第3章 工業に関する各科目の目標とその内容

 

 以下に述べる工業に関する各科目の目標とその内容は,それぞれの科目の単位数の下限と上限との幅を考慮して,深さと幅とをかたよりなくあげている。そこでそれぞれの科目を履修させる単位数によって,これらの中のいくつかに重点をおいてその他を省略して学習させる場合と,全体について広く学習させる場合とがある。

 

1.機械および機械工作に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,機械工場における現場作業を通して,各科目の有機的な関連のもとに総合的に機械技術者として必要な知識・技能・態度を体得させ,将来現場指導者となる素地を育成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 機械に関する各科目の知識と技能を融合的に体得し習熟の域に達せさせ,実践的な態度と習慣を養う。

(2) 機械技術の生産的価値を体得させ,正しい勤労精神をもって協調的に責任を遂行する実践的な態度と習慣とを養う。

(3) 機械技術を体得させることによって,積極的にこれをくふう改善する能力と態度を養う。

内  容

(1) 木型・鋳造作業      (5) 仕上・組立作業

(2) 鍛造・熱処理作業     (6) 分解・修理・整備作業

(3) 板金・溶接作業      (7) 試験・検査

(4) 工作機械作業       (8) 工場管理作業

  関連するおもな内容

(1) 図面の読み方および設計上の理解

(2) 作業の段取り

(3) 機械器具の機構・性能およびその他の設備に対する理解

(4) 作業の力学的考察および事象の変化の科学的考察

(5) 材料の性質と使用法・加工法

(6) 量産の計画,治工具の計画・製作

(7) 生産管理

(8) 工場安全教育

 指導上の留意点

(1) 単に個々の技能や作業の指導とその熟達を図ることだけに陥ることなく,課程に属する他の科目の学習事項と有機的な関連のもとに,実際的部面と理論的部面が融合して学習されるように周到な実習指導計画をたてること。

(2) 各種の工作法と作業の相互の関連・得失を理解させ,将来各分野の作業をする場合広い視野のもとに最も適切な方法を選択・企画・実践し,さらにくふう改善できる素地を養うように留意すること。

(3) 単に知識・技能の習得だけに終らず諸作業にあたってそれに必要とされる時間・経費等の面にも関心をもたせ原価計算の方法,さらに作業を経済上合理的に計画実践できる能力と態度を養うように留意すること。

(4) 工具管理・材料管理あるいは工程管理等実習工場における諸管理面を整備し,経営管理の企画・運営を体験を通じて理解させ,その能力を養うように留意すること。

(5) 単なる安全教育を行うだけでなく各種の作業の実際に即して危害予防方法を理解させ周到な注意を払うこと。

 

2.機 械 工 作 目  標

 この科目は,機械工作および生産に関する技術を理解させるとともに,さらにその科学的根拠に基いてくふう改善する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種工作法に関する技術を理解させる。

(2) 能率的な生産方法を選択し,これを計画し実践する基礎的能力を養う。

(3) 機械工作および生産に関する技術の進歩と動向に絶えず関心をもち,これを応用しさらにくふう改善しようとする態度とその基礎的能力を養う。

内  容

(1) 鋳   造         (4) 切削加工

(2) 溶   接         (5) 精密測定

(3) 塑性加工          (6) 生産の計画

   (作業学習を含む場合)

目  標

 機械工作法および生産に関する知識・技能およびその科学的根拠を融合的に習得させ,これを実践し,さらにくふう改善する能力と態度を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種の機械工作法およびそれに必要な工具・機械・器具に関する知識・技能を習得させる。

(2) 能率的な生産方法を選択し,これを計画し実践する基礎的能力と態度を養う。

(3) 機械工作および生産に関する技術の進歩と動向に絶えず関心をもち,それを応用しさらにくふう改善しようとする態度とその基礎的能力を養う。

内  容

(1) 鋳 造・木 型     (7) 試 験・検 査

(2) 鍛造・熱処理      (8) 塑 性 加 工

(3) 板 金・溶 接     (9) 切 削 加 工

(4) 工 作 機 械     (10) 工作機械の駆動

(5) 仕 上・組 立     (11) 工作機械の経済的利用

(6) 特殊工作法

 

3.機 械 材 料 目  標

 この科目は,機械工業に使用されるおもな材料の諸性質を理解させ,適切な材料を選定し,計画的・経済的に活用できる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 金属および合金の通性と基本的な状態図について理解させる。

(2) 鉄および鋼について製造法・組成・性質・用途を知らせ,それらの熱処理・表面処理・防錆の原理および方法を理解させ,適切な使用ができる能力を養う。

(3) おもな非鉄金属とその合金について製造法・組成・性質・用途を理解させ,適切な使用ができる能力を養う。

(4) 各種の非金属材料について種類・性質・用途を理解させ,適切な使用ができる能力を養う。

(5) 材料の種別や性質の試験・検査ができる能力を養う。

(6) 工業材料の改良について考察する能力を養う。

内  容

Ⅰ 金属材料

 (1) 金属と合金

 (2) 鉄 と 銅

 (3) 鋳   鉄

 (4) 銅・ニッケル・すず・亜鉛・鉛とそれらの合金

 (5) アルミニウム・マグネシウムとそれらの合金

 (6) 粉 末 冶 金

Ⅱ 非金属材料

 (1) 機械の基礎材料     (5) 潤滑剤・切削剤

 (2) 耐火材料・保温材料   (6) 研 削 材 料

 (3) 可塑性材料       (7) 塗   料

 (4) パッキン材料

Ⅲ 機械材料と機械工業

 (1) 材料の資源

 (2) 材料の改良

 (3) 材料の適切な使用

 

4.製  図 目  標

 この科目は,製図通則を理解させ,合理的に正確に生産に直結した機械製作図を設計どおりに作製でき,また図面を管理する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図用器具を正しく使用できるようにする。

(2) 製図の目的と製図通則とを理解させ,基礎的な図法を習得させ,機械の要素の製図が正しくできるようにする。

(3) 機械のスッチや製作図が作製できるようにする。

(4) 機械のすえ付図や工場における機械の配置図を作製できるようにする。

(5) 製図と生産との関連を理解し,図面の管理ができるようにする。

内  容

(1) 図   面        (6) 機械要素の製図

(2) 文 字 と 線      (7) 機械のスケッチとその製図

(3) 製 図 用 器 具    (8) 簡単な機械の設計製図

(4) 用 器 面        (9) すえ付図・配置図

(5) 製 図 通 則      (10) 図面の管理

 

5.機 械 設 計 目  標

 この科目は,機械・器具を構成する各種の要素の構造・作用および用途を理解させ,それらを合理的・経済的に設計できる基礎的技術を習得させ,簡単な機械・器具・装置の設計ができることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 機械と機構とについて理解させ,機械を設計するときに適切な機構を選定できる素地を養う。

(2) 機械に働く力と運動との関係を調べ,機械の各部分がじゅうぶん耐久力をもちうるように使用材料を選定し,大きさを決定できる能力を養う。

(3) 各種の機械要素や構成部分について理解させ,適切な使用とその設計ができるようにする。

(4) 各種の伝動装置について性能・用途を理解させ,適切な伝動装置を選定して設計ができるようにする。

(5) 簡単な機械・器具および工具の設計ができるようにする。

内  容

(1) 機械と機構       (8) ばねとブレーキ

(2) 材料の強さ       (9) 管に関する部分

(3) 締結用機械要素     (10) 圧 力 容 器

(4) 構 造 物       (11) 工 具 設 計

(5) 軸に関する機械の要素  (12) 簡単な機械の設計

(6) 伝 動 装 置     (13) 機械のすえ付け

(7) 機械の振動

 

6.応 用 力 学 目  標

 この科目は,工業力学・材料力学・機構学に関する基礎的知識を習得させ,機械各部に働く力および運動について理解させ,理論と実験を通して,科学的考察力と応用能力とを養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 機械部分に作用する力と運動とに関する基礎的理論を理解させ,問題解決の能力を養う。

