第5章 国語科漢文

 

1 目標

 国語科漢文は国語科の目標のうち,ある特定の部分に重点をおき,生徒の個性や進路に応じて,やや高い程度の教養を養うためのものである。その目標は,生徒に主として次に掲げることを習得させるにある。

(1)訓点のついた漢文について,それを読解する豊かな能力が身につき,あわせて批判や鑑賞ができる。

(2)(1)の学習を通じて,漢文に盛られている文化,特にわが国の言語・文学・思想などと関係の深いものについて,その特質・意義がわかる。

 

2 内容

 国語科漢文の学習の材料は,「国語(甲)」の中に掲げた漢文の材料をさらに広げ,漢文で書かれた和漢の論説類,史伝類,語録類,詩文類,小説類などの中から,生徒の能力や必要や関心などを考慮して選ぶ。これらの材料を総合的にまとめて学習させてもよいし,その中の一つによって,学習させてもよい。いずれにしても,「国語(甲)」の中の漢文の学習に照し合わせて,適切に材料を選び,有効な計画を立てることが肝要である。

3 留意事項

(1)「国語(甲)」で行う学習と,絶えず密接な連絡や調整を計り,重複や無理のないように計画し,実施することがたいせつである。

(2)「漢文」の目標や内容に照して,あまりに専門的,特殊的にわたるような材料を選んだり,指導を行ったりしないように留意する。

(3)時には簡単な複文や白文の練習が必要な場合もあろうが,このことだけを,特に取り上げて,学習の目標としないようにする。

 

高等学校 学習指導要領 国語科編

                  MEJ2390


 
昭和30年12月23日 印刷

昭和30年12月26日 発行

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