凍霜害・干害・風水害等があり,その対策もそれぞれ異なる。 |
4.教 育 内 容
5.桑の収穫方法
(2) 実験・調査・観察・標本作製・見学等をつとめて取り入れ,生徒の興味と関心を増すように指導することが必要である。
1.性 格
(2) 「養蚕」は,蚕業課程およびこれを必要とする他の課程で履修されるものである。
(3) 「養蚕」は,主として実習(学校実習およびホームプロジェクト)・実験・調査等を通じて学習するものである。
(2) 蚕の品種,蚕卵生理,幼虫の生理・病理,営繭等に関する知識を得させる。
(3) わが国の蚕糸業の状況,繭の性状,繭の検定等に関する知識を得させる。
(4) 催青・蚕児飼育・上ぞく・繭の処理等に関する技術を養う。
(5) 養蚕の農業経営上における位置を理解し,生産の向上について,くふうする態度を養う。
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1.桑園の収葉量を予側し,掃立量を決定することができること。
2.掃立時期の決定ができること。 3.掃立量に応ずる飼育の準備ができること。 4.蚕室・蚕具の消毒ができること。 5.簡単な蚕具の製作・修理ができること。 6.郷土に適する蚕品種の選択ができること。 7.蚕種の催青,特に温度・湿度・光線の調節ができること。 8.ふ化をそろえることができること。 9.掃立を延期する場合の処置がとれること。 10.ふ化の時期を知るために,蚕卵の解剖ができること。 11.蚕卵の外景の変化により,ふ化時期を予測することができること。 12.掃立ができること。 13.蚕の発育時期に適した桑葉の選定ができること。 14.蚕の発育時期に適した桑葉の生産と収穫ができること。 15.簡単な気象観測ができ,天気図が理解できること。 16.蚕の発育時期に応ずる環境の調節ができること。 17.稚蚕の合理的飼育ができること。 18.稚蚕の共同飼育ができること。 19.飼育標準表の効果的な利用ができること。 20.蚕座を清潔にし,蚕児の成育に応じて蚕座面積を決定できること。 21.桑付の適期の判断ができること。 22.蚕児の眠起に応じた網入れ時期の判断がつくこと。 23.眠中の取扱ができること。 24.壮蚕の生理的,経済的な飼育ができること。 25.齢末期において,以後の用桑の過不足を予側することができること。 26.葉質に応じた気象環境の調節ができること。 27.蚕の外景および内部形態の観察ができること。 28.蚕児の胸腹部の結さつにより,化よう(蛹)生理を確かめることができること。 29.各種蚕病の診断と予防ができること。 30.蚕の健否の判断とその対策がたてられること。 31.残桑の効果的な利用ができること。 32.熟蚕の程度の識別ができること。 33.適切な上ぞくとぞく中の保護ができること。 34.適期の収繭ができること。 35.減蚕歩合の算出ができること。 36.さなぎの皮膚・複眼・触角等の色の変化により,上ぞく後の日数を知ることができること。 37.けば取・選繭ができること。
38.繭質調査ができること。 39.繭の肉眼審査ができること。 40.繭価を算出できること。 41.養蚕を農業経営の一環として有機的,能率的に取り入れることができること。 42.桑・繭の生産費の計算ができること。 43.養蚕の経営や技術の欠陥に着眼し,これを改良することができること。 |
1.養蚕は国々により,時代により盛衰があった。