(2) 機械部分に作用する外力とこれによって発生する応力やひずみなどの関係を理解させ,安全で合理的に機械・器具および材料を使用する能力を身につけさせる。

(3) 機械の運動について理解させ,所要の運動・動力の伝達などの機械や装置を計画できる能力を養う。

内  容

Ⅰ 工 業 力 学

 (1) 力          (6) 運動と運動量

 (2) 力のモーメント    (7) 運動と抵抗

 (3) 力のつり合い     (8) 仕事と動力

 (4) 重   心      (9) 回 転 体

 (5) 図 式 解 法    (10) 振  動

Ⅱ 材 料 力 学

 (1) 応力とひずみ     (5) ざ  屈

 (2) 強さおよび安全率   (6) 組合せ応力

 (3) 曲  げ       (7) 材 料 試 験

 (4) ね じ り

Ⅲ 機 構 学

 (1) 機構と機械      (5) 歯 車 伝 動

 (2) リ ン ク      (6) 間 歇(けつ)運 動

 (3) カ   ム      (7) 巻 掛 伝 動

 (4) 摩擦車伝動

 

7.原 動 機 目  標

 この科目は,原動機の構造や作用を理論との関連において理解させ,原動機を有効に利用できるとともに,さらにくふう改善する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種エネルギの機械的エネルギへの変換機構について理解させる。

(2) 各種原動機の構造・作用・機能を理解させ,適切な選択と応用ができるようにする。

(3) 原動機の操作・試験・検査の要領を理解させ,適切な取扱を習得させ,保守・管理ができるようにする。

内  容

(1) エネルギと原動機    (6) 流 体 力 学

(2) 熱および熱力学     (7) 空 気 機 械

(3) ボ イ ラ       (8) 水 力 機 械

(4) 蒸気原動機       (9) 原動機の応用

(5) 内 燃 機 関

 

8.各 種 機 械 目  標

 この科目は,地域および生徒の必要や要望によって特に選定した機械について原理・構造・作用を理解させ,その操作法を習得させるとともに合理的・能率的に活用し,さらにくふう改善する能力と態度を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種機械に課せられた仕事の種類・性質・環境に対して機械の特性やすえ付要領を会得させる。

(2) 各種機械の構造・作用・機能を理解させ,適切に保守・取扱ができる素地を養う。

(3) 各種機械の運転現場について理解させ,災害発生を防止し,適応の処置のとれる能力を養う。

内  容

(1) 物上運搬機械       (6) 鉱 山 機 械

(2) 紡 績 機 械      (7) 交 通 機 械

(3) 化 学 機 械      (8) 計 測 機 器

(4) 印 刷 機 械      (9) その他の機械

(5) 建 設 機 械

 

9.関 係 法 規 目  標

 この科目は,機械技術者として必要な法規とその運用の大要を理解させることを目標とする。

内  容

(1) 労働安全衛生規則      (4) 車 両 規 則

(2) 熱 管 理 法       (5) 道路運転法

(3) 道路交通取締法       (6) そ の 他

 

2.自動車に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,それぞれの科目で知識の理解を深めるため行う実験および技術的作業を理解するために実習を行うが,これらの作業を有機的に関連づけ,あわせて技能を習熟させるものである。

 この「実習」においては各作業項目を通じて,現場における生産の研究・計画・実践・管理・改善などの基礎能力をつけ,勤労に対する正しい体験や習慣を養うようにしなければならない。

 したがって,この実習では,各科目のなかで行う実験・実習を基礎とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 自動車や部品の製造工程を関連づけて理解することができるようにする。

(2) 生産を企画する基礎能力を養う。

(3) 整備や試験に対する計画がたてられるようにする。

(4) 現場作業を指導・監督する素養を身につけさせる。

(5) 工場を管理する能力の下地ができるようにする。

  (注) 科目で行う実習の上にたって各作業の技能を習熟させる。

 ただし,以上の目標がそれぞれの科目で行われる実習で達せられるならば,この「実習」を特に課す必要はない。 内  容

(1) 木 型 製 作      (8) 車 体 整 備

(2) 鋳  造         (9) 自動車部品工作

(3) 鍛  造         (10) 試 験・検 査

(4) 手 仕 上        (11) 運   転

(5) 機 械 仕 上      (12) 企   画

(6) 機 関 整 備      (13) 工 場 管 理

(7) シャシ整備

 

2.自動車設計 目  標

 この科目は,自動車やその部品およびこれを加工・整備する機械・器具がいかに設計され,またいかに改善すべぎかについての知識と能力をもたせるため機械の設計を基礎とし,自動車の部分・部品の設計を主として習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 設計に必要な機械の要素を理解させる。

(2) 設計に必要な機構を理解させる。

(3) 機械に働く力と運動を理解させる。

(4) 材料や部品に加わる力とその強さを理解させる。

(5) 機械要素の設計ができるようにする。

(6) 簡単な機械部品や自動車部品の設計ができるようにする。

(7) 簡単な治具・工具の設計ができるようにする。

(8) 自動車やその部品がどのように設計されているかを理解する能力を養う。

(9) 機械のすえ付・配置に対する設計の基礎能力を養う。

内  容

(1) 締結用機械要素     (6) 治 具・工 具

(2) 構 造 物       (7) 簡 単 な 機 械

(3) 軸に関する部分     (8) 機 関 部 品

(4) 伝 動 装 置     (9) シ  シ 装 置

(5) 管に関する部分     (10) 車 体 部 分

 

3.製  図 目  標

 この科目は,機械の製図と同じく,図面が読めたり描けたりすることのほか,図面の利用と管理ができる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 用器画(幾何画法)ができるようにする。

(2) 製図通則を理解させ,活用することができるようにする。

(3) 機械要素の製図ができるようにする。

(4) 機械や自動車の部品の製図ができるようにする。

(5) 機械や自動車の部分組立図が描けるようにする。

(6) スケッチができるようにする。

(7) 治具や具の製図ができるようにする。

(8) 機械のすえ付図や配置図が描けるようにする。

(9) 図面の運営や管理ができるようにする。

内  容

(1) 図   形       (8) 治 具・工 具

(2) 図   面       (9) 組 立 図

(3) 締結用機械要素     (10) すえ付・配置図

(4) 構造物         (11) 機関スケッチ

(5) 軸に関する部分     (12) シ ャ シ 装 置

(6) 伝 動 装 置     (13) 車 体 部 分

(7) 管に関する部分     (14) 図 面 管 理

 

4.応 用 力 学 目  標

 この科目は,設計の基礎となる各種の力学を,それぞれ系統だてて習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 一般力学を理解させ,問題を解くことができるようにする。

(2) 機構学を理解させ,設計に応用することができるようにする。

(3) 材料力学を理解させ,計算したり設計に活用することができるようにする。

(4) 機械や自動車の構造と作用を力学的に解決する基礎能力を身につけさせる。

(5) 水力学を理解させる。

内  容

(1) 力   学       (4) 材 料 力 学

(2) 機 構 学       (5) 水 力 学

(3) 機 械 力 学

 

5.機 械 工 作 目  標

 この科目は,自動車の生産や整備に必要な機械工作についての基礎的知識と技能を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製作図が正しく読め,作業の段取りをたてることができるようにする。

(2) 木型を理解させ,簡単な木工作業ができるようにする。

(3) 鋳物を理解させ,簡単な鋳造作業ができるようにする。

(4) 鍛造や熱処理を理解させ,簡単な作業ができるようにする。

(5) 板金の加工や溶接を理解させ,簡単な作業ができるようにする。

(6) 手仕上や組立の工作法を理解させ,簡単な作業ができるようにする。

(7) 工作機械による工作法を理解させ,ひととおりの作業ができるようにする。

(8) 精密工作や測定法を理解せさ,簡単な作業ができるようにする。

(9) 機械や治工具の改善や生産を向上させるくふうをする資質を養う。

内  容

(1) 鋳   造         (5) 測   定

(2) 溶   接         (6) 治 具・工 具

(3) 塑 性 加 工       (7) 工 作 理 論

(4) 切 削 加 工       (8) 生 産 と 企 画

 

