1 教育課程編成の方針
教育課程は,以上の章に示したところに従い,地域社会および学校の状況を老慮し,下記により編成されなければならない。
(2) 全学年を通じて一貫した計画のもとに,教科,科目およびその単位数ならびに特別教育活動およびその時間数を配当し,組織的,能率的な指導ができるように教育課程を編成する。
(3) 共通に必要とする教養をなるべく広く与えることができるようにとともに,個個の生徒の希望により自由に選択することができるように,教科,科目およびその単位数を設ける。
(4) 各教科,科目および特別教育活動の指導が,全体としての教育課程の中で調和を保つように編成する。
(イ) 入学当初においては,生徒が個性や進路に適した教科,科目を選択することが困難であり,学校としての選択指導もその後の時期に行うことがより適切であるから,第1学年において履修する教科,科目およびその単位数は,できるだけこれを共通にする。
この場合,他の教科,科目の履修を前提としないでも履修できるような基礎的な教科,科目を,できるだけ大きい単位数で配当する。
(ウ) 第2学年以後においては,生徒の個性や進路の傾向を重んじ,重点をおいて学習すべき教科群を中心として教育課程を編成する。
ただし,重点をおく教科以外についても,小さい単位数でもよいから,できるだけ広い一般教養が得られるように調和的に科目を配当する。
(エ) 上のようにして編成された教育課程の類型においては,各教科,科目の学習ができるだけ他の教科,科目の学習に活用されるように,その履修の順序を定める。
(オ) 類型の中においても,共通に履修すべき教科,科目の単位数のほかに,個人差に応じ,またある程度の進路や希望の変更に応ずることができるように,生徒が自由に選択履修できる科目の単位数を設け,またはある科目をさらに大きい単位数で履修できるようにする。
(カ) 教科,科目を学年に配当するに当っては,1個学年においてできるだけまとまった経験が与えられるようにその単位数を決め,指導時間数の細分化を避ける。
(イ) 専門的な技能を重視するあまり,その時間数をいたずらに増して,生徒の負担過重にならないように注意する。
(ウ) その他,上記(1)の(エ),(オ)および(カ)の趣旨による。
(イ) 定時制の普通課程において各学年に平均して年間総時間数を配当する場合は,原則として,第1,第2学年において基礎的な教科,科目をできるだけ共通にし,第3,第4学年において生徒が個性や進路に応じて学習できるような教育課程を編成する。
(ウ) その他,上記(1)および(2)の趣旨による。
学校は,教育課程の類型または自由に選択させる教科,科目のうち,生徒がいかなるものを選んで履修したらよいかについて,下記により,じゅうぶんな指導を行わなければならない。
(2) 学校は,その教育課程について,個個の課程または類型の特性と目標とを明らかに生徒に理解させ,それぞれの課程または類型において,共通に履修することを要する教科,科目およびその単位数と,個個の生徒が自由に選択履修することのできる教科,科目およびその単位数との関係をじゅうぶんに理解させるようにする。
(3) 学校は,学年の開始以前,じゅうぶんな余裕のある時期において,課程別または類型別に,教科,科目および単位数の配当表等を生徒に示し,その履修について適切な指導を与える。
高等学校学習指導要領一般編
MEJ2388
昭和30年12月3日 印刷
昭和30年12月5日 発行
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