16.木材工芸に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,木材の加工に関する基礎的な作業が確実にでき,工芸品・家具その他一般木製品の加工および組立が正しくできる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 木工具が正しく使え,のこぎりびき,かんな削・穿孔などの基本作業が確実にできるようにする。

(2) 接手工作や工芸作業などの基礎的作業ができるようにする。

(3) 木工機械が正確に取り扱え,簡単な修理ができるようにする。

(4) 家具の組立や簡単な成型合板の製作ができるようにする。

(5) 小いす程度のいす張ができるようにする。

(6) 木材の乾燥について普通の作業ができるようにする。

(7) 木材や接着剤の組織・性質・強度について普通の試験ができるようにする。

内  容

(1) 基 本 作 業      (6) 成型合板作業

(2) 接 手 工 作      (7) い す 張 作 業

(3) 工 芸 作 業      (8) 木材乾燥作業

(4) 家具組立作業       (9) 材 料 試 験

(5) 木工機械作業

 

2.製  図 目  標

 この科目は,製図の基礎を理解させ,家具・小工芸品などに関する設計の要領を習得させ,室内の装備についても計画できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図用の器具と材料について理解させ,これを正しく使用できるようにする。

(2) 図学の大要を理解させ,設計製図に応用ができるようにする。

(3) 家具・工芸品の模写・スケッチを習得させ,普通のものについて設計ができるようにする。

(4) 木造住宅の構造図を習得させ,室内の展開図に応用ができるようにする。

(5) 建築・船舶・車両などの室内の設計ができるようにする。

内  容

(1) 製 図 の 基 礎        (4) 建 築 製 図

(2) 小 工 芸 品 図 案      (5) 室 内 製 図

(3) 家具および木製品製図

 

3.絵  画 目  標

 この科目は,絵画の基本を習得させ,美術の理解を深め,描画の表現技術を設計製図に応用する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 絵画の材料・描画法・鑑賞について理解させる。

(2) 鉛筆と木炭のデッサンにより,対象物を正しく表現できるようにする。

(3) 水彩画によって色感を訓練させ,設計製図に着彩の応用ができるようにする。

内  容

(1) 絵 画 概 説     (3) 木炭画(デッサン)

(2) 鉛筆画(デッサン)    (4) 水 彩 画

 

4.塗  装 目  標

 この科目は,各種塗料の組成・性質・用途を理解させるとともに塗装の技術に習熟させ,これを科学的に考察して適切に応用する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 塗装の意義と塗料の概要について理解させる。

(2) 塗装用の工具・設備・材料について理解させ,正しい取扱ができるようにする。

(3) 一般塗装・特殊塗装について理解させ,その施工と応用ができるようにする。

(4) 試験器具について理解させ,塗料と皮膜とについて簡単な試験ができるようにする。

内  容

(1) 塗    料      (4) 一 般 塗 装

(2) 塗 装 材 料     (5) 特 殊 塗 装

(3) 塗装用工具と設備    (6) 塗 料 試 験

 

5.木 材 工 作 目  標

 この科目は,各種木工材料につき利用の現状と将来への改良について理解を深め,加工にも科学的・技術的検討を加えて,木工の技術を発展に導く態度と習慣を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) —般木材と加工木材について理解させる。

(2) 木材の乾燥および保存について理解させる。

(3) 各種接着剤についてその大要を理解させる。

(4) 木工用副資材の重要なものについて理解させる。

(5) 籐(とう)竹材とその加工について理解させる。

(6) 木工具と木工機械の概要について理解させる。

(7) 工作の基本とその応用について理解させる。

(8) 工芸技法・組立工作およびそれらの応用について理解させる。

(9) 高周波加熱の原理と装置の概要およびその応用について理解させる。

(10) 試験機器について理解させ,材料の簡単な測定と試験の方法がわかるようにする。

内  容

(1) 木  材        (8) 木 工 具 と 設 備

(2) 加 工 木 材     (9) 木 工 機 械

(3) 木 材 乾 燥     (10) 基 本 工 作

(4) 木 材 の 保 存   (11) 工 芸 技 法

(5) 接 着 剤       (12) 組 立 工 作

(6) 付 帯 材 料     (13) 高周波加熱と成型

(7) 籐 竹 工 作     (14) 材料力学と試験

 

6.木 工 材 料 目  標

 この科目は,一般の場合木材工作と融合させて学ばせるのであるが,この科目は生徒の必要により,木工材料をよりいっそう深く履修する場合のもので,このような生徒に以下のものにつき履修させる。

内  容

(1) 木   材       (5) 接 着 剤

(2) 加 工 木 材     (6) 付 帯 材 料

(3) 木 材 乾 燥     (7) 籐 竹 材

(4) 木 材 の 保 存   (8) 材料力学・材料試験

 

7.工 芸 史 目  標

 この科目は,日本・東洋・西洋の工芸についてその椎移を知らせ,各時代の特色を理解させるとともに,将来の工芸についてその傾向を考察する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各国における建築・工芸・美術の変遷と,各時代の特徴を理解させる。

(2) 西洋工芸の様式を設計製図の資料として応用ができるようにする。

(3) 現代各国の工芸を理解させ,将来の工芸の進む方向が考察できるようにする。

内  容

(1) 原 始 の 世 界    (3) 西  洋

(2) 東 洋・日 本      (4) 現代の世界

 

8.意 匠 計 画 目  標

 この科目は,意匠の基本を理解させて,工芸品・家具の設計の要領を習得させるとともに,建築の各室および船舶・車両の内部の装備が計画できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 意匠図案についてその概要を理解させ,設計製図との関連につき理解させる。

(2) 家具・工芸品の構成と種類・基準寸法・装飾を理解させる。

(3) 建築の材料・構造・計画についてその概要を理解させる。

(4) 室内の施工・装備について理解させる。

内  容

(1) 意 匠 図 案     (3) 建 築 の 概 要

(2) 家具・工芸品意匠    (4) 室 内 計 画

 