6.自動車材料 目  標

 この科目は,自動車を製造したり整備するのに使用される各種の材料について,その製造法・材質・性質・強さ・用途を理解させ,これを試験する技能を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 一般工業材料の種類・性質・用途を理解させる。

(2) 機械や治工具を構成する材料を理解させる。

(3) 自動車の各部を構成する材料を理解させる。

(4) 金属材料の性質・組成・変態と状態図を理解させる。

(5) 鉄・鋼などの製造法・成分・組成・性質・用途をわからせ,熱処理・表面硬化・防錆(せい)の原理や方法を理解させ,その組成や性質の試験・検査ができるようにする。

(6) 銅・ニッケル・アルミニウムその他の合金についても(5)と同様である。

内  容

(1) 一般工業材料      (4) 非金属材料

(2) 自動車用材料      (5) 材 料 試 験

(3) 金 属 材 料

 

7.自動車構造 目  標

 この科目は,自動車の機関・シャシ・車体がどのように作られているか,どのような作用をするかおよび自動車の性能や生産に関連したいろいろなしくみについての理解を深めることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 自動車工業の概況を理解させる。

(2) 自動車の生産とこれに関連した工業のしくみを理解させる。

(3) 自動車機関の種類・構造・機能を理解させる。

(4) シシを構成する各装置の構造や機能を理解させる。

(5) 車体やその付属装置の構造や機能を理解させる。

(6) 各種の自動車の特徴や性能を理解させる。

(7) 構造を知って得た知識・理解が,企画・設計・生産・整備・試験・運転・サービスなどの各部門に活用したり改善・創造の基礎とする能力や態度を養う。

内  容

(1) 自動車工業        (10) か じ 取 装 置

(2) 構造概要         (11) ブレーキ装置

(3) 動力の発生        (12) フ レ ー ム

(4) ガソリン機関       (13) ば ね 装 置

(5) 電 気 装 置      (14) 車   体

(6) ディーゼル機関      (15) 付 属 装 置

(7) 走行抵抗・性能      (16) 小 型 自 動 車

(8) 動力伝達装置       (17) 軽 自 動 車

(9) 走 行 装 置      (18) 特 殊 自 動 車

 

8.自動車整備 目  標

 この科目は,自動車の製造・整備・運送・販売などの事業場において,その保守・点検・調整・修理・再生などをするときに必要な知識を習得させ,あわせて,検査主任者・整備管理者として必要な資質を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 自動車整備の意義や目的を理解させ,整備工場の組織や職務内容を理解させる。

(2) 自動車運行にあたっての点検・調整・定期的整備が確実にできるようにする。

(3) 自動車の故障発見法を習得させ,整備作業の仕事の手順が企画できるようにする。

(4) 自動車の機関・シャシの各装置および車体の分解・洗浄・修理・組立がひととおりできるようにする。

(5) 整備用機器の取扱方を習得させ,整備作業の能率化を考えることができるようにする。

(6) 整備管理者・検査主任者としての素質を養い,車庫の管理や配車措置の企画ができるようにする。

(7) 自動車整備についての関係法規を理解し,正しく適用ができるようにする。

内  容

(1) 整 備 概 要      (5) 車 体 整 備

(2) 車 両 点 検      (6) 整備用機械器具

(3) 機 関 整 備      (7) 関 係 法 規

(4) シ ャ シ 整 備

 

9.自動車試験 目  標

 この科目は,自動車の製造・整備・研究・試作に伴って必要となる自動車および部品ならびに材料の試験や検査ができるようにすることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 精密測定法を理解させ,正しい測定の基礎能力を身につけさせる。

(2) 材料や部品を試験・検査し,その良否の判定ができるようにする。

(3) 品質管理の方法を理解させる。

(4) 自動車機関や車両の試験法を理解させ,試験や性能の判定がひととうりできるようにする。

(5) 試験・検査の方法や装置をくふう改善する素質を養う。

(6) 自動車機関の調整・運転および自動車の操縦の基礎能力を身につけさせる。

内  容

(1) 試験・検査の概要     (6) 車体の試験・検査

(2) 材料の試験・検査     (7) 車 両 試 験

(3) 部品の試験・検査     (8) 車 両 検 査

(4) 機関の試験・検査     (9) 関 係 法 規

(5) シャシの試験・検査

 

10.原 動 機 目  標

 この科目は,自動車用機関以外の各種原動機について,その構造・作用・性能・用途を知り,それらの取扱法や試験に対する実技を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 動力の発生,燃料と燃焼,熱力学の大要を理解させる。

(2) イラと蒸気原動機の種類・構造・機能・用途を理解させる。

(3) 内燃機関(自動車機関以外の)の種類・構造・機能・用途を理解させ,その取扱法や試験法の実技を身につけさせる。

(4) 空気機械を理解させ,その取扱ができるようにする。

(5) 水力学の大要を理解させる。

(6) 水力機械の種類・用途・機能を理解させる。

(7) 原動機がどのように応用されているかを理解させる。

内  容

(1) 燃 料 と 燃 焼    (6) 空 気 機 械

(2) 熱 力 学        (7) 水 力 学

(3) ポ イ ラ        (8) 水 力 機 械

(4) 蒸気原動機        (9) 原動機の応用

(5) 内 燃 機 関

 

3.造船に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,船舶の建造・修理等において船舶の工作・検査,作業の企画,作業の改革,作業の進行等に必要な知識・技能および協調・勤労の習慣を体得させ,将来造船技術者に必要な資質を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 船舶工作の分野およびその職務内容を理解させる。

(2) 機械工作の基本技能を習得させる。

(3) 木工機械器具が正しく使え,手入れができ,かつ造船木工の技能を習得させる。

(4) 木船工作に必要な基礎技能を養う。

(5) 船舶の現図の基本作業ができる能力を養う。

(6) 外板・甲板・二重底・縁板等の展開および型取りの能力を習得させる。

(7) 枠(わく)組み・模型製作の技能を養う。

(8) 内業加工を理解させ,使用機械の操作ができるようにする。

(9) ガス切断・ガス溶接・電気溶接の技能を習得させ,応用作業ができる能力を養う。

(10) 鋼板の歪(ひずみ)取り・曲げ・切断・接合ができるようにする。

(11) 船体組立・取付の要領を会得させる。

(12) 水密・塗装の基本作業を習得させる。

(13) 造船用材料の強度試験ができる能力を養う。

(14) 現場作業について習得させる。

内  容

Ⅰ 機械実習             Ⅲ 木工実習

 (1) 手仕上・穿孔実習        (1) 木工基本実習

 (2) 鍛 造 実 習         (2) 木材加工実習

 (3) 鋳 造 実 習         (3) 舟艇建造実習

 (4) 機械仕上実習         Ⅳ 溶接実習

 (5) 原動機実習           (1) 電弧溶接実習

Ⅱ 現図実習              (2) ガス溶接実習

 (1) 現図基本作業          (3) ガス切断実習

 (2) 肋骨度出し作業        Ⅴ 実  験

 (3) しない取りおよび型取り作業   (1) 材 料 実 験

 (4) 縁板および外板展開作業     (2) 溶 接 部 検 査

                    (3) 試験水槽実験

 

2.製  図 目  標

 この科目は,船舶の企画・設計・建造・修理あるいはその関係業務において必要な図面の知識・技能を習得させ,図を正しく描きかつ読む能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 製図に必要な基礎知識・技能を習得させる。

(2) 簡単な艤品の投影図が描けるようにする。

(3) 船体線図の基本を理解させる。

(4) 船体中央切断面図が読め,かつ作図できる能力を養う。

(5) 一般配置図が読め,かつ描ける能力を養う。

(6) 船体構造基本図の模写およびトレースの技能に習熟させ,図面の読み方・描き方を習得させる。

(7) 船体寸法表によって船体線図が画け,排水量・諸数値等の計算およびそれを曲線に描く能力を養う。

(8) 船舶の基本設計ができ,それに必要な図面を描く能力を養う。

(9) 実物をスケッチによって図面に表わすことを習得させる。

内  容

(1) 基本製図および画法          (7) 排水量等測線図

(2) 艤(ぎ)装金物図            (8) 鋼 板 配 置 図

(3) 船首材・船尾骨材および舵(かじ)図   (9) 外 材 展 開 図

(4) 中央切断面図             (10) 二重底構造図

(5) 一般配置図              (11) 隔  壁  図

(6) 線図および船体寸法表         (12) そ  の  他

 

