1.商 業 一 般
目 標
(2) 商業科の諸科目を学習するために必要な,基礎的・入門的な知識を習得させる。
(3) 経済生活を合理的に営むために一般教養として必要な,商業諸機関の利用についての知識を習得させる。
(4) 国民経済における商業の地位を理解し,経済生活の向上に寄与する態度を養う。
(売買手続——見積・注文・発送・検収・支払)
(支払用具——通貨・小切手・手形)
b貿易の制度
c貿易の業務
(2) この科目は商業経済関係科目群の中で基礎的な地位を占めるものであるから,その程度において,その内容は一応この科目群の全般にわたるものである。
(3) 商業に関する課程においては,第1学年において必修されることが適当である。
(4) 商業に関する課程以外の課程においても,一般教養としてなんらかの商業科目を学習する場合に選択される科目として適当なものである。
(5) 少ない単位数においてこの科目を学習する場合にも,一応この科目の内容の全般にわたることが必要であり,いずれかの内容をまったく省略することは避けなければならない。単位数の多い場合には,視聴覚教材・教具をじゅうぶんに用いたり,調査・報告・討議などの指導法を取り入れて効果の高い指導が可能であるが,単位数の少ない場合でも単なる講義に終始しないように,指導上のくふうを必要とする。
(6) この科目は商業経済関係科目群の中において初歩的な科目であるから,同一の項目を取り扱っても,他の商業経済関係科目と実質的に重複しないように注意しなければならない。しかしまた一方においては,この科目群の中で脱漏のないように注意する必要がある。その例をあげれば次のとおりである。
イ.(1)のcにおいては,匿名組合や民法上の組合にはふれないし,設立手続にもふれないようにする。企業集中は経営科で取り扱う。
ウ.(2)のaにおいては,業務内容は商事科で取り扱うようにする。
エ.(2)のbにおいては,貿易にはふれないようにする。
オ.(2)のcにおいては,商品取引所にふれるし,また補助商人についても取り扱う。
カ.(3)のaとbにおいては,金利政策や通貨政策は商事科や経済科で取り扱うようにする。
キ.(3)のcにおいては,為替に関連して手形交換にふれる。
ク.(4)においては,手続をも取り扱う。
ケ.(5)のbにおいては,特殊倉庫にふれる。
コ.(6)のaにおいては,社会保険にふれる。
サ.(6)のbにおいては,共同保険や再保険にふれる。
シ.(7)のbにおいては,貿易の形態や関税制度にふれる。
2.商 事
目 標
(2) 商業活動を合理的・能率的に行うために必要な技能・能力を養う。
(3) 商業の社会的機能を理解させ,商業従事者としての自覚を深めさせる。
c店舗立地
c外国為替
(2) この科目は売買活動を中心とするが,それに限るものではなく,金融・運送・保管・保険などについても,売買活動に関連して商業一般科よりさらに進んだ程度において取り扱うものである。
(3) この科目は商業に関する課程においては,商業一般科につづいて必修されることが適当である。
(4) この科目と商業一般科その他の商業科目との間には,同一の項目を取り扱っても実質的に重複しないように注意しなければならない。また一方において,その間に脱漏のないように注意しなければならない。次にその例を掲げる。
イ.貿易の項目のbにおいては,FOBやCIFについて,商業一般科よりも詳細に取り扱う。
ウ.商業に関する政策の項目においては,売買業者として必要な,国の政策についての一般的知識を取り扱うのであるが,あまり深入りしないようにする。
3.経 営
目 標
(2) 経営管理を合理的・能率的に行う態度と能力とを養う。
(3) 経営管理の重要性を理解させ,それに従事する者としての自覚を深めさせる。
(2) この科目の内容は専門的なものであるから,高学年において学ぶことが適当である。
(3) この科目と商事科との関連は特に密接であるが,商事科においては,売買活動を中心としており,この科目においては,経営体内部の問題を主眼としている。
(4) この科目と商業法規科や会計科その他の商業科目との間,あるいは社会科との間の関連も密接であるが,それぞれの科目の性格・目標に応じて指導し,無用の重複を避けなければならない。しかしまた一方においては他の科目において詳細に取り扱うことであっても,この科目においても一応ふれておく必要のあるものもある。それらの例をあげれば次のようである。