9.造  型 目  標

 この科目は,立体表現の技法を習得させ,独創的な構想を豊かにする態度と習慣を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 彫塑の基本技術を習得させ,簡単な浮彫と石膏の型取ができるようにする。

(2) 抽象構成の表現技術を習得させ,意匠計画との関連につき理解させる。

内  容

(1) 彫   塑    (3) 立 体 構 成

(2) 原   型

 

17.金属工芸に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,金属工芸品の製作過程の基本を理解させ,それらの作業に習熟させて,金属材料の取扱および機械加工の基本を習得させ,その応用が研究的・創造的にできるようにさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属についての工芸技法の基本を習得させる。

(2) 金属製品の表面処理について理解させ,その基本を習得させる。

(3) 機械の取扱,機械加工の基本を習得させ金属製品の生産過程を理解させる。

(4) 総合製作によって既習の基本的知識・技能を活用し,みずから製品の計画および製作ができるようにする。

(5) 研究的態度を養い,新しい仕事や情況の変化に適応できるようにする。

内  容

(1) 鋳   金    (4) 表 面 処 理

(2) 板   金    (5) 機械加工・仕上

(3) 彫   金    (6) 総 合 製 作

 

2.金 属 工 作 目  標

 この科目は,金属材料およびその製品の加工法について広く基本的知識を習得させ,金属の性質を深く理解して金属製品の製作・生産について検討できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものでる。

(1) 金属製品の工作法について,その大要を理解させる。

(2) 工芸技法の基本的知識を深めて,その活用ができるよう研究的態度を養う。

(3) 金属製品の生産方法についてその実際を理解させ,作業の計画・改善・くふうができる能力を養う。

内  容

(1) 鋳   造       (5) 仕上・機械加工

(2) 鍛   造       (6) 表 面 処 理

(3) 溶 接・鑞 接     (7) プ レ ス 加 工

(4) 板 金 工 作     (8) ダ イ カ ス ト

 

3.金 属 材 料 目  標

 この科目は,金属材料の一般的性質および個々の金属についての特殊性を理解させ,工芸材料・機械材料としての取扱が正しくきることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属の一般的性質,単純金属の性質を理解させる。

(2) 合金の性状を研究的に取り扱いその知識を活用させる。

(3) 金属材料の各種試験法の概要を理解させ,材料の取扱・選定ができるようにする。

内  容

(1) 金 属 の 性 質    (6) 低 融 合 金

(2) 単純金属の性質      (7) ニッケル合金

(3) 銅 合 金        (8) 鉄  鋼

(4) 合金の状態図       (9) 顕 微 鏡 組 織

(5) 軽 合 金        (10) 特 殊 金 属

 

4.図 案 製 図 目  標

 この科目は,図案および製図の基本を習得させ,金属製品の加工法と意匠,機能と意匠の関連を理解させて,創造能力と意匠の考案および図示が正しくできる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 用具の取扱および図法を習得させ,製図に必要な基礎的技能を養う。

(2) 基礎図案に必要な構成および色彩について習得させる。

(3) 工芸品および機械器具の図示法を習得させる。

(4) 金属製品の総合計画ができ,それを正しく表現できる能力を養う。

(5) 資料の蒐集,作品の尊重,くふう改善を心がけるようにする。

内  容

(1) 基 本 製 図     (6) 透 視 図

(2) 幾何形態の構成     (7) 立 体 構 成

(3) 色彩による構成     (8) 工芸品の図示

(4) 投影図         (9) 機 械 製 図

(5) 展 開 図       (10) 機 器 の 図 示

 

5.絵  画 目  標

 この科目は,絵画の基本を習得させ,美術の理解を深めるととともに,描画の表現技術を図案・製図に応用する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 絵画の材料・描画法・鑑賞につき理解させる。

(2) 鉛筆と木炭のデッサンにより,対象物を正しく表現できるようにする。

(3) 水彩画によって色感を訓練し,図案・製図への応用ができるようにする。

内  容

(1) 絵 画 概 説     (3) 木炭画(デッサン)

(2) 鉛筆画(デッサン)    (4) 水 彩 画

 

6.工 芸 史 目  標

 この科目は,各国各時代における造形文化の推移を理解させ,現代の潮流を認識させ,工芸に対する鑑識を高め,図案・製図の根底を作ることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 日本における建築・工芸・美術の変遷発達を理解させる。

(2) 東洋における建築・工芸・美術の変遷発達を理解させる。

(3) 西洋における建築・工芸・美術の変遷発達を理解させる。

(4) 現代の世界の潮流を理解させ,過去の形式との関連を認識させる。

内  容

Ⅰ 原始の世界

Ⅱ 日本・東洋

(1) 古  代   (2) 中  世  (3) 近  世 Ⅲ 西  洋 (1) 古  代   (2) 中  世  (3) 近  世 Ⅳ 現代の世界

 

7.工 芸 計 画 目  標

 この科目は,自然物の観察および材料学的考察により,それぞれの形態の意義を理解させ,その表現を習得させる中で造形能力および研究的態度を養い,生活によく適応する環境の計画・改善ができることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 形態の観察・表現を研究的に行うようにする。

(2) 形態のもつ機能を検討できるようにする。

(3) 形態のもつ造形的意味を理解させる。

(4) 人間生活に適応させるための計画を理解させる。

(5) 設備・機器・工芸品などの計画に必要な条件の検討ができるようにする。

内  容

(1) 形 態 の 資 料     (6) 構築物の計画

(2) 構     成       (7) 室 内 の 計 画

(3) 構 造 と 機 能     (8) 工芸品の計画

(4) 形 態 と 色 彩     (9) 機 器 の 計 画

(5) 計 画 の 条 件     (10) 工 業 意 匠

 