3.船 舶 構 造 目  標

 この科目は,船舶の性能を維持し,強度を保ち,資材を節約し,構造を簡単にして工数の減少をはかることを念頭において,現在の構造ならびに建造技術をじゅうぶん理解させ,科学的に考え,創意くふうを加えて解決する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 船舶の種類・資格・航行区域・船級協会を理解させる。

(2) 木船の一般構造・名称・機能等を理解させ,木船構造規程に従って部材寸法の計算・設計ができるようにする。

(3) 鋼船の各部の構造・名称・機能等を理解させ,鋼船構造規程によって,船殻部材の寸法を計算し,計画できる能力を養う。

(4) 鋼船構造規程・鋼船規則・外国の規則等の著しい差違を知り,これらの規則を使用しうる素地を養う。

(5) 槽船・漁船等特殊な船舶の構造の大要を理解させる。

内  容

(1) 船 舶 概 要            (11) 甲   板

(2) 木 船 構 造            (12) 隔   壁

(3) 船首材・船尾骨材・龍(りゅう)骨    (13) 深水タンク

(4) 舵(かじ)構造             (14) 機関室および軸室

(5) 単 底 構 造            (15) 各種防撓構造

(6) 二 重 底 構 造          (16) 船楼および甲板室

(7) 肋     骨            (17) 各 種 閉 口

(8) 梁(はり)               (18) 槽   船

(9) 梁(りょう)柱および甲板下縦桁(けた)  (19) 漁   船

(10) 外    板             (20) その他特殊船

 

4.船 舶 艤 装 目  標

 この科目は,船舶の性能を完全に発揮するため各種装置・設備をいかに設備し,その性能はどうあるかを理解させ,実際に船舶の安全と取締法規とに基いて,最適の設備をなしうる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 揚錨(びょう)・繋(けい)留に使用する各種艤装品の作用を理解させ,その数量・強度がかわる能力を養う。

(2) 操舵(だ)装置の種類とその機構および性能の特質を知り,簡単な故障原因がわかるようにする。

(3) 揚貨装置の機構を理解させ,各使用部材の寸法の割出しと,それに適した艤装ができる能力を養う。

(4) 居住設備について理解させるとともに,設備に必要な装置(通風・採光・暖冷房等)・器物・家具等の大要を会得させる。

(5) 諸管配置・ポンプ装置・防火設備および衛生設備を理解させる。

(6) 救命設備・通信設備等について理解させる。

(7) 船舶属具とその取付について理解させる。

内  容

(1) 揚錨・繋留装置    (8) 救 命 設 備

(2) 操 舵 装 置    (9) 諸 管 配 置

(3) 揚 貨 装 置    (10) 衛 生 設 備

(4) 船 内 配 置    (11) 防 火 設 備

(5) 居 住 設 備    (12) 属     具

(6) 採光・通風装置    (13) そ  の  他

(7) 暖房・冷房装置

 

5.船 舶 工 作 目  標

 この科目は,船舶建造は材料の加工・組立に関する理論・技術と,あらゆる科学の集積であるから,現在の工作法を熟知・理解させ,時とともに進歩し発展していく技術に即応する態度と習慣を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 造船用材料についてその特性と用途を熟知させる。

(2) 機械工作の基礎知識を理解させ応用の素地を養う。

(3) 現図作業の基礎知識を会得させ,現図作業ができる能力を養う。

(4) 鋼材加工作業についての知識を会得させる。

(5) 鋲(びょう)配置および鉸(こう)鋲作業についての知識を習得させる。

(6) 溶接の知識を理解させる。

(7) 組立・取付の基礎知識とその順序を理解させる。

(8) 進水台と進水工事の概要を会得させる。

(9) 船体の防錆・防腐・防汚(お)および保存手入れを理解させる。

(10) 艤装工事の各作業についての知識を習得させる。

(11) 舟艇建造について理解させる。

(12) 船体その他の検査の目的と方法を理解させる。

(13) 造船所の設備および配置について理解させる。

内  容

(1) 機 械 工 作     (8) 艤 装 工 作

(2) 船舶用材料および用途  (9) 舟 艇 工 作

(3) 現     図     (10) 塗 装 工 事

(4) 鋼 材 加 工     (11) 検     査

(5)  鋲・溶 接     (12) 造  船  所

(6) 現 場 工 事     (13) そ  の  他

(7) 進 水 工 事

 

6.船 舶 力 学 目  標

 この科目は,船体構造各部分に生ずる応力と変形の理解および船舶の性能と安定等についての理論と応用とにわたって習熟させるとともに,これらに関する計算能力を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 力・モーメントのつり合いを理解させ,つり合うに必要な条件も計算できる能力を養う。

(2) 面積・体積およびその中心と船舶の排水量等を求める諸計算法を理解させ,習熟させる。

(3) 浮体としての舶船のつり合いを決定する諸要素を理解させる。

(4) 重量物の移動による横傾斜および吃(きつ)水の変化等の計算ができる能力を習得させる。

(5) 静・動復原性について理解させ,その計算方法を会得させる。

(6) 静水および波浪中の船舶の動揺について理解させ,その軽減法を会得させる。

(7) 進水の基礎知識を理解させ,計算し,進水曲線を描く能力を養う。

(8) 船舶の抵抗とその性質をわからせ,所要馬力が計算できるようにし,かつ推進との関係を理解させる。

(9) 船舶の旋回と船型・舵との関係を理解させる。

(10) 試運転その他の性能試験について理解させ,その資料の整理方法を会得させる。

(11) 外力の性質を知り,計算し,それによって生ずる応力を計算する方法に習熟させる。

(12) 応力と歪との関係を理解させ,材料および構造物の強さを計算し,安全か否かの判断を下す能力を養う。

(13) 船体および船体各部に生ずる応力を理解させる。

内  容

Ⅰ 船 舶 計 算

 (1) 浮   体        (7) 進 水 計 算

 (2) 面積・体積とその重心   (8) 復 原 性

 (3) 排水量計算        (9) 動   揺

 (4) 横 傾 心        (10) 抵抗・推進・旋回

 (5) 縦 傾 心        (11) そ の 他

 (6) ト リ ム

Ⅱ 応用力学

 (1) 工 業 力 学      (4) 船 体 強 度

 (2) 材 料 力 学      (5) そ  の  他

 (3) 材 料 試 験

 

7.船 舶 設 計 目  標

 この科目は,使用目的をじゅうぶんに満足させて営利率の最も大にして調和のとれた船舶として実現させる方法・手順等を理解させ,習熟させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 船舶の経済的立場と具備すべき条件を理解させる。

(2) 船舶に対する要求を知り,これらを満足させるに必要な要目を導きだし,調和のとれた船として実現させる能力を養う。

(3) 与えられた条件によって初期設計を行う手順を理解させ,これに従って作図する能力を養う。

(4) 将来に備えて資料を解析し,整理する方法について会得させる。

内  容

(1) 設 計 概 説     (7) 船 体 重 量

(2) 用語および定義     (8) 速力・馬力

(3) 船     型     (9) 主 機 関

(4) 船体主要寸法      (10) 船 体 線 図

(5) 諸係数および近似式   (11) 一 般 配 置

(6) 排水量・載貨重量    (12) 仕様書その他

 

8.舶 用 機 関 目  標

 この科目は,総合的な船舶建造者に必要な船舶推進機関および補助機関の原理・構造の概要を理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 熱機関の基礎となる知識を習得させる。

(2) 燃料の性質および特徴を理解させる。

(3) 蒸気機関について理解させる。

(4) 内燃機関について理解させる。

(5) 舶用補助機関その他について理解させる。

内  容

(1) 熱力学概要       (6) 復  水  器

(2) 燃   料       (7) 内 燃 機 関

(3) ボ イ ラ       (8) 減速および伝導装置

(4) 蒸気機関        (9) 補機および甲板機械

(5) 蒸気タービン      (10) そ  の  他

 

