第2章 理科の組織
1.科目の編成
理科の科目の種類およびそれぞれの単位数,指導時間数は次のとおりである。
教 科 |
科 目 |
単 位 数(指導時間数) |
理 科 |
物 理 化 学 生 物 地 学 |
3単位(105)または5単位(175) 3単位(105)または5単位(175) 3単位(105)または5単位(175) 3単位(105)または5単位(175) |
〔備考〕
(1) 各科目の単位数は3と5の2種類のみであって,その他の単位数で実施することはできない。
(2) 各科目について,3単位および5単位のいずれによるかは,生徒の個性,進路によって決める。
なお,3単位は職業に関する課程のためのもの,5単位は普通課程のためのものという規定ではない。普通課程においても,3単位で履修することが適当な場合があろうし,職業に関する課程においても,5単位で履修することが適当な場合があるものである。
(3) 各科目の履修学年は規定しない。履修学年は,「2.科目の履修」の趣旨により学校で決める。
2.科目の履修
(2) 各科目の履修学年は,関連する各教科・科目の学習が,できるだけ内容的に連続し発展するように考慮して決める。
(3) できるだけまとまった学習をさせるために,どの科目も1個学年間に履修させることが望ましい。しかし,5単位の場合は,連続する2個学年に3と2に時間数を分割して履修させることもできる。1週に1単位時間の授業を行うことは教育効果を低めるから適当でない。しだがって,1科目3単位の場合は1個学年間に履修させることが必要である。
3.科目の内容
目標をかたよりなく,効果的に達成するためには,生徒の欲求や能力などを目標に沿って発展させていくための具体的な計画がたてられなければならない。このような計画は,いろいうありうるが,それらのいずれの場合にも含まれると考えられる事象・概念・原理・法則等を取り出したものが,第3〜6章のそれぞれの節に示した科目の内容である。すなわち,通常の場合いずれの課程においてもこれらを学習させることが教育的に適当であり,かつ,それが可能であると考えられるものである。したがって,これは実際の指導内容の最低量あるいは最大量を規定するものではなく,また,実際の教育を画一的に固定しようとするものでもない。
ことに,職業に関する課程において,その専門とするところに直接に関係の深い理科の科目を履修する場合は,理科の科目としてのまとまりを持つと同時に,相互にむだのない,関連のとれた学習がなされるように,理科および職業に関する諸科目の指導内容を調整することが必要である。このようにすれば,職業に関する課程においても,理科の科目に5単位をあてることが,その教育全般から見て可能になり,かつ効果があがる場合が多い。また,3単位の内容は一般の場合の概要であるから,その専門とするところに直接に関係の深い理科の科目を3単位で履修する場合は,特に相互の関連を考慮して,実際の指導内容を決めなければならない。
(2) この学習指導要領に示したもののほか,生徒が興味,関心を持つ問題,たとえば,地域の自然の事象,地域の産業,時事問題,一般の学習や日常生活中に起ることがらなどについても,理科の科目の目標の観点から取り扱うことが必要である。
(3) この学習指導要領に示した内容の順序および組織は,記載のための便宜の形式をとったにすぎず,指導の順序や組織を示すものではない。同一の指導内容についてさえ,それの指導の順序や組織は,指導の方法や生徒の学習経験によって異なるのがむしろ当然である。学校においては,ここに示した形式にとらわれることなく,教育的な考慮をじゅうぶんに払った順序・組織を計画すべきである。
(4) これらの内容は,それぞれに適切な学習活動を通して学習されなければならない。実験,実習,観察等が適切に行われることが,特に必要である。