2.蚕糸業は,戦前よりも規模が小さくなり,合成繊維等に対する問題点がある。 3.蚕糸業は,現在相当多額の外貨を獲得し,また地域によっては養蚕は農家のおもな収入源になっている。 4.養蚕技術は,昔に比べてはるかに進歩している。 5.稚蚕と壮蚕では,飼料に対する適度が異なる。 6.桑園の土・肥料,桑品種・葉位等の条件によって葉質は異なる。 7.蚕作を安定するために,用途別桑園の設立がたいせつである。 8.稚蚕用桑を得るためには,桑品種や肥培・収穫方法等について,壮蚕用桑とは異なったくふうが必要である。 9.蚕の作がらや繭質は,桑葉の飼料的価値や気象条件によって左右される。 10.稚蚕の微気象が蚕の作がらに影響を与える。 11.稚蚕の食性や生長要因は壮蚕と異なる。また,気象環境の影響程度も異なる。 12.稚蚕飼育法にはいろいろの形式があるが,それぞれ特徴がある。 13.稚蚕共同飼育は,経費の節約・蚕作の安定,産繭品質の統一上有利である。 14.壮蚕の取扱にもいろいろの形式があり,それぞれ特質がある。 15.壮蚕期には特に気象的の影響を受けやすいから注意が必要である。 16.夏秋蚕はとかく不作になりやすいので,その対策としては葉質の向上がたいせつである。 17.上ぞくとぞく中保護の良否が,繭質に大きな影響を与える。 18.繭質の改善にはまぶしの種類を選ぶことがたいせつである。 19.製糸用として不適当な異常繭は,品種関係もあるが,上ぞく条件によって生ずる。 20.整せい度の高い繭を共同出荷することは養蚕経営上利益がある。 21.繭の出荷には受付・ひょう量・検定繭採取,その他一定の手続が必要である。 22.催青の適否は蚕作や繭質に大きな影響がある。 23.蚕品種は実用形質にそれぞれ得失がある。 24.はい(胚)子は休眠期・最長期・反転期・点青期等の段階がある。 25.蚕種の保護方法は産卵時期やはい子の発育程度によって異なる。 26.人工ふ化種にはいろいろあるが,主として夏秋蚕期の飼育に用いられる。 27.蚕卵には,その形・大きさ・色・卵かく(殻)の構造等にいろいろの種類がある。 28.幼虫内部には絹糸せん(腺)・消化管等の重要器官があり,外部には頭部・胸部等の別がある。 29.食桑・消化・吸収・排出の生理の概略について知る。 30.蚕の生長は迅速であるが,齢によっても速度に差がある。 31.絹糸せんの生長と絹物質の生成のありさま,および吐糸・営繭のしくみを知る。 32.蚕病には軟化病・のう病・硬化病等があり,それぞれの原因や病徴は異なる。 33.農薬の多くは蚕に中毒症を起させる。 34.繭の検定は,生糸量歩合と繭格を決定して,繭の価値を正当に評価するためにおこなわれる。 35.繭価は掛目と検定成績によって算出する。 36.繭質を向上させるためには,蚕品種の選択・催青・飼育・上ぞくの方法に注意し,ぞく中の保護を合理的にすることがたいせつである。 37.養蚕は農家の重要な経営部門であり,これと養畜その他の部門を組み合わせて,合理的な経営をすることがたいせつである。 38.繭の生産費は,養蚕規模の大きくなるにつれて低減する。 39.合理的な養蚕径営は,経営と技術が巧みに組み合わされてできる。 40.生産費を低減し繭質を改善するためには,経営の能率化と協同化が必要である。 |
4.教 育 内 容
(2) 「養蚕」の実習は,学校に宿泊しておこなう場合が多いから,生徒指導,余暇の利用などについても特に考慮されたい。
(3) 掃立・稚蚕飼育など全員の実習が困難な場合には,一部実習・一部見学などの方法により,指導目標の達成を図られたい。
1.性 格
(2) 「蚕体生理・病理」は,主として蚕業課程で履修されるものである。
(3) 「蚕体生理・病理」は,おもに実験・調査を通じて学習し,「養蚕」・「蚕種製造」の基礎となるものである。
(2) 蚕の病気について病原ならびに誘因・病徴を理解させ,蚕病を防除しうる能力を養う。
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2.ミクロテクニックによる組織の固定と鏡検ができること。 3.解剖による消化管の構造の観察ができること。 4.葉質の検定ができること。