9.溶  接 目  標

 この科目は,金属材料を冶金的に考察させ溶接構造の特色を理解させ,材料・設計および工作法にわたる適正な処置をとるに必要な知識を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種金属の接合の概要を理解させる。

(2) ガス溶接およびガス切断についての原理および器具の取扱法について理解・習得させる。

(3) 電気溶接の基礎知識および溶接機の原理について理解させる。

(4) 残留応力と変形およびその除法・防止方法について会得させる。

(5) 溶接設計および施工法について習得させる。

(6) 溶接部の検査方法について理解させ,実施する能力の素地を養う。

(7) 作業の安全について会得させる。

内  容

(1) 概     説       (7) 溶 接 設 計

(2) 基 礎 理 論       (8) ガス切断および溶接

(3) 溶  接  棒       (9) 溶接費の見積り

(4) 溶接接(つぎ)手の種類    (10) 溶接部の検査および試験

(5) 接手の図示法        (11) 安全および関係法規

(6) 残留応力および変形     (12) そ  の  他

 

10.造 船 幾 何 目  標

 この科目は,現図作業において船体の形状を決定し,各種船体鋼材の形状をうるに必要な基礎知識を理論的に習得させ,かつ応用する能力をつけさせることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものてある。

(1) 一般図法の基礎知識を習得させるとともに立体観念を養う。

(2) 現図場における線図および船体構成部材の描き方を理解させる。

(3) 梁矢(りょうし)・舷弧の描き方を習得させる。

(4) 船体構成の各種鋼板の展開法を理解させ,実際に応用できる能力を養う。

(5) 型取りの方法を理解させる。

内  容

(1) 一般図法               (6) 縦通材展開法

(2) 線図および船体寸法表         (7) その他の諸材展開法

(3) 梁矢・舷弧および船尾膨出部の描き方  (8) 諸管板取り法

(4) 斜肋骨および斜角           (9) そ の 他

(5) 外板展開法

 

11.法  規(船舶法規) 目  標

 この科目は,船舶は人命の安全を保持しなければならぬことを認識させ,船舶建造に必要な法令の有する意義を理解させ,習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 現行海事法令の存在意義を理解させる。

(2) 船舶積量測度諸法規の内容と適用とを理解させる。

(3) 船舶安全法および関係法令の内容と適用について理解・習得させる。

(4) 船用品取締法規の内容を理解させる。

内  容

(1) 船舶法規の概要     (6) 船舶設備規程

(2) 船舶積量測度      (7) 漁船特殊規程

(3) 船舶安全法       (8) 防火構造規程

(4) 船舶満載吃水線規程   (9) 船用品取締規程

(5) 船舶区劃規程      (10) そ の 他

 

4.電気に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,電気技術者として必要な基本的測定および観察により,その総合的理解と応用研究の能力をつちかうとともに,電気機器・電気通信機器の運転・試験・保守・製作・修理および電気工事に関する技術を習得させ,あわせて作業を通じて責任・規律・勤労・協調の態度・習慣を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 工具の正しい使い方を理解させ,簡単な手仕上作業ができるようにする。

(2) 旋盤・ボール盤等による主要工作法を理解させ,簡単な工作図に基いて,機械仕上作業ができるようにする。

(3) 鉄心組立・電気機器巻線・溶接等の基礎作業ができるようにする。

(4) 小型電気機器部品の製作・組立・修理ができるようにする。

(5) 電気工事の設計・見積・材料の選定ができるようにする。

(6) 各種の屋内配線工事ができるようにする。

(7) 各種の屋外配線工事と動力設備工事ができるようにする。

(8) トランシットの取扱法を理解させ,簡易な地形測量ができるようにする。

(9) 直流発電機・直流電動機・同期発電機・同期電動機および各種整流機器の運転・取扱と特性試験ができるようにする。

(10) 各種の変圧器・誘導電圧調整器・誘導電動機の運転・取扱と特性試験ができるようにする。

(11) 遮断器・継電器の取扱・調整と動作試験ができるようにする。

(12) 指示計器・記録計器・積算計器・オシログラフなどの取扱に習熟させ,簡単な較正・修理ができるようにする。

(13) 各種の抵抗・インダクタンス・静電容量・起電力・磁気・電力・電力量などの測定ができるようにする。

(14) 各種の電燈照明・電熱器具の試験ができるようにする。

(15) 各種の電子管の特性試験ができるようにする。

(16) 検漏器・増幅器・発振器・変調器・ろ波器等の組立・調整と特性試験ができるようにする。

(17) 高周波計測器の取扱法を理解させ,電圧・電流・電力・回路素子・周波数・電界等に関する測定ができるようにする。

(18) 各種の電話機・交換機と音響機器の保守・試験および通信線路の試験ができるようにする。

(19) 高電圧計測器の取扱法と材料試験法を理解させ,電気絶縁材料・磁気材料等の特性試験ができるようにする。

内  容

(1) 機械工作実習      (5) 電気計測実習

(2) 電気工作実習      (6) 照明・電熱実習

(3) 電気工事実習      (7) 電気通信実習

(4) 電気機器実習      (8) 電気材料試験

 

2.製  図 目  標

 この科目は,製図の基礎知識を習得させてこれを応用する能力をつちかうとともに,電気機器・電力設備・電気通信機器等の実際面との関連を理解させて,正しく製図する技術と正しく読む能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) JISによる製図の通則と製図用品の使用法を理解させ,文字・線・基本図形の描き方を習得させる。

(2) 投影図・断面図と寸法・記号の記入法を習得させる。

(3) 簡単な機械器具部品のスケッチと製図ができるようにする。

(4) 電気に関する標準シンボルを理解させ,各種の配線図・結線図・電路線が描けるようにする。

(5) 各種の電気機械・器具部品の分解・組立・構造等の製図ができるようにする。

(6) 発電所・変電所の結線図・機器配置図・すえ付図が描けるようにする。

(7) 通信機器に関する標準シンボルを理解させ,各種の通信機器の分解・組立・構造等の製図ができるようにする。

内  容

(1) 製図の基礎        (4) 電気機器工作図

(2) 形体の図示        (5) 発変電所設備図

(3) 機械・器具部品工作図   (6) 電気通信機器構造結線図

 

3.電 気 理 論 目  標

 この科目は,電気・磁気に関する諸現象を体系的に解明して電気の基礎理論を理解させ,これを実際に応用する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気や磁気に関する現象を解明させ,これに関する法則・定理等を理解させる。

(2) 電流によって生ずる諸現象を理解させる。

(3) 直流回路の性質を理解させ,直流回路の計算ができるようにする。

(4) 磁気現象を解明させ,電流と磁気の関係と電磁力等について理解させる。

(5) 静電気現象を解明させ,その応用について理解させる。

(6) 交流の基本的性質を理解させる。

(7) 交流回路の性質を理解させ,交流回路の計算ができるよにする。

(8) 3相交流の性質を理解させ,その取扱や計算ができるようにする。

(9) 歪波交流の性質について理解させる。

(10) 電子の性質とその作用について理解させる。

(11) 過渡現象の大要について理解させる。

内  容

(1) 直 流 回 路     (5) 3相交流回路

(2) 電 気 と 磁 気   (6) 電子とその作用

(3) 静  電  気     (7) 過渡現象

(4) 交 流 回 路

 

4.電 気 計 測 目  標

 この科目は,電気・磁気に関する測定の理論と方法およびこれに使用する計測器の原理・構造・特性などを理解させ,その適切な使用能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気・磁気の各種標準器の大要を理解させる。

(2) 電気計器の構成要素について理解させる。

(3) 各種指示電気計器の原理・構造・性能を理解させ,正しい取扱ができるようにする。

(4) 記録計器および特殊計器の大要について理解させる。

(5) 各種抵抗・インダクタンス・静電容量・インピーダンスの測定法と測定器について理解させる。

(6) 磁気に関する測定法を理解させる。

(7) 電位差計・オシログラフ等各種測定器の原理・構造・性能の大要を理解させ,その取扱ができるようにする。

(8) 電気応用測定の概要について理解させる。

内  容

(1) 指示電気計器              (5) 磁 気 測 定

(2) 記録・積算計器             (6) 電気応用測定

(3) 抵抗・インダクタンス・静電容量の測定法

(4) 電流・電圧・周波数および波形の測定

 

