11.色染に関する科目

 

1.実  習

内  容

 この科目は,染色・仕上加工に関する科目の学習による技術的知識を基礎とし,染色技術者として必要な試験・作業などの技能および勤労を重んじ,仕事を科学的に処理する態度と習慣を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 可染物の種類に応じて,染料薬品を適切に選定することができるようにする。

(2) 染料・薬品の評価と適性試験ができるようにする。

(3) 試験染めの技術に習熟させる。

(4) 染料の混合と色合わせができようにする。

(5) 現場染色および仕上の要素的作業を習得させ,現場作業を指導監督する素地ができるようにする。

(6) 染色仕上工場の機械および電気設備を正しく安全に操作できるようにする。

(7) 染色工場・試験室を管理する能力の素地を養う。

(8) 仕事に親しみ進んで行う態度と習慣を養う。

(9) 加工の原理をよく理解させて,仕事を遂行する態度と習慣を養う。

(10) 仕事を科学的に計画をたてて遂行し,その結果を批判する態度と習慣を養う。

内  容

(1) 精練・漂白実習     (3) 捺(なつ)染実習

(2) 浸 染 実 習     (4) 織物仕上実習

 

2.製  図 目  標

 この科目は,平易な図面を正しく読みかつ描きうる能力を養うとともに,機械の見取図または部品の設計図など要点をつかんで図示しうる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 基本製図を理解させそれぞれを読みかつ描けるようにする。

(2) 製図規格を理解させ応用できるようにする。

(3) 染色用機械の見取図または部品の設計図を描くことができるようにする。

(4) 写図・青図を作ることができるようにする。

内  容

(1) 基 礎 製 図

(2) 機 械 製 図

(3) 写図および青図

 

3.繊  維 目  標

 この科目は,可染物として重要な糸・布・メリヤスなどの構成原料である繊維について,染色加工上必要な基礎知識を理解させ,加工面に適切に応用できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 産業構造における繊維工業の重要性について理解させる。

(2) 天然および化学繊維の種類・製法・構造・性質・応用について理解させる。

(3) 繊維の定性および定量分析法を理解させる。

(4) 繊維製品の種類および特性について理解させる。

(5) 繊維製品の規格および試験・検査法を理解させる。

内  容

(1) 繊 維 工 業       (4) 繊維の構造と性質

(2) 繊 維 の 種 類     (5) 繊 維 製 品

(3) 繊 維 の 製 造     (6) 繊維および繊維製品の試験法

 

4.染  色 目  標

 この科目は,可染物の染色加工技術,すなわち精錬・漂白・浸染・捺染に必要な加工材料・加工用機器および加工法に関する基礎的知識を理解させ,現場作業および試験に応用できる能力を養うことを目標とし,実習と関連して次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 染色工業の性格と重要性を理解させる。

(2) 染色加工の作業内容とそれらの相互の関連性を理解させる。

(3) 染色加工の原理と方法を理解させる。

(4) 色混合と色合わせの原理と方法を理解させる。

(5) 染色薬剤の種類・性質,有効な使用法を理解させる。

(6) 染色作業用機器と試験用機器の種類・構造・機能・取扱法を理解させる。

(7) JISおよびその他の規格による染色物試験法を理解させる。

内  容

(1) 染 色 工 業    (8) 浸 染 用 薬 剤

(2) 精練・漂白法     (9) 捺 染 用 薬 剤

(3) 浸 染 法      (10) 精棟・漂白用機器

(4) 捺 染 法      (11) 浸 染 用 機 器

(5) 色混合・色合わせ法  (12) 捺 染 用 機 器

(6) 染 色 用 水    (13) 染 色 物 試 験 法

(7) 精練・漂白用薬剤

 

5.織 物 仕 上 目  標

 この科目は,染色加工した織物の仕上加工技術に必要な加工材料・加工用機械および加工法に関する基礎的知識を理解させ,現場作業および試験に応用できる能力を養うことを目標とし,実習と関連して次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 織物仕上工業の性格と重要性を理解させる。

(2) 織物仕上の一般的仕上工程および特殊仕上工程の順序・方法・効果を理解させる。

(3) 織物仕上の原理と方法を理解させる。

(4) 織物仕上用のり剤および特殊仕上用剤の種類・性質,有効な使用法を理解させる。

(5) 織物仕上加工用機械の種類・構造・機能・取扱法を理解させる。

(6) JISおよびその他の規格による仕上検査法を理解させる。

内  容

(1) 織物仕上工業        (4) 織物仕上用機械

(2) 織 物 仕 上 法     (5) 仕上品検査法

(3) 織物仕上用剤薬

 

6.染  料 目  標

 この科目は,染色加工の主要材料である染料(有機顔料を含む)について,染色技術上必要な,化学構造・染色性・合成法・試験法などに関する基礎的知識を理解させ,染色理論への理解を深めるとともに,加工面に適切に応用できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 染料合成工業と染色工業との関連性を理解させる。

(2) 染料の化学構造と色および染色性の関係を理解させる。

(3) 中間体と染料について,その合成法を理解させる。

(4) 染料の繊維に対する染着機構を理解させる。

(5) 染料試験法と測色法を理解させる。

(6) おもな有機顔料について,その構造・性質などを理解させる。

内  容

(1) 染 料 工 業      (5) 染 料 試 験 法

(2) 染 料 の 種 類    (6) 測 色 法

(3) 中問体と染料の合成    (7) 有 機 顔 料

(4) 染料化学構造と性質

 

7.染 色 薬 品 目  標

 この科目は,染色仕上加工全般に使用される薬品を,染色技術的および工業化学的に深く理解させ,加工面に適切に応用できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 染色薬品を系統的・化学的により深く理解させる。

(2) 染色薬品を商品学的に理解させる。

(3) 染色薬品の組成・製法・性質・用途を理解させる。

(4) 染色薬品の応用面における作用を理解させる。

(5) 染色薬品の評価法およびその他の試験法を理解させる。

内  容

(1) 染色用無機薬品       (5) 繊維加工用のり剤

(2) 染色用有機薬品       (6) 合 成 樹 脂

(3) せっけんおよび合成洗剤   (7) 染色薬品試験法

(4) 染色用界面活性剤      (8) そ の 他

 

