第1章 保健体育科の目標

 

 中学校の保健体育科は,主として健康・安全で幸福な生活のために必要な基礎的な能力や態度を養い,心身の調和的発達を図ることを目的としている。高等学校の保健体育科は,中学校の保健体育科を基礎として,高等学校教育の目的目標を達成するために,これをさらに発展拡充させたものである。

 高等学校では,生徒の発達や欲求に即して,各種の身体活動を正しく実践させ,健全な身体的発達や社会的態度の発達を図り,さらに健全で体育的なレクリエーション活動の基礎を強化することが必要である。

 また個人や集団の健康に関する系統的な理解をいっそう深めて,これに関する問題を科学的に解決する能力や態度を養うことが必要である。

 このように主として心身の調和的な発達を図り,健康・安全で幸福な生活を遂行するために必要な能力や態度を養う部面を受け持つのが保健体育科である。

 このような性格から,保健体育科はすべての生徒に履修させることになっており,またその特性からみて毎学年継続的に履修させなければならない。以上のような点から保健体育科の目標をまとめてみると,次のとおりである。

 

 高等学校の保健体育科は,保健と体育の正しい理解と実践に基き,心身の健全な発達を図り,個人ならびに集団生活における保健,体育やこれらに関するレクリエーション等の問題を科学的に解決する能力や態度を養うことを目ざすものである。