5.電 気 材 料 目  標

 この科目は,電気材料の性質・種類・試験法を理解させ,用途に応じ適切な材料の選択ができる能力を養うとともに,材料の進歩が工業の発達にいかに重要な要素であるかを理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 気体および液体中の放電現象の大要を理解させる。

(2) 固体の電気伝導および絶縁破壊についてその概要を理解させる。

(3) 導電材料・抵抗材料(半導体を含む)・絶縁材料・塑性材料の種類・性質・用途を理解させ,用途に応じ適切な材料を選ぶことができるようにする。

(4) 材料の試験法を理解させ,その測定ができるようにする。

内  容

(1) 電気伝導と絶縁破壊     (5) 絶 縁 材 料

(2) 誘 電 体 損       (6) 磁 性 材 料

(3) 導 電 材 料       (7) 特 殊 材 料

(4) 抵抗材料および半導体材料  (8) 材 料 試 験 法

 

6.電 気 機 器 目  標

 この科目は,電気機器の原理・構造・特性を理解させ,試験・保守・運転の技術を養うとともに,設計・製作・修理の基礎能力を習得させることを目標として,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 直流発電機の原理・構造・特性を理解させる。 

(2) 直流電動機の原理・特性・運転について理解させる。

(3) 特殊直流機の大要を理解させる。

(4) 変圧器の原理・構造・特性および試験・保守について理解させる。

(5) 特殊変圧器の構造・特性の大要について理解させる。

(6) 同期発電機の原理・構造および特性を理解させる。

(7) 同期発電機の運転・試験・保守について理解させる。

(8) 同期電動機の原理・特性・運転について理解させる。

(9) 誘導電動機の原理・構造・特性について理解させる。

(10) 誘導電動機の起動・運転および試験・保守について理解させる。

(11) 特殊誘導機の原理・構造・特性・運転等の大要について理解させる。

(12) 交流整流機の原理・構造・機能について簡単に理解させる。

(13) 回転変流機の原理・構造および特性・運転について理解させる。

(14) 水銀整流機の原理・構造および特性・運転について理解させる。

(15) 各種整流機器の原理・構造・特性・運転等の大要について理解させる。

内  容

(1) 直 流 機    (4) 誘 導 機

(2) 変 圧 器    (5) 整 流 機 器

(3) 同 期 機

 

7.発 変 電 所 目  標

 この科目は,発変電所に関する基礎理論・設備・特性を理解させるとともに,電力設備の運転・保守・試験等について習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電力系統とその構成要素を全般的に理解させる。

(2) 発電水力に関する基礎知識を習得させる。

(3) 発電用ダム・取水設備・水路・水槽(そう)などの構成・機能について理解させる。

(4) 各種水車および付属設備の構造と機能について理解させる。

(5) 水力発電所の電気設備の概要を理解させる。

(6) 水力発電所の計画・運用の概要を理解させる。

(7) 発電用燃料の種類・性質・燃焼・通風について理解させる。

(8) 蒸気の特性および熱サイクル・熱勘定などの大要について理解させる。

(9) ボイラおよび付属装置の構造・機能を理解させる。

(10) 蒸気タービンおよび付属装置の原理・構造・機能を理解させる。

(11) 火力発電所の計画・運用の概要を理解させる。

(12) 特殊発電の概要を理解させる。

(13) 変電所の種類・構成・機能および主要機器について理解させる。

(14) 変電所の運転・保守ならびに給電指令について理解させる。

内  容

(1) 電力系統の構成    (4) 燃料と蒸気

(2) 発 電 水 力    (5) 火力発電設備

(3) 水力発電設備     (6) 変 電 所

 

8.送 配 電 目  標

 この科目は,送電・配電に関する理論・設備・特性を理解させるとともに,送電・配電線路の建設・運転・保守の概要を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 送電系統とその方式を理解させる。

(2) 架空送電線路の構成・建設について理解させる。

(3) 地中送電線路の構成・建設について理解させる。

(4) 送電線路の電気的特性を理解させ,簡単な計算ができるようにする。

(5) 送電線の保護および保安装置について理解させる。

(6) 送電線路の運転と保守について理解させる。

(7) 配電系統とその方式を理解させる。

(8) 配電用変電所の構成・機能について理解させる。

(9) 架空配電線路の構成・建設について理解させる。

(10) 地中配電線路の構成・建設について理解させる。

(11) 配電線路の運転・試験・保守について理解させる。

(12) 屋内配線について理解させる。

(13) 自家用電気設備と電気工事方法について理解させる。

内  容

(1) 送 電 線 路       (4) 配 電 線 路

(2) 送電線路の電気的特性    (5) 屋 内 配 線

(3) 送配電線路の保護と保守

 

9.電 気 通 信 目  標

 この科目は,電気通信に関する理論を習得させ,各種通信機器の原理・構造・性能の概要を理解させ,簡単な通信機器の取扱ができる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種電子管とその回路を理解させる。

(2) 伝送回路の構成とその特性を理解させる。

(3) 電波の性質と空中線の構造・特性を理解させる。

(4) 無線通信の構成について理解させる。

(5) 無線通信機器の原理・構造・特性を理解させ,簡単な取扱法を習得させる。

(6) 有線通信の構成について理解させる。

(7) 有線通信機器の原理・構造・特性を理解させ,簡単な取扱法を習得させる。

(8) 搬送通信の大要について理解させる。

(9) 特殊通信の大要について理解させる。

(10) 電気通信の各種応用について理解させる。

内  容

(1) 電子管回路      (5) 有線通信機器

(2) 伝送回路       (6) 特 殊 通 信

(3) 電波と空中線     (7) 各種電気通信応用

(4) 無線通信機器

 

10.電 気 応 用 目  標

 この科目は,電気の応用されている各種の施設・設備などについて,その電気的性質・構成・取扱方などを理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 照明に利用される光源の性質を理解させ,光に関する測定方法を理解させる。

(2) 照明方式および照明器具について理解させ,簡単な照明設計ができるようにする。

(3) 電熱の発生方法と電熱材料について理解させ,電熱応用の現状を理解させる。

(4) 各種電動機の特性の相異を理解させ,負荷の特性に適した電動機の選定ができるようにする。

(5) 電気鉄道の概要を理解させる。

(6) 電気化学に関する理論の大要を理解させ,電気化学工業の現状について理解させる。

(7) その他の電気を用いる各種設備の大要を理解させる。

内  容

(1) 光     源      (5) 電 気 鉄 道

(2) 照     明      (6) 電 気 化 学

(3) 電熱とその応用      (7) その他の電気応用

(4) 電 動 機 応 用

 

11.電 力 設 備 目  標

 この科目は,発変電所・送配電の基礎知識を応用し,電力輸送・異常現象等の理論,主要電力設備の構造・機能に関する理解を深めその運用上の技術を習得させ,あわせて電力系統計画の立場を理解させ,変電所・鉄塔・鉄柱などの設計の基礎能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 空気中の放電ならびにコロナの機構・特性について理解させる。

(2) 電力系統における電圧上昇,その他の異常現象を理解させる。

(3) 異常電圧防護の保護装置ならびに絶縁協調について理解させ,その選定ができるようにする。

(4) 送電線路の計画ならびに設計の基礎を理解させる。

(5) 構造物解法の基礎知識を習得させる。

(6) 鉄塔・鉄柱等が設計できるようにする。

(7) 同期発電機・変圧器・調相設備の構造上の特徴・運転特性等を理解させ,その取扱ならびに選定ができるようにする。

(8) 回路遮(しゃ)断の特性を理解させる。

(9) 開閉装置の種類・定格および各種遮断器の構造・機能を理解させ,その取扱ならびに選定ができるようにする。

(10) 保護継電器の構造・機能を理解させ,その取扱ならびに選定ができるようにする。

(11) 保護継電方式を理解させ,その適用ができるようにする。

(12) 変電所設計の基礎を理解させる。

(13) 変電所または自家用変電設備の設計ができるようにする。

内  容

(1) 空気中の放電        (5) 電力開閉装置

(2) 異常電圧と防護       (6) 保護継電器と保護方式

(3) 送電線路の計画と設計    (7) 変電所の計画と設計

(4) 主要電力機器の運用     (8) 電力系統運転上の問題と対策

 