8.分 析 化 学 目  標

 この科目は,分析化学の基礎的事項および繊維・染料・染色薬品に関する化学試験法を理解させ,その応用ができる能力を養うことを目標とし,実習を通じて次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 化学分析の基礎理論と操作および結果の正しい処理法を理解させる。

(2) 化学分析用器具・薬品の取扱に習熟させ,これを管理することができるようにする。

(3) おもな陽イオンと陰イオンを検出することができるようにする。

(4) 基礎的な定量分析操作を行うことができるようにする。

(5) 繊維の定性および定量分析ができるようにする。

(6) 染色用水・染色薬品に関する化学試験法を理解させ,それを応用することができるようにする。

(7) 染料試験法を理解させ,それを応用することができるようにする。

 また簡単な染料の合成実験ができるようにする。 内  容

(1) 定 性 分 析     (4) 染色用水試験

(2) 定 量 分 析     (5) 染色薬品試験

(3) 繊 維 分 析     (6) 染料試験(染料合成を含む)

 

9.図  案 目  標

 この科目は,図案作製に関する基礎的な知識と技能とを習得させ,便化応用と創造の能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 色彩の調和を理解させ調色ができるようにする。

(2) 図案法を理解させ,独創的な図案を描くことができるようにする。

(3) 図案資料の取捨選択ができるようにする。

(4) 用途に応じた図案を描くことができるようにする。

内  容

(1) 染織品の色と図案    (3) 便化適合図案

(2) 色   彩       (4) 染織物図案

 

12.紡織に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,紡織に関する基礎的な知識の理解を深めるために行う実験および技術的作業を理解させるために行う実験的作業を有機的に関連づけ,あわせて技能を習得させるものである。

 この科目においては各作業を通じて現場における生産の計画・研究・管理・改善などの基礎的能力を身につけさせ,仕事に対する責任,正しい作業・態度・習慣を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 糸・織物・編組物などのそれぞれの製造工程を関連づけて理解させるとともに,一つ一つの作業がたいせつであることを体得させる。

(2) 紡織機械の機構・作用を理解させ,正しい操作・整備・保全法を習得させる。

(3) 紡織工場を経営管理する能力を養う。

(4) 現場作業を指導監督,改善しうる能力を養う。

(5) 試験・研究・調査の計画実施,生産の企画に関する基礎的能力を養う。

(6) 作業調査・試験結果に基き生産の改善向上を図ることができるようにする。

(7) 紡織機械の分解・組立・すえ付・試運転ができるようにする。

(8) 技術と経済の関係を理解させ,合理的・計画的に作業を遂行する態度・習慣を養う。

内  容

(1) 繊維製品の観察と試験      (7) 撚(ねん)糸 実 習

(2) 織物分解設計および意匠実習   (8) 染色仕上実習

(3) 製織準備実習          (9) 機械工作実習

(4) 製 織 実 習         (10) 電 気 実 習

(5) 紡 績 実 習         (11) 工 場 調 査

(6) 編 組 実 習         (12) 機械の分解組立整備実習

 

2.製  図 目  標

 この科目は,紡織技術者として必要な基本的な機械図面を正しく読みかつ描きうる知識と技能を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 基本製図を理解させそれを読みかつ描けるようにする。

(2) 製図規格を理解させ応用できるようにする。

(3) 紡織機械の見取図または部分品の設計図を描くことができるようにする。

(4) 写図・青図を作ることができるようにする。

内  容

(1) 製図規格と基礎製図      (3) 紡 織 機 械 製 図

(2) 機 械 製 図        (4) 写図および青図焼付

 

3.機  織 目  標

 この科目は,織物の製造法を習得させ,織物の種類または織物を構成する組織に応じて製造工程・加工法および使用機械を理解させ,あわせて応用創造の能力を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種類の織物の組織・意匠図・織方図を作りだすことができるようにする。

(2) 織物構浩と色糸の関係を理解させる。

(3) 基礎的な機織計算ができるようにする。

(4) 普通織物および紋織物の設計法を理解させる。

(5) 織物の種類や組織に応じて使用器具・機械を選択し,機仕掛を計画することができるようにする。

(6) 機織用機械の機構・性能を理解させ,操作法・保全法・調整法を習得させる。

(7) 必要に応じ機織用機械の部分品を設計し改善することができるようにする。

(8) 機械の生産高・運転率を知って織布工場を設計することができるようにする。

(9) 設計書に基き織物を作ることができるようにする。

(10) 機織用品の良否を鑑別し選択することができるようにする。

内  容

(1) 織物の製造     (6) 紋 織 物

(2) 原組織織物     (7) 製織準備と準備機械

(3) 重ね織物      (8) 力 織 機

(4) パイル織物     (9) 織物設計と規格

(5) もじり織物

 

4.紡  績 目  標

 この科目は,紡績に必要な材料・機械およびその工程について習得させ,材料の種類・品質・性質に応じて使用する機械とその構造・機能・操作法・標準的動作を理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 紡績原理とその目的を理解させる。

(2) 機械の標準的操作秩および動作を理解させる。

(3) 紡績原料の種類および品質の鑑別ができ,原料に応じて適当な機械を撰択することができるようにする。

(4) 紡績機械の機構・作用を理解させ保全調整法を習得させる。

(5) 基礎的な紡績計算ができるようにする。

(6) 必要に応じて紡績機械の部分品を設計し改善することができるようにする。

(7) 機械の生産高・運転率を理解させ,紡績工場の設計ができるようにする。

内  容

(1) 紡 績 概 説      (5) 麻 糸 紡 績

(2) 綿 糸 紡 績      (6) ス フ 紡 績

(3) 毛 糸 紡 績      (7) 撚糸と撚糸機械

(4) 絹 糸 紡 績

 

5.編  組 目  標

 この科目は,編組物の製造法と編組物による製品の製造法を習得させ,編組物を構成する糸の状態に応じて製造工程・加工法およびこれに使用する機械の構造・機能について理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 編組物の構成を理解させ,これを作るに必要な工程と機械を選択することができるようにする。