5.蚕の循環器および血球の観察ができること。 6.蚕の呼吸器の構造観察ができること。 7.マルピギー管の構造観察ができること。 8.神経系の構造観察ができること。 9.感覚器官の構造観察ができること。 10.絹糸せんの構造観察と絹糸生成の実験ができること。 11.蚕の生長量を調べ,生長曲線が書けること。 12.実験により化性・変態・脱皮の機構を知ることができること。 13.筋肉および脂肪組織の観察ができること。 14.蚕の外部および内部生殖器の観察ができること。 15.蚕の走化性・走光性が調べることができること。 16.蚕の各種のせんの構造を調べられること。 17.絹糸虫類の標本作製ができること。
19.病原微生物の培養ができること。
20.軟化病の診断と予防ができること。 21.のう病の診断と予防ができること。 22.硬化病の診断と予防ができること。 23.かいこのうじばえの形態と習性の調査ができること。 24.きょうそ病の診断と防除ができること。 25.しらみだにの形態と習性の調査ができること。 26.だに病の診断と防除ができること。 27.蚕室・蚕具および蚕体の消毒ができること。 28.病蚕の標本作製ができること。 29.微粒子病の診断ができること。 30.理学的障害による蚕病,農薬やばい(煤)煙・たばこ等による中毒症の診断・手当および予防ができること。 31.蚕の健康診断ができること。 |
1.家蚕は動物分類学上Bombyx属の中のmoriという種に属している。 2.幼虫の外部器官には皮膚・頭部諸器官その他があり,それぞれ特有の生理作用がある。 3.幼虫の各組織・器官にはおのおの密接な相互関係がある。 4.さなぎになるとき,幼虫の組織・器官の解離がおこなわれ,その後,よう期には,それらの新生がおこなわれる。 5.さなぎ・がの器官は,幼虫のそれと異なっているところがある。 6.蚕卵・幼虫・さなぎ・が等の組織・器官は,それぞれ特有の化学組成をもっている。 7.皮膚は外皮と真皮細胞からできていて,それぞれいろいろな物質を含み,はん紋や皮膚の透明度に関係している。 8.幼虫の食桑・消化・吸収・同化の状況は,飼料・環境・幼虫の発育時期等によって異なる。 9.桑葉の飼料的価値の検定法にはいろいろあり,代用飼料・添食等の試験もおこなわれている。 10.蚕の循環系は開放型で,血液は血しょう(漿)と血球から成り,それぞれ特有の生理作用がある。 11.蚕は気門を通じて気管呼吸をおこなう。 12.蚕の体温は主として蚕座付近の温度・湿度,気流の有無によって左右されるが,発育時期の異なるにつれて多少変化する。 13.第5齢蚕は絹糸せん中に多量の液状絹を生成し,引っ張りと凝固によって繭繊維がつくられる。繭繊維は特有の構造と化学組成をもっている。 14.導管せんは消化・排出・吐糸・脱皮等いろいろの働きに関係し,無導管せんはホルモンを分泌して蚕体の調節と種々の作用をする。 15.排出は主としてマルピギー管と消化管によっておこなわれる。 16.飢えによる障害の程度は発育時期や環境によって異なる。 17.蚕の生長は,絹糸せんのように細胞の大きさを増すことと,普通の体組織のように細胞数を増すことによって起る。 18.蚕は幼虫期に普通4回の脱皮をおこなってさなぎとなり,がとなる。 19.感覚器官は外界の刺激を受け入れ,神経作用やホルモンの働きによって蚕体の調節を図る。 20.中腸皮膜は色素等を透過する。 21.食道下神経球・脳は,蚕卵の越年性に関係し,アラタ体・前胸せんは,脱皮・変態に関係するホルモンを分泌する。 22.蚕児は食桑・営繭・位置の移動等の運動をし,各種の走性をもつ。 23.蚕の生長・発育の状況は品種や環境によって異なる。