12.電 機 設 計 目  標

 この科目は,電気機器設計の基礎的な要素と設計方法の大要を理解させ,変圧器・3相誘導電動機の簡単な設計ができる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気機器設計の順序・方法を理解させる。

(2) 電気機器の設計に必要な仕様について理解させる。

(3) 電気機器の構成材料の種類・性質等を理解させる。

(4) 電気機器設計における構造・寸法の基本的な決定方法について理解させる。

(5) 変圧器の設計方法を理解させ,簡単な変圧器の設計ができるようにする。

(6) 3相誘導電動機の設計方法を理解させ,簡単な3相誘導電動機の設計ができるようにする。

内  容

(1) 電気機器設計の基礎    (3) 変圧器の設計

(2) 電気機器の構成材料    (4) 3相誘導電動機の設計

 

13.通 信 機 器 目  標

 この科目は,電気通信の基礎知識を応用して,通信機器の設計・運用の技術を習得させ,通信機器の他方面への応用能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 有線電信電話機・交換機・搬送電話設備等の機能に関する理解を深め,その保守ができるようにする。

(2) 通信線路の機能を理解させ,その保守ができるようにする。

(3) 電子管回路の理解を深め,その設計と取扱ができるようにする。

(4) 伝送回路網の理論の理解を深め,その設計・計算ができるようにする。

(5) 高周波測定機器の構造・機能を理解させ,高周波測定ができるようにする。

(6) 無線通信機器の機能の理解を深め,その設計・調整と取扱ができるようにする。

(7) 電気音響機器の構造・機能を理解させ,その取扱ができるようにする。

(8) テレビジョンおよび各種電波応用について理解させる。

(9) 国内および国際電気通信法規について理解させ,その適用ができるようにする。

内  容

(1) 有線通信機器の保守     (4) 高周波測定および高周波応用

(2) 電子管回路の設計と取扱   (5) 電気通信法規

(3) 無線通信機器の運用

 

14.電 気 法 規 目  標

 この科目は,電気施設の現場に働くために直接に必要な電気法規と電気関係の諸法規の概要を理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 現行電気関係諸法規の沿革を理解させる。

(2) 現行電気関係諸法規の体系と相互関係を理解させる。

(3) 電気事業に関する法令の大要を理解させる。

(4) 電気通信関係法規の大要を理解させる。

(5) 電気工作物規程の内容とその適用について理解させる。

(6) 電気用品取締規則の必要性とその内容を理解させる。

(7) 電気料金のきめ方と,現行料金制の概要を理解させる。

内  容

(1) 電気関係法規の概要    (4) 電気用品取締規則

(2) 公益事業令        (5) 電気通信関係法規

(3) 電気工作物規定

 

5.電力に関する科目

 

1.実  習

目  標

 この科目は,電気技術者として必要な電気に関する測定・試験に関する技術,機器の取扱,電気工事に関する技能,機械工作の基本作業と電気工作に関する技能等を習得させ,あわせて責任・規律・勤労・協調の態度を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 簡単な手仕上作業ができるようにする。

(2) おもな工作機械の取扱法を習得させ,簡単な機械仕上作業ができるようにする。

(3) 電気機器の簡単な組立・修理ができるようにする。

(4) 電気工作の基本作業を習得させ,電気工作に関する作業ができるようにする。

(5) 屋内配線工事ができるようにする。

(6) 電気機器の運転と保守ができるようにする。

(7) 電気機器の各種試験ができるようにする。

(8) 遮断器・継電器などの取扱と試験ができるようにする。

(9) 指示計器・記録計器・積算計器・オシログラフ等の取扱に習熟させ,簡単な較正・修理ができるようにする。

(10) 抵抗・インダクタンス・静電容量・電流・起電力・電力・電力量の測定ができるようにする。

(11) 電燈照明・電熱に関する測定および試験ができるようにする。

(12) 真空管およびその回路の取扱ができるようにする。

(13) 簡単な通信機器の取扱ができるようにする。

(14) 簡単な高電圧の取扱と材料試験ができるようにする。

内  容

(1) 機械工作実習      (5) 電気通信実習

(2) 電気計測実習      (6) 電気工事実習

(3) 電気機器実習      (7) 電気工作実習

(4) 電気照明実習

 

2.製  図 目  標

 この科目は,製図の基礎知識を習得させてこれを応用する能力をつちかうとともに,電気機器・電力設備・電気通信機器等の実際面との関連を理解させて,正しく製図する技術と正しく読む能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) J・I・Sによる製図の通則と製図用品の使用法を理解させ,文字・線・基本図形の描き方を習得させる。

(2) 投影図・断面図と寸法・記号の記入法を習得させる。

(3) 箇単な機械器具部品のスケッチと製図ができるようにする。

(4) 電気に関する標準シンボルを理解させ,各種の配線図・結線図・電路線図が描けるようにする。

(5) 各種の電気機械・器具部品の分解・組立・構造等の製図ができるようにする。

(6) 発電所・変電所の結線図・機器配置図・すえ付図が描けるようにする。

(7) 通信機器に関する標準シンボルを理解させ,各種の通信機器の分解・組立・構造等の製図ができるようにする。

内  容

(1) 製図の基礎        (4) 電気機器工作図

(2) 形体の図示        (5) 発変電所設備図

(3) 機械・器具部品工作図   (6) 電気通信機器構造結線図

 

3.電 気 理 論 目  標

 この科目は,電気・磁気に関する諸現象を体系的に解明して電気の基礎理論を理解させ,これを実際に応用する能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気や磁気に関する現象とこれに関する法則・定理等を理解させる。

(2) 電流によって生ずる諸現象を理解させる。

(3) 直流回路の性質を理解させ,直流回路の計算ができるようにする。

(4) 磁気現象と電流と磁気との関係と電磁力等について理解させる。

(5) 静電気現象とその応用について理解させる。

(6) 交流の基本的性質を理解させる。

(7) 交流回路の性質を理解させ,交流回路の計算ができるようにする。

(8) 3相交流の性質を理解させ,その取扱や計算ができるようにする。

(9) 歪波交流の性質について理解させる。

(10) 電子の性質とその作用について理解させる。

(11) 過渡現象の大要について理解させる。

内  容

(1) 直 流 回 路      (5) 3相交流回路

(2) 電 気 と 磁 気    (6) 電子とその作用

(3) 静  電  気      (7) 過 渡 現 象

(4) 交 流 回 路

 

4.電 気 計 測 目  標

 この科目は,電気・磁気に関する測定の理論とその方法およびこれに使用する計測器の原理・構造・特性などを理解させ,その適切な使用能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気・磁気の各種標準器の大要を理解させる。

(2) 電気計器の構成要素について理解させる。

(3) 各種指示電気計器の原理・構造・性能を理解させ,正しい取扱ができるようにする。

(4) 積算計器の原理・構造・特性について理解させ,その取扱ができるようにする。

(5) 記録計器および特殊計器の大要について理解させる。

(6) 各種抵抗・インダクタンス・静電容量・インーダンスの測定法と測定器について理解させる。

(7) 磁気に関する測定法を理解させる。

(8) 電位差計・オシログラフ等各種測定器の原理・構造・性能の大要を理解させ,その取扱ができるようにする。

(9) 電気応用測定の概要について理解させる。

内  容

(1) 指示電気計器              (5) 磁 気 測 定

(2) 記録・積算計器             (6) 電気応用測定

(3) 抵抗・インダクタンス・静電容量の測定法

(4) 電流・電圧・周波数および波形の測定

 