(2) 編組用機械の機構・作用を理解させ,操作・保全・調整を習得させる。

(3) 編組物に関する基礎的な計算ができるようにする。

(4) 編組物加工の方法を理解させる。

(5) 必要に応じて編組機械の部分品を設計し改善することができるようにする。

内  容

(1) メ リ ヤ ス 概 説     (5) レースとレース機械

(2) 緯メリヤス組織と機械      (6) 網 と 製 網 機 械

(3) 経メリヤス組織と機械      (7) 編 組 物 加 工

(4) 組物と組物機械

 

6.繊  維 目  標

 この科目は,紡績工場における基本原料である繊維について,その種類・製法・性質・用途および試験法を理解させることを目標とし,次の一事項の達成を目ざすものである。

(1) 産業上繊維資源の重要性を理解させる。

(2) 天然繊維の種類・製造・構造・性質・応用を理解させる。

(3) 化学繊維の種類・製造・構造・性質・応用を理解させる。

(4) 繊維試験規定を理解させ,物理的および化学的試験法を理解させる。

内  容

(1) 繊 維 の 種 類     (3) 繊 維 の 性 質

(2) 繊 維 の 製 造     (4) 繊推およひ糸の試験法

 

7.図  案 目  標

 この科目は,染織物図案の構成に関する基本的な要素を理解させ,図案作成上の資料および配色・調色について必要な知識と技能とを習得させ,あわせて応用創造の能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 図案法を理解させ独創的な図案を描くことができるようにする。

(2) 構成と色彩の調和を理解させ,調色ができるようにする。

(3) 図案資料を豊かにしその取捨選択ができるようにする。

(4) 用途に応じ適切な図案を描くことができるようにする。

内  容

(1) 染織品と図案      (3) 図 案 資 料

(2) 構成と色彩の原理    (4) 染 織 物 図 案

 

8.機 械 設 計 目  標

 この科目は,機素の設計法を理解させ,紡織機械の改善くふうのための設計に必要な知識を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) JISを理解させ機素の設計ができるようにする。

(2) 紡織機械部分品の形や大きさの決め方を理解させ,設計することができるようにする。

(3) 用途に応じ材料の選択ができるようにする。

内  容

(1) 材料の選択      (3) 紡織機械部分品の設計

(2) 機素の設計

 

9.機 械 工 作 目  標

 この科目は,機械を製作することの概略を理解させ,紡織機械の保全修理に必要な平易な工作法を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鋳物の作り方を理解させる。

(2) 鍛造のしかたを理解させる。

(3) 仕上の方法を理解させ,仕上工具を使用することができるようにする。

(4) 工作機械の名称および操作法を理解させる。

(5) 測定器の原理を理解させ,これを使用することができるようにする。

内  容

(1) 鋳   物     (4) 工 作 機 械

(2) 鍛 造 品     (5) 測 定 器 具

(3) 手仕上と工具

 

13.採鉱に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,鉱山・炭鉱・油田などにおける技術的業務について,有機的に関連する諸科目の学習を基礎として,体験的に採鉱技術者に必要な知識・技能・態度を養成し,あわせて指導統率の能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種物理探鉱機とその操作を理解させ,選択・立案・作業ができるようにする。

(2) 鉱山機械の機構を理解させ,取扱・操作に習熟させる。

(3) 坑内ガス・炭塵(じん)の計測ができ,各種の実験ができるようにする。

(4) 坑内支保の各種作業過程を一貫して体得させる。

(5) 一般的な地形・地積測量に習熟させ,鉱山測量ができるようにする。

(6) 各種の選鉱法および選鉱機械の操作ができ,実験計画をたてて,実操業上の基礎的試験ができるようにする。

(7) 鉱物・岩石の各種鑑定法および分析に習熟させ,また地質調査により地質図・坑内鉱床図の作製ができるようにする。

内  容

(1) 採 鉱 実 習     (3) 選 鉱 実 習

(2) 測 量 実 習     (4) 地質鉱物実習

 

2.製  図 目  標

 この科目は,製図方式および基本的な機械・部品の設計・製図に習熟させ,鉱山諸機械に必要な設計・製図能力ならびに読図能力を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図用具の使用に習熟させる。

(2) 基本的用器画法に習熟させる。

(3) 製図法を理解させる。

(4) 機械部品および簡単な鉱山機械の製図ができるようにする。

(5) 各種鉱山機械器具の設計図を正確に読み,簡単な鉱山機械の設計ができるようにする。

内  容

(1) 文 字 と 線     (6) 平 歯 車

(2) 投 影 画 法     (7) コールピック

(3) ボルト・ナット     (8) 鉱山機械の設計製図

(4) べ ル ト 車     (9) 各種運搬の設計製図

(5) フランジ接手

 

3.採  鉱 目  標

 この科目は,鉱産資源の開発・採掘・運搬および採掘に伴う諸作業の基礎理論・技術的根拠を理解させ,現場において能率的な生産手段を計画・実践できる知識・技能および鉱山技術の進歩改善に寄与する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 採鉱技術について総合的・歴史的に考察させ,採鉱技術の概要を理解させる。

(2) 試錐(すい)および物理探鉱法を理解させ,簡単な調査および測定結果の解釈,地下状態の判定ができるようにする。

(3) 各種開坑方式について理解させ,鉱床の状況による開坑法の選定,坑道位置の決定ができるようにする。

(4) 掘さく機の構造・機能等を理解させ,採掘計画ができるようにする。

(5) 竪坑開さくについて,種々の方式,付随作業を理解させる。

(6) 露天採掘・坑道掘進の諸種を理解させ,採掘方式の選定・計画・設計および作業ができるようにする。

(7) 保坑に対する盤圧について理解させ,坑内構造の種類に応じて適当な保坑法の選定・計画・設計ができるようにする。

(8) 坑内運搬・竪坑運搬の諸種の運搬法および運搬諸機械を理解させ,運搬計画・鉱車軌道の選定・施設・作業ができるようにする。

(9) 坑内通気について理解させ,通気観測・通気法の選定ができるようにする。

(10) 排水・照明について理解させ,選定・計画・設計ができるようにする。

内  容

(1) 採鉱技術の概要       (6) 坑内および露天採掘法

(2) 採鉱法と試錐法の概要    (7) 盤圧および支柱

(3) 開   坑         (8) 坑 内 運 搬

(4) 掘 さ く         (9) 坑 内 空 気

(5) 竪坑掘さく         (10) 排水および照明

 