イ.(2)のbにおいては,経営者支配の原則にふれる。
ウ.(3)のdにおいては,流れ作業なども取り扱う。
エ.(4)のaにおいては,詳細は商事科で取り扱うことにする。
オ.(5)のcにおいては,労働組合について主として管理の面から取り扱い,社会科との重複を避ける。
カ.(6)のdにおいては,経営比較は経営分析に基いて取り扱う。
4.経 済
目 標
(2) 経済事象を理解し,その動向を合理的にはあくしようとする態度を養う。
(3) 流通経済の国民経済における機能の理解を深め,わが国経済の発展に寄与しようとする態度を養う。
(2) この科目の内容は比較的に高度なものであるから,高学年において学ぶことが適当である。
(3) この科目と社会科「社会」との関連は密接であるが,この科目においては原理的な面を主眼とすることを特色とする。
(4) 原理的な面を主眼とするのであるが,指導にあたっては,なるべく実証的に材料を取り扱うようにし,そのような能力についても発展させるようにする。
(5) この科目においても他の商業経済関係科目との間に重複を生じないように注意しなければならないことはもちろんであるが,また,この科目で特に重点をおいて指導すべき項目も多い。次にそれらの例を掲げる。
イ.(3)のbにおいては,エンゲルの法則やシュワーベの法則にふれる。また所得水準,消費水準についても取り扱う。
ウ.(3)のcにおいては,需要の弾力性にふれる。
エ.(4)のbにおいては,経営科との重複を避け,企業の近代的生産における意義を主眼として取り扱う。
オ.(5)のcにおいては,インフレーション,デフレーションについても取り扱う。
カ.(5)のeにおいては,比較生産費の理論や,購買力平価説をも取り扱う。
キ.(6)のaにおいては,貯蓄投資と財政政策との関係や,景気変動と財政政策との関係にふれる。
5.商 業 法 規
目 標
(2) 社会生活の規範である法の本質を理解させ,商業活動を合理的に営む態度と能力とを養う。
(3) 法律的に思考する能力,特に商業事象を法律的に判断する能力を養う。
(2) 財産権
(3) 契約
(4) 商人・商業登記・商号・商業帳簿など
(5) 会社
(6) 商行為
(7) 各種の商業
(8) 手形・小切手
(9) 紛争の防止と訴訟
(10) 法の本質・種類・効力など
(2) この科目において取り扱う内容は,他の商業諸科目との間に,項目としては重複するものが多いが,もっぱら法規の面から取り扱うことが特色であり,他の科目においては,その詳細を商業法規科にゆだねることとする。
(3) 内容の(7)の各種の商業においては,銀行・信託・海商などを取り扱う。
(4) この科目はつとめて具体的な事例によって裏付けて指導することが必要である。また必ずしも法典の順序を追って指導することは必要でない。
6.商 品
目 標
(2) 商品の経済的・技術的な特質を研究する能力と態度とを養う。
(3) 商品の改善・標準化などについて考察し,国民経済における商品流通の円滑化に寄与しようとする心構えを養う。
(2) 食料品……特質・種類・生産・流通・利用
(3) 衣料品……特質・種類・生産・流通・利用
(4) 燃料……特質・種類・生産・流通・利用
(5) 木材……特質・種類・生産・流通・利用
(6) 金属類……特質・種類・生産・流通・利用
(7) 化学工業製品……特質・種類・生産・流通・利用
(8) 商品の鑑識・格付・品質表示・標準化
(9) 商品の意匠・包装
(10) 商品と国民経済
(2) この科目は,他の教科・科目で習得した知識・技能を基礎とし,つとめて具体的・実証的に研究させることが必要である。
(3) この科目においては,自然科学的な学習が重要であることはもちろんであるが,単にそれだけにとどまらないで,経済的な面との関連をじゅうぶんに指導することが必要である。
(4) この科目は,高学年において学習されることが適当である。
(5) 内容の(2)から(7)までの各種の商品については,それぞれ多種多様であるが,その中で適当なものを選んで指導する。
7.商 業 簿 記
目 標
