第2章 水産科の科目の組織

 

1.水産科の科目および単位数

水産科の科目および単位数は次表のとおりである。
 
科  目
単 位 数
科  目
単 位 数
水産一般

水産生物

海洋・気象

漁業

漁船

航海

運用

航海・運用

海事法規

水産法規

水産製造

水産化学

水産微生物

水産機械

冷蔵・冷凍

水産増殖

2〜5

2〜12

2〜5

2〜15

2〜5

3〜15

2〜10

2〜5

2〜5

2〜5

2〜15

2〜10

2〜5

2〜6

2〜5

2〜15

水族病理

水産資源

水産経営

水産簿記

漁船機関

機関設計工作

舶用電機

無線通信

無線通信機器

電磁事象

通信法規

実習

乗船実習

水産に関するその他の科目

2〜5

2〜5

2〜15

2〜15

2〜20

2〜15

2〜8

5〜15

5〜15

2〜8

3〜10

2〜20

(1〜3か月)

 

2.水産科の運営と履修上の注意

 前表に示した科目および単位数は水産教育本来の性格と,地域社会の要望やそれぞれの課程の実情等を考慮し,代表的と思われる漁業・水産製造・水産増殖・水産経営・水産・機関・無線通信の7課程の教育課程を編成するに必要なものをあげてある。各学校においては,それぞれの課程の教育目標に照し,前表の科目の中から必要な科目を選び,単位数を決定して特色を生かした教育課程を編成するようにする。この場合,地域社会の特性や生徒の必要ならびに学校の施設・設備・教員組織等をじゅうぶん考慮に入れて編成することはいうまでもない。なお,水産に関する課程は上記の7課程に限られないので,これ以外の課程では「水産に関するその他の科目」から必要な科目をとればよい。水産の科目はそれぞれが独立のまとまった内容をもってはいるが,相互にきわめて密接な関係をもっているものが多い。したがって,各科目が分離し,あるいは重複して運営されることのないように,緊密な関連を保たせ,学習を最も効果的・能率的に行える運営を図ることに配慮する。

 なお,履修上次の諸点に注意する。

(1) 「実習」は,第1学年では,水泳・操ろ・操艇等水産の基礎的実習を目標とし,各課程とも共通に履修する。第2学年以後の「実習」は,それぞれの課程における総合的学習を目標とし,関係する各科目の密接な関連のもとにこれを有機的に総合して,水産の各分野の技術者あるいは経営者として必要な知識・技能に習熟させ,望ましい態度を養うものである。したがって,それぞれの科目の実験や実習は,各科目の中で行うことをたてまえとする。

(2) 漁業課程および機関課程では,第2学年以後において,「乗船実習」を1〜3か月の範囲内で履修する(定時制漁業課程では第3学年以後において1〜2か月)。期間をもって示したのは,船舶職員法に基く乗船履歴の認定を考慮したためである。したがって1回の乗船日数は30日以上連続したものでなければならない。ただし,乗船履歴を考慮しない場合は,乗船実習を連続して行う必要はなく,実施し乗船実習日数が通計30日以上となればよい。

 なお,「乗船実習」には他の科目を含めない。また,3か月を越えた乗船実習は,乗船履歴として認められないから注意する。

(3) 「実習」および「乗船実習」は,その単位総時数あるいは,その期間をまとめて履修することができるが,このため他の教科・科目の単位時数に不足をきたさないようにあらかじめ補充できる教育計画をたてておくようにする。

(4) 学校外で生徒が,その課程の実習として現場実習を行った場合は,その実習が前もって学校で計画され,現場と密接な連絡のもとに,その課程の教官の指導が加わり成績の評価ができるものは,学校で行う「実習」の単位の上に加えることはさしつかえない。ただし,この場合の認定単位数には限度を定めるようにする。

(5) 「航海・運用」の科目は,海事法規を含めた全般を広く学習することを目標にしたものであるから,機関課程・無線課程・水産課程等で履修するのに適当である。

(6) 水産課程における上学年の「実習」は,地域社会や学校の状況に応じて重点をおく課程を選び,その課程の「実習」の教育目標に従って行う。

(7) 普通課程で履修するのに適当な科目は,一般教養としての意味から水産業の全般を理解するために必要な「水産一般」を選び,地域社会の実態や生徒の必要に応じて,水産の専門的分野のいずれかに重点をおくようにする。