5.電 気 材 料 目  標

 この科目は,電気材料の性質・種類・試験法を理解させ,用途に応じ適切な材料の選択ができる能力を養うとともに,材料の進歩が工業の発達にいかに重要な要素であるかを理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 気体および液体中の放電現象の大要を理解させる。

(2) 固体の電気伝導および絶縁破壊についてその概要を理解させる。

(3) 導電材料・抵抗材料(半導体を含む)・絶縁材料・磁性材料の種類・性質・用途を理解させ,用途に応じ適切な材料を選ぶことができるようにする。

(4) 材料の試験法を理解させ,その測定ができるようにする。

内   容

(1) 電気伝導と絶縁破壊      (5) 絶 縁 材 料

(2) 誘 電 体 損        (6) 磁 性 材 料

(3) 導 電 材 料        (7) 特 殊 材 料

(4) 抵抗材料および半導体材料   (8) 材 料 試 験 法

 

6.電 気 機 器 目  標

 この科目は,電気機器の原理・構造・特性を理解させ,試験・保守・運転の技術を養うとともに,設計・製作・修理の基礎能力を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 直流発電機の原理・構造・特性を理解させる。

(2) 直流電動機の原理・特性・運転について理解させる。

(3) 特殊直流機の大要を理解させる。

(4) 変圧器の原理・構造・特性および試験・保守について理解させる。

(5) 特殊変圧器の構造・特性の大要について理解させる。

(6) 同期発電機の原理・構造および特性を理解させる。

(7) 同期発電機の運転・試験・保守について理解させる。

(8) 同期電動機の原理・特性・運転について理解させる。

(9) 誘導電動機の原理・構造・特性について理解させる。

(10) 誘導電動機の起動・運転および試験・保守について理解させる。

(11) 特殊誘導機の原理・構造・特性・運転等の大要について理解させる。

(12) 交流整流機の原理・構造・機能について簡単に理解させる。

(13) 回転変流機の原理・構造および特性・運転について理解させる。

(14) 水銀整流機の原理・構造および特性・運転について理解させる。

(15) 各種整流機器の原理・構造・特性・運転等の大要について理解させる。

内  容

(1) 直 流 機     (4) 誘 導 機

(2) 変 圧 器     (5) 整 流 機 器

(3) 同 期 機

 

7.発 変 電 所 目  標

 この科目は,発変電所に関する基礎理論,設備・特性を理解させるとともに,電力設備の運転・保守・試験等について習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電力系統とその構成要素を全般的に理解させる。

(2) 発電水力に関する基礎知識を習得させる。

(3) 発電用ダム・取水設備・水路・水槽などの構成・機能について理解させる。

(4) 各種水車および付属設備の構造と機能について理解させる。

(5) 水力発電所の電気設備の概要を理解させる。

(6) 水力発電所の計画・運用の概要を理解させる。

(7) 発電用燃料の種類・性質・燃焼・通風について理解させる。

(8) 蒸気の特性および熱サイクル・熱勘定などの大要について理解させる。

(9) ボイラおよび付属装置の構造・機能を理解させる。

(10) 蒸気タービンおよび付属装置の原理・構造・機能を理解させる。

(11) 火力発電所の計画・運用の概要を理解させる。

(12) 特殊発電の概要を理解させる。

(13) 変電所の種類・構成・機能および主要機器について理解させる。

(14) 変電所の運転・保守ならびに給電指令について理解させる。

内  容

(1) 電力系統の構成    (4) 燃料と蒸気

(2) 発 電 水 力    (5) 火力発電設備

(3) 水力発電設備     (6) 変 電 所

 

8.送 配 電 目  標

 この科目は,送電・配電に関する理論・設備・特性を理解させるとともに,送電・配電線路の建設・運転・保守の概要を習得させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 送電系統とその方式を理解させる。

(2) 架空送電線路の構成・建設について理解させる。

(3) 地中送電線路の構成・建設について理解させる。

(4) 送電線路の電気的特性を理解させ,簡単な計算ができるようにする。

(5) 送電線の保護および保安装置について理解させる。

(6) 送電線路の運転と保守について理解させる。

(7) 配電系統とその方式を理解させる。

(8) 配電用変電所の構成・機能について理解させる。

(9) 架空配電線路の構成・建設について理解させる。

(10) 地中配電線路の構成・建設について理解させる。

(11) 配電線路の運転・試験・保守について理解させる。

(12) 屋内配線について理解させる。

(13) 自家用電気設備と電気工事方法について理解させる。

内  容

(1) 送 電 線 路        (4) 配 電 線 路

(2) 送電線路の電気的特性     (5) 屋 内 配 線

(3) 送配電線路の保護と保守

 

9.電 気 通 信 目  標

 この科目は,電気通信に関する理論の大要を習得させ,各種通信機器の原理・構造・性能の概要を理解させ,簡単な通信機器の取扱ができる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 各種電子管とその回路を理解させる。

(2) 伝送回路の構成とその特性を理解させる。

(3) 電波の性質と空中線の構造・特性を理解させる。

(4) 無線通信の構成について理解させる。

(5) 無線通信機器の原理・構造・特性を理解させ,箇単な取扱法を習得させる。

(6) 有線通信の構成について理解させる。

(7) 有線通信機器の原理・構造・特性を理解させ,簡単な取扱法を習得させる。

(8) 搬送通信の大要について理解させる。

(9) 特殊通信の大要について理解させる。

(10) 電気通信の各種応用について理解させる。

内  容

(1) 電 子 管 回 路     (5) 有線通信機器

(2) 伝 送 回 路       (6) 特 殊 通 信

(3) 電波と空中線        (7) 各種電気通信応用

(4) 無線通信機器

 

10.電 気 応 用 目  標

 この科目は,電気の応用されている各種の施設・設備などについて,その電気的性質・構成・取扱方などを理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 照明に利用される光源の性質を理解させ,光に関する測定方法を理解させる。

(2) 照明方式および照明器具について理解させ,簡単な照明設計ができるようにする。

(3) 電熱の発生方法と電熱材料について理解させ,電熱応用の現状を理解させる。

(4) 各種電動機の特性の相異を理解させ,負荷の特性に適した電動機の選定ができるようにする。

(5) 電気鉄道の概要を理解させる。

(6) 電気化学に関する理論の大要を理解させ,電気化学工業の現状について理解させる。

(7) その他の電気を用いる各種設備の大要を理解させる。

内  容

(1) 光   源         (5) 電 気 鉄 道

(2) 照   明         (6) 電 気 化 学

(3) 電熱とその応用       (7) その他の電気応用

(4) 電 動 機 応 用

 

11.電 機 設 計 目  標

 この科目は,電気機器設計の基礎的な要素と設計方浩の大要を理解させ,変圧器・3相誘導電動機の簡単な設計ができる能力を養うことを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 電気機器設計の順序・方法を理解させる。

(2) 電気機器の設計に必要な仕様について理解させる。

(3) 電気機器の構成材料の種類・性質等を理解させる。

(4) 電気機器設計における構造・寸法の基本的な決定方法について理解させる。

(5) 変圧器の設計方法を理解させ,簡単な変圧器の設計ができるようにする。

(6) 3相誘導電動機の設計方法を理解させ,簡単な3相誘導電動機の設計ができるようにする。

内  容

(1) 電気機器設計の基礎    (3) 変圧器の設計

(2) 電気機器の構成材料    (4) 3相誘導電動機の設計

 

12.電 気 法 規 目  標

 この科目は,電気施設の現場に働くために直接に必要な電気法規と電気関係の諸法規の概要を理解させることを目標とし,次の事項の達成を目ざすものである。

(1) 現行電気関係諸法規の沿革を理解させる。

(2) 現行電気関係諸法規の体系と相互関係を理解させる。

(3) 電気事業に関する法令の大要を理解させる。

(4) 電気通信関係法規の大要を理解させる。

(5) 電気工作物規程の内容とその適用について理解させる。

(6) 電気用品取締規則の必要性とその内容を理解させる。

(7) 電気料金の決め方と,現行料金制の概要を理解させる。

内  容

(1) 電気関係法規の概要      (4) 電気用品取締規則

(2) 公 益 事 業 令      (5) 電気通信関係法規

(3) 電気工作物規程