(2) 商取引を正確・めいりょうに記帳する技能を習得させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
(2) 財産,資本,損益
(3) 取引,仕訳,勘定
(4) 帳簿
(5) 決算,財務諸表,簿記の構造
(6) 会社企業の経理
(7) 中小企業に適する実務的な経理
(2) この科目は,商業に関する課程以外の課程においても,経理に関する一般教養として学習されるのに適当な内容を含むものである。その場合には,単位数の差に応じて内容の一部,特に(6)や(7)を省略することはさしつかえない。
(3) この科目の指導にあたっては,記帳を中心としてそれによって理解を深めるようにする。
(4) この科目の指導にあたっては,商業一般科との間で内容の進度を調整し,その学習を効果的に進めるように注意することが必要である。
(5) この科目の指導にあたっては,初めから商品売買業の経理を対象としないで,サービス業の経理,あるいは個人や家庭の経理から導入することもよい。商品売買業の経理においても,初めは簡易な取引をもって簿記のひととおりをはあくさせ,だんだんと複雑なものを取り扱ってその理解を高めてゆくようにする。
8.銀 行 簿 記
目 標
(2) 銀行の取引を正確・めいりょうに記帳する技能を習得させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
(2) 仕訳,伝票,勘定科目,帳簿
(3) 決算,財務諸表
(4) 手形交換取引
(5) 為替取引
(6) 本支店間取引
(2) この科目においては,銀行取引の記帳を通して,銀行の経理方法や銀行経営の本質を理解させるように指導する。また,精密な帳簿組織や伝票制度などの銀行簿記の特色をはあくさせて,商業簿記の発展としての意味をもたせる。
(3) 銀行の実務は進化してきているから,それに応じて指導することが必要である。
9.工 業 簿 記
目 標
(2) 工企業の取引,特に内部取引を正確・めいりょうに記帳する技能を習得させる。
(3) 経理を朋確に処理する能力と態度とを養う。
(2) 材料費,労務費,経費
(3) 直接費,間接費
(4) 個別原価計算,総合原価計算
(5) 勘定科目,帳簿
(6) 決算,財務諸表
(7) 工業簿記の特殊な問題
(2) この科目においては,工企業の各種取引の記帳を通して,工企業の本質を理解させるように指導する。また.精密な原価計算を行うことによって商業簿記の発展としての意味をもたせる。
(3) 工場会計の独立や,原価計算要綱についても取り扱う。
10.会 計
目 標
(2) 企業会計の基本的な理論を理解させる。
(3) 経理を明確に処理する能力と態度とを養う。
(2) 財務諸表と勘定科目
(3) 損益の決定と処分
(4) 財務諸表の分析と比較
(5) 会計監査と公認会計士制度
(6) 会計に関する法規
(2) この科目は,必ずしも会計学として学ぶのではなく,むしろ,商業簿記科において学ぶには高度にすぎる諸問題を中心として学ぶものである。
(3) 企業会計原則や財務諸表準則についても取り扱う。また,内容の(5)と(6)については,理論的な面は簡単に取り扱い,主として監査の手続や制度的な知識について指導する。
(4) この科目と経営科との関連は,特に財務諸表の分析と比較において著しいから,両科目の間で無用の重複を避けるように指導計画を立てる必要がある。
11.計 算 実 務
目 標
(2) 計算事務を処理するに必要な算法の知識や,これに関する商業上の法規・慣習・制度などの知識を習得させる。
(3) 企業経営の事務を計数的に処理し,合理的に遂行する態度と習慣とを養う。
(2) 歩合に関する計算
(3) 利息・割引料の計算
(4) 度量衡・外国貨幣の計算
(5) 売買や損益の計算
(6) 複利・年金の計算
(7) 企業損益の計算
(8) 税金の計算
(9) 有価証券の計算
(10) 経営財務に関する計算
(2) この科目のすべての内容にわたり,計算は主として珠算によって行うものとするが,計算器についても適宜指導するようにする。
(3) 数理の学習については,数学科との関連を考慮し,数理の応用能力を養うようにする。
(4) この科目においては,もっぱら実務的な処理を主眼とし,簡便・迅速に必要な結果を導き出すように指導する。