24.病気になると,正常の生活現象を推持調節しようとする機能に障害を起し,また生命が危険になる。 25.蚕病は病原の種類によって系統的に分類できる。 26.蚕病の原因になる生物やバイラスはそれぞれ特有の形態や習性をもっている。 27.不良な気象条件や飼料も蚕病発生の誘因となる。 28.軟化病やのう病の発病には蚕児のもつ素因が大きく影響する。 29.軟化病には細菌性消化器病・卒倒病・敗血症があるが,病原・病徴はそれぞれ異なる。 30.軟化病とのう病は病徴は似ているところもあるが,病原は異なる。 31.硬化病には白きょう病・緑きょう病・こうじかび病などいろいろあるが,病徴・病原体の形態や習性も異なる。 32.野外こん(昆)虫には硬化病にかかるものが多く,蚕児の硬化病の伝染源になる。 33.のう病はバイラスによって発病するが,その誘因となるものが必要である。 34.微粒子病は微粒子原虫の寄生によって起り,母体伝染をするから,蚕種の選択が必要である。 35.節足動物の寄生による蚕病には,だに病・きょうそ病・ひめきょうそ病等いろいろあるが,病徴や病原体の形態・習性はそれぞれ異なる。また非寄生こん虫によって加害される場合もある。 36.蚕病には予防関係法規がある。 |
4.教 育 内 容
2.蚕の卵・幼虫・さなぎ・がの化学的組成
3.蚕の幼虫・さなぎ・がの外部解剖学的形態・構造・生理
4.蚕の栄養と飢え
(蚕の病理)
13.蚕病の原因
14.軟化病とその予防
15.のう病とその予防
16.硬化病とその防除
17.微粒子病とその防除
18.寄生虫病とその防除
20.蚕の健康診断
21.蚕品種と強健性
22.伝染源地の取扱と蚕室・蚕具の消毒
23.蚕の生活環境の改善
24.蚕病予防に関する法規
(2) 「蚕体生理・病理」は,「養蚕」および「蚕種製造」の基礎的な科目であるので,蚕児飼育実習および蚕種製造実習を利用して,観察・実験・標本作製,材料の固定などをおこなうことが必要である。
(3) 「蚕体生理・病理」の指導にあたっては,蚕体の構造・生理,病蚕の状態・病原体について,基本的な実験・観察を取り扱われたい。
(4) 病原体の取扱には安全を期し,健康蚕に悪い影響を及ぼすことのないよう注意することが必要である。
1.性 格
(2) 「製糸・機織」は,主として蚕業課程で履修されるものである。
(3) 「製糸・機織」の教育内容は,地域の特色および生徒の必要によって異なるものである。
(2) 原料繭の性質を理解させる。
(3) 機織に必要な各種の織物原料の性状について理解させる。
(4) 生糸や織物をつくる技能を養う。
(5) 製糸や機織の作業を科学的,能率的に進める能力を養う。
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2.繭の検定資料から繭の格付ができること。 3.製糸原料繭の荷口の調整ができること。 4.繭の効果的な貯蔵ができること。 5.なべ(鍋)煮繭その他各種の煮繭ができること。 6.用途に応じた生糸の製造ができること。 7.定繊度の生糸の製造ができること。 8.各種の繰糸機による生糸の製造ができること。 9.巻取速度に応ずる機械の調節ができること。 10.繭の性質および技能に応じた巻取速度の算出ができること。 11.揚返しができること。 12.正しい生糸の仕上げができること。 13.一粒繰によって繭の性状を知ることができること。
14.生糸の肉眼検査・正量検査・繊度検査・セリプレーン検査・練減検査ができること。 15.玉繭の煮繭ができること。 16.玉繭の繰糸ができること。 17.真綿原料繭の精練ができること。 18.真綿の展延ができること。 19.真綿の仕上げができること。 21.各種織物原料糸の検査ができること。 22.織物に適したたて糸・よこ糸の太さや密度の決定ができること。 23.織物を分解してその組織図を書くことができること。 24.織物設計書を作成できること。 25.目的に応じた繰返しができること。 26.各種の糸つなぎができること。 27.織物の用途によるより(撚)糸ができること。 28.より数の測定ができること。 29.整経機の取扱ができること。 30.のりの選定・調合ができること。 31.織機の使用ができること。 32.繊維の性質に応ずる染色ができること。 33.織物の精練・漂白・幅出し・のり付等の仕上げができること。 |