4.選  鉱 目  標

 この科目は,採掘された鉱石を有効適切に処理して選鉱成績を向上させるため,選鉱の基礎原理,選鉱機械操業法および研究法につき総括的にはあくさせ,現場操業に適応する能力と態度を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 選鉱・選炭について,その重要性おびよ作業の大要を理解させる。

(2) 分粒について諸種の篩(ふるい)分機械の機構・特性・作用を理解させ,計画・選択・操作・応用ができるようにする。

(3) 破砕について粗砕・中砕・粉砕の方式および分級機・砕鉱機の構造・特性を理解させ,簡単な計画ならびに機械の選択・操作ができるようにする。

(4) 選鉱産物の濃縮・脱水作業およびこれらの機械の構造・機能を理解させ,効果的な処置をとることができるようにする。

(5) 各種選鉱法の基礎理論およびこれらの機械の構造・作用・特性を理解させ,各種粗鉱に対する選鉱方式の選択,簡単な計画・試験ができるようにする。

(6) 各種洗炭機の構造・機能を理解させ,可洗曲線を描くことができるようにする。

(7) 選鉱の実例を各鉱山について考察させ,系統図を理解させる。

内  容

(1) 選鉱・選炭の概要     (6) 浮 遊 選 鉱 法

(2) 分  粒         (7) 磁 力 選 鉱 法

(3) 破砕および分級      (8) 重 液 選 鉱 法

(4) 濃 縮・脱 水      (9) 水 洗 機 各 論

(5) 比 重 選 鉱 法    (10) 可 洗 曲 線

 

5.地 質 鉱 物 目  標

 この科目は,地殻の構造・地史・岩石・鉱物の成因・組成・性質の一般的知識および地質調査鑑定・分析の科学的根拠を理解させ,鉱山・炭鉱・油田などの現場における技術的業務の各分野に活用し,応用できる知識・技能・態度を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 地球と地殻について理解させる。

(2) 地殻の構成単位である火成岩・水成岩・変成岩について,成因・性質・産状等を理解させ,鑑定および産状の判定ができるようにする。

(3) 地殻の構造・変化・運動について理解させ,露頭における構造から地下の状態を判定できるようにする。

(4) 地史について理解させ,化石の鑑定,地層の時代決定ならびに地質図が描けるようにする。

(5) 鉱物・岩石の物理的・化学的性質を理解させ,鉱物・岩石の鑑定ができるようにする。

(6) 鉱物の結晶を理解させ,肉眼ならびに検鏡による鉱物の鑑定ができるようにする。

内  容

(1) 地 球 の 概 要      (6) 地質図の描き方

(2) 地殻を構成する物質      (7) 鉱物の物理的,光学的性質

(3) 地 殻 の 構 造      (8) 鉱 物 の 鑑 定

(4) 地球発達の歴史        (9) 結   晶

(5) 日本地質構造の概要

 

6.火  薬 目  標

 この科目は,採鉱技術者として必要な鉱業火薬類の組成・性質・用途を理解させ,それらを能率的・経済的に利用できる基礎的理論と技術を習得させ,各鉱山・炭鉱などの火薬係員の業務が実践できる能力と態度を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉱業用火薬について製造法・組成・性質・構造・用途の基礎的知識を理解させ,火薬類の選択ができるようにする。

(2) 鉱業用火薬類について各種の試験法を理解させ,簡単な試験ができるようにする。

(3) 発破作業を理解させ,装填・薬量の計算ができ,発破および発破後の処置が行なえるようにする。

(4) 法規を理解させ,現場における火薬係員の業務が実践できるようにする。

内  容

(1) 火薬の概要     (5) 火薬の理化学的性質およびその試験法

(2) 火   薬     (6) 火薬類の取扱

(3) 爆 破 薬     (7) 爆 破 理 論

(4) 火 工 品

 

7.鉱 山 保 安 目  標

 この科目は,坑内外作業における安全度を高め,鉱物資源の合理的開発をするため,坑内外特に坑内における諸現象・諸作業の変災を引き起す要素について学習させ,それらの予防と対策の基礎知識を科学的・技術的に理解させ,坑内外の技術的進歩に応ずる創意くふう,応用の知識・技能および研究的態度の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉱山変災の状況を具体的・実証的に理解させ,保安確立の必要性を理解させる。

(2) 坑内通気を理解させ,通気計画.通気施設の点検・管理および通気効果の測定ができるようにする。

(3) 坑内爆発の諸因子を理解させ,その予防と対策ができるようにする。

(4) その他諸因子による災害につき理解させ,その予防と対策ができるようにする。

(5) 保安規則を理解させ,実践できるようにする。

内  容

(1) 保安の意義と変災の状況      (5) 坑内運搬と保安

(2) 坑内通気と通気管理        (6) 水災とその対策

(3) 坑 内 爆 発          (7) 坑内火災と自然発火

(4) 火薬類および発破に対する保安

 

8.石  油 目  標

 この科目は,採油法について作業の研究・選定・計画・実施ならびに改善などに関する基礎的知識・技能・態度の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 採油法の大要を理解させる。

(2) 石油掘さくにもっとも必要な循環泥水の性質,各種性能測定法を理解させ,現場において適切な泥水処置ができるようにする。

(3) さく井用機器を理解させ,各種の採油法を現場に応じて適切に組合わせ,もっとも能率よく経済的に掘さくできる技術を習得させ,さらに進歩改良しうる能力を養う。

(4) コアにより含油層の地質判定ができるようにする。

内  容

(1) 採油技術の大要         (5) 坑 井 仕 上 法

(2) 泥(でい)水           (6) 採   油

(3) さく井用機械およびさく井法   (7) ガスおよび水圧法

(4) 遮   水

 