(5)この科目は商業に関する課程においては必修されることが適当である。また,その内容は,商業に関する課程以外の課程においても,学習されるのに適当なものを含んでいる。単位数が少ない場合には算法の習得を主眼とするのもよく,内容の一部を省略したり,あるいは簡略に取り扱うこともよい。単位数の多い場合には,計算練習をじゅうぶんに行うように指導し,2か年または3か年にわたって学ばせるようにするのが適当である。
12.文 書 実 務
目 標
(2) 印刷・謄写・複写・筆記・筆写の知識と技能とを習得させる。
(3) 文書の取扱や整理を合理的に行う知識と技能とを習得させる。
(4) 文書に関する実習を通して,事務能率を増進する態度と習慣とを養う。
(2) 商業通信文の能率的な書き表わし方
(3) 取引に必要な通信文や書式の作成
(4) 電報文の作成
(5) 広告文の作成
(6) 社内文書の作成
(7) 文書の受付・発送および内部連絡の手続
(8) 文書の整理のしかた
(9) 謄写印刷のしかた
(10) 印刷を依頼するのに必要な知識
(11) 文書事務用器具の取り扱い方
(2) この科目においては,単に商業通信文の作成にとどまらず,商業用文書に関する事務一般について指導する。
(3) この科目の学習は,実務を中心として指導する。
(4) この科目の学習は,商業実践科の学習の前に行われることが適当である。
13.和文タイプライティング
目 標
(2) 和文タイプライターによる文書や取引書類の作成を通して,事務能率を増進する態度を養う。
(2) 和文タイプライターの操作
(3) 和文タイプライターの文字の配列
(4) 縦打ち印字
(5) 横打ち印字
(6) 文書作成
(7) 作表
(8) 和文タイプライターの手入れ
(2) この科目においては,熟練度を高めるための練習が中心であり,そのためには,単位数を多くすることが必要となる。少ない単位数で行う場合には,内容の(7)作表は省略してもよい。
(3) この科目においては,当用漢字・新かなづかいなど,国語科と密接な連絡をとって指導する。
(4) この科目においては,機械をたいせつに取り扱う習慣とその要領を身につけさせるように指導する。
14.英文タイプライティング
目 標
(2) 英文タイプライターによる文書や取引書類の作成を通して,事務能率を増進する態度を養う。
(2) 英文タイプライターの操作
(3) 基本印字
(4) 文書作成
(5) 作表
(6) 英文タイプライターの手入れ
(2) この科目は,英語の能力に基礎をおくものであるから,英語の能力を相当に身につけてから選択すべき科目である。
(3) この科目においては,機械をたいせつに取り扱う習慣とその要領を身につけさせるように指導する。
(4) 商業英語科・貿易実務科とは特に連絡を密にし,それらの学習に利用できるように指導する。
15.速 記
目 標
(2) 速記を用いて,迅速・正確に文書を作成し,事務能率を増進する態度を養う。
(2) 進んだ段階における速記
(3) 文書事務における速記の利用
(2) 練習の教材は,なるべく生徒に興味の多いものを選んで指導する。
(3) 反訳の練習も常に行わせることがたいせつである。これは作文の能力の発達と大きな関連がある。
16.商 業 英 語
目 標
(2) 英文の経済記事などを読解する能力を養う。
(2) 照会に関する文書
(3) 商品の売り込みに関する文書
(4) 注文に関する文書
(5) 運送と保険に関する文書
(6) 代金の取立と支払に関する文書
(7) 銀行との取引に関する文書
(8) 英文電報
(9) 英文による広告・掲示・看板
(10) 英字新聞・雑誌の経済記事と市況報告
(11) 英文財務諸表
(12) 就職に関する文書
(2) 少ない単位数において指導する場合には,内容の(8)以下は省略してもよい。
(3) この科目においては,英語をはじめ商業諸科目の学習が基礎として必要であるから,高学年において選択して学習されることが適当である。また,この科目の学習に英文タイプライティングを利用することも効果的であるし,貿易実務科の学習にこの科目の学習を活用することもたいせつである。
17.統 計 調 査
目 標