8.造  型 目  標

 この科目は,立体構想の能力を養い,石膏による造型の実技を習得させ,あわせて紙・木材・金属その他の材料による造型の実技を身につけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 立体構成の独創的な構想とその実技を習得させる。

(2) 彫塑の基本実技を習得させる。

(3) 生産品の原型製作の基本理念とその実技を習得させる。

(4) 生産品・建設物の模型製作の実技を習得させる。

内  容

(1) 素材・形態・機能    (4) 原   型

(2) 立 体 構 成     (5) 模   型

(3) 彫   塑

 

9.設  計 目  標

 この科目は,材料力学および機構学に関する知識・機能に関する知識を習得させ,あわせて器具・機器の設計の制約条件を広く理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 物体に働く力を検討できるようにする。

(2) 器具の力学的,機能的設計ができるようにする。

(3) 工作法と設計の関連を理解させ,情況に応じた設計ができるようにする。

(4) 常に見聞を広め研究的態度を養い技術の向上をはかるようにする。

内  容

(1) 物 体 に 働 く 力    (4) 金 型 の 設 計

(2) 機械部品の設計        (5) 機 器 の 設 計

(3) 治具・工具の設計

 

18.図案に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,図案の基本的な表現技術と創意構想の能力を身につけさせ,鋭敏な美的感覚を養い,あらゆる産業の分野における意匠計画と図案表現の実技に習熟させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 形状・色彩の基本的な取扱方を理解させ,その表現技術を身につけさせる。

(2) 造形の感覚を豊かにし,独創の素質を養う。

(3) 工芸品および工業製品の図案表現実技を習得させる。

(4) 広告・宣伝の図案表現実技を習得させる。

(5) 設備・装置の図案表現実技を習得させる。

内  容

A.基 礎 図 案

(1) 基 本 構 成      (3) 模 様 構 成

(2) 図案資料の発見と表現   (4) 文 字 図 案

B.工 芸 図 案 (1) 平面工芸図案       (4) 服 飾 図 案

(2) 立体工芸図案       (5) 室内装備図案

(3) 機 器 図 案

C.商 業 図 案 (1) 広 告 図 案      (3) 展 示 図 案

(2) 包 装 図 案

 

2.製  図 目  標

 この科目は,図法一般を理解させ,製図の基本技法を習得させ形状の正確な図的表現能力を養い,さらに器物・建設物その他の作図技能を身につけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図用具の取扱に習熟させる。

(2) 平面図法を理解させ,その作図を習得させる。

(3) 立体図法を理解させ,その作図を習得させる。

(4) 器物・建設物の作図に習熟させる。

内  容

(1) 製 図 の 基 本    (5) 器 物 製 図

(2) 平面幾何図法       (6) 建 設 物 製 図

(3) 投 影 図 法      (7) 読図および規格

(4) 透 視 図 法

 

3.絵  画 目  標

 この科目は,正確な描写力を身につけさせ,美的情操を養い,各種の材料と技法による描画の実技に習熟させ,図案表現への応用に資することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 物象を正しく見きわめ,これを表現する能力を身につけさせる。

(2) 描画の基本技法を理解させ,その実技に習熟させる。

(3) 絵画のあり方を理解させ,鑑賞の根拠を身につけさせる。

内  容

A.絵 画 概 説

B.素   描

(1) 鉛筆デッサン     (3) クロッキー

(2) 木炭デッサン

C.洋   画 (1) 水 彩 画      (2) 油   画 D.日 本 画 (1) 水 墨 画      (2) 膠(こう)彩 画

 

4.造  型 目  標

 この科目は,立体構想の能力を養い,石膏による造型の実技を習得させ,あわせて紙・木材・金属その他の材料による造型の実技を身につけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 独創的な立体構想を練り,その表現実技を習得させる。

(2) 彫塑の基本技法を理解させ,その実技を習得させる。

(3) 生産品の原型製作および建設物の模型製作における基本理念を理解させる。

(4) 造型材料の取扱と製作の実技を習得させる。

内  容

(1) 素材・形態・機能     (4) 原   型

(2) 立 体 構 成      (5) 模   型

(3) 彫   塑

 

5.図 案 学 目  標

 この科目は,一般図案の基本理念を理解させ,創意構想の根拠を身につけ,産業の各分野における意匠の目標と原則を理解させ,それぞれの図案表現に関する資料を豊かにし,その意匠計画を適確にすることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 構成と配色の基本理念を理解する。

(2) 生産品の意匠図案に関する資料をきわめさせ,基本理念を理解させる。

(3) 広告・宣伝の意匠図案に関する資料をきわめさせ,基本理念を理解させる。

(4) 装備・装置の意匠図案に関する資料をきわめさせ,基本理念を理解させる。

内  容

(1) 構 成 原 理     (5) 工 芸 計 画

(2) 色 彩 原 理     (6) 工 芸 意 匠

(3) 図 案 資 料     (7) 室 内 計 画

(4) 商 業 意 匠

 

6.美術・工芸史 目  標

 この科目は,各国各時代における造形文化の推移を理解させ,その視野を広くし,工芸に対する鑑識を高め,意匠の根底を作ることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 建築・工芸・美術の変遷発達の径路を理解させる。

(2) 造形意匠の時代的特性と地域的特性を理解させる。

(3) 現代の形式と過去の形式との関連を認識させる。

(4) 新時代の潮流を理解させ,今後の発展への動向を認識させ,意匠図案との関連を緊密にさせる。

内  容

A.原始の世界

B.日本・東洋

(1) 古  代      (3) 近  世

(2) 中  世

C.西  洋 (1) 古  代      (3) 近  代

(2) 中  世

D.現代の世界

 

7.工 芸 工 作 目  標

 この科目は,各種材料の特質とこれらの利用による工芸技法または工作過程を理解させ,工芸一般に関する認識を深め,視野を広くし,工芸図案への関連を緊密にすることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種材料の性質と規格を認識させる。