9.鉱 山 機 械 目  標

 この科目は,鉱山用諸機械の構造と作用を理論との関連において理解させ,現場において適切な設計・選択一応用・修理ができ,かつ合理的・能率的に活用し,さらにくふう改善する能力と態度を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 諸種の試錐機の構造・作用・機能を理解させ,適切な選択・取扱・操作ができるようにする。

(2) 各種掘さく機の機造・作用・機能を理解させ,試験・選択・操作・修理ができるようにする。

(3) 各種運搬機の構造・機能を理解させ,適切な選択・操作・修理ができるようにする。

(4) 鉱山用ポンプの構造・性能を理解させ,適切な操作・選択・応用ができるようにする。

(5) 鉱山用扇風機の構造・性能を理解させ,適切な操作および容量計算ができるようにする。

(6) 空気圧縮機の構造・作用・機能を理解させ,選択・操作および効果的な配管と送気ができるようにする。

内  容

(1) 試 錐 機 械      (4) 鉱山用ポンプ

(2) 各種掘さく機       (5) 鉱山用扇風機

(3) 各 種 運 搬 機    (6) 空気圧縮機

 

10.鉱  床 目  標

 この科目は,地質鉱物の知識を基礎にして,鉱床の分布・産状・構造・形態・成因および地質学との関係を理解させ,鉱産姿源の合理的開発に資することのできる知識・技能・態度を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉱床の概要および成因・性質・産伏・形態を理解させ,簡単な鉱床の類別ができるようにする。

(2) 鉱床を形成する鉱物の特殊配列を理解させ,新鉱床開発の技術的計画をたてることができるようにする。

(3) 鉱床生成の一般的現象を理解させる。

(4) 坑内調査により鉱床の分布図・存在状態を示す図を作ることができるようにする。

内  容

(1) 鉱 床 の 概 要      (5) 鉱床および鉱石の帯状分布

(2) 鉱 床 の 成 因      (6) 富 鉱 体

(3) 鉱床の分類と形態       (7) 鉱床区と鉱床生成期

(4) 鉱物の生成順序

 

11.工 業 分 析 目  標

 この科目は,主要鉱石の定性定量分析・試金分析および石炭分析の基本を理解させ,適切な分析法を選択し,分析結果から鉱石・石炭の品位を正しく判定できる能力と態度の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 試料の採取調査法について理解させる。

(2) 主要鉱石の鑑定・分析ができるようにする。

(3) 乾式金銀分析の大要と原理を理解させる。

(4) 石炭の発熱量・固定炭素量・揮発分・灰分・水分の工業分析を理解させ,分析操作が正しくできるようにする。

(5) 坑内ガスの分析および石炭ガスの分析法を理解させ,使用機器の取扱と測定法ができるようにする。

内  容

(1) 試料の採取法と調査     (3) 試 金 分 析

(2) 鉱 石 分 析       (4) 石 炭 分 析

 

12.測  量 目  標

 この科目は,鉱山測量の特異性を認識させ,坑内外における測量作業の基礎知識および測量機械器具の調整・取扱を理解させ,坑内外の地形に応用できる能力と正確に能率的に測量作業を進める態度を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 一般測量機械器具ならびに鉱山用測量機械器具の名称・取扱を理解させる。

(2) 鉱山測量機械器具の検査法・調整法を理解させる。

(3) 鉱山測量機械器具を用いて,地形測量・地積測量ができるようにする。

(4) 鉱山測量機械器具を用いて,坑内外各種に応用できる測定法の選択・計画ができ実践できるようにする。

(5) 測量製図を理解させ,その製作ができるようにする。

内  容

(1) 鉱山測量の概要     (6) スタジア測量

(2) 距 離 測 量     (7) 掛 羅 盤 測 量

(3) 平 板 測 量     (8) 坑内外連結測量

(4) トランシット測量    (9) 測 量 製 図

(5) 水 準 測 量

 

13.土 木 施 工 目  標

 この科目は,鉱山・炭鉱・油田などの開発・操業に必要な土木技術に関する基礎知識を理解させ,その科学的・技術的根拠と採鉱関係教科とを関連づけ,鉱山諸技術発展に必要な創意くふう応用の能力を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 土木施工の概要と各種土木資材について性質・用途を理解させる。

(2) 各種土木工事を体験的に理解させ,坑内諸作業と関連づけてそれらの応用ができるようにする。

(3) 土木機械の構造・機能を理解させ,それらの選択,適切な利用ができるようにする。

(4) トンネル工事・トンネル支保工の設計製図を理解させ,採掘・坑内支保などの諸作業に利用できるようにする。

内  容

(1) 土木施工と資材      (5) 基 礎 工

(2) 石  積  工      (6) 各 種 工 事

(3) 土  工         (7) ト ン ネ ル 工

(4) コ ン ク ー ト    (8) 土 木 機 械

 

14.鉱 業 法 規 目  標

 この科目は,鉱業・火薬・保安に関する一般的法規を理解させ,公共福祉に寄与する鉱業の公益性および保安確立の重要性と責任を自覚させるとともに,採鉱技術者として必要な資質を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉱業法の沿革・概要および他法規との関係につき理解させる。

(2) 鉱業権および各条項につき理解させ,その公共性と技術者としての使命と責任が自覚できるようにする。

(3) 石炭鉱山保安規則を理解させ,保安技術の重要性を認識させ,保安技術職員の任務・責任,業務の大要が理解できるようにする。

(4) 火薬類取締に関する規則を理解させ,取扱上の重要性を認識させ,火薬類取扱人の任務・責任,業務の大要が理解できるようにする。

内  容

(1) 鉱業法の概要

(2) 鉱業法各論

(3) 鉱山保安ならびに石炭鉱山保安規則

(4) 火薬類取締に関する規則の概要と石炭鉱山保安規則との関連性

 