1.繊推産業の現況について知る。 2.繭および繭糸はそれぞれ特有の物理的・化学的性状をもっている。 3.繭検定は,繭の価値を正当に評価するために,一定の工程でおこなわれる。 4.製糸原料としての繭の価値は,解じょの良否,生糸量歩合の多少,繭の品位と均一性によって決定される。 5.繰糸の準備工程には,殺よう・乾繭・貯繭・選繭および煮繭がある。 6.殺よう・乾繭は,繭から,が・うじの出るのや繭の変質を防ぐためにおこなわれるもので,いろいろの方法がある。 7.煮繭は主として繭の解じょを容易にするためにおこなわれるが,その方法にはいろいろある。 8.繰糸湯の温度・反応,煮繭程度,巻取速度等の諸条件は生糸品質に影響を与える。 9.硬度・反応・酸素溶解量等の製糸用水の性質は,繰糸能率や生糸の品位に影響する。 10.繰糸機械には座繰・多条繰糸機・自動繰糸機等の種類があるが,能率や生糸品位に差を生ずる。 11.巻取速度と繰糸条数とは一定の関係がある。 12.生糸検査は生糸取引を公正円滑におこない,生糸の品位を向上するために必要で,品位検査と正量検査がある。 13.生糸は国内用・輸出用があり,その取引には現物取引と精算取引がある。 14.さなぎや製糸くずにはそれぞれの用途がある。 15.製糸には関係法規がある。
16.繊維には天然・人造・合成の各繊維があり,それぞれ特徴がある。 17.生糸は織物原料として特殊の用途がある。 18.製織には繰返し・合糸・より糸・染色・のり(糊)付・整経・管巻・機上げ等の工程がある。 19.織機には手機・力織機・自動織機等があり,能率や製品の質も異なる。 20.織機は開口運動・横入れ運動・横打運動・送り出し運動・巻取運動・補助運動等をおこなう。 21.織物検査には抱合検査・摩擦検査等がある。 |
4.教 育 内 容
2.原料繭
8.生糸検査および格付
10.副産物の利用
13.織物原料
(2) 製糸・機織の機械を取り扱うにあたっては,あらかじめ災害防止の方途を講ずるとともに,常に安全を図ることが必要である。
(3) 実習の指導には特に創意くふうするとともに,工場・試験場・繭検定所等関係機関の見学が必要である。
1.性 格
(2) 「蚕種製造」は,主として蚕業課程で履修されるものである。
(3) 「蚕種製造」は,主として実習・実験を通じて学習するものである。
(2) 蚕種製造の基礎となる蚕卵の形態・生理,蚕卵はい子の発育,蚕品種,蚕の遺伝・育種について理解させる。
(3) 蚕種製造の技術ならびに設計能力を養う。
(4) 強健優良な蚕種を製造する科学的な態度を養う。
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1.交雑種の製造計画がたてられること。
2.採種計画によって原蚕種の催青着手の時期を決定できること。 3.特に気象環境と化性の関係を考慮して,原種の催青ができること。 4.掃立時期の調節ができること。 5.原蚕種の掃立ができること。 6.一が(餓)育ができること。 7.掃立口の混合を防げること。 8.原蚕の雌雄鑑別ができること。 9.採種を目的とした上ぞくとぞく中の保護ができること。 10.種繭の検査ができること。 11.が歩の検査と繭の切開ができること。 12.種繭の保護と発が調節ができること。 13.採種室・採種用具の準備ができること。 14.が拾い・選が・交配・割愛・収がの取扱ができること。 15.わく製蚕種の製造ができること。 