(2) 各種の工芸技法と工作過程を理解させる。

(3) 工芸のあり方を理解させ,工芸品に対する鑑識を高めさせる。

(4) 簡易な試作または実験によって,工芸製作の実技の一端を習得させる。

内  容

(1) 染 色 工 芸     (6) 木 竹 工 芸

(2) 織 物 工 芸     (7) 塗 装 工 芸

(3) 陶 磁 工 芸     (8) プラスチック工芸

(4) ガ ラ ス 工 芸   (9) 印 刷 工 芸

(5) 金 属 工 芸     (10) そ の 他 の 工 芸

 

8.印 刷 写 真 目  標

 この科目は,各種製版・印刷の技法と一般写真の技術の概要を理解させ,図案との関連を緊密にし,かつこれらに対する鑑識を高めることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種製版・印刷の過程と技法を理解させ,各版式の特性を認識させる。

(2) 撮影と印画の技術を理解させ,写真の実用性および芸術性を認識させる。

(3) 簡易の印刷および写真の実技を習得させる。

内  容

A.印  刷

(1) 凸(とっ)版      (3) 凹(おう) 版

(2) 平    版     (4) 特 殊 印 刷

B.写  真 (1) 撮   影      (3) 印   画

(2) 現   像      (4) 商 業 写 真

 

9.宣 伝 企 画 目  標

 この科目は,宣伝企画全般にわたり,その基本的な組織と本質的な理念を理解させ,これが実際的な技術を習得させ,実技を身につけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 宣伝の媒体とその効果を認識させる。

(2) 宣伝の商業性および公共性を理解させる。

(3) 宣伝の立案とその実技を習得させる。

(4) 宣伝に関する実務を認識させる。

内  容

(1) 宣 伝 機 構     (4) 商 品 宣 伝

(2) 広 告 心 理     (5) 公 共 宣 伝

(3) 宣 伝 文 案     (6) 広 告 法 規

 

10.服 飾 手 芸 目  標

 この科目は,主として服飾手芸の全般にわりその基本技法を理解させ,応用の能力を養い,これが実技を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 服飾の基本理念とその技法を習得させ,実技の基礎を身につけさせる。

(2) 手芸の基本理念とその技法を習得させ,実技の基礎を身につけさせる。

(3) 服飾デザインの基礎と手芸図案の実技を習得させる。

内  容

A.基 本 手 芸

(1) 刺 し ゅ う     (3) 染   織

(2) 編     物     (4) そ の 他

B.生 活 手 芸 (1) セ ー タ ー     (3) そ の 他

(2) ク ッ シ ョ ン

C.趣 味 手 芸 (1) 造   花       (3) そ の 他

(2) 人   形

D.服 飾 デ ザ イ ン

 

19.印刷に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,印刷技術員としての基礎技術を正しく習得させ,それらの応用技能と器具・器材・諸材料の科学的管理能力を身につけさせ,各種製版・印刷の実技に習熟させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) いろいろな活版製版製作技能とその応用,組版製作および紙型・鉛版製作技能を養う。

(2) 活字鋳造製作技術を身につけさせる。

(3) 石版・金属板の製版技能を養う。

(4) 写真製版技術を正しく身につけさせ,その応用技能をも理解させる。

(5) 印刷機械の運転・操作技能を習得させる。

(6) 諸器具・器材・材料の科学的管理を実践させ,製品の判別力を養う。

内  容

A.活  版

(1) 和・欧文組版印刷     (3) 活 字 鋳 造

(2) 紙 型 鉛 版 製 作

B.平  版 (1) 石版製版印刷       (3) 多色製版印刷

(2) 亜鉛板製版印刷

C.写 真 製 版 (1) 製 版 写 真      (4) ラビア製版印刷

(2) 写真平版製版印刷     (5) コロタイプ製版印刷

(3) 写真凸版製版印刷

D.印刷機械操作 (1) 活版印刷機械操作     (2) オフセット印刷機械操作

 

2.製 版 印 刷 目  標

 この科目は,印刷全般に関する基礎知識を理解させ,それらの複製版製作工程および特殊印刷の多方面にわたる応用知識を身につけさせて,科学的な考察力と応用能力を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 活字および諸材料の構成・機能を理解させ,器具・器材の正しい使用と活版組版印刷の知識を養う。

(2) 石版・金属板の製版印刷の基礎理論を理解させ,その関連知識を深めさせる。

(3) 写真応用の平版製版印刷の製作知識を理解させ,その工程を理解させる。

(4) 各種特殊製版印刷工程の知識を理解させ,それらの応用範囲と関連性についての認識力を養う。

内  容

A.活  版 

(1) 活 字 の 構 成    (4) 植  字

(2) 材料と器具・器材     (5) 紙型・鉛版

(3) 文   選        (6) 活 字 鋳 造

B.平  版 (1) 石     版      (2) 金 属 平 版 C.特殊製版印刷 (1) 特殊凸版複製       (3) 紙以外への印刷

(2) 電気メッキ・電気版    (4) 各種応用製版印刷

 

3.写 真 製 版 目  標

 この科目は,写真一般の基礎理論を理解させ,写真の各工業技術への利用性の重要なことを認識させ,特に印刷への写真応用の必要なことを写真凸版・写真平版・写真凹版の各製作工程の知識と実習とを身につけさせて科学的考察力と応用能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 写真一般に関する科学的知識を理解させ,諸器具・器材・材料の正しい使用能力を身につけさせる。

(2) 製版写真の理論を理解させ,製版印刷への応用能力を養う。

(3) 広義の写真製版の各製作工程の方法を正しく理解させ,その関連性を深く認識させて身につけさせる。

内  容

A.製 版 写 真

(1) 乾板・フイルム写真   (3) 湿 板 写 真

(2) 印     画

B.写 真 凸 版 (1) 亜 鉛 凸 版     (3) 原 色 版

(2) 銅  網  版

C.写 真 平 版 (1) 卵 白 平 版     (3) プロセス版製

(2) ヴァンダイク法     (4) コロタイプ

D.写 真 凹 版 (1) 平板グラビア      (3) 多色グラビア

(2) 輪転グラビア

E.写 真 植 字

 