14.冶(や)金に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,冶金技術に関する基礎的技能とその科学的根拠を実験・実習を通じて習得させるとともに計画性ならびに責任感をつちかい,創造くふうの能力を伸ばし,冶金工業の発展に寄与する知識・技能・態度の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 純金属・二元合金の熱分析を行い,簡単な二元合金の状態図を作ることができるようにする。

(2) 変態点などの金属合金の性質の測定ができるようにする。

(3) 金属顕微鏡とその取扱を理解させ,試料の調整・検鏡・組織写真の撮影ができるようにする。

(4) 鋼その他合金の熱処理実験と熱処理作業ができるようにする。

(5) 材料試験機とその取扱を理解させ,材料試験ができるようにする。

(6) 冶金炉の操作を理解させ,試料の溶製,鋳物材の配合,溶解・鋳造ができるようにする。

(7) 鉱物の鑑定と主要鉱石の化学試金分析ができるようにする。

(8) 金属合金の化学分析ができるようにする。

(9) 砂・鋳物の試験法と操作を理解させ,簡単な鋳造方案が立案できるようにする。

(10) 金属加工機械と加工法を理解させ,鍛造・板金・溶接作業を習得させる。

内  容

(1) 物理冶金実験

(2) 材 料 試 験     (5) 鉱 物 実 習

(3) 分 析 実 習     (6) 鋳 造 実 習

(4) 試 金 実 習     (7) 金 属 加 工 実 習

 

2.製  図 目  標

 この科目は,機械の要素・部品の製図を理解させ,機械部分・装置ならびに冶金炉などの冶金工業に必要な製図の知識・読図能力および製図能力を習得させることを目標とし,次の事項の達成をめざすものである。

(1) 製図用具の使用に習熟させる。

(2) 基本的用器画法を理解させ,これを応用することができるようにする。

(3) 製図法の基礎を習得させる。

(4) 機械部品を製図することができるようにする。

(5) 冶金炉の設計・製図ができるようにする。

内  容

(1) 文 字 と 線     (5) フランジ接手

(2) 投 影 画 法     (6) 歯  車

(3) ボルト・ナット     (7) 冶金機器の見取

(4) べ ル ト 車     (8) 炉の設計・製図

 

3.金 属 製 錬 目  標

 この科目は,主要金属の製錬・精錬の反応および操作の科学的基礎(化学的・電気的・電気化学的)を理解させ,冶金概論ならびに鉄冶金・鋼冶金その他地域性に応じた金属の製錬についての知識・技術を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 主要金属の種類・性質・用途を理解させる。

(2) 鉱石の予備処理について目的・方法を理解させる。

(3) 冶金原料について理解させ,簡単な装入物計算ができるようにする。

(4) 製錬反応の化学と原理を科学的に理解させる。

(5) 製錬の産出物とその処理について理解させる。

(6) 製銑法について理解させ,製鋼法との関連がわかるようにする。

(7) 製鋼法を理解させ,各製鋼法の比較ができるようにする。

(8) 銅冶金について乾式・湿式製錬法,製・精銅法を系統的に理解させる。

(9) 金銀製錬について湿式製錬と銅・鉛との合併製錬を理解させる。

(10) 鉛製錬について理解させる。

(11) すず製錬について理解させる。

(12) 亜鉛製錬とカドミウムの採取を理解させる。

(13) アルミニウム・マグネシウムの乾式電解製錬を理解させる。

(14) ニッケル・コバルト製錬について理解させる。

(15) タングステン・モリブデン製錬について理解させる。

(16) アンチモン・水銀・蒼鉛その他の金属の製錬法について理解させる。

内  容

(1) 冶金技術の内容および範囲     (6) 銅 冶 金

(2) 鉱石の予備処理          (7) 製銑・製銅法

(3) 乾式製錬の化学原理と方法     (8) 非鉄冶金(銅を除く)

(4) 湿式製錬の化学原理と方法     (9) 電 気 冶 金

(5) 各種金属の冶金法一般

 

4.電 気 冶 金 目  標

 この科目は,電熱冶金・電気化学冶金の現状および将来性について理解を深め,金属の製精錬と合金の製造に電気ないし電気化学的知識を応用する能力を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気化学の基礎理論を理解させ,計算ができるようにする。

(2) 冶金技術への電熱応用の基礎理論を理解させ,電気炉・電弧炉・高周波電気炉の構造・操作法が理解できるようにする。

(3) 乾式電気冶金による合金鉄の製造,電気製銑・製鋼を理解させる。

(4) 軽金属の電解溶融製錬について理解させる。

(5) 各種金属の電解精錬法について理解させる。

内  容

(1) 電 気 化 学     (3) 湿式電気冶金

(2) 乾式電気冶金      (4) 電解精(製)錬

 

5.金 属 材 料 目  標

 この科目は,工業界各般の要求する金属および合金の諸性質・組織・用途を理解させ,金属材料の選択・試験・検査ならびに改善研究に必要な知識・技能・態度の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 工業用金属材料の大要と,金属材料と文化との関連を理解させる。

(2) 金属材料に必要な一般的性質について理解させる。

(3) 材料試験法の原理・方法を理解させ,材料試験を行うことができるようにする。

(4) 炭素鋼の性質・用途・成分・熱処理などについて理解させる。

(5) 特殊鋼の成分・性能・用途・熱処理などについて理解させる。

(6) 鋳鉄の性質・組織と各種鋳鉄の成分・特性・用途を理解させる。

(7) 銅と銅合金の性質・成分・用途などについて理解させる。

(8) 軽金属およひ軽合金の性質・成分・用途などについて理解させる。

(9) ニッケルおよびニッケル合金の性質・成分・用途などについて理解させる。

(10) ホワイトメタルとその合金の性質・成分・用途などについて理解させる。

内  容

(1) 金 属 と 金 属 工 業     (7) 鋼材の検査・鑑別

(2) 金属材料に必要な性質        (8) 銅および銅合金

(3) 材 料 試 験 法         (9) 軽金属および軽合金

(4) 鉄 お よ び 炭 素 銅     (10) ニッケルおよびニッケル合金

(5) 特 殊 銅             (11) ホワイトメタルとその合金

(6) 鋳  鉄

 

