第1章 農業科の目標

 高等学校における農業科の教育には,将来,農業自営者あるいは中堅農業技術者になろうとする者を教育する場合と,このような専門教育としてではなく,普通教育として教育する場合とがある。すなわち前者は「農業に関する課程」の場合の教育に相当し,後者は「普通課程」の場合の教育に相当する。そうして前者の場合は,農業科が教育課程の中核をなすが,後者の場合は,他の教科と同等に位置づけされる。

 いま,高等学校における農業科の目標を述べると次のようである。

(1) 農業に関する技術的な能力を養う。

(2) 環境と農業との関係,ならびに農業技術の科学的な根拠を理解し,進んでこれらをよりよくする能力を養う。

(3) 農業を合理的に営み,有利に経営する能力を養う。

(4) 農業の意義を自覚し,進んでこれを改良しようとする態度を養う。