4.印 刷 機 械 目  標

 この科目は,機械成立の要素を理解させ,機械各部に働く力および運動について理解させ,印刷機械の性能と特性を認識させて,その操作の正しい扱方,故障の判別,自動化についての応用能力を身につけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 機械構成の基礎を理解させ,その運動の理論を理解させる。

(2) 印刷機械の特殊機能を理解させ,安全・合理的な機械器具の使用能力を養う。

(3) 異なる各種印刷機の性能を理解させ,その関連性を認識させる。

内  容

A.機 械 の 基

(1) 機 械 の 成 立     (5) 調 帯 伝 達

(2) 運 動 の 伝 達     (6) リ ン ク 仕 掛

(3) 摩   擦         (7) ク ラ ン ク

(4) 歯 車・カ ム

B.印 刷 機 械 (1) 印刷機分類         (3) 印 圧 測 定

(2) 印刷機の種類と用途     (4) 各版式印刷機

 

5.印 刷 材 料 目  標

 この科目は,製紙・印刷インキ・印刷製版用諸材料の一般的知識を理解させ,印刷用紙・インキの科学材料試験と諸材料の印刷適性についての考察力と応用能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製紙製造工程と印刷用紙としての適性を理解させ,それの使用判別力を養う。

(2) 印刷インキの原料とその製造工程を理解させ,いろいろの媒体類の一般知識と使用能力を身につけさせる。

(3) 印刷用諸薬品の性能を理解させ,その適切な使用能力を養う。

(4) 製本の知識を理解させ,印刷との関連性を計画する能力を養う。

内  容

A.製  紙

(1) 紙 の 原 料       (3) 紙の種類と分類

(2) 洋紙・和紙の製造      (4) 紙 の 検 査

B.印刷インキ (1) 製 造 工 程       (3) ワ ニ ス 類

(2) 各種インキの特性      (4) インキの試験

C.薬品・材料 (1) 高分子化合物        (2) 脂 肪・樹 脂 D.製  本

 

6.写 真 化 学 目  標

 この科目は,写真に関連する化学変化理論を正しく理解させ,科学的な写真化学の操作能力と計量器具の使用および写真薬品の分析能力を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 写真操作における化学反応の理論を理解させ,その応用能力を養う。

(2) 金属イオンの諸性質の理論と薬品鑑別の能力を養う。

内  容

A.写真光化学

(1) 写真光化学反応     (3) 補 力・減 力

(2) 現 像 と 定 着   (4) 天 然 色 写 真

B.分 析 化 学 (1) 金属イオン反応     (3) 未知検体の分離と確認

(2) 金属イオン分離

 

7.絵  画 目  標

 この科目は,描画の基礎理念を会得させ,明暗・形態の正しい描写を鉛筆画・水彩画の実技と技法を養い,印刷への関連性についての考察力と応用能力とを養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 素描の実技を身につけさせる。

(2) 色彩を加えた一般絵画技法を習得させる。

(3) 形態・明暗・構図等の各要素を理解させ,絵画と印刷の関連を認識させる。

内  容

A.素  描

(1) 絵 画 概 要    (2) 鉛 筆 画 B.水 彩 画 (1) 静   物      (3) 人   物

(2) 風   景

 

8.図 案・製 図 目  標

 この科目は,用器画の基礎図法,形態・色彩の扱い方,配色効果の理論と用法を理解させ,印刷図案への応用能力および他の意匠図案への計画・立案能力と創造・判別の能力を身につけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 図面の正しい見方,原稿の模写・拡大・縮小等の描写力,図案文字の正確な描画力を養う。

(2) 配分の表現能力,配色効果の技法,印刷効果への利用能力を養う。

(3) 各種印刷図案への応用製作技能を身につけさせる。

内  容

A.基 本 製 図

(1) 平面幾何図法      (3) 透 視 図 法

(2) 投 影 図 法

B.基 礎 図 案 (1) 図 案 構 成     (3) 図 案 材 料

(2) 色 彩 理 論     (4) 模 様 構 成

C.印 刷 図 案 (1) 新聞広告図案      (3) ポスター図案

(2) 一般広告図案

 

20.塗装に関する科目

 

1.実  習

A.塗装を主としたもの

目  標

 この科目は,塗装の専門科目を学習させるとともに,塗装技術の演習により塗装工業に従事する技術者としての資質を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 塗装の性能を理解させ,使用法を習得させる。

(2) 塗装の基本技法を習得・理解させる。

(3) 塗装用機器類の操作を習得させる。

(4) 塗装の生産性を熟知させ,工業塗装を習得させる。

(5) 塗装による美的感覚および創造能力をつちかう。

内  容

(1) 機械・器具の使用法      (4) 意 匠 塗 装

(2) 各種塗料による塗装      (5) 特 殊 塗 装 

(3) 各種材質に対する塗装

B.漆芸を主としたもの

目  標

 A案に準ずるも,地域産業の状況により漆(しつ)工技術の習得を主とする。

内  容

(1) 漆芸要具類の調整     (4) 漆 変 り 塗

(2) 下 地 塗 装      (5) 蒔(まき) 絵

(3) 上 塗 塗 装      (6) 漆加飾(蒔絵以外のもの)

 

2.製  図 目  標

 この科目は,図学を学ばせ,製図に関する技術に習熟させ,塗装技術者としての設計,図示の能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図用具の使用法を習得させる。