6.加 工 冶 金 目  標

 この科目は,金属の変形機構・加工機械および加工法を理解させ,各種金属製品の製造についての知識・技能・態度を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 加工一般についてその大要を理解させ,各加工法相互の関係を系統的にはあくさせる。

(2) 砂型鋳造法全般について理解させ,鋳造方案を立案し砂および鋳物の試験法ができるようにする。

(3) 遠心鋳造・ダイカスト・精密鋳造法の大要とその将来性を理解させる。

(4) 鍛造機械と鋼材,非鉄鍛造法およびプレス法を理解させる。

(5) 金属の圧延を理解させ,冷間・熱間圧延の比較ができるようにする。

(6) 引抜・押出法の大要と線・棒・管の製造法を理解させる。

(7) 熱処理炉と熱処理法を理解させ,工具の熱処理ができるようにする。

(8) ガス・電気溶接法を理解させる。

内  容

(1) 加 工 一 般     (5) 引抜きおよび押出

(2) 鋳   造       (6) プ レ ス

(3) 鍛   造       (7) 熱 処 理

(4) 圧   延       (8) 溶   接

 

7.炉・燃料 目  標

 この科目は,冶金工業用炉の種類と構造ならびに冶金炉に要する耐火材・燃料について理解させ,炉の設計・製図および燃料・耐火材の選択,熱管理のための諸計算ができる能力と態度の養成を目標とし,次の一事項の達成を目ざすものである。

(1) 高温測定の原理・方法と温度計の機構・取扱法を理解させ,高温計の較正ができるようにする。

(2) 耐火材について,その性質・製造法の大要を理解させる。

(3) 各種耐火材を見分け,耐火度を測定して用途を理解できるようにする。

(4) 冶金炉の名称・構造・操業法を理解させる。

(5) おもな冶金炉の見取・製図・設計ができるようにする。

(6) 燃料の燃焼理論を理解させ,発熱量・空気量・過剰空気率・燃焼温度の計算ができるようにする。

(7) 固体・ガス・液体燃料の成分・発熱量・製造法などの大要を理解させる。

(8) 溶銑炉・製鋼炉などの熱精算をさせ,熱精算図を描くことができるようにする。

内  容

(1) 高温測定と耐火度      (5) 燃焼理論と計算

(2) 耐 火 材 一 般     (6) 燃 料 各 論

(3) 耐 火 材 各 論     (7) 熱 精 算

(4) 冶 金 炉

 

8.金 属 組 織 目  標

 この科目は,金属および合金の性質・組織・結晶構造を習得させ,金属材料と加工に必要な体系的な基礎理論を理解させ,金属に関する試験研究を行う能力・態度の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属および合金の結晶構造と組織を理解させる。

(2) 金属組織に関する実験研究の方法を理解させ,実際に応用できるようにする。

(3) 二元合金の基本状態図と相律を理解させる。

(4) 金属の塑性加工の機構と加工に伴う性質変化ならびに焼鈍による再結晶・結晶粒の成長を理解させる。

(5) 合金の時効硬化の現象と理論を理解させる。

(6) 鋼の焼入理論を理解させる。

(7) 主要合金の状態図と組織を理解させ,金属加工に応用できるようにする。

内  容

(1) 金属の結晶構造          (4) 金属の塑性加工と焼鈍

(2) 金属の凝固と変態(一成分系)    (5) 合金の時効硬化

(3) 二元合金基本伏態図(二成分系)   (6) 鋼 の 焼 入 理 論

 

9.工 業 分 析 目  標

 この科目は,鉱石・合金・燃料の分析ならびに鉱石の試金など冶金工業に必要な工業分析の基礎理論と操作法を理解させ,鉱石から金属製品となるまでの製錬・加工の諸工程に応用できる分析技術の養成を目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 分析化学の基礎理論を理解させる。

(2) 試料の採取および調整を理解させ,これらの操作が適確にできるようにする。

(3) 主要鉱石・金属ならびに製錬産出物の分析を理解させ,分析操作ができるようにする。

(4) 試金法による鉱石の金・銀分析ができるようにする。

(5) ガス分析法を理解させ,ガス燃料・燃焼ガス・炉内ふんい気のガス分析ができるようにする。

(6) 燃料の発熱量を測定し固体燃料の分析ができるようにする。

(7) 比色計・ポーラログラフなどの機器による分析法の原理・方法を理解させる。

内  容

(1) 分析化学の基礎理論   (4) ガ ス 分 析 法

(2) 鉱石・金属の分析法   (5) 燃料の発熱量の測定

(3) 試 金 法       (6) 機器による分析法

 

10.選  鉱 目  標

 この科目は,採掘された鉱石を有効適切に処理し,選鉱成績を向上させるため選鉱の基礎原理・選鉱機械・操業方法ならびに研究方法について総括的にはあくさせ,現場操業に適応する能力と態度を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 選鉱の意義および選鉱技術と製錬との関連性を理解させる。

(2) 砕鉱・粉砕の理論的根拠を理解させ,各砕鉱機の取扱ができるようにする。

(3) 分粒および分級の意義を理解させ,分粒機・分級機の取扱ができるようにする。

(4) 浮遊選鉱・重液選鉱・洗炭法・磁力選鉱法の大要を理解させ,その原理を理解させる。

内  容

(1) 選鉱の使命と製錬との関連   (5) 浮 遊 選 鉱 法

(2) 分   粒          (6) 磁 力 選 鉱 法

(3) 破砕および分級        (7) 重 液 選 鉱 法

(4) 比 重 選 鉱 法

 

11.地 質 鉱 物 目  標

 この科目は,地球の構造とその構成物および地球の生成より今日に至る地史ならびにこれに伴う各種の鉱床形態などの概要を理解させ,鉱山の基本的現象を総括的にはあくする態度を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 地球の成因,岩石圏の諸現象と構造について理解させる。