16.ばら種の製造ができること。 17.産卵後の処理ができること。 18.人工ふ化ができること。 19.蚕種の生理的な保護ができること。 20.秋採り蚕種の保護ができること。 21.越年種や人工ふ化種の冷蔵ができること。 22.微粒子病の診断と予防ができること。 23.母がの鏡検ができること。 24.予知検査と補正検査ができること。 25.きょそ病の診断と予防ができること。 26.はい子の発育程度に応ずる蚕卵の解剖ができること。 27.新しい蚕品種の性状を理解して取り扱うことができること。 28.各飼育時期に適する蚕品種の選択ができること。 29.原蚕の卵・幼虫・繭について原産地による系統の識別ができること。 |
1.蚕種はその用途・越年性・産卵後の処理様式等によって,いくつかの種類に分けられる。
2.二化性や多化性は,はい子ならびに幼虫時代の環境によって,次代に越年卵や不越年卵ができる。 3.原蚕飼育は,環境に注意し,普通養蚕に比べて特に蚕の生理にかなった飼育をおこなわなければならない。 4.原蚕の掃立日は交配の関係によって調節することが必要である。 5.原蚕飼育には消毒を厳にし,特に微粒子病・きょうそ病等の予防に努めることが必要である。 6.原蚕の飼育分場設置には,立地条件や人的条件の関係をみきわめることがたいせつである。 7.産卵には雄がとの交尾が必要である。 8.雌がは誘引せんから発香して雄がを誘い,交尾をおこなう。 9.産卵後高温であると再出卵を多くし,冷蔵浸酸種の再冷蔵により白はぜ卵を多出することがある。 10.成熟分裂は,雄では4齢の初期から始まり,雌では産下されてからおきる。受精はその後におこなわれる。 11.蚕は単性生殖をおこなう場合がある。 12.卵割は表割がおこなわれ,はい盤の一部は肥厚してはい基になり,一部はしょう液膜となる。はい基は,後にはい子となる。 13.はい子はやがて休眠期となり,越冬後一定の順序で発育し,反転期を経て,ぎ(蟻)体が完成する。 14.蚕体諸器官は外はい葉・中はい葉・内はい葉から発生する。 15.はい子の各発育時期には一定の呼び名があり,蚕種の催青や保護取扱に役だつ。 16.蚕卵はい子は,不良な保護・催青条件によって障害を受けるが,その程度は蚕品種やはい子の発育時期等によって異なる。 17.卵・幼虫・繭・さなぎ・がの諸形質・化性・系統,眠性の実用的諸形質等は,品種を区別する標準となる。 18.政府は毎年蚕品種やその交雑様式を指定し,各都府県には奨励蚕品種がある。 19.交雑原種は原蚕飼育が容易で産卵量も多い。 20.三元雑種・四元雑種は一代交雑種に比べて,計量形質の変異の幅が多少多い。 21.家蚕は卵・幼虫・さなぎ・繭について,いろいろの形質の遺伝現象が明らかにされている。これらの形質は染色体にある遺伝子によって支配される。 22.家蚕の染色体はn=28であるが,今までに見つかった遺伝子のうちで15の連関群が明らかにされている。 23.家蚕の実用形質も遺伝の様式がわかっているものがある。 24.家蚕の突然変異には,遺伝子突然変異と染色体突然変異があり,品種改良に利用される見込みがある。 25.遺伝子による形質発現は環境によって影響されることがある。 26.蚕品種育成の目標は,強健度を増し,繭質・糸質を高めると同時に,経済性の高い系統を得ることにある。 27.蚕品種育成の方法には,系統分離・交雑固定・突然変異利用等がある。 28.蚕種製造には関係法規がある。 |
4.教 育 内 容
(2) 原蚕の飼育・採種・蚕種の保護等は特に計画的に取り扱うとともに,微粒子原虫・かいこのうじばえ等の取扱には,他の蚕に悪い影響を及ぼさないように注意することが必要である。
(3) 遺伝・育種等の指導には,蚕のはん紋・卵色等の利用により,生徒に興味と関心をもたせるようにすることがたいせつである。