(2) 用器画法を理解させ,応用能力を養う。

(3) 読図能力を身につけさせる。

(4) 製図法の基本を習得させる。

(5) 設計書類の作成ができるようにする。

(6) 塗装工業の設計製図ができるようにする。

内  容

 図案に関する科目の「製図」の内容を参照のこと。

 

3.塗 装 法 目  標

 この科目は,塗装の目的を理解させ,塗装方法を習得させて生産性に対する知識を深めることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 塗装の性能を理解させる。

(2) 塗装の方法を学ばせる。

(3) 機械器具の操作方法を理解させる。

(4) 塗装体の試験法について学ばせる。

内  容

(1) 塗装の意義および目的      (4) 塗装の種類と性能

(2) 塗 装 工 業 の 現 状   (5) 各 種 塗 装 法

(3) 塗装機械・器具の操作

 

4.漆 加 飾 法 目  標

 この科目は,蒔絵その他漆による加飾方法を学習させ,これを基礎とした塗装加飾の応用力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 漆加飾に用いられる木材の知識を得させる。

(2) 蒔絵の方法を会得させる。

(3) 各種の(蒔絵以外)漆による加飾法を学ばせる。

(4) 漆に準ずる各種塗料による加飾の方法を理解させる。

(5) 基本的漆加飾の方法を学習させることにより,応用能力と改良創作の資質をつちかう。

内  容

(1) 加飾の意義および目的     (3) 蒔 絵 加 飾

(2) 要 具・材 料        (4) 蒔絵以外の加飾

 

5.塗 装 化 学 目  標

 この科目は,塗装材料の化学的学習を基礎とし,塗料の組成・製法・性質を理解させ,塗料の研究・管理・改善を理論的・実験的に学習させ,塗装技術者として必要な資質をつちかうことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 塗料原料の化学的性能を理解させる。

(2) 塗料化学を理解させ,塗料製造法を学ばせる。

(3) 塗料の試験方法および器具の操作を学ばせる。

内  容

(1) 顔   料     (8) ワ ニ ス

(2) 塗料用油脂     (9) 繊維素塗料

(3) 塗料用溶剤     (10) 合成樹脂塗料

(4) 樹   脂     (11) 乳化重合塗料

(5) 繊維素化合物    (12) 特 殊 塗 料

(6) 天然産塗料     (13) 塗料試験および規格

(7) 油性ペイント

 

6.工 芸 史 目  標

 この科目は,工芸文化の変遷発達の歴史を知らせることにより,新しい時代への工芸の創造意欲を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 工芸の発達とその様式・形態について理解させる。

(2) 日本と東洋の各時代における工芸様式の変遷と特質を理解させる。

(3) 西洋の各時代における工芸様式の変遷と特質を理解させる。

(4) 生活様式の変遷と近代工芸の動向を理解させる。

(5) 工芸品を鑑賞する能力を養う。

内  容

(1) 原始の世界     (3) 西   洋

(2) 東洋・日本     (4) 現代の世界

 

7.図  案 目  標

 この科目は,図案の基礎的知識および表現技術を習得させ,美的感覚を養うとともに創造性をつちかい,塗装技術者として広く応用できる能力を育成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 図案の原理を学習させる。

(2) 広く図案資料を発見させ,これを表現する能力を養う。

(3) 造型美の感覚と創造力をつちかう。

(4) 色彩の美的配色および機能配色を習得させる。

(5) 塗装工業に対する創作改良ができる資質を養う。

内  容

(1) 構 成 原 理     (5) 工 芸 計 画

(2) 色 彩 原 理     (6) 工 業 意 匠

(3) 図 案 資 料     (7) 室 内 計 画

(4) 商 業 意 匠

 

8.絵  画 目  標

 この科目は,描画の技術,絵画の鑑賞をとおして美の理解と創造力を育成し,情操を純化し,塗装技術者として必要な姿質をつちかうことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 物の形象と感覚を正しく写す能力を養う。

(2) 色彩について理解させ,色を効果的に表現する技術に習熟させる。

(3) 表現をとおして習得させた感覚や技術を塗装工芸に応用できる能力を養う。

内  容

(1) 絵 画 概 説     (3) 木炭画(デッサン)

(2) 鉛 筆 画       (4) 水 彩 画

 

9.造  型 目  標

 この科目は,形象・色彩の造型感覚および美的要素を理解させ,これを塗装工業に応用できる能力をつちかうことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 美的・機能的な形態を理解させ,創造力を養う。

(2) 色彩について理解させ,効果的表現の演習につとめさせる。

(3) 形態の機能的な構造について練習させる。

(4) 素材よりくる態覚とその利用方法を理解させる。

内  容

(1) 彫  塑     (3) 立 体 構 成

(2) 原  型

 

21.どの課程でもとりうる科目

 

1.工 場 経 営

目  標

 この科目は,企業と生産との合理化を図るために,科学的工場管理法と社会的な慣習を理解させ,企業内における個人と全体との合理的な関係をはあくし,能率的な生産手段を計画・実践する能力を養い,それぞれの工業の発展に寄与する素地をつくることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 工業経営について一般的知識を習得させる。

(2) 作業研究・工程研究を理解させ,合理的生産管理を計画できる能力を養う。

(3) 原価計算の重要性および方法を理解させる。

(4) 労務管理を理解させ,労働問題に対して正しく対処できるようにする。

(5) 近代的・生産的性格をもつ監督者として必要な知識・技能・態度を身につけさせ,現場訓練の方法を習得させる。

(6) 工場における災害防止・工場衛生を理解させる。

(7) 工場関係法規について理解させる。

内  容

(1) 生産と工場経営     (9) 賃 金 制 度

(2) 工 場 組 織     (10) 原 価 計 算

(3) 工 程 管 理     (11) 労 務 管 理

(4) 作 業 研 究     (12) 安 全 管 理

(5) 品 質 管 理     (13) 色 彩 管 理

(6) 工 具 管 理     (14) 監  督  者

(7) 運 搬 管 理     (15) 工 業 の 経 営

(8) 倉 庫 管 理     (16) 労 働 関 係 法 規

 