(2) 鉱物の諸特性を鉱床の形態と関連づけて理解させる。

(3) 各鉱石・鉱物の鑑別ができるようにする。

(4) 地史の概要を理解させる。

内  容

(1) 地 殻 の  造      (4) 結   晶

(2) 鉱物の物理的性質       (5) 鉱   床

(3) 鉱 物 の 鑑 定      (6) 地 史 概 要

 

15.金属工業に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,金属に関する諸科目の学習を基礎として,現場ならびに試験・研究部門に直接役だつ基礎的技能を体得させるとともに計画・管理・改善などの能力をつちかい,金属工業技術者として必要な資質を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 実習に必要な機械の操作および機械工具の取扱を習得させるとともに管理・改善の能力をつちかう。

(2) 材料の製造・加工について科学的処理法を体得させる。

(3) 材料の製造・加工の実技の習熟と研究・応用の能力をつちかう。

(4) 材料の組織・性質を知るための試験・検査の方法を習得させる。

(5) 現場における協力・勤労・責任の態度を身につけさせる。

内  容

(1) 金 属 実 習    (3) 分 析 実 習

(2) 金 属 実 験

 

2.製  図 目  標

 この科目は,金属工業技術者として必要な製図についての知識・技能を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図用具の使用法および製図の基礎を理解させる。

(2) 平面図・投影図・機械部品の見取図および工作図の知識・技能を習得させる。

(3) 機械部品および炉の見取・設計の技能を習得させる。

(4) 生産能率の工程の図示的研究能力を養う。

内  容

(1) 製図の基礎     (3) 機械工作図

(2) 形体の図示     (4) 炉の見取および設計製図

 

3.金 属 材 料 目  標

 この科目は,産業各般の要求する金属および合金の性質・組織・用途について理解させ,金属材料の選択・試験ならびに改善・研究に必要な知識と技能を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属材料の科学的特性を理解させるとともに応用する知識と技能を習得させる。

(2) 金属材料と関連機械・工具・構造物の関係を理解させる。

(3) 金属材料の鑑別・処理・選択のできる技術的知識を養う。

(4) 金属材料の改善および機械製作に応用できる基礎をつちかう。

内  容

(1) 金 属 と 合 金      (5) 特 殊 鋼

(2) 金属材料に必要な性質     (6) 鋳  鉄

(3) 材 料 試 験 法      (7) 鋼材の検査

(4) 炭 素 鋼          (8) 非鉄金属材料

 

4.金 属 加 工 目  標

 この科目は,金属加工の基礎となる理論とその応用を理解させて,各種機械・器具の取扱ならびに成形ができる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 熱間および冷間加工における金属材料の性質組織の変化を理解させて,これを加工する技能を養う。

(2) 鋳型・プレス・鍛造などの金型および圧延の孔型などの設計および製作について理解させる。

(3) 各種加工機械の構造・機構・取扱を理解させる。

(4) 溶解炉および加熱炉などの構造ならびに操作法を理解させ,習得させる。

(5) 各種加工の工程および操作に必要な知識・技能を習得させる。

内  容

(1) 加 工 一 般    (6) 引抜きおよび押出

(2) 板   金      (7) プ レ ス

(3) 鋳   造      (8) 熱 処 理

(4) 鍛   造      (9) 溶   接

(5) 圧   延      (10) 表 面 処 理

 

5.金 目 製 錬 目  標

 この科目は,鉱石から金属をうるまでの工程・設備・反応を理解させ,製造法について技術的知識を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 鉄鉱石の予備処理および製錬反応について理解・習得させる。

(2) 銑鉄製造に必要な炉の機能・構造および操業法を理解させる。

(3) 銑鋼一貫作業ならびに製鋼法を習得させる。

(4) 冶金計算法を理解させて,その研究・改善の能力を養う。

(5) 非鉄金属の製錬について理解させる。

内  容

(1) 一 般 冶 金     (3) 製 鋼 法

(2) 鉄鉱石の製錬      (4) 非 鉄 冶 金

 

6.金 属 組 織 目  標

 この科目は,金属および合金の相平衡と相律を理解させ,状態を基礎として,いろいろの処理に伴う相変化とそれによる性質の変化を理解し応用できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属および合金の結晶状態を理解させる。

(2) 熱分析などにより金属および合金の変態を理解させる。

(3) 状態図を理解させ,これを利用できる知識をつちかう。

(4) 金属および合金の顕微鏡組織を習得させ,それを応用できる能力を養う。

(5) 金属材料の熱処理および加工による相変化を理解させ,これを応用できる能力を養う。

内  容

(1) 金属の結晶      (4) 顕 微 鏡 組 織

(2) 熱分析と相律     (5) 熱処理による組織変化

(3) 合金状態図      (6) 加工による組織の変化

 

7.炉・燃 料 目  標

 この科目は,金属材料製造および加工に必要な炉・燃料の関係知識を理解習得させて,その技術と生産能率の向上に資するとともにくふう・改善のできる技術的知識を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属と炉の関係知識を習得させる。

(2) 高温に対する必要な器具材料を理解させる。

(3) 炉の構造と炉材および炉能率を考察,研究できる能力を養う。

(4) 燃焼についての理論を理解させて,その応用能力を養う。

(5) 燃料を選択し経済的に使用できる能力を養う。

(6) 炉および燃料と生産能率の関係を考察する能力をつちかう。

内  容

(1) 高 温 測 定     (4) 耐 火 材

(2) 燃 焼 理 論     (5) 炉

(3) 燃   料       (6) 熱 管 理

 

8.工 業 分 析 目  標

 この科目は,金属工業に関係ある諸原料および材料の品質・組成を科学的理論に基いて正確・迅速に決定し,それを応用する能力と技能をつちかうことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 定性・定量の基礎理論および実験に習熟させる。

(2) 薬品・器具の取扱を習得させる。

(3) 金属材料に関係ある原料および薬品を分析できる能力を養う。

(4) 実験により,協力と綿密性をつちかう。

内  容

(1) 分 析 理 論       (3) 合 金 分 析

1) 定 性 分 析     (4) 燃 料 分 析

2) 定 量 分 析     (5) 特 殊 分 析

(2) 鉄 鋼 分 析