(2) 社会現象特に経済現象を統計的にはあくする態度を養う。
(3) 統計を用いて経営を合理的に計画する能力と態度とを養う。
(2) 統計表の構成
(3) 統計図表の作戊
(4) 経済統計の見方
(5) 経営統計の作り方と見方
(2) この科目の学習には,数学科や社会科とともに商業諸科目の学習を基礎とすることが適当であるから,高学年において選択させるのがよい。
(3) 少ない単位数において指導する場合には,内容の(5)を省いてもよい。
18.商 業 美 術
目 標
(2) 商業美術についての鑑賞力を養う。
(3) 商業美術が商業活動においてもつ機能を理解させる。
(2) 広告デザインとレイアウト
(3) ポスター・包装紙・レッテル・ちらしなど
(4) 店舗装飾・飾窓・陳列・照明など
(2) この科目と商事科・商品科・文書実務科・商業英語科などの諸科目とは密接な関連があるから,それらの学習によって得られる知識・理解を活用するようにする。
(3) この科目においては,商業美術の製作に重点をおき,単に理論的な学習にとどまらないようにする。
(4) 視覚教材をできるだけ多く利用して指導することが効果的である。
19.商 業 実 践
目 標
(2) 商業社会の有機的関連を実践的に理解し,その中において占める自己の職務の意義についての自覚を深める。
(3) 自己の適性を生かして社会に役だつようにするため,さまざまな商業活動について実践的な経験を得させる。
(2) 普通売買業務
(3) 特殊売買業務
(4) 運送業務
(5) 通信業務
(6) 倉庫業務
(7) 銀行業務
(8) 保険業務
(9) 管理業務など
(2) この科目においては,生徒にそれぞれの職務を分担させ,全体の商業組織の中で取引活動を行わせることによって,商業社会の構成を実践的に理解させるように指導することが適切である。
(3) この科目の指導にあたっては,生徒の分担職務を適時に交替させて,なるべく多くの経険を得させ,それによって職業指導に役だてることが適当である。
(4) この科目はその性格から,最高学年において学習することが適当である。
(5) この科目においては,その性格から数人の教師が指導に当ることを適当とし,施設・設備を充実することが必要である。
20.貿 易 実 務
目 標
(2) 貿易活動に必要な書類を作成することによって,実務的な技能を養う。
(3) 商業諸科目の学習によって得られた知識・技能を総合的にいっそう深く身につける。
(4) 貿易において特に必要な,信用を重んじ,公正を尊び,正確・敏速を旨とする態度を養う。
(2) 輸出契約・輸入契約と取引条件
(3) 信用状
(4) 船積みと引き取り
(5) 保険契約
(6) 代金決済
(2) この科目においては,単に既習の商業科目の総合にとどまらず,独特の教材も含まれる。たとえば,遠距離の海上運送とそれに伴う海上保険の詳細や,通関手続や,外国為替の問題や,さらに暗語電報などについて指導する必要がある。したがってこの科目においては,商業実賎科のように,生徒にそれぞれの職務を分担させ,その間に取引活動を行わせることは必ずしも必要ではない。外国の取引先を想定して,各生徒が同様な取引活動を実務的に行うことも適当である。
(3) この科目は,商業経済関係科目・簿記会計関係科目・計算実務・文書実務・英文タイプライティングおよび商業英語などの諸科目の学習を活用して指導するものであるが,外国貿易に必要な書類の作成を中心として,それらの学習をいっそう練磨することに重点をおくものである。
(4) この科目はその性格から,高学年において選択されることが適当である。
21.商業に関するその他の科目
設定の趣旨
高等学校の商業科に属する科目としては,上述の20科目をもって一般にはじゅうぶんであると考えられるが,ある地域社会のみに必要な特定の科目を設けることが認められる。たとえばその地域の産業調査・商店経営・中小企業経営のような科目や,あるいは,事務機械操作・英文簿記または農業簿記のような科目を,特に必要を認めて設定する場合である。
設定する場合の留意点
(2) 特設される科目の単位数については別段の定めはないが,最低2単位とすることが当然である。
(3) 特設される科目については,それぞれ具体的な指導計画を立てなければならない。