2.工 業 概 説 目  標

 この科目は,近代産業において工業のしめる使命と現代工業の経営形態を理解させ,工業人としての使命の自覚を深めさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 世界の産業と生産技術の発達について理解させる。

(2) わが国の産業の発達について理解させる。

(3) 現代産業構造における工業の構成,その役割について理解させる。

(4) 工業生産形態の変遷について理解させる。

(5) 経営の諸形態を理解させ,考察する能力を養う。

(6) 工業管理組織と管理方法について理解させる。

(7) 価格の形成とその変動について理解させ,工業生産市場について考察させる。

(8) 工業政策の推移について理解させ,経済自立と工業人の使命の認識を深めさせる。

内  容

(1) 産業の発展と生産技術     (3) 工業経営の形態とその管理

(2) 産業構造と工業生産      (4) 国民経済と工業人の使命

 

3.工業関係法規  この科目は,工業の各課程に必要な法規を系統だてて学習させるもので,内容はそれぞれの課程において異なる。(各課程の科目の内容を参照のこと)

 

4.機 械・電 気 目  標

 この科目は,機械および電気の基礎的知識を理解させ,それぞれの課程の技術に応用できる能力をつちかうことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

A.機  械

(1) 機械要素の概要を理解させる。

(2) 機械工作の概要を理解させる。

(3) 原動機の種類・構造・機能について理解させる。

(4) 各種の機械の構造や機能を理解させる。

B.電  気 (1) 電気理論の基礎を理解させる。

(2) 電気計測器の種類・原理・特性の概要を理解させ,電圧・電流・電力等の簡単な測定ができるようにする。

(3) 電気機械の構造・原理・特性を理解させる。

(4) おもな電気応用の施設・設備について理解させる(電燈・照明・電熱)。

(5) 各種電気通信法の概要を理解させる。

内  容

A.機  械

(1) 機 械 の 要 素   (4) 各 種 機 械

(2) 材 料 力 学     (5) 原 動 機

(3) 機 械 工 作

B.電  気 (1) 電 気 理 論     (4) 電 力 設 備

(2) 電 気 計 測     (5) 電 気 応 用

(3) 電 気 機 器     (6) 電 気 通 信

 (注) 普通課程において,この科目を履修させる場合には,一般教養の観点から上記の事項の平面的な理解にとどめず,理科の物理との重複を避けるとともに,努めて実践的活動を通じて学習するよう指導する。

 

5.自 動 車 一 般  この科目は,工業課程において,自動車課程以外の課程のものが履修する場合と,工業課程以外の課程(たとえば普通課程とか農業課程など)のものが履習する場合とで,その目標に多少の相違のあることが考えられる。また,同じ工業課程においても,機械課程のものが履修する場合と土木課程などのものが履修する場合とで,その取扱方が異なることが考えられる。

 ここに,それらのいずれにも適用される共通的なものを取り上げて示した。

目  標

 自動車課程以外の課程のものに自動車工業の概要を理解させ,自動車の構造・機能を知らせ,運転・整備の技能を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 自動車を通じて,機械文明の発達と国民生活の関連を理解させる。

(2) 総合工業として自動車工業のあらましが理解できるようにする。

(3) 自動車の生産を中心とした各種の生産工場のしくみが理解できるようにする。

(4) 自動車の構造や機能のあらましが理解できるようにする。

(5) 点検・保守のあらましを理解させ,簡単な修理ができるようにする。

(6) 正しい操縦法を理解させ,基礎的な運転ができるようにする。

(7) 関係法規を理解させ,健全な自動車交通のあり方がわかるようにする。

内  容

(1) 自動車の歴史        (8) 走行抵抗と性能

(2) 自動車の関連工業      (9) 点 検・保 守

(3) 自動車の生産        (10) 自動車の修理

(4) 自動車の概要        (11) 運  転  法

(5) 自動車機関         (12) 自 動 車 交 通

(6) シ  シ         (13) 関 係 法 規

(7) 車   体

 

6.電 気 一 般 目  標

 この科目は,電気関係以外の課程において,電気工学の一般を理解することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 直流に関する基本的な性質を理解させ,簡単な応用と回路の計算ができるようにする。

(2) 電気と磁気の関係について理解させ,その応用ができるようにする。

(3) 交流の基本的な性質を理解させ,簡単な計算ができるようにする。

(4) 電気計測器の種類・原理の大要・特性などを理解させ,電圧・電流・電力などの簡単な測定ができるようにする。

(5) 電気機器の原理・構造の大要,その特性などを理解させ,機器の簡単な取扱ができるようにする。

(6) 水力および火力発電所の構成・運転の概要を理解させ,電力事情について理解させる。

(7) 送配電系統の構成について理解させ,電気工事方法を理解させる。

(8) 電気法規の大要と屋内配線工事方法を理解させる。

(9) おもな電気応用の施設設備・電燈照明・電熱・電気化学・電気鉄道その他について理解させる。

(10) 電気通信の現状と各種電気通信の概要を理解させる。

(11) その課程に関連ある電気技術を習得させる。

内  容

(1) 電 気 理 論     (5) 電 気 応 用

(2) 電 気 計 測     (6) 電 気 通 信

(3) 電 気 機 器     (7) そ の 他

(4) 電 力 設 備

 (注) 普通課程においてこの科目を履修せさる場合には,一般教養の観点から上記の事項の平面的な理解にとどめず,電気応用に重点をおいて,理科の物理との重複を避けるとともに,努めて実践的活動を通じて学習するように指導する。

 

7.機 械 一 般 目  標

 この科目は,機械課程以外の課程のものに機械工業に関する広い知識と技能とを与え,機械技術の文化的・生産的価値を理解させ,これをとおして工業技術に対する認識を深めさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 機械工業のしめる領域を知らせ,機械工業と他の工業との関連を理解させる。

(2) 機械の製作工程の大要を理解させ,機械製作についての知識と技能を習得させる。

(3) 機械に使用する材料の種類・性質・用途および材料試験について理解させ,材料を適切に使用できる能力を養う。

(4) 原動機の種類・構造・用途を知らせ,その作用を理解させる。

(5) 工場の付帯設備・機械の種類・構造・用途を理解させる。

内  容

(1) 機 械 工 業     (4) 機 械 の 設 計

(2) 機 械 工 作     (5) 原 動 機

(3) 機 械 材 料     (6) 工場の付帯設備・機械

 (注) 普通課程において,この科目を学習させる場合には,一般教養の観点から,上記の事項の平面的な理解にとどめず,理科の物理との重複を避けるとともに,努めて実践的活動を通じて学習するように指導する。

 

8.建 築 一 般 目  標

 この科目は,建築工業の大要とその基礎的事項について理解させ,簡単な建築物の設計・施工・管理に応用できる能力をつちかうことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 建築工業の特質について理解させる。

(2) 建築材料および構造の概要を理解させる。

(3) 建築計画の概要を理解させる。

(4) 建築施工の概要を理解させる。

(5) 建築関係法令の概要を理解させる。

内  容

(1) 建 築 の 概 要    (4) 建 築 計 画

(2) 建 築 材 料      (5) 建 築 施 工

(3) 建 築 構 造      (6) 建 築 法 規

 (注) 普通課程において,この科目を履修させる場合には,一般教養の観点から,上記の事項の平面的な理解にとどめず,理科との重複を避けるとともに,努めて実践的活動を通じて学習するように指導する。

 

9.土 木 一 般 目  標

 この科目は,土木課程以外の課程において,土木工学の一般を理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 基本的な測量ができるようにする。

(2) 構造物の概要を理解させる。

(3) 土木材料および土木施工法の概要を理解させる。

内  容

(1) 測量および測量実習     (4) 土 木 施 工

(2) 土 木 材 料       (5) 構造物の概要

(3) 応 用 力 学 概 要

 (注) 普通課程において,この科目を履修させる場合には,一般教養の観点から上記の事項の平面的な理解にとどめず,理科との重複を避けるとともに,努めて実践的活動を通じて学習するように指導する。

 

10.工業化学一般 目  標

 この科目は,工業化学課程以外の生徒に,化学工業およびその製品に関する一般的知識を与えることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 主要な化学工業製品について理解させる。

(2) 化学工業で用いるおもな操作および装置について理解させる。

(3) 化学工業製品について,簡易な鑑定・識別を行うことができるようにする。

(4) 化学工業と他の産業との関係について理解させる。

(5) 化学工業の特質とその将来について認識させる。

内  容

(1) 化学工業の特質         (3) 有機化学工業とその製品

(2) 無機化学工業とその製品     (4) 化学工業と他の産業

 (注) 普通課程において,この科目を学習させる場合には,一般教養の観点から上記の事項の平面的な理解にとどめず,理科の化学との重複を避けるとともに,努めて実践的活動を通じて学習するように指導する。

 

11.染 色 一 般 目  標

 この科目は,色染以外の課程において色染仕上加工に関する一般的知識を理解させ,それを簡単な加工に応用できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 繊維加工工業における染色・仕上工業の位置について理解させる。

(2) 染色・仕上加工法の概要につい理解させる。

(3) おもな染色・仕上加工用材料の性質・用途について理解させる。

(4) おもな染色・仕上用機器の種類と機能について理解させる。

(5) 簡単な試験染ができるようにする。

内  容

(1) 染色・仕上工業      (4) 捺(なつ)染

(2) 精 錬・漂 白      (5) 織 物 仕 上

(3) 浸   染

 

12.紡 織 一 般 目  標

 この科目は,紡織以外の課程において,紡織工業に関する広い知識と技能とを与え,紡織製品と紡織機械に対する理解を深めることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 糸および布帛(はく)類の製造法の概路と用途を理解させる。

(2) 糸の種類・性質を鑑別する能力を養う。

(3) 布帛類を構成する糸の状態と鑑別法を理解させる。

(4) 紡織工場における機械の機構・作用を理解させる。

(5) 平易な紡織計算ができるようにする。

内  容

(1) 繊 維 工 業 一 般    (4) 紡 織 機 械

(2) 紡織原料と糸の製造      (5) 紡織製品の鑑別

(3) 布帛類の構造と製造法     (6) 紡 織 計 算

 

13.採 鉱 一 般 目  標

 この科目は,採鉱課程以外の課程で,鉱山・炭鉱の基幹作業である採鉱技術の大要を学ばせ,その科学的・技術的根拠と鉱山諸技術の理解を深めることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉱山技術の大要を理解させる。

(2) 探鉱技術と鉱床形態による各種探鉱法を理解させる。

(3) 採掘された鉱石・石炭などの運搬法ならびに運搬上の保安につき理解させる。

(4) 鉱山・炭鉱における通気法の理論の概要と保安上の重要性を認識させる。

内  容

(1) 採鉱技術の大要      (4) 坑 内 運 搬 法

(2) 採鉱法と試錐法      (5) 通   気

(3) 坑内露天採掘法      (6) 排水および照明

 

14.冶 金 一 般 目  標

 この科目は,冶金課程以外の課程において,冶金一般を総括的に学習させ,冶金技術の概要を理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉱石を炉に装入する前の各種の予備処理法・使用機器について理解させる。

(2) 鉄冶金・銅製錬,金・銀・鉛の乾式製錬法について理解させる。

(3) カドミウム・ニッケル・コバルト・すずの製錬法について理解させる。

(4) 銅・亜鉛の精錬,軽金属の電解製錬について理解させる。

内  容

(1) 予 備 処 理      (3) 湿 式 冶 金

(2) 乾 式 冶 金